ホーム > 産業・働く > 事業者支援・活性化 > 企業支援・補助・融資 > 海外駐在員の活動レポート(2023年3月・東南アジア事務所)

更新日:2023年3月28日

ここから本文です。

海外駐在員の活動レポート(2023年3月・東南アジア事務所)

海外駐在員の活動レポート(2023年3月・東南アジア事務所)

医療物資サプライチェーンの最適化に挑戦

 今回はASEAN地域でサプライチェーンの再構築に取り組んでいる竹虎グループ(横浜市)の海外展開事例を紹介したい。
 医療・福祉・健康用品を手掛ける竹虎グループは医療用マスクやガウン、キャップといった感染対策用品などを代理店を通じて病院・介護施設・ドラッグストアなどに提供している。
 同社は2000年に、フィリピン・マニラ市から30キロ南方にあるカビテ輸出加工特区内に、介護関連製品を製造する「TAKETORA PHILIPPINES INC. 」を設立したほか、2003年には中国に医療関連製品を製造する工場を設立した。
 その後2020年に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、中国工場での製造が追い付かない事態を受け、2022年10月、新たに操業開始したフィリピン第2工場に一部製造をシフトし、中国依存度を下げる取組を進めている。
 竹虎グループの飯島幹夫社長からは、「製造拠点の一か国依存を脱却し、人々の生活に欠かせない医療関連製品を長いスパンで日本に安定供給できるサプライチェーンを構築していきたい。」との話があった。
 フィリピンの投資環境について、ジェトロマニラの吉田暁彦ディレクターは、「フィリピンは労働集約型の産業にアドバンテージがある。また、ASEAN地域内では関税障壁が低いため、域内で原材料を調達し、フィリピンでアッセンブリーを行うことでコストを下げることができる。」とフィリピンでの最終加工所としてのポテンシャルを強調した。
 今後の竹虎フィリピン工場の製造方針について、購買部の永原貴洋次長からは、「フィリピンは中国の熟練工と較べると、最初は縫製裁断の作業効率が劣ると感じたが、次第に習熟度が上がっている。タイ、マレーシア、インドネシアから原材料を調達し、フィリピンで最終加工する体制を構築することで、中国で原材料調達から加工まで一貫して行うのと同等の加工体制を整えたい。」との意気込みを語っていただいた。
 こうしたサプライチェーンの再構築を図る企業の動向を注視するとともに、引き続き県内中小企業の海外展開を支援していきたい。

 

2022年10月に新たに操業開始した竹虎フィリピンの第2工場

【2022年10月新たに操業開始した竹虎フィリピンの第2工場】

このページの所管所属は産業労働局 産業部企業誘致・国際ビジネス課です。