海外駐在員の活動レポート(2020年7月・大連 神奈川経済貿易事務所)

掲載日:2020年7月28日

新たな展示会モデルを模索

 中国での新型コロナウイルス感染拡大は、企業活動はもとより、展示会などのイベント開催にも大きな影響を与えた。中国国内で予定していた展示会は軒並み中止または延期となったが、新規感染者数が2月後半をピークに減少傾向になるにつれ、経済活動が再開され、展示会についても従来にはない新しい取組みが始められている。例を挙げて紹介したい。

 6月15日に中国広州市で中国輸出入商品交易会(広州交易会)が10日間の日程で開催された。この展示会は例年春と秋の2回開催される大規模な総合展示会であり、昨年春には213か国・地域から約20万人のバイヤーを迎え、会期中の成約額は約300億米ドルに達するなど、中国経済の先行指標を占うイベントとして国内外で大きく注目されている。今年は、史上初の試みとしてオンラインで開催された。

 インターネットの特設サイトには、出展者がライブコマースによる商品PRや、VR(バーチャルリアリティ)を利用した架空展示ブースを設置するなど工夫を凝らして製品情報を発信し、バイヤーなどの視聴者は製品に興味があれば、チャットやテレビ電話を利用して商談することができた。出展した中国企業で、鞄などの革製品を生産販売する東莞市捷德皮具製品有限公司の羅総経理に話を伺ったところ、「コロナ以前から、アリババドットコムなどのBtoBプラットフォームによる商談機会は増えており、遅かれ早かれ展示会のオンライン化は予想できた。広州交易会は知名度があり、信頼できる企業が参加するイベントなので、常設のBtoBプラットフォームとは異なる価値がある。今回は初のオンライン開催でシステムが使いづらく参加者が少ない印象だが、今後の改善を期待したい。」と語った。

 また、11月10日から上海市で3日間の日程で開催予定の食品総合見本市「フードアンドホスピタリティ・チャイナ(FHC)2020」は、オンラインによる展示会ではないものの、(独)日本貿易振興機構(ジェトロ)が出展を予定するジャパンパビリオン内で、デジタルを活用した取組みを行うと聞いている。会場では各出展企業の製品等をショーケースに陳列し、ジェトロ担当者が来場者に説明を行うほか、現地に来られない出展企業と来場者とを結びつけ、商談等の支援を行う予定であり、新たな取組みとしてPR効果が期待されている。

 これまで世界各国の様々な展示会に出展してきた榎本機工(株)(相模原市・スクリュープレス製造)の榎本代表取締役は、「展示会に出展するというこれまでの営業活動に潮目が来ているのではないか。今では展示会場でなくても新たな情報が収集できるようになった。当社としても今後の戦略を練り直す必要があると感じている。」と語った。

 コロナ禍の出口が見えない中、展示会のあり方も急速に変化している。社会の変化と県内企業のニーズを適切に掴み、効果的な企業支援を進めていきたい。

livecommerce
(ライブコマースによる商品説明を行う出展者)

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