審議結果(県土整備局・R元第4回委員会)
審議(会議)結果
次の審議会等を下記のとおり開催した。
審議会等名称 | 令和元年度第4回神奈川県県土整備局公共事業評価委員会 | ||
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開催日時 | 令和元年11月1日(金曜日)13時00分から17時00分まで | ||
開催場所 |
横須賀市内 及び 葉山港 港湾管理事務所3階多目的室B |
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出席者 |
家田 仁(委員長) 中村 英夫(副委員長) 真田 純子 高橋 泰成 中村 幸人 |
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次回開催予定日 | 令和元年11月12日(火曜日)10時00分から12時00分まで | ||
所属名、担当者名 |
県土整備局総務室 山本、荒井 |
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掲載形式 | 審議経過 |
議事概要とした理由 |
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会議資料 |
・県道603号 上粕屋厚木 道路改良事業(PDF:3,559KB) ・県道42号 藤沢座間厚木 道路改良事業(PDF:2,182KB) ・都市計画道路 安浦下浦線 街路整備事業(PDF:5,965KB) ・都市計画道路 湘南新道 街路整備事業(PDF:4,123KB) ・おだわら諏訪の原公園 都市公園整備事業(PDF:3,397KB) |
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審議経過 |
1 現地調査について 次の事業の現地調査を実施した。 ・ 都市計画道路 安浦下浦線 街路整備事業 ・ 横須賀海岸(秋谷地区)海岸高潮対策事業
2 審議について (委:委員発言内容、事:事務局・事業課発言内容) [3番 都市計画道路 安浦下浦線 街路整備事業] <事業実施課から事業内容の説明> 委:自然由来の土壌汚染というのは、具体的にはどのようなことか。 事:ヒ素であるとか、フッ素、鉛、そういったものだが、もともと自然の地盤の中にあったもの(自然由来)による汚染土壌といった形になっている。 事:地滑り地帯だけというわけではないが、今400m区間は全体にそういったところも、400mのところの全てが地滑り地帯ではないが、基本的には全体的に出ている。 委:地滑り地帯に家がかなり密集していたと思うが、今回、この工事をするに当って、地滑り地帯の上の住宅地に、よい効果が出たのか、それとも悪い効果があったのか。 事:住宅への影響については、工事に入る前に家屋調査という形で、影響があると予想されるところを調査している。基本的には、工事が終わった後に、もう一度調査をして、その中で異変が出たとか変状が出たところに対して補償をしていくというのが、一つの流れになっている。ただし、住民の方から、ちょっと見に来て欲しいとかがあれば、その都度対応はしているのが、基本的には、まとめてやるといった形に考えている。 委:しっかり事業をされているので、逆にしっかりつくることによって、上のほうの動きがとまるとか、そういうことの期待はできるわけか。 事:それは期待できると思う。今、擁壁は動いていない状態なので、今までであれば、少しずつ山が動いていたかもしれないが、この擁壁によって将来的にとまる可能性が高いとは考えている。 事:今のところ、入っていない。 委:それこそ入れるべき。つまり13ページの(3)で「コスト縮減」と書いてあるが、こういうタイトルである必要はない。(3)のところに書くべきは、コスト増加の理由及び工期をやむを得ず延長せざるを得ない理由を書く欄であって、代替案なんて、ルートを別に変えるなんて、今さらそんなことを言われてもしょうがないので、そんなことを書くところではない。 非常にいい資料をつくっているから、入れればいい。 また、土壌汚染というのも一般用語で言われるよりも、ヒ素が出ているのであれば「ヒ素」と書くべきだし、あるいは客観データにより、何がどのぐらいとか、そういうのを書いたほうがいいと思う。それが1つ。 それと、13ページの右側で、資料のつくり上は(3)の続きとして書いている。 でも、これは、今このようになっているという説明図だから、ここにあるべきではなくて、むしろ11ページの続きに入れたほうがいい。 13ページの右側の写真などは現状の説明だから、11ページの続きに書いたほうがいい。それで、13ページの左側の下の(3)に書くべきは、今説明していただいたようなものを書けばいい。 それから、この際だから、細かい話もこういうときに一括して直したほうが、どの分野を問わず直していただけると思うが、別に道路だけが悪いわけではない。 12ページ右側の表現で、②「事業の投資効果等」とある。これはこれでいいが、その次に■費用対効果B/C=と来て、その次に、また独立した■で経済的内部収益率(EIRR)と来るけれども、こうではない。そうではなくて、費用対効果というのがあって、改行して、総費用C=501億円、総便益B=545億円、その次に、費用便益比B/C=○○と書いて、その次に、改行して、経済的内部収益率(EIRR)4.2%と、こういうつくりにすべき。 ところが、資料の費用対効果はB/Cで見るのであって、経済的内部収益率は費用対効果ではないと見える。それは違う。費用対効果というのを費用便益比で見ることもできるし、それだと、社会的割引率を前提にしないと計算できないから、それに依存しないで計算できる手法としてEIRRがあるので、並列していただいたほうがいいと思う。 それから、次は、もうちょっと違う意味だが、「総合的な効果」のア)で「防災」があるが、この区間は、地滑り地帯である。そうすると、地滑りそのものが防災の対象であって、そのときの最初の1行目、ここが避難場所だというのは違和感がないか。 だから、ここは工夫の余地があると思う。河川サイドというか防災サイドのご専門の方とよく相談しながら適切な表現をするのがいいと思う。ひょっとしたら、地滑り地帯ではあるかもしれないけれども、ほかならぬこの区間については、これだけの強化をしたから、実は、これは砂防事業をやったようなものだから、安全性は大幅に高まっているという理解を専門家たちがしてくれるのであれば、これは防災の効果も上がっている事業と言ってもいいぐらいのものになるのではないか。 というふうに、連動しながら書くと、400億円もかかっているようなものでも、それ以外の効果があるという感じになると思う。 委:今の防災に関連した質問だが、冒頭に、「本路線は緊急輸送道路に指定されている」という記載がある。10ページ目の左上に書いてあるが、そういうことからすると、要するにこの開通によって緊急輸送道路の機能が発揮されるというのも書いていいのではないかと思うので、ご検討いただければと思う。 質問だが、緊急輸送道路に第1次とつくと、そのヒエラルキー(階層)が大分違うのか。 事:この路線は、2次である。 委:2次か。でも効果はある、2次なりの効果はあるのか。 事:はい。 委:承知した。それもここに書いてもいいという気がするので、ご検討いただければと思う。 委:4車線だから、そのぐらいの機能は持つ。 委:細かい話だが、資料の書き方として、13ページの最後の「対応方針(案)」のところで、最後の一言「事業を継続する必要がある。」と書かれているが、必要があることを前提にいろいろ対応されていると思うので、ここまでこういう変更があって、このようにしているということをいろいろ言いながら、最後が継続するかどうかというのは、何か違和感があると思う。こういう方法で進めていくとか何か、継続でなければ多分中止だと思うが、ここまで来て中止という選択はないような気もするので、「継続する」と言われると、もう少し書き方があるのではないかと思う。 委:エンジニアリングとしては、気持ちはわかる。制度上は、再評価というのは、中止するか継続するかをまず判定するというのが、第一義にある。 委:この方針で続けるみたいなことであれば、何かわかる気はする。 委:だから、制度上は「継続」という言葉を入れたほうがいいと思う。 委:ここまでいろいろな工夫をしながらやってきたので、一刻も早くつくり上げていくように継続してほしいとか、そういうことだと思うが、「継続する必要がある」というより、委員会の表現だから、「継続することが適切である」という感じだと思う。ここのところで文章を言うとすれば、「やむを得ず地滑り地帯を通過することから、当初予定よりも、より強固な対応をしなければいけなくなって費用はふえたけれども、当然ながら重要性は高いわけであって、この方針で事業を継続するのが適切である」とか、そういうふうだと、きょう見た甲斐がある。 それでは、1つ目の案件、重点審議だが、一言で言うと「継続」ということでよろしいか。 <原案どおりとして各委員了承>
[17番 横須賀海岸(秋谷地区)海岸高潮対策事業] <事業実施課から事業内容の説明> 委:家屋の評価額が上昇したので便益が増加したという話があったが、これは、どこの家屋か。 事:横須賀市全体での家屋1㎡当たりの評価額を海岸にある家屋の戸数に乗じている。 平成23年の再評価時には、家屋1㎡当たり18万円としていたものを、事後評価では1㎡当たり25万円に上昇した。 戸数は、再評価と事後評価で変えていない。 委:海岸の区域は砂浜ぐらいまでか。 事:海岸保全区域は砂浜と護岸だけである。 委:海岸背後の民有地に建築物の規制はかかっていないのか。 事:海岸に関する規制はかかっていない。 委:今後の課題としては、土砂災害のレッドゾーンとかイエローゾーンを決めたのが1999年か2000年だと思う。その後、今度は津波防災を2011年につくった。あれもレッドゾーン、イエローゾーンである。海岸とか、あるいは河川の災害については、そういう制度を持っていないと私は理解している。今回の台風19号などを考えると、のべつ幕なしに決めるわけにはいかないが、ごくごく限定的に、とりわけこれだね、というエリア、しかも今回被災して、それが本当に完全復旧するかなど、議論が津波防災とか土砂災害法に相当するような制度をつくるというのも考え得る世界だけれども、まだできていないから、そういう意味では、ここの計算上はこうやっている、だけれども、それが制度として、あるいは政策として一番いいことかどうかというのは、残る課題である、という認識だけはしておきましょう。 委:侵食防止は、この区間で言うと道路の防護にもなっていると思うが、それは計算に入っているのか。 事:道路の防護便益は計算上入っていない。 委:入っていないのか。それも本当は「その他の総合的な効果」である。裏に家がないところについても、道路を守っている。さっきの道路をつくって地滑り地帯をよくしてくれたのと同じように、これは、海岸をやることによって道路を守っている面もある。ただそれは、ルール上は計算には入らないことになっているけれども、総合的効果で一言いってもいいかもしれない。 委:漁業者方の反対があったと書いてあるが、これをつくることによって、当初、魚種が減ってしまうということか、それとも漁場が変わってしまうと言われたのか、その辺はどちらだったのか。 事:最初の計画は養浜だけではなくて人工リーフを沖合に作るもので海の中に構造物ができてしまうということで、やはり漁業者の方たちからは反対されたということである。 委:なるほど。でも、結果的にはその後の影響はなかったという形か。 事:コンクリート構造物はやめて、養浜だけにさせていただいたので、漁業者の方たちには理解された。 委:最後に、引き続きモニタリングを実施という形になっているが、今回の工法で海の生態系を守れたというのは、どこかに入れておいてもいいのではないかと思う。 事:承知した。 委:養浜による高潮対策が、今回の台風で証明されたということで、ただ今後、養浜に関しては、サンドリサイクル、2年に一度2000㎥を移動させるということである。 あと、海岸線の自然景観を保全したという総合的な効果も出ているが、自然景観というと、植生があって初めて自然景観というのは成り立つのではないかと思う。こういった海浜には海浜の植生があって、その植生が発達することによって被災を防止する。それで、2000㎥のサンドリサイクルを、ここに植生を復元することによって軽減することができる。 それから、こういった砂浜の植生、具体的に言うとハマゴウとかコウボウムギとかハマヒルガオとかいろいろあるが、それを復元されることが、多分昔はあったはず。間違いなく。それによって、海岸の自然景観をより海岸らしい自然景観に近づけることができるのではないかと思う。費用的に考えてみても、そういった植生を復元することも視野に入れられるとよいのではないかと思う。 事:承知した。 委:もう一つ気になっているのは、養浜によって、こちらの資料だと23ページの右側の上の平面図、海の中の等高線が出ているが、久留和漁港のところの漁港に入ってくるところは、ちょっと水深は深い。その右側が等高線から見ると浅くなっている。これは、もしかすると海の中にまで砂浜の砂礫が移動しているのかなと思うが、こういった移動によって、いわゆる海の中の生態系にはどのような影響が出ているのか気になる。そのあたりは調べられているのか。 事:この海岸は、海の底が全て岩礁帯になっている。波打ち際だけに砂浜があるような状態であったので、委員ご指摘のとおり、この養浜をやるときに一番懸念されたのが、レキが沖合に出ていくのではないかということで、沖に向かって水深1mごとに水中の写真を撮って、レキが出ていっていないかをモニタリングした。その結果、全く沖合にはレキは確認されていないという結果であった。 委:承知した。 委:最後の「他の事業のあり方に活かせる事項」のところについて、これはこれで、確かに途中いろいろあって見直したり、できた後もモニタリングをやっているのは、それはレッスンになるし、それはそのとおりだと思うが、もう少し、この事業で言ったところの教訓は何だったのかを掘り下げたほうがいい。 でき上がった後、うまくいっているというのは、これは本当にいい話だが、もう少し反省点は何だったかというと、多分最初に漁業者の意見等々も標準系で入ったら、案の定もめた。その後、結果的にはいい方向に行ったけれども、ということだと思う。 そういう意味で、PIではないけれども、公共事業の計画の時点からちゃんとコミュニケーションをやることで結果的にはいいことを、もう少し踏み込んで書いたほうがいいのではないかという気がする。これだと、PDCAをやっていることでいいよというと、どこでも聞く話なので、後に残らないと思うので、ご検討いただければと思う。 事:承知した。 委:例えば最初にPIをやって、1年ぐらいそれの検討に時間をかけて、最終的に今の工法になったとすると、今、実際にかかっているお金と、どれぐらい違うのか。設計をやり直している。 事:委員会を開催させていただく場合には、委託費用や人件費がかかっている。 委:結局、その手戻りがあって、さらに検討にも費用がかかっているから、最初からそういう検討をしていれば手戻りの分はなかったということか。 事:そうである。先ほど教えていただいた、そういうところが今回の教訓ということもあるので、そのあたりはきちんと書かせていただく。 委:先ほど説明をしていただいた19号の経験というのも、それだけでいいと言っていいかどうかわからないが、ここに、レポートに入れたほうがいいと思う。 それから、聞いてみると、2年に1回、2,000㎥だよね。ということは、年に1,000㎥だよね。それで、延長が大体1kmだから、延長1m当たり、ざっと1㎥入れているわけだよね。幅が20mぐらいだから、幅で割ってやるとほんの少し入れればいい程度の話に感じるが、2,000㎥というと、ウワァー2,000㎥という感じがするけれども、延長とか幅で考えるとね。 これは、2年に1回だけれども、大体幾らかかるのか。 事:2年に1回で500万円程度である。 委:それでは、年に250万円、1kmでね。それは皆さんからしたらどのような感じか。 事:安くて維持ができているなというイメージである。 委:そういう感じが余り漂ってこない。つまり2,000万円、ウワァーという感じで終わってしまう。大変なようだけれども、実は、非常に軽微な、要するにメンテナンスによって、これが維持できる、こういう条件、この場所だからであって、どこでもできるわけではないということも言ったほういいし、なおかつ今回のものは、比較的軽便な維持管理費で人工構造物をつくらずに海浜を維持できるというところがウリであるという感じを、もう少し書いてもいい感じがした。 もう一つは、単純に質問だが、台風19号の地図で、確かに西湘バイパスのある大磯のあたり、茅ヶ崎のあたりは南に面している。石廊崎も当然だが、南に面している。だけれども、先ほど見せていただいたのは西に面しているが、波の方向、風の方向というのは、話は合っているのかなというのを、そこをよく理解した上で言わないと言い過ぎているかもしれない。 事:承知した。 実を言うと、今回、茅ヶ崎の菱沼地区の横、すぐのところの中海岸地区にも、年間3万㎥ぐらい入れている、養浜をしているところがある。そこの中海岸も、養浜をやっているところについては、今回、全然流されていないというところがある。 委:それはいいが、波の方向はどうか。 事:同じような当たり方、菱沼と同じような当たり方である。 委:秋谷と似ているわけか。 事:菱沼は南を向いていて、その横のところに茅ヶ崎の中海岸地区があり、そこと比べても、南向きのところと一緒だが、そこについても、養浜をした。 委:養浜をしているかどうかは問題ではなくて、風向によって波の影響は全然違う。恐らく直角に当るのが一番つらいのではないかと想像する。それが葉山のところではほぼ西を向いているけれども、一番つらい状況での、石廊崎みたいな波の当たり方だったのか、そうではなくて、もうちょっとマイルドな条件だったら、今回は大丈夫だったという話になるが、まともにどんどこどんどこ来るような波だったら、今回ぐらいのひどいのであっても大丈夫だったという表現になるから、ご確認いただいたほうがいいと思う。 事:承知した。 委:植物の分布から言うと、石廊崎のあたりは海岸の近くにはタブノキという樹木は育たないが、きょう見たところでは、結構際までタブノキがあったので、風障の影響はこちらのほうが弱いのかなと思う。 委:一般的にはそうだろうけれども、台風19号のほかならぬ10月12日と13日にかけての波の方向、もっと言えば風の方向でいいよね。それは気象庁のデータでわかるから、それを確認した上で書いたほうがいいと思う。それによって、書きぶりが、若干様子が変わるし、妙な突っ込みをされないためにもね。 事:承知した。 委:それでは、ただいまの事後評価については、幾つか修正をしていただくところはあったが、これは、大体よくやったということでよろしいか。 <原案どおりとして各委員了承> 個人的な意見だが、このレポートはすごくよくできている。 事:ありがとうございます。
[2番 県道42号 藤沢座間厚木(座間荻野線Ⅱ期)道路改良事業] 委:いろいろ経緯をご説明いただいた中で、学校から、あるいは市からこういう要請もあってやってきたということの経緯と、そうは言いながら、今信号機なり横断歩道なりの検討も進めているということなので、前回、議論にあったようなことについては、経緯的には理解できるところもあるし、これらに着手しているということで前向きに、そこは評価したいと思う。 質問だが、平面図を見ると、ここは調整区域か。 事:学校の周りは調整区域である。 委:だから、将来的に道路ができて家が建って、歩行者、ベビーカーが増えるという感じではなさそうな、基本的には学校利用者が想定されるというイメージか。 事:そのとおりである。 委:それでは、車椅子利用者等への対策を、今、同時並行で進めていかれるということ自体は、現実的な対応としてはいいかなと思った。 委:飛び地の利用としては花壇を設置して体験学習という案が挙げられているが、そのほかにも案は幾つか挙げられているのか。 事:体験学習の一環として、例えばプランターに野菜や草花など植栽をするような提案を検討しているが、飛び地の価値をさらに高めるために、小学校との交流の中で、草花や野菜等の植栽を提案するのがよいかと考えている。 委:道路と学校というと、よく境界環境保全林として防音機能とか防風機能とかのために森をつくることもあると思うが、そういうような案は出ず、あくまでも環境教育のために使うということか。 事:周りに住宅はなく、緩衝緑地というのはなじまないので、やはり小学生の体験教育のようなものがいいのではないと考えている。 委:承知した。 委:この飛び地は、学校の用地のままか。 事:はい。 委:この歩道との間には何か柵ができるのか。 事:フェンスができる。 委:そうすると、歩道橋は歩道にあって、その南側にこの飛び地があるというつくりか。飛び地の中に歩道橋の階段の上り口があるという感じか。 事:階段の上り口は歩道の一部になっているので、オフセットしている形である。 委:入り込んでいるような形で、そこにはフェンスがあるのか。 事:道路に面している部分はフェンスがある。 委:そうすると、飛び地にはどうやって入るのか。 事:入口をつける予定である。 委:なるほど。そちらは学校で管理していただくわけだね。 事:そうである。 委:飛び地の長さはどのぐらいあるか。 事:150mである。 委:幅はどれぐらいか。 事:幅は20mである。ただ、飛び地は三角である。 委:ちょっとしたものである。 この資料で、若干違和感がないでもないとパーソナルに思ったのは、「職員室から見える位置に横断する箇所を設置してほしい」というのは、学校の教員がそんなことまでやっているとは到底思えない。今はいろいろなことをやらされて忙しくて、そんな見守りをやっているとは思えないけれども。 これは、職員室からというより学校からよく見える位置にするという意味だよね。何か物の陰になって見えなくなって妙なことが起こらないように、よく見える位置にしてくれという意味だね。 事:そうである。 委:それでは、今の県道42号の案件につきましては、追加説明にご納得いただいたということでよろしいか。 (「はい」の声あり) それでは、皆さん、これも継続でよろしいか。 <原案どおりとして各委員了承>
[審議資料について] 委:審議資料に記載されている「算定されていない効果」を「総合的な効果」と表現してはどうかというご提案だが、「算定されていない効果」というと、重複の問題が厄介なことになるので、よろしいか。 (「はい」の声あり)
[15番 二の足沢砂防事業] 委:14ページの左下の2)「評価対象事業の概要」のウ)で、「一部権利者が不明の共有地があり、用地取得が難航したことから、土地収用法による収用を行った。」、ここのところは、余り意味がわからなかったが、不明だと何かやっていいということも収用法に書いてあるということか。 それから、これは質問ではなくて意見だが、「費用対効果分析B/Cの便益の算出について」というのが、さっきの道路のところでも出たように、費用対効果分析あるいは費用対効果というジャンルの中で、B/Cというのはイコールではない。B/Cも費用対効果の一指標だし、EIRRも一指標なので、これだと、あたかも「費用対効果分析B/Cの便益の算出について」、になってしまうので、これは、「費用対効果分析における便益の算出方法について」ということだと思う。ここは、別にB/Cと言わなくてもいいと思う。 また、「本来、評価対象堰堤1基の整備前と整備後の便益を算出し」としているが、そうではなくて、「整備する場合としない場合の便益の差を算出し」というのが基本なので、前後比較ではなくて有無比較だから、そこのところは誤解のないように修正をお願いしたいと思う。 さっきの収用のところだけ教えていただけたらと思う。 事:収用については、基本的に地権者等存在すれば、例えば任意の交渉に向けてやっていくが、今回は、相続や死亡者が7名おり、任意で必死に探したが、それでも交渉が困難な場合には土地収用法というものがあり、その法律に基づいて手続きを進めている。 委:わからない場合には、具体的にどうするのか。つまり、わかっていれば本人は納得していないが、収用をかけるのだから、所定の補償をすることによって買収できると思うが、わからないときは、誰に何を払うのか。 事:そこは手続で、公聴会をやり、まず事業認定を受ける。その後に収用委員会で補償金額を確定し、いわゆる代執行という形になる。 委:それは誰にあげるのか。不明だからあげる相手がいないだろうに。 委:供託するんでしょうね。 事:供託金である。 委:不明なので、土地収用法で事業認定をやるときに公示する。それで、収用法で事業認定が終わった後に収用委員会で裁決申請をして、そこで金額が決まったけれども、所有者が不明ということで、それを供託する。 委:供託というのはどこに置いておくのか。 委:法務局である。それで、不明で取りに行く人がいなくなってしまうと、多分国庫に入る。 事:時効になると国庫に入ると聞いている。 委:承知した。 委:今、農地もそうだが、山林も所有者不明のところが、これからどんどん増えるから、公共事業をやるのは大変である。 委:国交省では不明の土地に対する所定の法律をつくって、より円滑な対応をしなければいけないということで、やっている。 これは、県でできる話ではないが、そういうことが検討されるべきであるということは認識しておいたほういいし、何か一言書いてもいいのではないかと思う。 委:確かに、やり方が変わる可能性がある。 委:そうである。変えていくべきであり、そういうことを県からも国に強く要請する。二の足沢だけの話ではなく、どこでもここでもある。それがレッスンではないかと思う。 委:そうである。
[16番 カヤの木沢砂防事業] 委:№16の「カヤの木沢」の砂防事業では、生物への配慮としてオオタカが取り上げられていたが、砂防事業は、大体沢の上流部あたりで行われると思う。そういった沢の水辺というのは、結構貴重な動植物の生息域になっていると思うが、事業を実施するに当たり、直接事業を行う沢そのものの生物の調査は事前に行って、あるいはまた事後にモニタリング等は、行っているか。 事:事業実施前に、モニタリング調査を行っている。生物調査を実施している。その中でオオタカも観測されたし、あとはその他の動物として鳥類ではアオジとかサンコウチョウ、植物については、オトメアオイ、エビネといった生物なども観測されている。 委:水生生物、水生昆虫とか、そういったものも調べているのか。 事:オオタカ以外にも、基本的には植植物と鳥類を調査している。 委:動物は、両生類とか水生昆虫とか、そういうのも入っているか。 つまり直接工事をされる場所は、生物にとっては影響が大きいと思うが、事後の、こういった砂防堰堤ができると、恐らく多くの生物は失われる。そういったものは事後評価の中には組み込まれているか。 事:事後評価というよりも、工事施工後においても事後のモニタリングを行っている。今回は特に、オオタカに重きを置きまして、オオタカの営巣地も保護されているというのを確認している。 今回、水生生物については、特に貴重というものが無かったので、今回はオオタカに着目して行っている。 委:やはりどういう影響が出ているのか見てみたいが、もし紙面に余裕があれば、そういったものも入れていただけるといいと思うので、今後のこととしてお願いしたいと思う。
[11番 おだわら諏訪の原公園 都市公園整備事業] 委:間接利用価値を補正しているが、公園のB/Cの出し方について、いろいろな決まりがあるのかもしれないが、間接利用価値というのは、戦前は多分存在価値と利用価値というふうに言っていたと思う。その存在価値ということで考えると、世帯数を4分の1にするということの意味がよくわからなくなってくる。意識しているかどうかにかかわらず、そこにあるということに公園の価値があるというふうに見る価値なので、世帯数も、意識しているかどうかにかかわらずいれば恩恵を受けるというふうに算出すべきではないか。 委:これは、バックグラウンドを説明すると、すごい便益が高いB/Cが出ており、それだったらそこら中に公園をつくればいいじゃないかというのも、少し違和感があるねという議論があった。とは言いながらもルールに従って計算しているので、これが間違っているというわけではないが、もしここのパラメーターをいろいろ変えてみると、どの程度変わるのかチェックしようということで、取り組んでいただいている。事務局としては4分の1にすることが特に正しいと言っているわけでもないということだと思うが、お答えいただきましょう。 事:環境景観や防災といった間接利用価値について、それと世帯数がどう関係するか考えたときに、利用者が少ないということは、それだけ認知がされていないとか、もしくは認知はされていても、行きたいという気持ちまでの意識啓発にもつながっていないと言える。そこに実際の利用者が4分の1であれば、直接利用価値も4分の1に補正するという直接利用価値の考え方が一つあって、それを認知度の視点で間接利用価値も4分の1にするというのを、実験的にやってみるのは、それほど悪くないのかなと思っており、その数字で一回計算を回してみた。 認知度というものの考え方は、例えば防災という点ではつながり感はあるかもしれないが、おっしゃるとおり環境景観という点では存在自体だから、そこは乱暴でしょうという意見は、中での議論でもあった。 委:どこぐらいの距離までの人が対象になるか想定し、そこに何人いるか、あるいは何世帯いるか想定し、それがどのぐらい認知されているかというのを想定し、そしてそこに単価みたいなものを掛けている。 事:そうである。 委:だから、正確な意味での存在価値なのか、つまり誰もそんなものは知りもしない価値あるぞというのは算定しないこととするのか、今のご説明でいけば、世帯数を4分1で補正というよりも、認知度がまだ低いことを考え、こちらの間接利益についても4分の1にしてみたというご説明を一言入れたほうがいいかもしれない。 事:承知した。 委:かといって、補正案のほうが正しいということでもない。 委:そうしてみましたという試算である。 委:そのぐらいにしてみても、まだ1以上になっていると。 事:委員におっしゃっていただいた危険側で考える、要するにいろいろなところを厳し目に考えても、なお1以上はあるというところに一定程度の事業効果があった。 委:ここは1を超えているのでいいのでしょうけれども、これだけたくさん公園があると、一応何かチェックはしてみられたほうがいいかもしれない。 事:まさに試算だと思う。だから、前回ご指摘いただいた意図は、マニュアルをうのみにするのではなくて、きちっとそういう地域補正もしくはより実質的なもので補正する。ひょっとしたら別の公園だと、違うパラメーターをいじったほうがいいというのもあるかもしれない。 委:主体的に評価してみるということだよね。 委:県立公園でも、運動公園だったり風致公園だったりいろいろあるが、運動公園だと、やはり利用されているとか認知されているというのがすごく重要だけれども、風致公園だと、別に人が行かなくても、そこにそれがあることが重要なので、パラメーターはそれで変わってくるでしょうね。 事:そのとおりである。 委:保安林の制度があって、それが森林であると、公園整備などしないで森林で保安林にしておけばいいじゃないか、そうしたら費用はかからないし、というような方向になってしまい、公園でなくてもいいということになってしまうから、公園という限りは、やはりそれなりに、人がいいなと感じる要素が要求されるのではないか。 委:それは要るとは思う。 事:地域制緑地とか自然公園とか緑地保全地区とか、その存在意義のウェートが高い場合の緑地保全の手法と、公園は公園というカテゴリー、要するによくも悪くもそこに公共土木施設みたいな色合いというのはどうしてもあると思うので、風致公園であっても、例えば大磯城山公園などは風致公園では、歴史とコラボしたり、一概に純粋に緑地保全型の公園というのはなかなか少ない。 委:自然公園ではなく、都市公園であるから。 42ページにあるマップについて、マップの情報というのは、一番常識的に判断しやすいものだし、将来何をすべきか、何は要らないのかという判断要素になると思う。これは、白地図の上に書いてくださったが、緑被率というか、緑かどうかとか、水がどこにあるかみたいなものにかぶせるとか、人口の張り付きとかぶせるとかやってみると、なるほどね、この辺はもうちょっと要るよねとか、あるいはこのクオリティとか規模とかわかるようにしていくと、むしろB/Cみたいなものよりも、公園というのは、要るところには要るよねと、それがべらぼうな値段がかかるような話だったら、また話は別だが、適正な規模で適正なコスト感覚でやるようなものについては、むしろ配置論から考えませんかというほうが健全な感じもする。 (以上) |
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