光触媒(ひかりしょくばい)関連商品の抗菌調査

掲載日:2020年1月7日

1 はじめに

 目的

最近、光触媒関連商品として抗菌等をうたった商品が普及しているが、安全性やその実態については、消費者にあまり情報がない。そこで抗菌をうたう商品について、実際に調査し、どれだけの効果があるかの実態調査を行う。調査結果については、消費者へ情報提供することにより安全で安心できる消費生活の実現の一助とする。
(注):「光触媒」とは、光を吸収することで化学反応を促進させる物質のことをいう。代表的な光触媒は酸化チタンで、酸化チタンをコーティングした材料の表面に太陽や蛍光灯の光があたると、酸化反応が生じ、表面にある汚れなどの有機物を分解する。こうした性質から、「抗菌」「脱臭」「空気浄化」「防汚」などの作用を持つといわれている。なお、光触媒の基本的な原理は、1972年に日本の科学者により発見された。 

調査期間

平成19年4月から20年3月まで

 共同研究機関等

共同研究機関 神奈川県衛生研究所 

抗菌試験機関 財団法人 北里環境科学センター

研究協力機関 財団法人 神奈川科学技術アカデミー

 2 調査内容及び調査方法

モニター199名を対象にインターネットによるアンケート調査を実施した。 有効回答者188名(回答率94.5%)

実態調査

どのような光触媒関連商品が販売されているかインターネット上で調査した。

抗菌性試験

(1)  抗菌性試験方法
日本工業規格JIS R 1702:2006 「ファインセラミックス-光照射下での光触媒抗菌加工製品の抗菌性試験方法・抗菌効果」(以後「JIS R 1702」と略す)に示されている光触媒抗菌加工繊維の抗菌性試験に準じて実施した。検査に使用する菌種は、大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)とした。

(2) 抗菌性試験の概要
一定の生菌数となるように、試験菌液を調製し、これを光触媒加工した試験品と光触媒無加工の試験品に滴下する。これに6時間光照射を行い、商品細切片表面の生菌数を計測する。その際の紫外線(UV)強度は、室内に太陽光が入る、窓から1.5m程度とする。同様の試験を暗所においても実施し、光照射した場合の生菌数の変化を比較し、光触媒効果を判定する。

3 調査結果

光触媒関連商品の種類

実際にどの種類の光触媒関連商品がインターネット上で販売されているかを調査すると以下のようなものが認められた。

光触媒関連商品

 
No. 商品の種類 光触媒素材表示 表示されている効果 販売サイト数 販売価格(販売単位)(円)
1 靴下 銀イオン 除菌 1 1,580
2 スプレー 二酸化チタン 消臭、除菌 6 880から3,990
3 スリッパ 銀イオン - 1 1,380から 1,980
4 消臭用品(インテリアタイプ) 二酸化チタン 消臭、抗菌 4 399から1,779
5 タオル 二酸化チタン,銀イオン 消臭・除菌 8 698から3,150
6 ふきん 銀イオン 除菌 1 397から698
7 マスク 二酸化チタン、銀イオン 除菌 10 378から2,625
8 バスマット 銀イオン 除菌 1 1,100
9 酸化チタン(「光触媒の元」と表示) 酸化チタン 消臭・抗菌・抗カビ 1 840
10 寝具 - 消臭・抗菌 1 10,290から 39,900
11 人工植物(造花、樹木) 酸化チタン、二酸化チタン 消臭・抗菌・シックハウス防止 8 788から84,000

抗菌性試験結果

結果は以下のとおりであった。

商品細切片表面上の大腸菌数

 
No. 商品 素材
(光触媒素材)
暗所・光照射 作用時間
0時間での菌数 6時間後の菌数
1 マスク1 コットン 暗所 1,400 56,000
光照射 (1,400) 15,000
2 光触媒加工マスク1 不織布
(酸化チタン)
暗所 (1,400) 1,300
光照射 (1,400) 20未満
3 マスク2 不織布 暗所 2,200 32,000
光照射 (2,200) 8,200
4 光触媒加工マスク2 不織布
(銀)
暗所 (2,200) 20未満
光照射 (2,200) 20未満
5 タオル1 綿 暗所 1,700 13,000
光照射 (1,700) 7,000
6 光触媒加工タオル1 綿
(酸化チタン)
暗所 (1,700) 18,000
光照射 (1,700) 10,000
7 タオル2 ポリエステル,ナイロン 暗所 1,500 27,000
光照射 (1,500) 4,400
8 光触媒タオル2 ポリエステル,ナイロン
(二酸化チタン)
暗所 (1,500) 140,000
光照射 (1,500) 37,000

( )内は推定値:細菌数を一定となるよう調製し、検体へ接種するため0時間では光触媒無加工製品と同値と推定される。

 

光照射による効果

JISにより光触媒抗菌加工繊維製品の光照射による効果判定方法が記載されている。この算式に基づいて、試算すると以下のとおりとなった。

 
商品 抗菌効果(S0.1 光照射による効果(ΔS)
光触媒加工マスク1 2.8 1.2
光触媒加工マスク2 2.6 -0.5
光触媒加工タオル1 -0.1 0.0
光触媒加工タオル2 -0.9 -0.2

JIS R 1702:2006によるとΔSが2以上であれば光照射による効果が、また、Sが2以上であれば抗菌効果が認められるとしている。今回の試算では、光触媒加工マスク2商品では、それを上回ったものの、光照射による効果は2を上回る数値は認められなかった。

4 考察及びまとめ

 アンケートでは「光触媒」という言葉を知っていたのは回答者188名の4割程度であった。
○ 今回の調査では、商品に光照射した場合、光触媒加工マスク2商品において、接種した大腸菌数の減少がみとめられた。光触媒加工商品では太陽光に含まれる紫外線の作用により抗菌効果が発現することから、それが酸化チタンによる光触媒効果であるかは不明である。銀による光触媒加工マスクでは顕著な菌数の減少が認められたが、効果判定算式による試算においては光照射による効果とは判定できなかった。
○ タオルの場合は、光触媒加工をした商品と、そうでない商品の差がほとんど見られず、光照射による効果は顕著ではなかった。

5 詳細は以下のところへ

6 消費生活相談は、消費者ホットライン188番をご利用ください

188

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