海外駐在員の活動レポート(2019年7月・北米事務所)
世界最大級のバイオ分野の展示会が開催
2019年6月に米国・フィラデルフィアにて世界最大級のバイオ分野の展示会「2019バイオインターナショナルコンベンション」が開催された。
来場者約1万7千人、約1,800社が出展したこの展示会にジェトロがジャパンパビリオンを設置し、日本企業23社が出展した。今回は、神奈川県から出展した株式会社グライコテクニカ(横浜市)についてレポートしたい。
同社は、糖鎖解析(糖鎖プロファイリング)に関する世界最先端で唯一のプラットフォーム技術を持つバイオテクノロジー企業である。
同社の山田雅雄氏(取締役兼技師長)によれば、「弊社の糖鎖解析技術は、産業技術総合研究所などとの共同研究によって生まれた純国産の技術である。現在のバイオの研究開発の現場では、米国製の製品・技術に囲まれているが、純国産の技術をバイオの本場の米国で展開できることに誇りを持っている。」と熱く語っていた。
すでに同社の売上の半分以上が、欧米を中心とする海外の企業や大学などの研究所向けであり、特に米国は重要な市場と捉えている。
3年前に出展した「2016バイオインターナショナルコンベンション」での商談などをきっかけとして、2017年8月には、ペンシルバニア大学に隣接するウィスター研究所の中に糖鎖解析受託サービスセンターを開所した。
この拠点では、大学との共同研究のほか、顧客向け受託解析サービスの提供や技術的なサポートを行っており、米国を中心とした海外での需要増加に対応する体制となっている。
米国に拠点があることで、様々な利点が生まれている。例えば、生体由来のサンプルを米国から日本に送る場合の通関手続きなど煩雑な手続きが不要となり、迅速なサービス提供につながっている。また、米国の顧客に対し、時差に関係なく素早いサポートができている。
また、今後のサービス向上・業務拡大のため、米国西海岸へ拠点設置の検討に入っている。
他の県内企業の中にも、米国での事業展開を目指す動きが活発化しており、今後も現地での活動支援に一層力を入れていきたい。
(写真)ジェトロのジャパンパビリオン
(写真)出展の様子
(写真)糖鎖解析受託サービスセンター