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更新日:2023年4月13日

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平成30年度第1回手話言語普及推進協議会(審議結果)

平成30年度第1回神奈川県手話言語普及推進協議会の結果です

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

平成30年度第1回神奈川県手話言語普及推進協議会

開催日時

平成30年9月25日(火曜日)18時30分から20時35分まで

開催場所

波止場会館5階多目的ホール

出席者【会長・副会長等】

井澤委員、石渡委員【会長】、小川委員【副会長】、河原委員、熊谷委員、高橋委員、田所委員、田村委員、戸井田委員、望月委員、八幡委員、山本委員(敬称略、50音順)

次回開催予定日

平成31年3月

所属名、担当者名

地域福祉課調整グループ

電話番号045-210-4804(ダイヤルイン)

ファックス045-210-8874

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掲載形式

議事録全文

審議(会議)経過

(事務局から資料の説明を行ったのち、議論を開始した)

(石渡委員)
事務局、ご説明ありがとうございました。今の事務局の説明に加え、河原委員から事前に、たくさんご意見を頂いております。資料5として、事務局の説明資料に、河原委員の意見をつけた資料を用意して頂いておりますので、河原委員、手話の普及のところについて、ご意見お願いできますでしょうか。

(河原委員)
河原です。資料5の右の方に、太文字で私たちの意見を書きました。
最初に説明をさせて頂きますが、この意見は、私個人の意見ではなく、私を含め当事者団体、手話通訳者団体、様々な人達が集まってまとめた意見です。
まず、(1)県民に手話を広めるというところについてですが、今までの様子を見ると、まだまだやっていない市町村が多いと思います。それはなぜかというと、市町村としては、「やってはどうですか」と言われても内容がわからないとなかなかやるとは言えないのではないかと思います。今までやった市町村で、どんな内容だったのか、反応はどうだったのかという例を出せば、やるという市も出てくるのではないかと思います。そして、横浜市、川崎市、相模原市はまだやっていませんが、県の中で、人口が多い市にはぜひやって頂きたいと思っていますので、この三つの政令指定都市に対しては、もっと強く働きかけをして欲しいと思います。
(2)広報に関する部分ですが、色々な取り組みがあるということは、嬉しく思っています。テレビ神奈川で、県の広報、情報などを行っていると思いますが、一部に、手話コーナーみたいなものも作って頂き、少しずつ簡単な手話を教える、そして聞こえないことについて、簡単に説明をするというようなコーナーを設けてもらうということも考えて頂きたいと思いました。
(3)イベントについては、3年前に比べると、当事者と共にやるという、そういう考え方が出てきたことはとても嬉しく思っています。引き続き、その考え方に立って進めていって欲しいと思っています。
そしてまた、横須賀市、綾瀬市で行うという説明がありましたが、これは福祉関係のお祭りと聞いています。福祉関係のお祭りは、とても大切な場所ではありますが、福祉にこだわらず、市民がたくさん集まるイベントにブースを設けて、手話を普及する取り組みなどを行っていくことも必要ではないかと思いました。そういった県民が集まるイベントなどに参加するということも考えて頂ければと思いました。以上です。

(石渡委員)
河原委員、ありがとうございました。河原委員がおっしゃってくださいましたように、聴覚障害の当事者の方や、支援をしていらっしゃる手話通訳の方々のご意見をまとめて、河原委員が発表をしてくださいました。最後に河原委員がおっしゃっていましたが、やはり3年前にスタートした頃に比べると当事者の方の声を事務局、行政の方も色々受け止めてくださっているということで、今日もまた新しい魅力的な提案も、今のご意見の中にあったかと思いますが、委員の皆様に河原委員のご意見なども含めて、この手話の普及に関しての取り組みにご意見等ございましたら、ぜひ、ご発言を頂きたいと思います。いかがでしょうか。では、小川委員お願いいたします。

(小川委員)
小川ですけれども、意見です。平成28年度の資料を読んできましたが、この1番目の市町村の働きかけで、4市町村5回となっています。今回の報告も4市町村5回となっています。この計画は一応、33年を目指してということですからあと2年半あります。そうしますと、神奈川県には横浜川崎を入れても31市町村あるわけで、たまたま4市町村5回予定となっていますが、最後の年に向けて、割り算をして、計画をされる。それから横浜川崎、相模原については、他の市町村と違って大きく区割りされたりしておりますので、積極的に取り組むというようなことを、年次計画で、1年ごとでやるのではなくて最後の年次まですべてにやる。それで、その次にまた計画を再構築するときには、もう少し深いところまでやる。とりあえず全部、やるための割り算をしたほうがいいのではないかなと、そういう意見です。

(石渡委員)
ありがとうございました。5年間で31市町、そして大きな、横浜、川崎、相模原を考えると、つまり、年に4市町村というところでは、全部まわらないという、算数になってきますけれども、このあたり、やはり後2年半ですので、少し深刻に受けとめないといけないかなと。今、小川委員のご意見を聞いて思ったりしましたが、他の委員の方、このあたりや、広報の仕方なども含めて、さらにご意見頂けるとありがたいところですが、何かございますか。では田村委員お願いいたします。

(田村委員)
田村です。基本的に河原委員の意見に賛同します。ただ、市町村によって、規模によってはなかなか開催が困難な場合もあろうかと思います。でも、できるだけ多くの機会を利用して、各市町村にこういったことについて、理解を推進していくということがどうしても必要なことだと思いますので、困難はあろうかと思いますがぜひ、拡大を図って頂きたいと思います。

(石渡委員)
田村委員、ありがとうございました。今の田村委員のご意見に加えて、この小さい規模の町村ですと、よく合同で何かをやるというようなこともあるかと思いますので、やりやすい規模とか、連合してみたいなところもご検討頂くと良いかなと思います。
河原委員も心配していましたが、400万に近い横浜市をどうやっていくか、これ一つというのでは、やりきれないかと思いますので、横浜市の行政などと、どういうやり方がいいのかというあたりを少し突っ込んで、今年あたり検討して書いたほうがいいのかなということを、個人的な意見として付け加えさせて頂きます。この普及関連のところについて、他に何かご意見ある方いらっしゃいましたら、お願いをしたいと思います。それでは、この後のところで関連してということもあるかと思いますので、二つ目ですね、手話に関する教育及び学習の振興、ということで整理をして頂いておりますので、続けて事務局、また、ご説明をお願いしてよろしいでしょうか。

(資料について事務局より説明)

(石渡委員)
ご説明ありがとうございました。この2番目の教育学習の振興というところにつきましても、河原委員が皆様のご意見をまとめて、事前に事務局の方に提出して、資料の5に整理をして頂いています。河原委員、引き続きご発表お願いいたします。

(河原委員)
一番右側に意見が書いてあります。太字です。
(1)リーフレットをつくるということは良いことだと思いますが、それだけではなく、(3)にも話があったとおり、「手話を学んでみよう!」という冊子です。あれは大変、内容もよく評判も良いので、それの小中学生版みたいなものを作り、副教材として、学校に配布することを考えたらどうかと思っております。引き続き、前にも話したとおり動画です。今見ると、高校生が、出演しております。健聴の高校生です。手話は聞こえない人の言葉ですので、聞こえない子ども、ろう学校に通っている子どもが健聴の生徒と手話で話をするというようなこともやって頂ければ、より良いのではないかと思っております。繰り返しになりますが、教材、資料の内容、指導方法を確認するときは、当事者団体は昔から手話の指導をやっていましたので、その積み重ねがあります。それを活かして頂ければと思っております。つまり当事者団体と一緒に教材指導方法などを、話し合って確認していく、そういう形をとって頂きたいと思っております。
(2)研修の内容ですが、今の様子を見ますと、それぞれの学校に任せているという状況に見えます。そうではなく、どんな内容をやるのか、あらかじめ当事者団体と話し合う、または終わった後に、どうだったのか評価も当事者団体と一緒に考える、やりっ放しではなく、より良い内容を考えていく、そういう形をとって頂きたいと思っております。
(3)「手話を学んでみよう!」の冊子は大変良いですが、ただ配布するだけで終わりではなく、それを、うまく活かして、ろうの講師が出向き、それを使って教える、そういうことも考えて頂きたいと思います。これもやはり、1の県民の手話の普及、これに、学んで見ようという冊子をうまく活かして、普及していく取り組みも考える必要があるのではないかと思っております。それからもう一つ、資料の6です。現在の手話推進計画に足りないものというタイトルで作ってみました。足りないものは何かと言いますと、聞こえない子どもに対する教育の部分が、ほとんどないのです。繰り返し、この場で話していますが、県からはっきりとした考えは出てきていないまま、今現在に至っています。改めて、初めて委員になった人もいますので、説明をしたいと思います。言語権という言葉があります。皆さんもあまり聞いたことない言葉だと思います。一般的に、言語権といいますと、この資料6の左側に載っていますように、言葉は、自分の考えを深めていく、人格を形成し、豊かにし、他者との繋がりを作っていくために必要なものです。言葉をきちんと学習できなかった人は、大人になっても、きちんとした社会性を持つことができない、そういう例も沢山あると思います。そういうふうに、言葉といいますのは、人間が成長していく上で、非常に大切なものです。ですから、言語をきちんと獲得し、学習し、使用する権利が保障されなければいけません。この権利が言語権と言われております。ろう者にとっての言葉は何かといいますと、聞こえない子どもが自由に自然に獲得、学習して使用することができる言葉は手話なのです。ろうの子どもの言語権、つまりろうの子どもが手話を獲し、学習し、使用する権利が保障されることが必要です。その言語権を保障するという部分が今の計画の中には、ほとんど盛り込まれていません。今どういう形で、どういうことをやらなければいけないのかと言いますと、裏面に3つあります。
1番目はろうの子どもの手話獲得及び学習。今、平塚ろう学校で、色々と努力をしており、実際に、ろうの子どもに対して手話を学習する取り組みをやっております。具体的には、自立活動の時間の一部に手話の学習をやるということをやっております。ただし、残念ながら、国語の時間に比べますと、非常に時間数が少ないです。例を見ますと小学部の場合は、手話の学習は月1時間ですが、国語は週に6時間7時間やっているということになります、それに比べますと非常に少ない時間になっていると思います。やはり、ろうの子ども、または生徒が手話の学習をきちんとするためには、もっと手話の学習時間を増やす必要があると思います。本当ならば、手話は日本語とは別の言語なので、国語と同じように、手話の時間があるべきだと思っております。今、全国の公立の学校見ますと、実際に手話の時間を設けてやっている学校はないです。ただ一つ、私立の明晴学園で、手話の時間とはっきり明記して、学習をしております。これを見ますと、学習指導要綱上も手話の時間を設けることについて問題はないのではないかと思っております。
2番目です。教員の手話研修についてです。先ほどの報告の中で研修はほとんど聞こえる学校の先生、手話研修になっております。しかし、ろう学校で実際に聞こえない子どもと向かい合う先生たちこそ、手話の研修が本当に必要だと思っております。平塚ろう学校では、新しく入ってきた新任の先生に対して、学校内で手話の研修をやっているなど、色々努力してということは聞いております。でも、実際に、本当にろうの子どもと自由に自然に会話できるかというと、それができる先生はまだまだ少ないと思います。ほとんどの先生は、日本語に手話をつけて、話しているという状況になっております。それは残念だと思っております。教育といいますとやはり言葉を通して行う。その言葉が、子どもにはきちんと通じる言葉でないと、教えることはできない。教育には教科の指導だけでなく、生活に関する指導があると思います。その場合やはり、堅い言葉ではなく自然な言葉で会話をする、それが必要だと思っております。
そういう意味で、ろうの方の自然言語である手話を十分身につけた教員を増やす必要があると思っております。そのために、ろう学校だけではなく、きちんと、教育センターなどで、研修カリキュラムをつくって、教員の手話の力を育てるといった研修をやって頂きたいと思っております。
3番目です。ろうの子どもは学校だけでなく、家庭でも生活します。当然のことです。学校で手話を使っていても、帰ってきて家庭の中で親が手話をわからないと、やはり、そういうことも問題になります。子どもといいますと学校だけでなく、家庭、また地域の中で、色々な人と会話をした上で、特に家庭の中で、親、保護者との自然なやり取りの中で、色々なことを学んで成長していくと思います。そのやりとりが、スムーズにできないと、その子どもにとって、不幸になってしまうということになります。ですので、親が子どもときちんと自然に会話できるぐらいの手話を身につける必要があると思っております。実際、ろうの子どもの親、保護者といいますと、90%は聞こえる親です。聞こえる親と言いますと当然、手話はわかりません。聞こえない子どもが生まれて初めて手話を覚えていくことが多分多いと思います。そういう親に対して、手話を勉強できる場所を提供することが必要ではないかと思っております。また、ろうの子ども、親は聞こえるということになるので、同じろうの大人と触れ合って交流をして自然な手話を見て、手話を覚えていく、ろうの大人の様子見て将来、自分のモデルを考えていく、そういう場所も、必要ではないかと思います。そういった場所、親が手話を学習できる場所、ろうの子どもがろうの大人と交流できる場所、それを作る必要があるのではないかと思います。前にも意見を出しましたが、大阪のこめっこというのがあり、実際そういう活動をやっています。大いに評判がいいということを聞いています。そういった取り組みも含め、1番、2番、3番の取り組みをぜひ神奈川としてやって頂ければと思っております。推進計画の内容は他の県でもやっている内容がほとんどになっていると思います。こういった取り組みはまだ他の県ではやっていないので、是非ともこういった取り組みを、神奈川で、独自の取り組みとしてやって頂ければと思っております。以上です。

(石渡委員)
河原委員、とても大事なご指摘をありがとうございました。他の県ではやっていない神奈川独自の取り組みというように、今、河原委員おっしゃいましたが、私も今まで、全く考えていなかったようなご提案、でも本当に大事だなというのを、今のご意見で確認した感じです。平塚ろう学校のことが出てきていますし、言語権ということなども含めて、委員の皆さん、また色々ご意見おありかと思いますが、まずは田所委員に、事務局の説明、それから、河原委員のご意見なども踏まえて、ご発言を頂ければと思いますが、よろしいでしょうか。

(田所委員)
田所と申しますよろしくお願いいたします。まずは、河原委員から頂いている児童生徒が主体的に参画するというご意見について、本校の取り組みを紹介させて頂きます。この資料の中にもございますけれども、一昨年、本校では、小学6年生が中心になりまして、手話ポスターということで「楽しい手話」を作成させて頂きました。この取り組みの発端は、手話を使って頂くことを待つということではなく、子どもたちが中心になって、手話を使いやすい環境を作っていこうというところから、小学6年生の総合的な学習の時間を使いまして始めた取り組みでございます。昨年度は、その前年度の小学6年生の取り組みを、次の6年生が引き継ぎまして、今度は、そのポスター等を活用して、手話を教える取り組みをしようという形で活動を始めました。実際に昨年度は、来校される保護者、或いは校内の教員、そして地域の方に対して、手話を教える取り組みということを実際に進めまして、その実践がスタートしたところでございます。今年度の6年生も同様に、計画を立てて、昨年度取り組んだことをもとに、さらに次の取り組みができないかということで計画を進めているところでございます。その意味で、河原委員がご指摘頂いたこのご意見は非常に貴重なものだと考えますので、これは学校に持ち帰りまして、動画の作成等について、子どもたちが主体的に参画できるような取り組みを前向きに検討していきたいと考えております。それから、後半ご指摘頂いた本校での子ども達への手話の指導、そして、教員の手話の研修につきましては、ご指摘頂いたような課題があるということは認識をしております。この2点については、まだまだ不十分だという認識のもとに、もう少し充実させるような取り組みを引き続き進めて参りたいと考えておりますが、これについては、校内だけで、なかなか、高めていけないという部分もありますので、ぜひ今後ともご指導頂きたいと思います。本校としても、前向きに取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。

(石渡委員)
石渡です。ありがとうございました。事務局へのご提案などもあるので、また事務局にも少し河原委員のご指摘などを受けたところでの、お考えはお聞きしたいと思っています。河原委員、私に質問させて頂きたいのですが、こめっこという組織は、NPOとか、その位置付けなど、具体的にどんな活動しているのか、とても大事な活動だと思うのですが、私存じ上げませんので補足説明をしていただけるとありがたいかなと思います。

(河原委員)
このこめっこが始まったのは、大阪府手話言語条例がスタートしましたが、その条例文の中に、「ろうの子どもが手話を獲得する」という文章が明記されていましたので、ろうの子どもが手話を獲得するという事業の一つとして、こめっこという活動が今年度から始まりました。具体的に言いますと、大阪の聴覚障害者の団体が、ろうの大人や手話に関する方々の協力をもらって、ろう学校に通う、または他の学校に通う聞こえない子どもたちに月1回ぐらい集まって頂き、色々な、ろうの大人との交流をする。そして自然な手話を学び、交流する。ろうの大人と触れ合うという場を設けています。始まったばかりではありますが、非常に良いという声がたくさん出ているということを聞いています。実を言いますと、神奈川県でも、昨年から、ろうの大人との交流をする場として、夏休みを使って、2泊3日、キャンプの企画、そういった取り組みをしています。平塚ろう学校の生徒、相模原、横須賀、横浜、川崎、または県外のろうの子どもたちがキャンプに参加し、ろうの大人と一緒に2泊3日を過ごし、色々なことを学ぶという経験をしています。この取り組みは、私たちろう団体、そして手話通訳者の団体、手話サークルが一緒になって、独自の予算でやっています。非常に評判も良いので、この計画の中の一つとして、取り入れて頂ければと考えています。このほか、夏休みの間に、いつとは決まってはいませんが、藤沢のセンターで子どもを集めて、例えば午前中夏休みの宿題を行い、午後から色々なゲームを行い、交流をするというそういったこともやっております。以上です。

(石渡委員)
はい。ありがとうございました。本当に大事な取り組みだと思いましたが、河原委員のご意見の中で、藤沢の聴覚障害センターですとか、手話通訳士の方の協力もあってというようなお話も出ましたので、よろしければ、河原委員の夏休みの取り組みだけでなく、教育学習なところのご意見も踏まえて、熊谷、山本委員あたりからご意見頂けたらと思うのですが、よろしいでしょうか。

(山本委員)
山本です。今、河原委員からご説明があったとおり、この場合、耳の聞こえない両親に耳の聞こえる子どももいる、逆に、耳の聞こえる親に聞こえない子どもがいる。また、聞こえない子どもと聞こえる子どもがいる。そういう環境です。私たち手話通訳資格を持っているものはどういうふうに関わりますかと言いますと、そのコミュニケーションの中で漏れる部分を橋渡しする。また、特に聞こえるお母さんたちにとって、聞こえない子どもを育てるということは経験のないことで、とても大変なことだと思います。そういったときに、聞こえない成人の大人からの意見を聞き、また相談相手になってもらうというところで、私たちがそこに介在し、橋渡しをするという役割を持っています。お話があった名称がデフアドベンチャーという、企画ですが、もう4年目になっております。本当に大盛況で、この企画はぜひ、この条例も関わって頂き、拡大して頂きたい。また、ちょっと話がそれますけど、前段でも出ております絵本の読み聞かせもその一環と思っております。ぜひよろしくお願いいたします。

(石渡委員)
もう4年もやってらっしゃるっていうことで、とても大事な取り組みだなと改めて思いましたが、熊谷委員の方からは何かお願いできますか。

(熊谷委員)
熊谷です。私は今、神奈川県聴覚障害者福祉センターで、施設長を務めております。福祉センターの事業の中で、今の河原委員から説明があった内容に関すると言えば、聴覚障害児の相談、聴覚障害児の親に対する教育指導等があります。昨年、施設長になって、1年間様子を見ますと、まず、ろうの子どもが生まれると、耳が聞こえないので、両親としては、音声での日本語での教育指導、育児ができません。当然、耳から入る言葉ではなく、目から入る言葉、つまり、親の表情または身振り、それを、聴覚障害を持つ子どもが、赤ちゃん自身それなりに自分の言葉として覚えていきます。そういうことを、その両親に、親子へ、声で教えるコミュニケーションするというような様子、言語的なずれが出てきます。ですので、それに対して、そこから言葉の遅れが始まります。そういった悩みを持つご両親が相談にこられます。1年間私が様子を見てきましたところ、親が思う言語、それを指導、教えるのではなく、聴覚障害を持つ子どもに合った言葉を、覚えていくということに両親が気付く、または気付かせてあげるということが私の仕事だと思っています。そういう意味で、私もろうです。小さい時のそういった経験も含めて、河原委員の話にあったとおり、小さいときから、できれば手話、または身ぶりからだと思いますが、覚えて、しつけなり子育てができればいいのではないかと思っています。

(石渡委員)
石渡です。熊谷委員ありがとうございました。今、3人の委員の話を聞いて、幼児の言語の獲得、手話の大きな意味というのを私なりにも理解したというところですが、他の委員の皆様、今のご意見なども踏まえて、30年度上半期の取り組み等について、ご意見ございましたらお願いをしたいと思いますが、田村委員お願いいたします。

(田村委員)
田村です。河原委員の今回の問題提起はとても重要なことが沢山含まれており、将来に向けては検討する価値は十分あると思います。また、できるだけ柔軟にできることを探っていくということは必要なことだと考えます。繰り返し私もこの会で言っていますように、当事者の声をできるだけ反映していくという中では、こういった声を十分に重く受け止めるべきだと思っています。しかしながら、今のお話の中で、手話言語条例及び推進計画の神奈川県の中でできることということで言えば、公の教育の中身を、この条例なり推進計画の中でどうするということは、困難なことだと思っています。なぜならば、これはご承知だと思いますが、公の教育、公教育は、基本的に日本の国語によって日本の文化を教えることが大前提になって作られています。それはろう学校といえども、学校教育法の75条に、知的な障害がある場合を除き、幼小中高と準ずる教育を行わなければならないと定められています。従って、年間の国語等の授業時間数は厳格に決められておりますので、それを学校独自、もしくは神奈川県独自に変更することはできないわけです。ただ、私立の学校等の場合ですとか、学校独自設定教科、或いはその他の色々な状況の中で、自由度が高いわけですが、公立学校の場合は、学習指導要領にきちんと示されている以上のことは難しいと思います。ですから、できることは、自立活動の時間の中を活用し、子どもたちのニーズにあったことをできるだけ展開していくという、工夫を取り入れているのだろうと思います。もう一つは、公教育、公の教育の場合ですと、公立学校の場合ですと、ろう者と言っても色々なタイプのお子さんがいます。手話によって、コミュニケーションを取っているお子さんもいれば、ある程度聞こえがあって、音声言語によって、コミュニケーションしているお子さんもいます。また最近人工内耳の方も増えています。ですから色々なタイプの子どもがいる以上平塚ろう学校さんとしては、色々なメディアに対応した形でしか授業ができないだろうと想像しますので、そういった中で、個々の子どもにどういうふうに対応していくのかという個別性の問題については、ある意味で言うと、もっと大きな国全体の教育内容の問題に関わってきます。また、ろう教育を今後どうしていくかという、それこそ、学習指導要領をどう変えていくかという今後のことに繋がっていくと思いますので、とても重要な指摘だと思いますが現時点でできること、できないことの線引きは必要があるのではないかと思っています。以上です。

(石渡委員)
ありがとうございました。国との関係なども含めて整理ができました。

(小川委員)
田村委員のおっしゃっていることも、最もと思います。教育の中でできることとそれから子どもが発達成長していく中で、やるべきことというのか与えられる環境とか場面とか、そういうことをどういうふうに工夫して成長してもらえるか。特に、健聴のお子さんや社会参加と意味ではどういうふうに場面をつくっていくかということも、ものすごく大事だと思います。教育の中でやることと、教育から離れているということもあると思うので、その辺は整理していかなければならないと思います。一つ、すごく良いヒントを河原委員がおっしゃっていて、動画のところで、ろう学校の児童生徒を参画させるなど、ろうの生徒と健聴の生徒が協同して、手話の普及進めたらどうだろうかということが、意見として述べられています。私も、県のホームページを見せてもらって、高校生がやっているもので勉強させてもらったりもしていますが、今子どもたちが同じレベルで手話をもっと楽しくやるって言ったら、多分、ろう学校の子どもたちだったら、例えばインスタ映えだとか、色々な新しい言葉をその地域、地域で色々違った表現をするかもしれませんけれども、そういう今使っている言葉を入れたり、日常的に普通に使っている言葉を入れて、もっと活き活きしたものが、できたらいいかなと思います。もちろん、きちんとした言葉も学ぶけれども、例えば、みなとみらいに行って、流行りの言葉、1年後には廃れてしまうかもしれないけどもそういうことを入れてやっていくと、また、今の小学生中学生高校生が興味をもっと持つと、スタンダードな会話よりも興味を持つということもある。それは、ろう学校の生徒さんたちが仲間で会話しているものを外に広めていくというような、そんなことも必要なのではないかと思っていますが、どうでしょうか。もうちょっとフレキシブルなものも、リンクを張って外でも、県のホームページでなくても、そういう事をやるのもいいのではないかと。そういうことだったら、当事者参画も楽しいのではないかと思いますが。いかがでしょうか。

(石渡委員)
提案もありましたが、今、健聴の生徒さんと聞こえない生徒さんの交流みたいな話があったところで、新しい委員で、なかなかご発言難しいところもあるかと思いますが、井澤委員や八幡委員、何かお気付きの点があれば。

(井澤委員)
よろしいですか。井澤です。私、横浜南陵高校この4月から務めております。資料のことで説明させて頂いてもいいですか。事務局の方が用意して頂いた資料、後ろの方にこれがございます。全国高校生手話パフォーマンス甲子園という、チラシがございますが、本校は去年も出場させて頂いておりますけども、今年も予選の方を通過いたしまして、社会福祉部という部活がございます。今、部員数も大分減りまして、10数名しかおりませんが、何とか予選通過しまして、鳥取で、10月7日に行って参ります。私この4月に、横浜南陵高校に着任しました。入学式に手話で校歌を歌う、社会福祉部、いろんなところで活躍してくれる生徒です。私も今まで手話は全然わからなかったのですが、今の新しい横浜南陵高校に着任いたしまして、先生方に手話を教える。先生方に校歌を教える、そういう研修もしています。生徒が先生に教える。そういう活動もしています。あと、総合的な学習の時間ですけれども、一年生新入生ですけれども、校歌を手話で歌えるようになるというような取り組みもしていまして、それが中心になっていた社会福祉部という部活です。本当に熱心でして、そのような形でできるところから少しずつ、普通高校ですけれども、やっているというところです。詳しくご紹介ということで、私も勉強したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

(石渡委員)
はいありがとうございました。では、八幡委員。

(八幡委員)
小学校の代表できました八幡と申します。よろしくお願いします。小学校では、4年生が福祉の学習をやっている学校が非常に多いかと思います。といいますのも、教科書の中に、点字や、手話が含まれたような内容関連のものが、教科書の中に載っていますので、内容関連として、総合的な学習に持ち込みやすいということがあります。総合的な学習としては、実は先週本校も手話の講習会を開いたのですが、社会福祉協議会の方にお願いをして、手話サークルの方とろうの大人の方に来て頂いて、一緒に会話をして交流をするという学習を持ちました。この会に来て思ったのは、各学校に割合任されているので、各学校ではかなり工夫はしているのだろうとは思いますが、例えば河原委員がおっしゃったように、「手話を学んでみよう」の小中学生版の副教材等があれば、そこでの学習の中にそれを取り込みながら、もっと興味関心を広げていくことができるなと思いまして、大変良いご提案だなと思いました。川崎市は政令指定都市なので、県の資料等も頂くのですが、うまい具合に使いきれてなかったかなというのは少し反省としてございます。

(石渡委員)
ありがとうございました。小学校、高校それぞれが神奈川の独自な動きがあるところも感じましたので、なるべく全県に広げ、かつ国も動かすようなところに行けるといいかなと思います。この2番目の教育学習のところで、何か他にこんなことを・・・河原委員どうぞ。

(河原委員)
今田村委員の方から話がありましたように、公立の学校といえば、やはり色々と縛りが多くてなかなか自由にはできない。そういうことはわかります。そうは思っています。でも、私としては、いきなりこれをやって欲しいということではなく、おっしゃる通りできるところからやって頂きたいと思っています。昔に比べると、国と地方自治体は、国が全部決めて、このようにやりなさいという方向ではなくなってきているのではないかなと思っています。全国の様子を見ますと、色々な学校で独自の取り組みをやっている学校がたくさん出てきます。神奈川も一つの学校ぐらいは、独特な取り組みをやるということもできるのではないかと思っています。それはやはりろう学校だけではなく、県の教育委員会としても強く国に働きかけをし、交渉をし、神奈川県として色々なことができるようにして頂ければありがたいと思いました。それから、聴力の程度がまちまちと言われれば確かにそのとおりです。しかし、聞こえない、聞こえにくいということは、皆同じです。100%を聞こえる人と同じように聞いて話ができるというわけではありません。どうしても限界があります。そういったときに、やはり手話というものは、非常に効果があると思っています。私の知っている方でも人工内耳をしていて、電話ができるくらいの方がいらっしゃいますが、やはり手話を使って生活をしているという方がたくさんいらっしゃいます。聴力が軽いから手話がいらないということではありません。聞こえない聞こえにくい子どもたちは、まず手話を覚えるということは必要だと思っています。手話を知っていれば、後々、何か限界にぶつかった時に、手話を使って、社会に参加ができる。そういうことも必要ではないかというふうに思っています。ずっと手話を知らないまま、大人になって、いざ社会に出てみると、限界があり、色々な壁にぶつかり、どうしたらいいのだろうか悩むという方も沢山います。手話があれば、もっと色々なことができたという考えを持つ方もいらっしゃいますので、やはり手話はすべての聞こえない子ども、聞こえにくい子どもに必要だと私は考えています。

(石渡委員)
石渡です。ありがとうございました。手話の言語としての意味というのは、聞こえる子どもや大人にとっても、また色々なプラスがあるなというところを私も感じております。1時間を過ぎてしまったので、ここで5分ほど休憩をして今日色々出ている意見について、また事務局の方でも、最後でご発言を頂きたいと思います。

(休憩)

(石渡委員)
終わりの時間が決められておりますので、再開をさせて頂きます。
3番目に手話を使用しやすい環境の整備ということで、整理をして頂いておりますので、県事務局、まず説明お願いいたします。

(事務局より説明)

(石渡委員)
ありがとうございました。この環境整備のところにつきましても河原委員、意見をまとめてくださっていますので、お願いいたします。

(河原委員)
河原です。時間もありませんので、重要な部分に絞って説明をしたいと思います。(1)の意見の中、これまでの様子を見ますと、一般のろう者に関する事がほとんどです。ろう者の中には、高齢のろう者もいます。またはろうだけではなく、他の障害を併せ持つ重複のろう者もいます。そういった方々も、手話で生活をしているということには変わりはありませんので、そういった方々が安心して生活できる、手話で生活ができる環境を作っていくということも考える必要があると思っています。また、ろう重複障害児は学校にいる間は何とかできますが、卒業後、行く場所がない。それが大きな問題になっています。一般の作業所では、そこに周りは聞こえる人たちだけですので、その中で、聞こえない人が1人になってしまう。コミュニケーションもできないまま辞めてしまうという例もありますので、重複障害者が安心して生活できる環境も、考える必要があると思っています。それから、(3)の意見です。手話通訳者を増やさなければいけないということは、以前から考えていることですが、なかなか増えていかない。その中の理由の一つに、手話通訳者になろうと思う人たちの中には、手話通訳者になっても報酬が安い、勤務の条件が悪い、そのために手話通訳者になることを諦めるという方もたくさんいます。手話通訳者が安心して働け、そして生活ができるような条件の整備も考えなければいけないと思っています。それから最後に、(4)手話通訳者が派遣される機会の拡充について、これも必要だと思っています。市町村の派遣の制度の中では、要綱があって、この派遣の範囲というものが、制限があるというところが多いです。必要だと思って派遣のお願いをしても、その要綱にある派遣範囲以外なので派遣できませんということもあります。ある市では、派遣ができる、しかし、他の市では、派遣ができない、認められないという例も多くありますので、神奈川県の中でも、派遣ができる、できないという格差があり、そして手話通訳者の報酬もまちまちである。その格差をなくすということも検討する役割があるのではないかと考えています。この格差をなくすというところ、その取り組みもぜひ必要ではないかと思っています。以上簡単ですが、説明は終わります。

(石渡委員)
ありがとうございました。また大事なところをご指摘頂き、ろうと他の障害の重複の話でましたので、ここは高橋委員ぜひご意見頂きたいと思います。通訳の方も格差のところが出たので山本委員、お願いしたいと思います。事業所への手話講習の話も出たので、このあたり望月委員お願いできればと思いますが、お願いしてよろしいでしょうか。

(望月委員)
1点目は、県に対する質問が一つあります。この事業者で17社というのは、ある地域に偏っているのかどうかということをまずお聞きします。次に、意見になりますが、昨年も少し発言をさせて頂きましたが、市町の開催が少ない。例えば横浜、川崎とかでやって欲しいということであれば、事業者と市町が共同で協賛してやってもいいのではないかということを、昨年も意見を言わせて頂きましたが、そうすることによって、河原委員が言ったとおり、一般の方が色々とイベントに参加しながら、色々な方に機会を設けて、知ってもらう方が、非常に重要だろうと思います。そのやり方は、市町だけにお願いするというよりも、事業者を巻き込む、また他の地域を巻き込むということをもう少し考えた方がいいのかなと、私の意見でございます。質問と意見は以上でございます。

(石渡委員)
ありがとうございました。最初の質問のところ、事務局がお答え頂いてよろしいでしょうか。

(佐野地域福祉課グループリーダー)
地域福祉課の佐野です。よろしくお願いします。望月委員からご質問ありました17社の地域的な偏りというところですが、こちらにつきましては特段、地域の偏りというのはございません。幅広に色々な地域の事業者さんからお問い合わせを頂いて、実施をしているという状況です。

(石渡委員)
ありがとうございました。通訳派遣の事も色々出ていますが、山本委員お願いしていいですか。

(山本委員)
山本です。先ほど河原委員からもお話がありましたように、市町の手話通訳派遣の格差、これは、各市町村が持っている派遣要綱の内容の違いもあるわけです。県の方では、現状、進捗状況は、県主催イベント等に手話通訳者を配置とありまして、今後の方向性として、市町村や民間の行事にも、手話通訳者が派遣される必要があるとおっしゃっています。ただ、今申しましたように、この行事、イベント等に手話通訳派遣が広がることよりも以前に、市町村のこの要綱の格差に、とても問題があり、手話通訳の確保にあたっても、なかなか人材不足により確保できない状態になっています。これが、やはりマイナスの連鎖となっていて、イベントや行事への手話通訳派遣といっても、ここの部分をないがしろにすると、市町村での派遣が滞ってしまう恐れがあります。ですので、まず、皆さんにもちろん県民に向けての手話通訳配置行事への配置も大事ですけれども、それよりも以前に、実は市町村の格差を何とかしていかなければ、これは本当に表立ったものの前進でしかなく、根本的な手話通訳派遣の向上には繋がらないだろうと、やはり私たち手話通訳はいつも足元を見ております。自分の地域のろう者が、きちんと市民参加、県民参加できているかというところを見ています。そういったところから考えますと、このあたりのところ、こちらの条例の方でも、考えて頂きたい。その上での配置、また、行事への手話通訳派遣だろうと思います。これを同時にやれればいいことですが、どちらが先かといったら、市町村の格差についての問題、人材不足の問題と、何とか解決していけるように働きかけをお願いしたいと思います。

(石渡委員)
ありがとうございました。高橋委員、盲ろう重複した方にというところで、ご意見をお願いしたいと思います。

(高橋委員)
ゆり会の高橋です。先ほど、ろう重複というお話がありました。また視覚障害の重複した障害ということで、盲ろうという障害があります。また、盲ろうの障害の中にも知的の障害ですとか、色々な先天的な盲ろうや、様々な障害の種別です。例えば、B型事業所に入っている盲ろう者、また、A型事業所に入っている盲ろう者の方もいますが、B型の場合の盲ろう者は沢山います。例えば、バックアップは、盲ろう者に特化した作業所もあります。そこには、沢山、盲ろう者がいます。ただ、そこは、地域というような制限があるので、なかなかそれ以外の方は通所ができません。ですから、当然他の方は、この学区に通えない地域の方は、そこにある作業所に通わなければいけなくなるという現状はあります。ただ、そこは、職員は手出しできないです。ですから、そこに通った盲ろう者はストレスを抱えるということです。そこで、ご両親と考えて、ご両親がいずれお子さんを残して亡くなるという先のことを思って、不安に感じられて、相談をしたということです。私も仕事をしておりません。私もB型に行ったことがあります。そして、B型の仕事を実際にやろうとしましたが、コミュニケーションが取れませんということで、そこには入れていただけませんでした。実際には仕事はあるのです。私ができる仕事があるのに、その場でのコミュニケーションがとれないということで、私は、そのB型に通うことができませんでした。例えば、広島に全盲の方で、コミュニケーションは私と同じ触手話という方がおられます。その方は、A型のところに通ったのです。ですから、そういう盲ろう者も通えるような場所が増えたらいいかなと。望月さんのお話の中でも手話をどんどん広げていかなければいけないというお話がありました。ですから、触手話ですとか、接近手話とかコミュニケーションができる方、コミュニケーションを持つ人が入れるような会社も考えて頂きたいと思います。今、盲ろう者通訳・介助員が12人増えたという話ですが、実際には、手話ができる人は少ないです。まして、その中で手話通訳ができる資格を持っている者が大変少ない状況で、実際に派遣をお願いしても断られてしまうということが沢山あります。私だけではなく、ほかの盲ろう者も実際に社会参加したくても手話ができる人がいないがために、断られてしまって社会参加ができないという現実があります。やはり、通訳介助員も高齢になっています。若い人は増えていませんので、是非これからは、通訳介助員で手話が出来る人が増えてもらいたいなと思っております。

(石渡委員)
高橋委員ありがとうございました。今やはり、盲ろうの場合も支援の地域格差とか、障害の状況に応じたこの情報保障の仕方など、大事な課題を提起して頂きました。今日、色々ご指摘頂いたところとの関連で何かご意見お願いします。

(戸井田委員)
戸井田です。今ありましたように、盲ろう者の方のことが、まだまだ皆さん、わかってない状況が沢山あります。ですから、やはり盲ろう者の方の立場に立って、やはりその方の意見をよく聞いて接してあげるかということが大事だと思います。今現在私も県身連の方で盲ろう者の方が1人、男性が来ていて、地域のふれあい祭りにも一緒に来て、皆様に、色々なことを説明しながら、お話を聞いてもらい、そんな中で一番すごく感じるのがやはり、小中学生の子どもたちが、勉強してくれるということが、すごくいいことだなと思っています。今そんなことで、私、茅ヶ崎ですが、市のふれあい祭りのところに県身連として、テントを持たせてもらっています。地域の中で、地域の福祉課との連携を取りながらやっていくことの大切さということと、また、嬉しいのは、色々な展示の場を持つだとかしていますと、小学校のお子様まで興味を持って、ひとつ何かしたら、覚えたとか、ありがとうとか、そんなことをやってくださる。小さな方から、少しずつ障害者を理解していくということが、今これからの時代は大切ではないかなと思いますので、ぜひその点は、自分の地域の中の、色々なイベントに参加をさせて頂くという形をとって頂きたいなと思います。なかなか難しいとは思いますが、やはり自分の地域の中の障害者に接することができなければ、これから大変だと思います。そんなことで、障害者の接し方とかその当事者たちが、皆さんと触れ合うということをやっています。ただパンフレットを配るわけではなく、そこでコミュニケーションとる。色々なところで勉強してきたことも自分の地域の中の何かのところに出て行って役立たせてもらっていると思っております。ですから皆さんもぜひ、地域でのイベントの中に少しずつ入っていって、障害者、色々な障害者の理解をしていただけたらと考えております。どうぞこれからよろしくお願いいたします。

(石渡委員)
ありがとうございました。今の戸井田委員のご意見、河原委員がご指摘されてくださったところのかなり補足とか補強的なご意見というふうにもとれるかなと思いますが、環境整備というところで、他の委員の方、何かこれということがございましたらお願いをしたいと思いますが、はい、田村委員。

(田村委員)
皆さんのご意見とても重要なことばかりだと思いまして、ぜひ検討して頂きたいと思います。また最近聞いた話で2点なのですが、一つは、手話通訳士の資格を取り、手話通訳の派遣依頼がきたが、自分の職場の方に理解がなかったがために、なかなか出られなかったという話を聞いたことがあります。その本人が色々なところ、上司に説明していかなければならないなど、かなりストレスだと思いますので、やはり周知徹底していく必要があるのではないかなと思いました。もう1点は最近、自然災害が大変多く続いておりまして、神奈川県もいつそういうこと起こるかわからない中で、これもまた聞いた話ですが、ある遠くの方の避難所で、炊き出しがあったけれども、言葉による周知しかなかったがために、聴覚障害の避難された方が、食にありつけなかったという話を聞いたことがあって大変胸が痛みました。やはり、そういった関係の自治体の方、警察、消防、多くの方々に手話とまでいかなくても、聴覚障害者に対する理解とか配慮とかそういったものを徹底するような仕掛けが、どうしても早急に必要なのではないかと思っています。大きな災害がないことをもちろん祈っていますけれども、いつ何が起こるかわかりませんので、これは緊急の課題ではないかなと思っております。以上です。

(石渡委員)
大事なご指摘ありがとうございました。小川委員が、これまでの委員会の経過なども踏まえて、資料の4として、課題の整理などを、今までの皆さんのご意見とも重なる部分も、整理をして頂いているのでこの資料4のご説明をお願いします。

(小川委員)
小川です。新しく4月より、委員に委嘱を受けたので、もう1回振り返ってこれからどうしていくべきかをザッと考えてみようと思って書いたもので、深いご議論をお願いしているというよりも、復習をしてこれからの課題を考えてみたいということで書きました。
手話推進計画の柱というのは、今回もご報告があったように、手話の普及、それから、手話に関する教育及び学習の振興とそれから手話を使用しやすい環境の整備というこの三つの大きな柱があってそれを県が一生懸命色々なアイデアを入れて、また当事者にお声がけをして一緒に作ってきた部分も多々あると思います。その中身は、今日報告が県の方からあり、河原委員のご意見もあって議論がされてきたことだと思います。これまでが、ずっとこの会議で議論されていたことを私なりに総括すると真ん中辺ですが、第1番目に、ろう者、盲ろう者、或いは他のろう重複のある方等の生活や社会参加に関して広く一般に理解されていること。これが一つの望む目標値の1番目なのではないか。つまり、手話のコミュニケーションとか、一つ一つのことがありますし、色々な技術的なこともありますけれども、まずはそういう方がいて、こういう暮らしだと、こういう形で交流をして一緒に県の中で、地域の中で暮らしていく。その理解を十分に徹底していくということが1番目にあると思います。2番目に、地域で暮らす、そのすべての場面で、手話が知られていること。時に、簡単なコミュニケーションができているこということで、例えば色々なお店の場面であったり、カルチャーセンターであったり、色々な場面で、簡単なコミュニケーションでも良いからそういうことが、知られていること、つまり手話というものの入口のところは、多くの方々が知っている。1番目は、生活、そういうろう者の存在、そしてその方々と一緒に暮らすという事。2番目は、コミュニケーションを取ろうという、そのための手段として、いくつかがあるということを知って頂く。3つ目は、河原委員が何回かご発言されていますけどろう学校の中で、手話の言語としての学習。それからろう文化、ろう者の歴史などがおりと織り込まれていること、これを望んでいらっしゃるということが印象に残っております。このことについてですが、次のページを開いて頂くと、私、イギリスによく行くのですが、ある時、イギリスのろう学校オーク・ロッジ・スクールという樫の木がいっぱいある林のところで始まったのでオーク・ロッジ・スクールという名前がついているそうですですが、そこに1日行って、英語とか数学とか、いわゆるEnglishという日本でいうと国語という授業がありますが、それと別に、イギリス手話というブリティッシュサインランゲージというイギリス手話という授業が行われています。その授業は二つの柱があってできていて、イギリス手話の学習ということで文法とか、その他がずっとカリキュラムがあります。もう一つが、ろうスタディというもので、ろうの価値、ろう文化、ろうコミュニティ、ろう団体、それから、イギリス手話の歴史とスキルというものが行われていて、その達成目標は、ろうのアイデンティティ自己イメージの確立という、ろう者の方が自分自身を知るという、そういうことの時間、それから、もちろんコミュニケーション、それから、ろうコミュニティとろう文化、この中には、ろうコミュニティと言っても、イギリスとか、それからヨーロッパとか、国際的なろう文化について学ぶというものが入っています。それからろう者の歴史っていうのも入っています。今日と過去のろう者の生活の共通性と違いについて探るということ。もう一つ最後に社会変革と言って、ろう者の社会的地位が長い年月をかけていかに変化してきたかっていうことを認識する。つまり、ろう者の生活は今日あるのは、そういった歴史がつくり出してきて、色々なことで、変革してきたのだと、それでもまだその途上なのだということを知るというようなことが行われている。こういう学習が入っているということで、おそらく、河原委員も、ろう学校の中でそういった一端をすでにやっているかもしれませんが、強調して欲しいというところがあったのだろうと思います。そして最後に、1ページ目に戻って、私の思う最終目標は、みんながろう者のことを知るということもありますが、一般市民と同等の社会生活を送るためには、24時間365日の暮らしの中で情報保障がなされるよう、手話通訳者の専門性とそれに見合う身分収入、健康が保障されること。つまり、手話通訳者がしっかりと働けるような状態になっていないと、先ほどの、災害時、被災時の時の対応だとか、そういったことにも支障をきたしていく。そこに、ボランティアではなくて専門性があって、それにスタンバイできるような人たちが配置されているっていうことが必要になってくると思います。最終的には手話通訳者の専門性をきちんと位置づけるということが大きな目標としてあるのではないかと。この協議会のテーマから超えるかもしれないけど、その外側にこれがあるということは知っていなければいけない。その下に、幾つか書いてあるのですが飛ばしますが、現在の市町村の手話通訳者は、圧倒的に不足しているということが言いたいのと、それから、市町村の報酬は社会保険を伴わないレベルで支払われているということ。それから、1時間、大体1,000円単位だという、脇にすべての市町村でないですけど、大体金額が書いてありますが、大体1,000円と考えていいと思います。神奈川県の最低賃金は10月1日から983円になり、約1,000円です。つまり、手話通訳者の方は、長期の訓練を受けながら、最低賃金で働いているという状態が見えると思います。ろう者の望んでいることは、今、派遣できる要綱の内容は、医療、教育、就職公的機関、それから金融機関へ行くこと、冠婚葬祭、その他市長が認めるものとなっていますが、地域生活っていうのは色々様々な出来事があって様々な暮らしがあるので、そういうところに、手話通訳者が派遣されるべきですけれども、非常に限定された内容、それから限定された時間、限定された地域のみに対応しているという状況になっているので、ここのところを崩していかない限り、本当にろうの者の生活というのは満たされていかないと思います。その下に書きましたが長くなりますので、やめますが、将来の方向性としては、今、議論していることを充実するっていうことですが、最後は、手話通訳者の今、抱えている課題の解決が、最も必要になってくるということになって、これは、県レベルでは解決できない部分も確かにあるでしょう。国レベルで動かしていかなければいけないこともあると思うのですが、そこのところが大きな課題として残ってくると思っております。長くなりましたが、一つ私なりの整理で違っているかもしれませが、一応こういう整理をしております。

(石渡委員)
ありがとうございました。今日頂いたご意見と重なる部分も色々ありまして、今やはり2年半経ったところで、この条例を作ったときに、きちんと押さえていなかった課題や、本質的な課題みたいなものが見えてきているのかなというふうに思います。今の小川委員の発表を整理の意味を含めて、このことを言っておきたいという委員の方、いらっしゃいますか。
それでは、今日また大事な今後に向けての課題が出ているかと思いますので、事務局の方から決意表明ではないですけれども、今日の議論を踏まえて、何か、今後について、ご発言いただけたらと思うのですけれども、いかがでしょうか。

(鳥井地域福祉課副課長)
県地域福祉課の鳥井と申します。今日、本当に重要なご意見、数多く頂きましてありがとうございます。私共の取り組みの中では、参考とさせて頂きながら、色々な課や所管課もありますので、そういったところとも調整をしながら進めていければと考えておりますので、今後も、よろしくお願いいたします。それから、1点だけすいません。河原委員が提出をされた資料5の中ですが、3の(2)のところで、ご発言の中ではなかったですけれども、ご質問を頂いておりまして、救急用医療機関用コミュニケーションボードの周知や関係機関への手話への理解の働きかけ、それから避難所等で非常時にろう者と意思疎通できる環境の整備の推進というところで、具体的にどのような内容を考えているのでしょうかというご質問頂いております。まだ、それにお答えしていませんでしたので、お答えしたいと思います。昨年度につきましては、当事者の方々のご意見を伺いながら、救急医療機関用のコミュニケーションボードを作成したところです。今年度につきましては、災害用のコミュニケーションボードですとか、避難所に、聴覚障害の方がいらっしゃったときの、対応や留意点中を取りまとめるというようなことも少し検討していければなと考えているところです。皆様のご意見も伺いながら、検討を進めたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

(石渡委員)
ありがとうございました。そうしましたら今日はもう本当に時間ぎりぎりオーバーしつつあるので、今日の大事な事を色々いただいものは、また事務局で整理して頂いて、今後につなげたいと思うのですけども。やはり、国レベルの課題というようなものも色々出たのですけれども、やはり、そういうことについてはこの神奈川県から発信していくというのが、また、この条例を作ったことの意味かなということを改めて感じました。本当に、まだ他の地域で見えてないことが色々議論できたのではないかなと思います。それでは、事務局から連絡事項ということでお願いします。

(事務局)
それでは事務局から連絡事項をお伝えいたします。次回の開催ですが、次回につきましては、来年の3月を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。

(石渡委員)
ありがとうございました。それでは、長時間、委員の皆様、本当に貴重なご意見ありがとうございました。今日頂いたご意見をぜひ、この後にどう実現していくかってなところで、また色々、それ以前のご活用ですとか、課題の整理を引き続きお願いしたいと思います。遅くまでありがとうございました。お疲れ様でした。

 

会議資料

01 次第(PDF:70KB)

02 出欠名簿(PDF:153KB)

資料1 「神奈川県手話推進計画」の平成30年度の取組状況について(PDF:244KB)

資料2 手話リーフレット 小中学校用(PDF:7,701KB)

資料3 手話リーフレット 高等学校用(PDF:9,721KB)

資料4-1 小川委員提出資料(PDF:832KB)

資料4-2 小川委員提出資料(PDF:694KB)

資料5 河原委員提出資料(PDF:319KB)

資料6 河原委員提出資料(PDF:160KB)

資料7-1 河原委員提出資料(PDF:128KB)

資料7-2 河原委員提出資料(PDF:93KB)

資料 全国高校生手話パフォーマンス甲子園(PDF:3,590KB)

 

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このページの所管所属は福祉子どもみらい局 福祉部地域福祉課です。