海外駐在員の活動レポート(2020年3月・タイ バンコク派遣職員((株)横浜銀行バンコク駐在員事務所))
調達、委託の開拓支援
昨年、総選挙を経て民政復帰するとともに、新国王の戴冠式が行われ、新たな時代に入ったタイ。自動車や電機関連の産業を中心とした、東南アジア諸国連合(ASEAN)最大の日系企業の集積国でもある。
現地では、さまざまな展示会や商談会が開催されている。日系企業の中には、他の日系企業との商談を希望する声が多い一方、新たなビジネス機会を狙って、タイ企業との商談を希望する声も根強くある。
こうした中、県と神奈川産業振興センター、横浜銀行は昨年12月、首都バンコクで、県内企業を対象とした「バンコク・ビジネス商談会」を開催した。
この商談会は、県内企業とタイ企業のビジネスマッチングを目的に、現地の非営利団体である泰日経済技術振興協会と連携して実施。同協会はタイの経済発展のため、日本からタイへの技術移転や人材育成を目的に1973年に設立された団体で、現在は製造業を中心に3千社を超えるタイ企業を会員とする強力なネットワークを築いている。
商談会には、県内企業6社とタイ企業26社が参加。県内企業からは、自社の商品や技術、タイ企業に求めるニーズを発表した後、個別に商談を行った。
県内企業のニーズで多かったのは、調達・委託先の開拓だ。その背景には、着々と技術力を高め、取引実績を蓄えてきたタイ企業の存在がある。
ポンプ機器などの製造を手掛け、相模原市中央区に工場があるヤマダコーポレーションの橋谷田稔経営企画部長は、「部品調達先や外部委託先の開拓のため参加した。タイ企業13社と商談を行い、4件の有望案件があった。今後、ASEAN地域からの部品調達等を強化しようと考えており、タイ企業は有望な候補であると確認できた」と手応えを話していた。
タイ政府は経済のさらなる発展のため、産業高度化に向けたインフラ整備や税制優遇を推進しており、その投資環境は今も注目集めている。
今後も、こうした商談会を定期的に開催するなど関係機関等と連携し、県内企業の現地展開支援に尽力していきたい。
(写真)バンコクで開催された「バンコク・ビジネス商談会」の様子
※令和2年3月4日神奈川新聞より引用