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更新日:2020年3月24日

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第2回バリアフリー条例見直し検討会議(審議結果)

第2回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例見直し検討会議の結果です

様式3

次の審議会等を下記のとおり開催した。

 
審議会等名称 第2回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例見直し検討県民会議
開催日時

平成27年3月30日(月曜日) 14時00分から16時00分まで

開催場所 神奈川自治会館 3階301-304会議室
出席者

秋山哲男、石川清貴、磯嶋雅彦、大原一興(会⻑)、⼩野和佳、河原雅浩(熊⾕徹代理出席)、⼩渡佳代⼦、坂本堯則、鈴⽊孝幸、⼾井⽥愛⼦、宮川明、若林伸⼆ (敬称略、五十音順)

当日配布資料

資料 条例見直しにおいて検討すべき事項 Word版 [Wordファイル/26KB]テキスト版 [その他のファイル/6KB]

別紙1 対象施設や整備基準の見直し Word版 [Wordファイル/18KB]テキスト版 [その他のファイル/3KB]

別紙2 街づくりや都市計画等との連携 Word版 [Wordファイル/16KB]テキスト版 [その他のファイル/908B]

別紙3 事前協議の審査結果基準・条例の評価指標 Word版 [Wordファイル/17KB]テキスト版 [その他のファイル/2KB]

参考資料

1 第1回会議出席委員発言要旨 Excel版 [Excelファイル/22KB]テキスト版 [その他のファイル/9KB]

2 条例の概要(第1回会議資料) Word版 [Wordファイル/48KB]テキスト版 [その他のファイル/6KB]

3 条例本文(第1回会議資料) Word版 [Wordファイル/65KB]テキスト版 [その他のファイル/16KB]

4 施行規則(第1回会議資料) Word版 [Wordファイル/369KB]テキスト版 [その他のファイル/8KB]

5-1 特別特定建築物に追加する特定建築物 PDF版 [PDFファイル/17KB]

5-2 特別特定建築物の追加及び規模の引下げ・整備基準付加 PDF版 [PDFファイル/7KB]

5-3 付加条例の検討に当たっての視点 PDF版 [PDFファイル/277KB]テキスト版 [その他のファイル/3KB]

6 条例の運用状況について(第1回会議資料) Word版 [Wordファイル/351KB]テキスト版 [その他のファイル/16KB]

7 整備基準早見表 PDF版 [PDFファイル/3.35MB]

8 定義や用語が分かりづらい事例 PDF版 [PDFファイル/2.8MB]テキスト版 [その他のファイル/3KB]9-1 視覚障害者用誘導ブロックの敷設等について Word版 [Wordファイル/14KB]テキスト版 [その他のファイル/940B]

9-2 視覚障害者用設備 PDF版 [PDFファイル/987KB]テキスト版 [その他のファイル/7KB]

※「みんなのバリアフリーまちづくり整備ガイドブック」(条例の概要や整備基準の解説等)はこちら

次回開催予定日 未定
問い合わせ先

地域福祉課 調整グループ

電話番号 045-210-4804(ダイヤルイン)

ファックス 045-210-8857

フォームメール(以下をクリックすると、問い合わせフォームがご利用いただけます。)

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下欄に掲載するもの
  • 議事録全文
要約した理由  
審議(会議)結果

 

(事務局)

ただいまから、第2回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例見直し検討会議を開会いたします。

初めに、県を代表いたしまして、地域福祉課長の西條から御挨拶申し上げます。

 

(西條課長)

皆さんこんにちは。地域福祉課長の西條と申します。本日は、年度末のお忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

本来でしたら、石黒福祉部長から御挨拶申し上げるところでございますが、あいにく急用がございまして、代わりまして、私の方から開会に当たり一言御挨拶を申し上げます。

さて、バリアフリーの街づくりでございますが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えまして、県議会におきましても、ここのところ何かと話題として取り上げられるようになってきております。一例を申し上げますと、県立施設の駐車場のカラー塗装、本庁舎の改修に合わせたみんなのトイレの設置改修や、カラーバリアフリーの更なる普及啓発等について、質疑がなされたところでございます。

また、県におきましても、昨年8月に制定いたしました、「オリンピック・パラリンピックのための神奈川ビジョン2020」の中で、「神奈川の人づくり」としまして、「バリアフリーの街づくりに向けた普及啓発」が位置付けられたことに加えまして、昨年7月、バリアフリーを地域に浸透させていこうとの思いから、地域福祉の担い手である民生委員、児童委員や社会福祉協議会の職員を対象とした研修と建築の専門家を対象としたカラーバリアフリーの研修を、初めて合同で開催させていただいたところです。さらには、昨年12月の手話言語条例の可決成立もございます。

このように、バリアフリーの街づくりに向けた県民の期待はますます高まっております。

こうした状況を踏まえまして、本日の検討会議でございますが、前回の当会議におきまして皆さんからいただいた御意見をもとに、見直しに当たっての検討すべき事項を整理させていただきたいと考えております。

オリンピック・パラリンピックを見据え、バリアフリーを地域に根付かせ、そして、実践していかなければならない段階に入っております。高齢者や障害者のみならず、外国人にとってもやさしい街づくりにつなげていけるよう、どうぞ忌憚のない御意見を賜りますようお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いたします。

 

(事務局)

本日の出席者につきましては、配布資料の出席者名簿のとおりでございますが、一点、訂正がございます。出席者名簿9番の坂本様、社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会経営者部会の委員となっておりますが、副部会長でございます。訂正させていただきます。

なお、本日は、公益社団法人神奈川県聴覚障害者協会の熊谷委員に代わりまして、河原様に御出席いただいております。

また、産業能率大学情報マネジメント学部の斉藤委員、一般社団法人神奈川県建築士会の花方委員は、御欠席でございます。

次に、前列の事務局を紹介させていただきます。名簿順に、西條地域福祉課長、依田建築指導課長でございます。なお、圓道地域福祉課副課長は、都合により欠席でございます。

検討会議の事務局は、地域福祉課と建築指導課の両課で担当させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

続きまして、本日の配付資料の確認をお願いいたします。次第、出席者名簿、資料、参考資料でございます。不足等ありましたら、お申し出ください。

なお、皆様のお席の前に置いておりますマイクは、会議録を効率的に作成するための録音機器でございます。会議中、皆様に操作していただく必要はございません。また、マイクに近づけて発言いただく必要もございません。あらかじめ御承知おきください。

それでは、ここからの進行は、大原会長にお願いいたします。

 

(大原会長)

皆さんこんにちは。2回目ということで、内容に大分迫っていくことになるかと思います。

それでは、手続き的な話ですが、議題に入る前に、御出席の皆様に一つお諮りしたいことがあります。本日は、代理出席の方が1名いらっしゃいますけれども、委員御本人の代理ということですので、発言権を付与したいと存じますが、御異議ございませんか。

 

(異議なし)

 

(大原会長)

御異議がないようですので、代理出席の河原さんに発言権を付与することといたします。どうぞよろしくお願いします。

それでは議題に入ります。前回は、全員の方に、この条例に対して、現実にそぐわないようなことがどんなことがあるのかというようなことを、いろいろ、御意見や思っていることを発言していただきました。限られた時間でしたが、自由に発言していただいた内容を事務局でまとめて整理していただいたということになっています。それを資料としてこれから説明していただくことになるのですが、今日は、まず前段で、まとめていただいた方向、枠組みというか、いろいろな御意見をどのようにまとめて整理したのかということ、この全体の枠組みについてまず御意見をいただいて、それから、その中で、後で見ていただくと分かりますけれども、3つ程の大きな課題の中の1番目の課題が非常に大きなボリュームを占めているので、そのことについて、後半、具体的に議論をしていくというようなことで、時間を使っていきたいと思っています。

それでは、早速、事務局の方からこの資料に基づいての説明をお願いしたいと思います。

 

(事務局)

それでは、事務局から資料の説明をさせていただきます。まず、お手元のA3横の資料を御覧いただきたいと思います。こちらの資料でございますが、「条例見直しにおいて検討すべき事項」ということで、まとめさせていただいたものでございます。

前回の会議では、初回ということで、この条例につきまして、皆様方が思われていることや感じられていることなどを、自由に御発言をいただきました。皆様方からいただいた御意見は、資料別冊の参考資料1で「出席委員の発言要旨」ということでまとめさせていただいております。

この資料では、その中から主な御意見を整理させていただきまして、それらに対する現状と検討すべき事項の案ということで、1枚の紙にまとめさせていただいたものでございます。

皆様方からは、様々な御意見を頂戴しましたが、この資料では、それらの御意見を前回のまとめの議論をもとに、次の3つに分類をさせていただきました。

1つ目は、条例が対象としている施設の種類や区分、整備すべき設備の内容といった「基準の在り方」に関する御意見、2つ目は、条例と街づくりに関わる部分との接点や、都市計画との関係といった「街づくりや都市計画等との連携」に関する御意見、3つ目は、適合・不適合といいました、事前協議での建築物の審査結果の評価基準ですとか、条例そのものの評価指標、あるいは、条例が目指すべき目標といった「条例の評価・目標等」でございます。こうした分類ごとに、それぞれの御意見に対する現状や検討すべき事項の案ということで、整理させていただいたものでございます。

検討すべき事項の案は項目を箇条書きにしておりますけれども、それぞれの項目に対応する形で、別紙の1から3と付けておりまして、こちらの別紙の方で内容について説明をさせていただいております。

それではまず、1つ目の分類、「基準の在り方」についてでございます。

この項目では、いただいた御意見の内容を、「対象施設の規定」「整備基準の内容」「義務付けの在り方」の3つに分類させていただきました。

まず、「対象施設の規定」と申しますのは、条例の対象となる施設には、商業施設や福祉施設というような様々な用途による区分があるということでございますが、このような従来の区分に加え、公共的な機能の有無ということも考える必要があるのではないかといった御意見や、既存の建物の改修や用途変更は新築と違って複雑であるといった御意見がございました。

お手元に条例のガイドブックをお配りしておりますが、ガイドブックの197ページをお開きいただければと思います。こちらの方に、別表第1ということで、この条例が対象としている公共的施設を掲げております。

公共的施設といいますのは、福祉施設や商業施設など、全部で18の区分に分かれておりまして、事前協議の対象である指定施設の面積の規模についてはこの表の右端になりますが、全てのものを対象とする施設もある一方で、一定面積以上のもののみを対象とするものもありますが、これらはいずれも同じ公共的施設でございまして、この中で特に差を設けるようなことはしておりませんし、また、この指定施設の増築や改築をする場合においても、新築の場合と同じように事前協議が必要ということとなっております。

資料の方にお戻りいただきまして、次に、「整備基準の内容」でございますが、整備基準といいますのは、公共的施設の構造や設備の整備に関して、障害者等が安全快適に利用できるようにするための基準ということでございまして、具体的には、車いすで通れる幅の確保ですとか、視覚障害者の誘導ブロック等について定めているものでございます。

この整備基準につきましては、法律の基準と統一して欲しい、施設の利用方法や、利用者のことを考慮すべきですとか、整備レベルが上がっているものについては、より高いところを目指すべき、といった御意見がございました。

ガイドブックの方に戻っていただいて、22ページをお開きください。項目適合表ということで、整備基準の項目と対象となる施設の一覧表がございます。横の列が対象施設で、縦の列が整備基準でございます。この表を見ていただきますと、例えば、23ページ中程の福祉施設等につきましては、一部の例外を除いて、全て同じ整備基準が適用されることから、中には、施設の種類ですとか、希望、利用者といった、施設の実態に合わないような事例もあるかと存じます。

また、この条例の施行から5年が経ちまして、国の建築設計標準が改訂される等、この間に新しい知見等も示されているといったような状況がございます。

資料に戻っていただきまして、次に、「義務付けの在り方」でございますが、義務的な内容と、誘導の在り方の検討が必要といった御意見がございました。

ガイドブックの22ページを御覧いただきますと、この表の中に、記号で、丸や三角、ハートマークが付いてございます。三角は努力規定、ハートマークは望ましい水準ということで、これらはそれぞれ誘導的な規定ということになりますけれども、丸については適合すべき基準でありまして、義務的なものということになります。

また、それぞれの施設の列の中に、第3章、第4章と区分けがしてございますけれども、第3章といいますのは、事業者の理解と協力のもと、法律以上の水準の整備を目指すものでありまして、私どもで「自主条例」と呼んでいるものでございまして、強制力はございません。

一方、第4章と申しますのは、バリアフリー法の委任規定として最低限の施設や水準を義務付けるものでございまして、「付加条例」と申しており、強制力がございます。

現状の規定では、同じように丸印が付いていても、第3章と第4章では強制力の有無という点で差があるということになります。

資料に戻っていただきまして、分類の2つ目、「街づくりや都市計画等との連携」でございます。

御意見の中で、街づくりと条例との接点や、地域の都市計画等との連動が必要というものがございました。

バリアフリー条例は、単体の建築物や道路などといった、いわば、点と線の整備に関するものでございますが、その建築物や道路が所在する地域全体の計画といった、いわば、面の整備に関するものではございません。

地域全体の計画には、それぞれの市町村が定める都市計画や、バリアフリー法に基づく重点整備地区に係る基本構想等がありますが、こうした計画と条例との接点がないというのが現状でございます。

次に、3つ目の、「条例の評価・目標等」でございます。この項目では、御意見の内容を、「施設の評価指標」「条例の評価」「条例の目標」の3つに分類させていただきました。

まず、「施設の評価指標」と申しますのは、現在、適合率や遵守率という評価指標を用いており、適合案件、不適合案件とも段階的に評価をする基準がございませんが、こうした現状に対しまして、これらの物差しだけで建築物の質を評価できるのか、1とゼロだけでない、段階的な指標が必要なのではないかという御意見があったということでございます。

次に、「条例の評価」や「条例の目標」でございますが、障害者の満足という視点で条例を評価すべきという御意見や、条例が目指すべきゴール、目標を持つべきであるという御意見をいただきました。

条例の評価につきましては、現状では、県民ニーズ調査ということで、県政全般の調査の中で建物や道路のバリアフリー化がどこまで進んでいるのかという意識調査を実施しているところでございますが、それは条例自体の評価ということではございませんで、条例の目標については、現状では、条例の目標として、バリアフリーの街づくりの実現を掲げておりますが、条例の中で、具体的な到達目標や数値目標は定めてございません。

以上が、主な御意見とそれに対する現状でございますが、これらを踏まえてお示しさせていただきますのが、この表の右側の検討すべき事項の案でございます。ここでは、先程御説明した御意見の分類に沿って、次の3つに分類をさせていただきました。1つ目は「対象施設や整備基準の見直し」、2つ目は「街づくりや都市計画等との連携」、3つ目は「事前協議の審査結果基準・条例の評価指標」でございます。順番に御説明させていただきます。

まず初めに、別紙1を御覧ください。「対象施設や整備基準の見直し」でございます。

今回の条例の5年の見直しに当たりまして、自主条例の遵守率が近年低下していることや、公共的施設の実態、既存施設の整備基準の在り方、新たな知見の導入等を踏まえまして、対象施設や整備基準の内容の見直しについて、検討する必要があるということでございます。

ここでは、検討すべき事項といたしまして、「用途、機能、規模に応じた対象施設の区分」、「既存物件と新築物件との差別化」、「わかりやすい定義や用語」、「用途、機能、規模、利用方法に応じた整備基準の検討」、「新たな知見の導入」の5項目を挙げさせていただきました。以下、順番に御説明申し上げます。

まず、(1)の「用途機能、規模に応じた対象施設の区分」でございます。

整備基準では、福祉施設のように、規模にかかわらず全て対象となるものがある一方で、商業施設のように、規模が小さい場合は対象外となるようなものもございます。例えば、最近では、町中の小さなコンビニで公共料金の支払や預金の引出ができる等、銀行、郵便局のような機能を併せ持っているような事例もございますが、コンビニはあくまでも商業施設というくくりでございまして、200平米未満の場合は条例の対象にならないなど、従来の施設の区分ではカバーしきれないような事例もございます。

こうしたことから、商業施設や福祉施設などといった、施設の区分につきまして、具体的な用途や機能、規模に応じたものとなるよう検討する必要があるのではないかということでございます。

次に、(2)の「既存物件の新築物件との差別化」でございます。既存物件の増築や用途変更は、条例上新築と同じ扱いでございます。この結果、100平米未満の用途変更等、建築基準法の手続が不要な建築行為もこの条例に基づく事前協議の対象となる等、既存物件の活用の妨げになっているというような御意見もございますことから、既存の増改築の場合と新築の場合を差別化、すなわち、分けて扱うということを検討する必要があるのではないかということでございます。

次に、(3)の「わかりやすい定義や用語」でございます。先程御紹介した中で、法令の基準と統一して欲しいという御意見がございましたが、条例の整備基準では、バリアフリー法と考え方や用語が違う箇所がいくつかございます。これは、この条例の前身であります福祉の街づくり条例が、バリアフリー法ができる前から存在をしているということも背景にあるかと存じます。また、条例の整備基準の中でも、基準が重複していたり、内容がわかりにくいというような箇所がございます。

こういったことから、法令と考え方や用語を揃える等、整備基準の表現をわかりやすいものとなるように検討する必要があるのではないかということでございます。

次に、(4)の「用途、機能、規模、利用方法に応じた整備基準」でございます。先程、ガイドブックの整備基準の一覧表について御説明しましたが、整備基準では、施設の用途や規模により、除外や緩和規定を設けているものとそうでないものがございます。

ガイドブックの28ページをお開きいただければと思います。先ほどの項目適合表でございますが、下の方に「視覚障害者の円滑利用」、すなわち、誘導ブロック等の敷設に関する項目がございます。この項目の中で、28ページの共同住宅と、29ページの宿泊施設とを見比べていただければと思いますけれども、共同住宅はこの視覚障害者の円滑利用の項目がハートマークすなわち望ましい水準でございますが、宿泊施設は丸印、適合すべき基準ということになっておりまして、同じ整備基準でも施設の種類によって適用となるものとそうでないものがございます。

また、規模に着目して考えてみますと、ガイドブックの25ページを御覧いただきますと、診療所と福祉施設の整備項目がございますが、これらを見比べていただきますと、診療所の場合、500平米未満の場合と以上の場合で内容に差がございます。前者はハートマークすなわち望ましい水準ということで、後者につきましては、丸印すなわち適合すべき基準ということになります。

一方、福祉施設の方を見ていただきますと、全ての規模で丸印すなわち適合すべき基準となっておりまして、こちらについては規模による差がございません。

このように、施設の用途や規模により整備基準に差があることを踏まえまして、整備基準の内容が用途や機能、規模、利用方法に応じたものとなるよう、検討する必要があるのではないかということでございます。

資料の方にお戻りいただきまして、(5)の「新たな知見の導入」でございます。現行の整備基準が施行されてから、国の建築設計標準の改定等、新たな知見が示されております。また、近年では、設備整備の水準が上がっているものがあればより高いものを目指すべきではないかという御意見もありましたので、条例施行後の5年間で示された新たな知見の導入について、検討する必要があるのではないかということでございます。

次に、別紙2を御覧ください。「街づくりや都市計画等との連携」でございます。

バリアフリー条例は、単体の建築物や道路等といった、いわば、点と線の整備に関するものでございますが、建築物や道路の所在地である地域全体の計画、いわば、面的な整備に関するものではございません。地域全体の計画には、各自治体が定める都市計画ですとか、バリアフリー法に基づく重点整備地区にかかる基本構想というものがありますけれども、こうした計画とバリアフリー条例の間には接点がありませんので、バリアフリー条例は個々の建築物や道路等のバリアフリー化を進めるものものではあっても、都市計画や基本構想で定めている地域全体のバリアフリー化を進める仕組みにはなっていないということでございます。

ここでは、検討すべき事項としまして「地域全体(=面)を意識した施設整備」と「地域のバリアフリー化と条例とのかかわり」を挙げさせていただきました。以下、順番に御説明申し上げます。

まず(1)の「地域全体(=面)を意識した施設整備」でございますが、事業者の意識を建築物だけではなく、周辺地域にも向けさせることによって、地域全体すなわち面のバリアフリー化を誘導することについて、検討する必要があるのではないかということでございます。

地域のバリアフリー化の主体は、都市計画や基本構想を策定、実行する各自治体でありまして、個々の建築物を建てる事業者ではございませんが、こうした事業者の方々に、何らかの形で、点だけではなく、面の整備にも意識や関心を持っていただくような手だてが考えられないだろうかということでございます。

次に、(2)の「地域のバリアフリー化と条例とのかかわり」でございます。これは、都市計画や基本構想といった地域のバリアフリー化に対して、バリアフリー条例がどのように関わっていくことができるのか検討する必要があるのではないかということでございます。

続きまして別紙3を御覧ください。「事前協議の審査結果基準・条例の評価指標」でございます。

事前協議の審査結果基準におきまして、適合となるのは必要とされる整備項目を全て充足した案件に限られ、不適合となる案件の中では整備基準の充足項目にかかわらず同じ結果となることから、これらの指標である、遵守率や適合率というものは、必ずしもバリアフリー整備の進捗度を正確に表しているとはいえません。

また、バリアフリー条例の目標は、「障害者等が安心して生活し、自らの意志で自由に移動し、及び社会に参加することができるバリアフリーの街づくり」でございますが、バリアフリー条例には、条例自体の評価方法や具体的な達成目標に関する規定がございません。

ここでは、検討すべき事項として、「事前協議の審査結果基準」「段階的な審査結果基準」「当事者目線の評価指標検討」「条例の到達目標検討」を挙げさせていただきました。以下、順番に御説明申し上げます。

まず、(1)の「事前協議の審査結果基準」でございますが、事前協議の結果が不適合であっても、整備基準を全く満たしていないと限らないという実態がございます。

参考資料6を御覧ください。条例の運用状況の資料で、前回の会議でお配りさせていただいたものの再放送でございますが、この中の9ページを見ていただければと思います。整備項目レベルの適合状況という項目がございます。これは、昨年度の調査結果でございますけれども、事前協議の結果不適合とされた案件の全体平均で、結果としては不適合ですけれども、適合すべき整備項目の約7割を満たしているという結果が出ておりまして、遵守率が低いからといって、必ずしも建築物としての質が低下しているとはいえないということがいえるかと存じます。

このことから、現状では不適合とされてしまうような案件を正当に評価する方法について、検討する必要があるのではないかということでございます。

別紙3にお戻りいただきまして、次に(2)の「段階的な審査結果基準」でございます。現状では、事前協議の結果、整備項目を1つでも満たすことができなければ不適合となってしまいますが、このことが、事業者の皆様の意欲を削いでいるということが考えられるかと存じます。全部適合させることはできなくても、もうひとがんばりという事業者さんの努力をきちんと評価できるような、段階的な評価方法について検討する必要があるのではないかということでございます。

次に、(3)の「当事者目線の評価指標検討」でございます。県政全般についての基本調査である「県民ニーズ調査」の調査項目には、建築物や道路等のバリアフリー化の進捗度合いに関する意識調査が含まれておりますが、これは、条例自体の評価ということではなく、また、必ずしも当事者の視点によるものでもございません。こうしたことから、当事者による障害者等の目線での条例の評価指標について検討する必要があるのではないかということでございます。

最後に、(4)の「条例の到達目標の検討」でございます。条例は、行政の計画とは異なりますので、条例自体には、目指すべき目標、到達点や数値といった具体的な目標に関する規定がございません。このことから、条例の着実な推進に向けた具体的な到達目標、目指すべきゴールについて検討する必要があるのではないかということでございます。

以上が、検討すべき事項の案でございます。説明は以上でございます。

 

(大原会長)

ありがとうございました。

前回、皆さんから広範な御意見といいますか、指摘事項が出たものを、このように整理していただいたということです。大分忘れかけていることが思い出したようなところもありますが、それでは、前半、この全体の枠組、今整理していただいたこの枠組がこのような形でいいかどうか、視点として抜け落ちているところがあるのかないのかというところを、まず、皆さんから御意見をいただきたいと思います。

それから、前回発言された主旨がこんなふうにここでくくられているけれども、それはそうではなくて別の意味だというようなことであっても構いませんので、その辺りの内容ですとか、とりあえずは、この資料の大きな表になっておりますけれども、この1、2、3という分類でまとめた内容について、どこからでも構いませんので、御意見をいただきたいと思います。

 

(秋山委員)

全体を見渡して、オリンピック・パラリンピックをどういう形で考えていくかという視点がどこに盛り込まれるのかが分からないものですから、現在、IPCと東京都や、あるいは、国の基準だとかを横並びで検討していると思うのですが、それが、神奈川県ではどういう形で反映するのかというのは、多分、5月以降にIPCを含めたパラリンピックの基準ができるはずですので、それにどうコミットするのかということがあると思います。

特に重要なところは、エレベーターのサイズをどうするかというところに、公共交通とか、建築物で関わるのが1つ目ですね。

具体的には12分の1という基準がスロープにございますけれども、これが20分の1という基準もありますし、IPCでは14.5分の1と、20分の1との間が出てくる。この辺をどう扱うのかということだとか、あと、ここでは、競技場等の会場のバリアフリーのことは出てきていますけれども、そこの車いすの座席をどうするかとか、磁気ループをどこまで整備するかとか、日本の国の基準がかなり遅れているものですから、アメリカのサンフランシスコなどは、かなり頑張ってやられていると聞いていますけれども、そういう問題がほとんど抜け落ちていますので、どういう位置付けにするのかというのは、5月以降、是非やられたらよろしいのかなというのが御提案です。これが1点目ですね。

2点目は、特に視覚障害者に関連する部分ですけれども、かなりいろいろの形で整理されてきていますけれども、今までの視覚障害者の基準でもつのかどうか。例えば、新しい音声情報システムが出てきたりとか、あるいは、スマホというのが普及してきたりすると、がらっと情報の仕組みが変わってくる可能性があると思うのですね。そうすると、古い今までの視覚障害者の誘導ブロックと、それから、新しいスマホ等と含めて、どういう社会環境にしていくのかというイメージがまだできていないように思うのですね。これは多分2、3年後にはかなりある程度スタンダード化すると思いますので、今回の条例には間に合わないかもしれませんが、少しその辺りを視野に入れる余地を残しておかれるとよろしいのかなというふうに思います。以上です。

 

(大原会長)

はい、では、とりあえずその2点ということで。

整理されている内容でいうと、1番目の話題の中の「新たな知見の導入」という、今動きつつあるものを今まで取り組んでこなかったものという辺りの大変重要な点だと思います。

で、これには是非、今、既に動きつつあるオリンピック・パラリンピック対応に関しては、今年中に得られた情報に早速対応できるような形で見直しというのは、見直しの中に取り組んでいくことが重要だと思います。

それと、2点目に、ここ数年の大きな技術的な変化にどう対応するか、これは、今回の見直しの結果がそこでフィックスされるのではなくて、この2、3年でまだ動きつつあるということを含めた見直しの検討結果という形にしないといけないなというところで、大変重要な指摘だと思います。

 

(秋山委員)

イメージが分からないといけませんので、具体的な情報の事例を申し上げますと、例えば、ここから日本大通りという駅まで行くのに、スマホを用いてアプリを使い、文字情報で20カ国の案内がサッと出てきたり、あるいは、もちろんアプリを入れての話ですけれども、視覚障害者に対しては音声で情報を提供するということで、視覚障害、聴覚障害の方の両方の便益を図ることです。同時に、外国人に対してもできるようになります。そういうシステムが、既に開発されていまして、私はそれを作ろうと思っているのですけれども、何とか来年度中に羽田国際ターミナルのところで作ってみて、それをできるだけ多くのところで使っていただこうと思っています。そういう新しい技術と進歩が、やはりトライアンドエラーですが、いずれ使える素地も用意しておいた方がよろしいでしょうという、そういう意味でございます。

 

(大原会長)

ありがとうございます。

今のはもちろん、これからの変化に対応してということで、決して今までの誘導ブロックを全く見直すというわけでもなく、それに加えて、いろいろな新しい情報のシステムが出てくることによって、利便性が増すだろうということでいいですよね。

例えば、今までのブロックの案内誘導システムを大きく根本的に見直さなくてはいけないというような御意見ではないということで、少し安心しましたけれども、今までの一定路線、一般的に普及されているものはきちんと踏襲しつつ、さらに求められている要求には、もう少し新たな技術で応えられるところも相当出てくるだろうということで、そういう動きを取り込んでいく仕組みを、条例の中で持っていないといけないということだと思います。

皆さん、どこからでも構いませんので、お気付きの点、どうぞよろしくお願いいたします。

 

(河原様)

河原です。初めての参加で、まだ分からないところもあり、初歩的な質問だと思いますが、対象施設は面積によって該当する、しないということが分かれるようですが、最近の様子を見ますと、小さなお店や診療所など、いろいろな施設が集まっているような形態のものが増えているように思います。そういう場合には、それぞれのお店、診療所などは対象外になってしまうのでしょうけれども、全体で見ますと、大きな施設という意味になると思います。

聞こえない人たちは、大きな施設で何か起きたときに情報がなくて困ることがあります。小さなお店の場合には、今まですぐ誰かが出てきて助けてくれるということもありましたが、小さいお店が集まっている大きな施設という場合には、面積は大きいわけですよね。そういう場合に、何か起きたときの情報がないと困りますので、面積自体は大きくなっていますから、面積上適合するということなのか、その辺がよくわからないのですが、対象外であるならば、小さな施設が集まっているところも該当するようにしていただきたいと思います。

 

(大原会長)

ありがとうございます。

これは、前回、例として挙げられたのが、コンビニ等の商業施設というふうにくくられているものの中にも、公共的な機能が様々入っているとか、小規模で複合化された建物、一つの建物の中にいろいろな機能が入っているような場合に、それぞれ取り出して非常に重要な機能を持っているのだけれども、それぞれ取り出した面積にしてしまうと適応外になってしまうという問題ですね。

これは、前回指摘したかどうか忘れてしまいましたが、繰り返しになるかもしれませんが、特に、商店街というデパートに対抗し得る一つの大きな組織体といいますか、空間があるのですが、商店街となると、一つ一つの建物が小さくなってしまいますので、それぞれにバリアフリー整備ができないという問題があったりして、そういうのは、小規模な建物の群、グループとして、何らかの制限をしていくというような仕組みが必要なのだろうと思います。

これは、2番目の課題の、街づくりとの連動というものにも関係してくる課題だと思いますが、こういう辺りを考えていく必要があるのだろうなと。

 

(秋山委員)

そこについてよろしいですか。網をかぶせるのは、商店街という一つの塊で網をかぶせるというのが一つあると思うのですが、もう一つは、都市計画の中で、近隣商業地域と商業地域というところがあると思うのですが、そこに属している商店街は、必ずバリアフリーにしてくださいという、そういう都市計画等との連動はまさにそこでできるのかなというふうに思いますので、少し御検討いただければと思います。

 

(石川委員)

商店街の立場からいいますと、商店街の体質や立地、規模など様々な条件があるので、一概にバリアフリー化してくださいというのはちょっと難しいのかなと。例えば医療関係とかそういうものが含まれてくると、そこはやはりバリアフリー化は必修だと考えますが、医療を利用しない一般の人は使いにくい。ただ、おもてなしのバリアフリーは工夫次第で比較的導入が可能である。力のある商店街は、そういう網を掛けられれば、整備をしていくことは可能なのでしょうけれども、どこまで、近隣等商業地域との関係をするかというのは、もう少し検討いただければと思います。

 

(秋山委員)

そこについて、もう一つよろしいですか。商店街でも、全ての商店に対して全てバリアフリーにしなさいということではなくて、ハードとソフトの両面で行ってくださいという言い方があると思います。例えば、東京都等、あるいは板橋区で実験をやった結果ですが、障害をお持ちの人が店の外に来たときに、例えば知的障害の方が来たら声をかける、聴覚障害の方が来たら筆談の器具を出すとか、バリアフリーでない建物に車いす使用者が来た場合には、表に出て行って対応するというようなソフト的な教育プログラムをやっていかないといけないですね。

ですから、福祉のまちづくりの今までの悪いところは、ハードだけで全てやろうとしていたところに限界があって、ハードとソフトの総合力でいくことを商店街等では考える必要があると思います。

これが、これからの商店街を整備していくにはとても受け入れやすいものだと思います。

 

(石川委員)

今おっしゃったように、例えば、店頭におもてなしではないですけれども、我々の個別のお店が例えば、筆談される方、現状でも、多分、多少障害のある方にはそれなりの対応をしていると思うのです。

それを、例えば、店頭でステッカーなどでもっとやっていくという部分で、それは我々の努力だと思います。

 

(秋山委員)

パンフレットも新宿区で作りましたし、そういうものも是非活用していただければと思います。

 

(石川委員)

そうですね。それは間違いなく我々商店街側の努力ですし、例えばバリアフリーでなくてもそれに近いもので、例えば介助をして使ってもらうとか、そういう方法はあるので、そこは柔軟な対応で問題を解決していければと思います。

 

(秋山委員)

もう一つよろしいですか。今ここで、障害者目線という言葉、当事者目線という言葉があったと思いますが、まさに、総合力でやるということが当事者目線そのものになっていると思います。

ですから、当事者目線と商店街の在り方をうまくリンクさせていただくと、新しい流れができるのではないかと思います。

 

(大原会長)

先程の商店街の話で少し思ったのは、今まで、規制規制ということで、守りなさいという強制力でいろいろなハード整備から組み立ててきた姿勢があったかと思いますが、例えば、商店街の中でこんないいことをやっていると。こういうことでいろいろな人に対応できる。

例えば、いわゆる障害をお持ちの人だけでなくて、外国人にも大変ホスピタリティのある商店街だというようなことも、そういういい取組みをむしろ推奨する、ほめ育て的にそういうところを、どんどん見える形にしていく。ここはユニバーサルデザイン推奨商店街ですよというステッカーを貼るとか、そういう方法も一方であるのではないかなというふうに思います。

今まで条例は割と規制の方をきちんと事細かに考えてきたかと思いますが、そういう方法も是非取り入れたらいいのではないかと思います。

 

(石川委員)

そういう部分では、一部の商店街が外国人の方にちょっとお手伝いをしますよとか、そういう表示をして、お店側が地域に協力するというか、地域に来ていただいた方を、おもてなしというまでではなくても、気持ちよくこの街で過ごしていただくという努力は我々もしていかなければいけないし、そういう努力を少しずつこれからもしていく予定ですので、また何か御意見があれば御指導いただければと思います。

 

(大原会長)

ありがとうございます。他にはいかがですか。

今思い出したのですが、例えば、逗子市でやっているように、公共施設のバリアフリー化を進めるに当たって、公共施設の場合は、庁内で発生した設計や計画の図面を、あらかじめ当事者の方を交えた検討委員会でチェックするという仕組みを持っています。これは、公共施設に限っているわけですけれども、今までの事前協議のやり方というのを、もう少し参加型といいますか、参加していく仕組みとして、重要な点ではないかと思っております。

それを県で一律にやるという話ではなく、市町村、自治体で、そういう試みを、事前協議の仕方に工夫をしているようなものに対して、県として推奨するとか、何らかの応援していくような仕組みを考えてあげるとかいうようなことも必要なのではないかなと思いました。

というように、思いついたものなど、何でも結構ですので、どうぞ、お願いします。

 

(小渡委員)

それに絡んでですが、ソフト的なことを何かの中に盛り込むというのは、非常に膨大になってしまうので、今先生がおっしゃられたように、市町村によって特性も違うので、そこで、検討委員会か事前の審査会のような、ソフトについて検討するような機関があると、すごくいいのではないかと思ってきました。

横浜市の街づくり関係に携っていますと、海辺の地域も、丘陵地も、密集地もありますし、それぞれ特性がありますので、建築的には、建築協定のようなものを結んで、事前にチェックされた上で、その上の地区計画や確認機関に行くようになっています。ソフトの面も、どこかそういったチェック機関を通って、何らかの対策が取れていれば、ソフトの街づくりに関するところはクリアできたと解釈されてもいいかなというふうに思いました。

 

(大原会長)

地域の特性に応じてということと、事前協議を実効化していく仕組み、プロセスの部分ですよね。

プロセスでの工夫、そういうチェック体制をあらかじめ設けておくと、きめ細かな対応ができるのではないか。

それは、先ほど言ったように、全ての場所でできるとは限りませんけれども、そういうものを何か位置付けておくとか、応援する仕組みというのは、県としてあるのではないかと思いました。

 

(鈴木委員)

よろしいですか。2つあります。

1つは、別紙2の(2)の「地域のバリアフリー化と条例のかかわり」というところになるのかなと思うのですが、もし違っていたら修正をお願いしたいと思うのですが、今、逗子の話をされていましたが、いろいろなバリアフリーを進める中で、当事者の意見を聞いてくれないで、当然、良かれと思ってやっていると思うのですけれども、現場の話だとか当事者の意見が、なかなかそういう委員会とかに反映されないという意見が、私たちの集まりをすると結構出てきます。

そういったものの中で、地域によって違うということはないと思うのですけれども、いろいろな意見を聞いた上で進めるという整備の在り方というかやり方については、今後もし条例に入れられれば、地域の委員を入れたりしていただくといいかなというのが1つです。

それから、2つ目ですが、先ほど秋山先生がお話しをされていた、視覚障害者誘導用ブロックの関係で、確かに、全体としては、いろいろなシステムができて、面の中で広く動くときというのは、スマホを使ったアプリとか、最近ではGPSを利用した装置とかもあって、そういう面では、行く方向でナビを利用することは十分できてくるのかなと思いますが、個々の部分においては、先ほど先生がおっしゃったように、誘導ブロックはやはり外せないだろうなというふうに思います。

それと、建物の中、特に、診療所だとか、病院だとか、高齢者の施設だというところで、今年度というか、5月から10、11月ぐらいにかけて、通常のJIS基準の視覚障害者誘導用ブロックと、建物の、特に車いすだとか高齢者の方が利用される部分においては、誘導用ブロックの形状の基準が5ミリなのですが、2.5ミリの高さの基準でもいいのではないかという、調査といいますか、業界の結果が出ていたりしています。

ですので、これは全部に適用されるわけではなく、特に、特定特例建築物の中の診療所、病院、高齢者施設などでわけの分からないブロックを敷くのではなく、ブロックの形状はそのままにして、高さの低いものをというような形もあるので、今後の取組みとしては、そういうものを入れていただくといいかなと思います。秋山先生、もし補足があればお願いします。

 

(秋山委員)

客観的に申し上げると、障害をお持ちの人たち、特に視覚障害者の方々が、誘導ブロックというような、時々他の人がつまずく原因になったりするという部分がございますので、それを室内では緩和していこうという大きな流れだと思いますので、神奈川県として、積極的にそういった方向を取り入れてもよろしいのではないかと、私は思います。当事者の方が直接研究をされて言い出したということがすごく大事なことですので、そういう視点で考えていくのもよろしいのかなと思います。

 

(大原会長)

ありがとうございました。

 

(戸井田委員)

車いすとか、片まひの人たちに対してのバリアフリー、これはなかなか難しいものですが、やはり、地域の皆さん、その街の商店街に勤務している皆様たちの心のバリアフリーというのが一番必要ではないかと思います。

街全体がバリアフリーになっても、ちょっとした心のバリアフリーがないと、買い物などで商店街に行っても辛さがありますので、できれば、心のバリアフリーも、いろいろなところの商店街の方たちと障害者の意見交換会ができるような場を持っていってほしいなと思います。

ただ、こういう書いたものだけを見て、ああそうか、こうか、というよりも、実際に携わらないと、障害者でそれぞれ全部違う特徴を持っていますから、それをやはり持っていただいて、その中で、ここはもうバリアフリーになっているけれども、ここはちょっとまだだよね、じゃあここはどのような心のバリアフリーで支えようか、ということも私は大切だと考えております。

もう1つ、これは関連するかどうかわかりませんけれども、大きなデパートに入った時に、地震が来たときに、やはり、これだけいろいろな障害者の方に対していろいろなことを言っていても、いよいよその場が来たときに、障害者がそばにいても、手を携えてくれる人はいないのです。

そういうところもやはり、逃げる時は、杖を持っている人やいろいろな障害者の方を見かけたときに、言葉をかけて一緒に連れて逃げてくださるということも大切ではないかなと思いますが、こうしていろいろな所で訴えていても、いよいよ肝心な時にはこれが生きてこないのです。

ですから、そこのところをもう少し考えていただいて、市民の皆さんとの話し合いや、いろいろなことを障害者と一緒にもっていただくことも必要ではないかと、私が普段から感じていることをお話しさせていただきました。

 

(大原会長)

ありがとうございます。

心のバリアフリーとか、障害を持っている人への接し方の部分とか、確かに、その辺りは今回の枠組みの中には位置付けられていないと思いますので、その辺の項目というか、内容として意識していただくといいかなと思います。

 

(戸井田委員)

いろいろな建物がバリアフリーになったからいいということではなく、やはり、それに携わる周りの方々の心のバリアフリーというのも、一番必要ではないかと思います。

 

(小野委員)

障害者自立生活支援センターの小野と申します。幾つかありますが、まず1つは、別紙2の(1)の「地域全体を意識した施設整備」ということで、先ほどオリンピックの話も出ましたが、例えば、私は福島出身で、こちらで生活して2年になりますが、今日のこの会場に行くに当たっても、愛甲石田から海老名まで来て、海老名から横浜に出て、横浜から日本大通りに来るわけですが、日本大通りの3番出口から出るためには、通常ですとエスカレーターと階段しかないので、脇にあるインターホンを押して警備員に来ていただいて、専用の通用口に入って、エレベーターを案内してもらって、建物の名前は忘れましたが、建物の1階部分まで出る形になっていまして、これからオリンピックとかを踏まえて街づくりを考えていったときに、エレベーターとかスロープという部分だけはきちんと整備されているかもしれませんが、移動を考えたときにきちっとした案内経路ができるかとか、私たち自身でもどう行ったらいいかわからないような経路を通らないと目的地までたどり着けないというところがまだまだ多いので、そういうところを全体的に考えていく必要はあるのかなと、自分の体験からも感じたところです。

もう1つは、既に基準を満たしているような設備に関して、改めて実際に利用している立場から、既にやっていれば申し訳ないのですが、モニタリング等の調査をして実情はどうかという情報を集めるのも必要かなと思いました。

これが基準を満たしているかどうかわからないのですが、私がみんなのトイレとか多目的トイレを利用して、こういうことが起きたのですが、自動ドア開閉ボタンを押して開けた瞬間にベビーベッドが下に降りたままの状態になっていて、そこから便座まで移動できなかったことがあります。私もまだ勉強不足なので、そのトイレ自体が基準を満たしているのかというのはもちろんあるのですが、そういった基準を満たしている設備、設置している場所についても、定期的に調査を行ってモニタリングをしてみるというのも必要なのかなと思います。

最後にもう1つは、現行の設備基準についてですけれども、最近私が良く耳にするのは、やはり、内部障害がある人たちの声なのです。例えば、エレベーターの脇に、体が不自由な人をはじめ、妊婦さん、それから、高齢者、けがをした人優先でお使いくださいというような案内がされているけれども、もちろん身体の不自由な人に含まれているかもしれませんけれども、そこに内部障害の人達というのが入っていないだけで、私たちはどうしても使いづらくなってしまうとかですね。

例えば、この冊子の基準から言うと、私がちょっと気になっているのはオストメイトの設備基準ですが、1箇所以上となっていますが、私は、1箇所以上だとちょっと足りないのではないかと少し思っていて、大きな商業施設とか、5階、6階まであるような建物の場合ですと、例えば、私が行った某商業施設の場合、最上階に1箇所だけオストメイト機能があってその下の階には全くオストメイト機能がなかったりすると、内部障害の人たちはわざわざ最上階まで上がってそこに行かなければいけないのかなということを考えたりすると、このオストメイトの設備基準とかをもう少し見直してもいいのかなとも思っております。私としては、そういうところを感じました。

 

(大原会長)

ありがとうございました。

トイレの具体的な設備に関しては、後半でまたやっていきたいと思いますけれども、実績に対するモニタリングとか再評価というようなことも、条例で書かれているのでしょうか。条例自体を5年経って見直すというのはあるかもしれませんが、条例で生み出されたものの評価とか、モニタリングというようなことは特に書かれていないのでしょうか。

 

(西條課長)

現行では書かれておりません。大規模改修や新築の届出の際に事前協議という制度でチェックはしているのですが、既存施設でどうなっているかという調査は条例上では規定されておりません。

 

(大原会長)

その辺も、今のお話しでは検討課題としてはあるかなと思います。

 

(西條課長)

はい、検討課題にはなるかと思います。

 

(河原様)

河原です。今のお話しで思いついたことがございます。

モニタリングですが、本当にそれはやるべきだと思います。全部やるにはなかなか厳しい面もあるかと思いますが、できれば、当事者が実際に使って、そういう問題があったということを報告することができる制度があればいいと思います。

街の中で今みたいな経験をされた方がたくさんいると思いますが、それをどこに持っていったらいいのか分からず困っているという面もあると思います。報告をする場所、制度があればいいなと思いました。以上です。

 

(大原会長)

ありがとうございました。

今までは、作る段階だけ考えていたということでしょうか。

 

(鈴木委員)

鈴木です。都市計画とか、2つあって、1つは、計画道路とかそういったものを直す時に、いろいろな設置の参考例というか、設置の基準というか、いろいろなマニュアルがあるようですが、時々相談を受けるのは、例えば、今までは誘導用ブロックなどがこういう設置だったのですが、これでいいですかといって、基準はあるのですが、いろいろな形での敷設の仕方になってしまうというところで、何かもっとこう、今は条例の話なのですが、もう少し一段上のところで、こういう設置方法があるといったようなサンプルみたいなものがあるといろいろな意味でいいかなと思います。

それはブロックだけではなくて、先ほどのオストメイトだったり、そういうサンプルがあったりして、こういう形がいいぞと示せるものがあるといいのかなというのが1つと、2つ目は、最近は特に思うのですが、改修をするときに、今までの誘導ブロックがJIS規格外のものなのに、まだ使えるからといってそれを使ってしまうと。節約と言うといいのですが、どうせ改修するなら、JIS規格のものを付けてほしいなと思うことがあるのですが、そういう時に、それはブロックを敷設すればいいという基準なだけで、JISそのものは強制力がないと言われてしまえばそうなのですが、経費の面から来るのかよくわからないのですが、基準があるのに適合しないというか、採用されていないという例もあるので、その辺りは上手く指導していただければなと思います。

 

(大原会長)

ありがとうございました。

複数の基準などがあって、統一されていないというのは、また後半で話題に上げたいと思います。

それから、既存のものを改修する場合に、どこまで統一されるのか、どこまでできるのかという話も、課題の1番目で、新築の場合と既存の場合との違いで、それをどう扱ったらいいのかなどという話題として扱うことになるかと思います。

今回、全員の方にというふうに特に意識していないので、気がついたところでまた御意見をいただければと思いますので、後半の時間の使い方に移りたいと思います。

というのは、今回の課題の1,2,3とある中で、今日は、この1番について、基準の在り方、対象施設だとか、基準の程度だとか、その施設の規模だとか用途だとかということですね。

それから、義務と誘導というか、自主規定の部分との二段階性のような話や、今の整備基準で、ここを変えるのがまず必要ではないかというような辺りの具体的な御意見をこれから伺っていきたいと思います。

今までいくつか出てきていると思いますが、整理していただいた項目で、中分類というか小分類で見ますと、5つに分けられます。

これは、別紙1で検討すべき項目として5つ書かれていて、1つは、用途、機能、規模、具体的に、小規模なものはどうするかというような話、2番目が既存物件と新築物件との違いですね。既存の改修などでは、整備基準に関して恐らくこれはもう少し緩やかにする方がいいというようなことじゃないかなと思うのですが、その違い、それから、3つ目がわかりやすい定義や用語ということで、これもいくつかの基準があったりする中で、統一されていないとか、解釈が違ったりとか、というような問題があるかと思います。4番目が、用途、機能、規模、利用方法に応じた整備基準の検討と書いてありますが、具体的に指摘が上がっていたのは、先ほどの視覚障害者用の誘導ブロックの扱いなどが例として挙がっていたかと思います。それで、5番目に、先ほども少し出てきましたけども、新たな知見というか、技術とかが入ってくることに対して、どういうふうに柔軟に対応していくかというようなことだと思います。

この辺りについて、少し具体的に、条例それから整備基準、施行規則ですか、このガイドブックで具体的に表されている整備基準など、具体的な整備内容に関しての意見をお聞きして、具体的に今回の条例見直しでどこを扱ったらいいのかというようなことが少し見えると、事務局としても作業がしやすいのではないかと思いますので、少し、具体的に御意見をいただければと思います。

 

(坂本委員)

前回も質問しましたけれども、福祉施設の一番の不適合というのは誘導ブロックなのですよね。

誘導ブロックが設置されていないということで、この間も、私の法人で小規模多機能という施設を作ったのですが、道路からわずか2メートル半ぐらいしか離れていないので、誘導ブロックを付けていないのですね。それで、私が最後に建築基準の評価を全部見ていたら、建築士が、不適合というのですよ。不適合だったら建築基準法に違反しているから作れるわけがないだろうと言ったら、これは必ずしも厳格な基準ではないので、OKをもらえますということでもらっているのですね。

ということなので、やはり、福祉施設の道路から5メートル以内とか3メートル以内の場合は誘導ブロックはいらないとか、そういう基準を設けるべきではないかと。恐らく、7割も不適合になっているというのは全部そういう施設だと思うのです。みんな道路から近いから。そんな所は恐らくわざわざ付けていませんので、私はそういう見直しが必要ではないかと思います。そうしないと、バリアフリーに一番関心を持って努力しないといけない福祉施設が一番法令を遵守してないということではおかしいので、私はそのように感じました。

どうしてもやれというのであれば、法律できちんとやって認めないということにしないと、必ず付けろということにしないと、おかしいのではないかという気がします。以上です。

 

(大原会長)

具体的に、そのような御意見ですね。

これは、現状では特に距離が短いからとかいうようなことはないですよね。付けないでいいとはいかないわけですよね。

 

(西條課長)

道路からの距離ということでは、特段定めはありません。必ず設置といいますか、適合はしていないのですが、遵守はされていると思うのですね。いろいろな場所の事情などがございますので、その言い方なのですよね。適合していないというふうに決めつけられてしまうので、やはり、福祉施設さんとしても、その評価が不本意ではないかと思います。

 

(坂本委員)

社会福祉法人が守っていないというイメージがつくといけませんので。

 

(大原会長)

今のには2つありまして、1つは福祉施設という定義が、従来は福祉施設というと巨大なものが多かった中で、今言われたような小規模多機能だとか、通所デイとか、宅老所的なものとか、そういうような小規模な地域密着型の住宅型の施設に関して、福祉施設という範疇に入れていいかどうかという問題があると思います。

それから、それに象徴されるように、小さなもので距離が短かったり、実質的に他に代替措置が考えられそうなものの場合に、何が何でも同じ基準を適用するのかという話ですから、代替案がありそうなものに対してあまりにも杓子定規だという、その2点があるかと思います。

 

(鈴木委員)

今の(4)の用途、機能、規模、利用方法に応じた整備基準の検討の部分なのかなというふうに思われます。確かに、生活介護をやっている施設は、当然、福祉施設ではあるけれども、視覚障害の人が行ったりしないわけですよね。そういったところまで適用するかというところが、やはり、用途とか内容によって、考えていいのだろうなというふうに思います。

ですが、病院や診療所だとかで、まるっきり点字ブロックがなくなっていいかというと、そんなことはなくて、誰が利用するかというところをきちっと見るところで、整備基準などを考えられた方がいいのではないかなと。適用される部分についてですね。

 

(小渡委員)

前回のお話しの中で、適か不適か、合格か合格でないか、というような評価の方法を検討し直したらどうかという提案をさせていただきましたが、やはり、段階的な評価とか、こことここについては合格ですよみたいなポイント的な、大きな総合福祉施設と小さな小規模多機能のようなものと、道路からすぐで内部の人が手を差し延べられるようないろいろな状況によって、そういう評価は、実際に私は建築士なので、設計をしていて、事業主の方がもういらないと言い出してしまうのですよね。

勾配を何分の1にしなければいけないというと、そこの中で取れないので、どうしても不足してしまう傾向があって、この施設で使う人が決まっているのだから、こういう福祉施設だったら、この項目に丸がついていればそれでよしとするような、そういう多面的に評価できる評価指標が必要ではないかというふうにずっと思っています。

 

(秋山委員)

それに関連して、よろしいですか。建築物を500平米以上とか全部を対象にするというのは、結構荒っぽいのですね。現実の都市に存在している様々な施設は、規模もあるいは使い方も全部バラバラなのです。

そういう中で、今問題が生じているのは、どこにどの程度問題が生じているかという基礎データはないのでしょうか。そして、その問題がある部分をある程度集合として、これは7割ぐらいあるとか、問題が大きい順から解決していくというやり方があるのではないかと思うのですね。

ということは、基礎データが政策を判断する場合には必要になると思います。データなくして、ここの委員の意見だけでやると、もしかすると間違うかもしれないという心配もありますので、できれば、委員の先生方の御意見がやはり適正であるということを確認するデータも欲しいのです。

(西條課長)

その点で、前回の会議の中でいろいろと資料としてお示しした中では、現状でどの施設の用途の施設が適合率が足りないですとか、遵守率が低いですとか、そういうものをデータ的にまとめたものがございます。前回の資料4-1、今回も参考資料でお配りしている、6の条例の運用状況というのがございます。その中で、我々が用意させていただいたデータでございますけれども、先ほど、坂本委員の方から点字ブロックのお話しが出ましたけれども、昨今の状況から、グループホーム、障害者のグループホーム等は共同住宅に入りますので、みんなのトイレを設置しなさいとなってしまうのです。それは非常に厳しい条例といいますか、規則、規定になりますので、その辺については、非常に適合率が、当然、事情からしても低いというような結果も出ていまして、特に福祉施設では、便所の適合件数が非常に低いというのが実態で出ております。調査状況ではこのような状況です。

 

(秋山委員)

この条例適合率というのが出ていて、さらに、神奈川県全体でこういうことをやらなくてはいけない施設がどのくらいあるのかという、分母はどのくらいですか。

 

(西條課長)

既存施設についてすべからく把握されているわけではないので、お出しできるデータというのは、事前協議案件の取りまとめという形になってしまいます。

 

(秋山委員)

確かに分かりますけれども、やはり、分母がどういう分布なのかが欲しいですよね。サンプリングでも。それによって今までの傾向と合わせて考えていく。これからはそういう施設が対象となるわけですから。

 

(坂本委員)

社会福祉法人がやっている施設でトイレが不備であるようなものは、私はないと思います。グループホームでも何でも、作ったときにきちんとチェックされますから。それを見て基準に合っていない場合、OKは出ませんよね。

そうでなくて、民間がやる会社で、まだ認可されていないところは勝手にやると。勝手にやるというとおかしいですが、会社が運営する有料老人ホームで事故が起きて、調べてみたら、全然県や市に届け出ていない無認可の施設だった、こういうところは、今の御指摘のように、トイレなどが不備のところがあるかと思います。

社会福祉法人が経営、運営しているところで、トイレ、風呂、廊下、これはもう絶対条件がきちんと決まっていて、OKにならないと認可されません。

だから、福祉施設のこの統計のとり方が、社会福祉法人+民間がやっている認可されていない福祉施設も全部入っているかどうかですよね。社会福祉法人は、絶対に0件だと私は思います。

 

(西條課長)

障害者の福祉施設の中でグループホームがありますが、アパートを改造して福祉施設にしているというのが結構例としてありまして、その際に、みんなのトイレというレベルでは構造上も難しいということで、不適合になってしまう事例はございます。

 

(大原会長)

データの中では、先ほど指摘があったように、既存のものがどうなのかというのが気になるところですが、実際に既存建物の改修か改築なのか、新築なのかというデータはありますか。

 

(西條課長)

それが今回の参考資料でお示しした中での遵守率と適合率で、低い順に並べているのですが、先ほど秋山先生がおっしゃったような、県内全体でどのぐらいのいろいろな用途の施設があって、どれだけ進んでいないのかというデータは、今のところ持ち合わせておりません。

 

(大原会長)

新築か、改修かというところはどうですか。

 

(西條課長)

参考資料の4ページ辺りで、遵守率の低い用途というのがあります。遵守率や適合率というのは、事前協議の際にそういった届出がされているというところで把握しているデータですね。

 

(事務局)

これは、新築も既存も一緒でございます。

 

(大原会長)

その点も1つはチェックポイントとしてあるかなと思って、先ほど言われたように、社福が補助金をもらったりする形で新築で建てる場合は、大体といいますか、ほぼ全部入っていると思います。

ただ、既存のアパートを転用して、例えば、精神障害者のグループホームとか、知的障害者のグループホームでも、車いす使用者がいないような場合、ありがちなのが、既存のアパートの改修の場合なのです。その辺のデータを出してもらうと分かりやすいかと思います。

 

(西條課長)

データを揃えられるかどうか、検討させてください。

 

(大原会長)

既存の建物の改修なのか、新築なのかということも大きく違うと思うので、その辺りは仕組みを少し工夫することによって考えられるかなと。

それから、難しいのは、やはり、建築物を建てる場合のチェックに過ぎないわけですよね。誰が使うかというところが、例えば福祉施設となると、特定多数とかという概念に恐らくなってきて、全てこういうバリアフリー設備をつけていくということになると思うのですが、特定多数の利用者が割と限定された、先ほどのグループホームなどもきっとそうだと思うのですが、そういうものの場合に、利用者に適合した建築物であればOKという意味合いのこの適合指標、適合基準ですね。そこが、先ほど指摘されているように問題になっているのかなと思います。

建物としてというのではなく、誰が利用するかという、利用者にうまく適合しているかという適合をきちんと判断する仕組みというのが。難しいことだと思うのですか。

 

(小渡委員)

その点でよろしいですか。アメリカのカリフォルニアの方で、普通の街の不特定多数の人たちが使う施設でバリアフリー化が進んだという中で、先ほどありましたように、使った障害者、あるいは、誰でもいいのですが、自分にとって不便だったというのを届け出る場所があって、そこがどんどん受け取って、利用者の多い部分について、どんどん改修していったという話を伺いましたので、やはり、そういう受け入れる場所によっては、こういう障害のある方がたくさんここは使われているというのがわかって、その人たちの意見がそこに反映されていると聞きましたので、そういう仕組みもあるとすごくいいのかなというふうに思います。

 

(坂本委員)

今の御指摘の点ですけれども、各施設は、利用者が利用を始めて、ここは使いづらいといったようなところがあれば、必ずすぐそれを改善していますから、そうしないと、皆さんが利用しなくなりますから。それは必ず皆さんの要望を聞きながら、福祉施設はやっていると思います。

 

(小渡委員)

福祉施設ではなくて不特定多数、飲食店とかコンビニエンスストアとか、いろいろなものもあるかと思いますので、そういう福祉施設の中でなくて、不特定多数の人が使う障害者の基準がありますよね。こういうふうにしなければいけないとか。そういう部分について、利用しやすいように整理していくという必要性を感じます。

 

(坂本委員)

私は、今の件についてはこの間もお話ししましたが、少し違うのです。民間が商店街の中に入っているお店は、そういうふうに対応しなかったら、障害者などは不便だから行かないのですよね。

そうしたら、そのお店は繁盛しなくなるのですよ。先ほどのデパートの話にもありましたが。

だから、いろいろな人が利用してその商売を繁盛させようと思ったら、そういう方にみんな対応するような施設にしますよね。

だから、それをみんなにやれということは、やはり負担がかかって、かえってその店がつぶれて商店街がゴーストタウンになってしまうから。私は、やるべきではあるけれども、それはやはり各個人のお店にお任せするのがベストだと思います。福祉施設は別ですが、普通の一般の商店は、私はそれは違うのではないかという感じがしているのですね。コンビニなんかを、コンビニ自身がお客さんにとにかくよく来てもらうように念入りにしようというのであれば、積極的にそこに投資するかもしれませんが、一方で、そこまでして来てもらわなくてもいいというお店もあるかもしれませんね。これは冷たいという言い方はあるかもしれませんけれども、それはそれぞれの店の考え方ですから、私はそれを批判することはできないと思います。

 

(小渡委員)

そういうこともあるかと思います。それで今、ここに来るのにこういうふうにこういう点ですごく苦労されたというお話しをされたので、そこの中でも、どこのポイントで苦労されたのかというのが蓄積されると、そこのところの改良をまずしなければいけないという話が、いろいろな街の中でも進んでくるのではないかなと思います。

 

(河原様)

河原です。今のお話しを伺って思ったのですが、経済的なコストだけではないと。私のような聴覚障害者の数は少ないのですね。少ないからあまりやっても意味がないという考え方につながってしまい、私たちが生活しやすいような環境にはならないままになってしまうという心配があります。経済的なコストだけではなく、みんなが使いやすいということをまず考えてほしいと思いました。

 

(坂本委員)

誤解しないでいただきたいのは、今、世の中はみんなそういう時代が来ています。困っている人をみんなで助けてあげよう、やさしく安全で生活できるようにしようという世の中ですから。

でも、それを義務付けるのがいけないのではないか。そういうふうに言っているだけで、おっしゃっていることはよくわかります。

 

(大原会長)

それぞれ言われていることももちろん良くわかります。

この条例の仕組みというのは、そういう商業施設に関しては、一応、規模で分けているのですね。大きな規模の商業施設に関しては、誰でも使えるようにしないといけない。そこは義務なのですね。

ただ、それを小さなところまでは踏み込んでいない。便宜的に500平米という床面積の大きさで区切っているわけですが、実際は使いにくいと思っているような施設が500未満のところに相当ありそうだという話があって、そこをどうやってうまく誘導していくかということが、今求められているのだと思います。

 

(秋山委員)

その部分というのは、街づくりと連携するというやり方が一つあると思うのですが、例えば、バリアフリー法の基本構想のエリアの中は、商店街を500平米に限らずもう少し下までチェックをするというそういう網掛けはできると思うのです。基本構想を立てている地区はそれほど多くないので、最初にそういうところからモデル的に進んでいけるという可能性を持っていると思うのですが、そういう連携の中で、商店街特定事業みたいにして、そこは道路特定事業と同じようにバリアフリーにすべしというエリアにできる可能性を追求するのもあると思うのですね。それは、街づくりや都市計画との連携というよりは、バリアフリー法の基本構想との連携ということですね。

御説明しておきますと、基本構想で特定事業として位置付けられたら、道路では歩道橋があったらエレベーターを付けなければならないとか、そういうことになりますので、バリアフリーの特定経路という形で指定されると、結構大変なのですね。

そういう意味で、商店街についてもそういう新しい手法を開発していったらどうでしょうか。あまりハードではなくて、緩い特定事業をまずやる。建築でいえば、建築協定みたいな部分でもいいと思うのですが、そういうことをできればスタートラインにして、10年ぐらい経ったらまた少し強化していくというやり方ですけれども。

 

(大原会長)

次回、その辺を突っ込みたいと思います。

 

(小野委員)

障害者自立生活支援センターの小野です。是非、河原さんと秋山先生にお伺いしたいことがあり、この冊子の項目適合表を見ると、聴覚障害がある方の適合表の項目が、望ましい水準というハートマークが非常に多いような気がするのですが、そこで先ほど秋山先生がちらっとソフト面の配慮のところで、筆談器ということを言われていましたが、筆談器というのは、ソフト面の配慮になるのかというところで、実は、防災とか防犯のテーマも入っていましたけれども、福祉避難所というものがありまして、例えば、内閣府が出しているあくまで指針ですが、福祉避難所に指定されている社会福祉施設に関しては、もちろん、今いる利用者の人命救助ももちろんですが、障害がある人、要配慮者と呼ばれる人たちが来た場合、筆談器を用意したりとか、きちっとした視覚障害がある人への情報保障をしたりとか、そういう準備もしてくださいよという、あくまで指針ですけれども、そういった準備も配慮してくださいということがあるのですが、河原さんにお聞きしたいのは、もう少し聴覚障害者の配慮の基準のところで入れるべき項目があるかどうかというところと、筆談器というのはハードなのかソフトなのかということが、私もまだ勉強不足なので、ちょっとお聞きしたいなというところです。

 

(河原様)

河原です。確かに、この冊子を見たときに、ハートマークが多いということはいいことだと思っているのですが、よく見ますと、そうでもないようなので、がっかりしています。

こちらとしては、聞こえないということは、前回熊谷が話したとは思いますが、普段はあまり感じないことではありますが、地震などが起きたときに、情報がないということは大変困ることです。その点では、やはり何か特に大きな施設の中では、まず音声情報で知らせることが非常に多いのですね。そういう場合、聞こえない者たちは情報が入ってきませんので困ってしまいます。周りの皆さんが避難されているのに、自分だけ取り残されるようなことも起きます。

音声情報が出た場合には、必ず目で見て分かる文字情報を出すような設備を付けるということを入れてほしいと思っております。大きな施設であれば、それが必ず必要だと思っています。

それから、筆談ボードというようなものは、どちらかというと、ソフト面での配慮ということになるかと思います。特に筆談ボードがなくても、紙や鉛筆があればできることになります。

聞こえない人が来たらどうすればいいかということを頭に入れていただいていれば、例えば何か書いて知らせるということを頭に入れていただければ、いつでも対応できることだと思います。

そういう知識がないと断られてしまうようなこともあると思います。ですから、ソフト面も必要であるというふうに考えます。バリアフリーという面で、そういうものをもっと入れてほしいと思います。

 

(秋山委員)

今までの過去20年ぐらいは、車いす使用者を中心とする、あるいは、視覚障害者を中心とするガイドラインといいますか、そういうことに重点が置かれていて、聴覚障害の方だとか、あるいは、色覚障害とか、ベビーカーの人だとか、割と遅れた対策だと思います。だからハートマークがたくさんあるというのと、それから、命に関わる問題までいかない部分も多かったということで、割と見過ごされてきた経緯があると思うのですね。

これから先は様々なことがございますので、磁気ループをどうやって使うかとか、あるいは、筆談器具はいらなくても、ノートでもいいわけです。そういうことを普及していく教育プログラムがかなり必要なのではないか、あまり物に頼らずやっていく対策が一つあるのかなと思います。

それから、福祉避難所というのは、御説明を簡単にすると、福祉避難所は命を守るところではなく、生活するところなのです。命を守るところは、避難場所というところです。従って、避難場所で命が助かった人が福祉避難所に行くことになる。避難場所というのは、具体的には広場です。大きな広場でたまたま避難場所と避難所を兼ねているところもあります。小学校とかあるいは福祉施設ですとかを、兼ねているところは、災害から避難することと、その後、生活するということを連続的にやっていく場所になります。

福祉避難所というのは、石巻の例だと、100箇所ぐらい避難所があって、福祉避難所が2つできたのです。1つ目は割と病院の人が大変なので、100箇所巡回できないので1箇所に集まっていただこうということで、医療的な確保が必要な人が来たのですね。2つ目は、医療ではなくケアのところで、それは障害者と家族が一緒に住むというような避難所になったと思います。そういう意味では、避難所というのは、世の中でかなり誤解されていて、避難場所(命を守るために避難する場所)と避難所(避難して助かった人がその後の生活する場)は基本的に違います。

神奈川県は、災害が発生しても避難しなくてもいい地域がかなりあると思うのですね。それで、そういう人たちが避難すると避難場所が満杯になって混乱します。

ただ、地震の場合に東京都が最初に作った避難というのは、あくまでも火災からの避難なのです。次の段階で、神奈川は津波と、崖崩れや土石流が重要な避難しなければならない災害になると思いますので、それに対する避難場所というのをまずちゃんとして、避難所についてはもう生活施設と同じに考えていただくという、そういう流れになっています。

 

(坂本委員)

相模原市では、今御指摘がありましたように、災害が起きたときに避難する場所と福祉避難所、これは、保育園と老人施設と児童施設が全部相模原市と提携を結んで、何かそういうことが起きたときには、宿泊から何から全部受け入れるというシステムをとっています。おかげさまで、今のところ1件もありません。

それからもう1つ、先程お話がありました、私は自治会連合会の会長をしていますが、一番の欠点は、弱者救済制度というのがあるのですね。災害が起きたときに、車いすの方とか身体に障害がある方を助けようということになっているのですが、常日頃の自治会活動に、自分たちが身体に障害があるわけですが、そんなものに参加してくれるとは言っていません。ですから、自治会の会員になって、そういう情報を提供してくれれば、災害が起きた時に助けに来ますよというようになっているのですが、自治会にも入らない。この間も、近くにたくさん障害者の方が引っ越してきました。それで、自治会の会員になってくださいと。会費は、普通は一月400円ぐらいのところを100円ぐらいでいいわけですが、全員入らないので、助けようにも助けられないのです。情報も何もない。

ですから、自分達が災害のときに困ると思うのであれば、積極的に地域との関わりを持って、災害が起きたときに私はこういう障害があるから是非お願いしますというふうに届けておけば、みんな助けられるのです。何も情報をくれなくて、困ったときに助けてくれと言っても誰も助けられませんので、厳しいことを言うようですが、その辺を御理解いただきたいと思います。

 

(小野委員)

私の質問がこの会議にそぐわない質問をしてしまったので、ちょっと話がそれてしまったと思うのですが、なぜ災害時の話をしたか、筆談器と災害時の話をつなげていったかというと、ハード面のところの基準をもう少し考えていけば、買物最中に災害が起きたとか、災害時の避難誘導とか、そういう時にも役立つ基準にもなるのかなと思ってちょっとお話ししていたので、話をそらしてしまうような質問をして申し訳なかったです。

 

(戸井田委員)

戸井田です。地域の防災の件ですが、私たち障害者というのは、皆さんに迷惑をかけたらいけないのではないかと、防災訓練があってもなかなか出て行かないのが心配なのです。

ですから、よく私も、自分の地域の回覧板に、障害者の方も是非参加してくださいという言葉を一言入れてくれると行こうという気分になりますが、書いていなかったら、迷惑を掛けるのではないかと気持ちがつい遅れてしまうのです。

ですから、それを書いてくださいと過去10年来いろいろなことを言ってきているのですが、やはり、地域の防災の中でもそういう言葉を入れてくれないのです。

ですから、そういうところもやはり障害者というのは、特に肢体などは、障害を持っている故に迷惑をかけてはいけないという気持ちがすごく働いてしまうので、是非そういうところも考えていただいて、防災訓練でも何でもそういうことをちょっと一言入れていけば、地域に出て行きたいのです。皆さんと顔なじみになりたいということもあります。

それから、障害者と書いたら悪いかななんて、そもそも、障害者と書かれて嫌な人は出て行きません。障害者と書いてもらうと、ほっとして、私たちも受け入れてくれるという気持ちを持っていますので、是非、そのような形で呼びかけてください。よろしくお願いします。

 

(河原様)

河原です。聞こえない人の場合は、同じように、地域の防災訓練に参加するというのはあまりないのですね。なぜかといいますと、コミュニケーションができない面でのバリアがとても大きいのです。

できれば地域の人たちと仲良くしたいと思っているのですが、手話を使ってのコミュニケーションがなかなかできませんので、うまく話すこともできません。そのためになかなか地域の人と仲良くできないというという面があります。

聴覚障害者に対して、少しでも理解をもっていただければ、防災訓練の時も参加ができると思います。私たちろう者は元気な人が多いので、困った人を助けることもできます。

その意味で、手話を使って生活している人たちがスムーズに地域の中で生きていける環境を目指す手話言語条例ができたことは、非常に大きなことだと思っています。

バリアフリー条例も、聞こえない人たちが手話を使うということではなく、そういう方々とコミュニケーションができる、何か起きたときに情報をもらえるというような設備であるとか、ソフト面とか、様々に盛り込んでいただければありがたいと思っています。

 

(大原会長)

御自由に意見を言っていただいているのですが、そろそろ時間が迫ってきました。

1番目の課題の、基準に関する検討のところでは、具体的にここをさらに厳しくするとか、ここをさらに緩める必要があるとか、ということは具体的にはあまり出ていなかったと思います。小規模な施設の中でもう少しきめ細かい対応が必要だという、一般的な話はあるのですが、かといって、面積基準を下げた方がいいとかという、積極的な意見は特に出ていなかったと思います。

ちょっと大変ですが、事務局で直すとしたらここだというのが、どこか見つかりましたら・・・。

 

(西條課長)

お話しを聞いていて、やはり、規則別表の中で位置付けられているものなのか、例えば、聴覚障害者への配慮にしても、今は特定の施設といいますか、福祉施設とか病院とか、そういうところは義務付けといいますか、努力義務ですがなされていますけれども、それ以外の、例えば、商業施設ですとかそういうところは、必ずしも筆談器を整備しろとかそういう基準は入っておりませんが、その規則を改正していくかどうかという議論に集約されていくのかなと思います。

規則別表の中での中身や条例そのものという意味では、そこまでの踏み込んだ御発言や御意見はなかったのかなと考えております。

 

(大原会長)

あとは、別表なりこの整備基準に即して、自動的に判断ができるという仕組みではどうも限界があるような話が出ていたかと思います。

つまり、判断とか、さらに、いいものを作るときの指導の仕方とか、事前協議での指導の仕方とか、誘導の仕方という辺りが、どうも重要で、これは条例の中身を変えることによって、その辺がうまくいくものかどうかというのは、是非検討していただきたいと思います。

 

(西條課長)

運用の仕方のお話もございました。チェックの仕方についても、事前協議だけでいいのかというお話もございました。

もう1つは、普及啓発といいますか、奨励的な取組みですね。その辺りは、既に私どもも各種事業の中で、例えば、バリアフリー街づくり賞などで推奨事例として挙げているのは、ハード整備で言えば、当事者の意見を踏まえながら建物を作ってきたところ、これは対象として表彰もさせていただいています。そういった事業の中で、この条例の考え方をさらに普及啓発していくのかという議論。

それから、条例の見直し検討会議ですので、条例なり規則なりを見直す中で、今いただいた御意見を整理していくのか、そういう条例の運用ですね、その3本立てぐらいで整理をさせていただければと思っています。

 

(秋山委員)

今まで使われている誘導ブロックとトイレでやはり問題が出てきているのですが、それについて少し対応したらどうかという御意見です。

最初の誘導ブロックについては、特に鉄道駅や道路空間等で1箇所に集中して敷設するようなところは、障害者の方が分かりにくかったりしますので、その辺りの整備が必要かなと思っています。

これは、道路の交差点では周知をしやすいのですけれども、それと、鉄道駅の階段下辺りのところに、すぐ他の施設があったりしますと、かなり煩雑になるのですね。これは、国の方もまた整理がついていないので、神奈川県でも是非やっていただきたいというのが1つです。

それから、2つ目が、エレベーターなのですが、国の基準の11人乗りというのは、今では余りにも小さく問題が大きくなり始めてきました。

その理由は、車いすが1に対してベビーカーがそれこそ9台とか10台とかそのくらいの割合で使われるようになったことと、これから先、高齢者が4割を目指して増えていくことを考えますと、11人乗りでは圧倒的に小さい。国のガイドラインでは15人乗りにしていますけれども、これでも小さい。例えば、オリンピック・パラリンピックの競技場周辺の駅ではエレベーターを待つ車いす使用者は、2時間とか3時間待つ可能性も出てきているというようなことで、エレベーターのサイズについてはかなり検討が必要だろうということです。それから、サイズと縦横比をどのくらいにするかとか、スルー型にすべきであるかどうかとか、検討事項がエレベーターにはかなりありそうだなと思います。この2点は、見過ごせないかなと。

条例で、これで書くと古い条例をそのまま焼き直したかなと思われてしまうので、是非トイレとエレベーターの両方に注意ください。

トイレについては、やはり、分散型に配置していくというのが、高橋儀平先生が委員長でトイレの検討をしました。国の公共交通の法律やガイドラインにおいても、分散型を目指すべしという流れが来ています。

分散型というのは、多機能トイレが余りにも大勢の種類の人が使っていますので、本当に必要な車いすの人がはじかれてしまう。

オストメイトの人やベビーチェアの人などは一般便房に用意することでも大丈夫だと思います。また、荷物を持った人も多機能トイレに入り始めてきていますので、ある意味で、一般便房のユニバーサルデザインで、車いす使用者でも一般便房を使えるような、そういうタイプのトイレに、これから変えていかなければならないだろうと思います。羽田国際空港ではそれを全部作りましたので、そういう形で作っていただけるとよろしいかなと思います。むしろ、便房を少し減らしてでもやるべきかどうかは、女性の場合には便房の数が問題となります。男性の方は、多少それはいけるかも知れません。以上です。

 

(西條課長)

その辺りも、法委任の規定もございますので、そちらは、国の法改正の動きもにらみながら、取り入れるべきものは取り入れていこうという考えで整理をしていこうかなと思っております。

 

(依田課長)

建築指導課です。今お話しいただいたとおり、基準の作り方ですね。マルかバツかではなくて、今日のお手元の参考資料6でもあるのですが、ハード的に無理だとしても、それをソフトでカバーする場合に、適用でOKという形で今までも運用しています。

今お話しいただいた中で、やはり、付加をしていくものについては、これは最低限、神奈川の施設として必要だということで、引き続き建築確認と一緒に並行してやっていくというのは、一つの流れだと思うのですが、今日御意見を伺っていて感じたのは、やはり、きめ細かさ、福祉の施設では、きめ細かに対応していく必要があるということです。ハードとソフトの連携が非常に重要だということが、今日の議論の中でかなり軸足として出てきたと思うのですね。そういうことでいくと、私ども建築指導課と地域福祉課の中でチェック体制はとっていますけれども、その辺りの今後の対応の仕方というものを、今日の御意見を踏まえて、単に規則の改正ではなくて、それをどういうふうに私ども県、行政として関与していくのかというところも、合わせて、今後検証していく部分があるのかなというふうに感じました。

 

(大原会長)

時間になりましたので、今日の記録を見直して再整理をしていただければいいと思いますが、概ね条例の基本的な整備基準の在り方に関しては、実態にそぐわない部分をどうするかという話はありますが、恐らく、先ほどのマルバツの表や、それから施行規則で具体的な内容の改変というのは、時代に合わせたものに変えていくことができそうな感じはしています。

それができるかどうかというような辺りをちょっと集中的に検討していただいて、次回、その辺の確認をしたいと思います。

次回は、今日のこの整備基準に関しても、それを巡る仕組みの話が結構出てきたものですから、例えばまちづくりとの連動だとか、それから、適合の定義だとか、というような辺り、2番目、3番目の課題辺りを詰めたいと思います。よろしくお願いします。

ということで、一言でまとめられませんので、記録を提示していただいて、項目でまとめていただくのがいいかなと思いました。

一応、議論をここで閉めさせていただき、事務局の方にお返ししたいと思います。

 

(事務局)

ありがとうございました。

以上をもちまして、第2回神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例見直し検討会議を閉会させていただきます。

次回の会議は、夏前辺りということで考えておりますが、日程や場所等につきまして、調整した上で、決まり次第皆様方にお知らせさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

本日は、お忙しい中御出席いただき、誠にありがとうございました。

 

 

(以上)

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