神奈川県衛⽣研究所と理化学研究所が開発したSmartAmp(スマートアンプ)法を利⽤した新型コロナウイルスの迅速検出法が、本日から⾏政検査で使⽤でき、近日、保険適⽤される⾒込みです。

掲載日:2020年3月23日
2020年03月23日
記者発表資料

1 今般の進捗状況(令和2年2月27日記者発表以降の進捗)

神奈川県衛生研究所と理化学研究所が開発した「SmartAmp(スマートアンプ)法を利用した新型コロナウイルスの迅速検出法」について、令和2年3月19日、神奈川県と連携する株式会社ダナフォーム(本社:神奈川県横浜市鶴見区)は、SmartAmp法を用いた研究用試薬「SmartAmp 2019 新型コロナウイルス検出試薬」を発売開始しました。
また、令和2年3月23日、厚生労働省国立感染症研究所が更新した「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV遺伝子検査方法について」において、「迅速な検査方法(逆転写及び遺伝子増幅が1時間未満のもの)」に、株式会社ダナフォームの「SmartAmp 2019 新型コロナウイルス検出試薬」が記載されました。
ここに記載される遺伝子検査法は、国立感染症研究所の検査方法との陽性一致率及び陰性一致率について確認され行政検査に使用できることを示した検査方法となるため、「SmartAmp法を利用した新型コロナウイルスの迅速検出法」が全国の衛生研究所等で活用が可能となりました。
上記措置に伴い、「SmartAmp法を利用した新型コロナウイルスの迅速検出法」は、新型コロナウイルス感染症の診断等を目的とした検査において、近日、保険適用される見込みです。

2 今後の展開

県としては、神奈川県衛生研究所において、今般開発した「SmartAmp法を利用した新型コロナウイルスの迅速検出法」を、新型コロナウイルス感染症の行政検査に直ちに活用いたします。
また、関係行政機関、研究機関、大学及び医療機関等と連携して、新型コロナウイルスの迅速検出法に関する実証研究を推進してまいります。

参考:これまでの研究成果等(令和2年2月27日の記者発表内容)

県は、ヘルスケア・ニューフロンティアの取組(京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区等)の中で、平成28年度から神奈川県衛生研究所と理化学研究所による外来感染症の防疫に資する技術開発研究を支援しています(*1)。
これまでの開発研究では、デングウイルス、ジカウイルス等の感染症を、理化学研究所が開発したSmartAmp(スマートアンプ)法(*2)を利用して検出する方法に取り組んできました。SmartAmp法は、一般的に、検出時間の短縮や高感度検出ができるなどといった特徴があります。
昨今の新型コロナウイルス感染症の国際的な広がりを踏まえ、県からの要請により、神奈川県衛生研究所と理化学研究所(*3)は、SmartAmp法を利用した新型コロナウイルスの検出方法の研究開発に着手しました。
神奈川県衛生研究所と理化学研究所は、ダイヤモンド・プリンセス号の乗船者の独立した3検体から分離した3株を用いて、新型コロナウイルスを迅速かつ高感度に検出する研究用試薬を開発し、実際の検体で性能を確認しました。
SmartAmp法を利用した新型コロナウイルスの新たな検出試薬は、リアルタイムPCR装置、等温増幅装置等を活用して、新型コロナウイルスの検出を行うことが可能な研究用試薬です。新型コロナウイルス感染症の検査法として現在使用されているリアルタイムPCR検査の方法(*4)との比較において、温度の上げ下げの必要がなく、一定温度による、より単純な工程で、より迅速、かつ、高感度で新型コロナウイルスの検出ができるとの実証結果が得られました。


(*1)平成28、29年度は、県の「先進異分野融合プロジェクト」、平成30、31年度は、科学技術振興機構「世界に誇る地域発研究開発・実証拠点(リサーチコンプレックス)推進プログラム」の一環として実施。
(*2)遺伝子を特異的に増幅して検出する簡便・迅速・安価な遺伝子検出技術。既存のリアルタイムPCR装置をそのまま利用することができるとともに、PCR法のような温度の上下を必要としないため、増幅時間の短縮及びエネルギー消費量の削減が可能な技術。
(*3)理化学研究所の支援:新型コロナウイルス検出に必要な試薬の調整、検体サンプルの処理・解析等のプロトコルを作成し神奈川県衛生研究所に提供。
(*4)以下の記述は、新型コロナウイルス感染症対策本部が令和2年2月13日に示した「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策」の注釈から引用した。
・PCR検査:DNAを、その複製に関与するプライマー等を用いて大量に増幅させる方法。ごく微量のDNAであっても検出が可能なため、病原体の検出検査に汎用される。
・リアルタイムPCR装置:PCR検査において、DNA断片の増幅とその検出を同時に行う装置。迅速性に優れる。

※注意点

今般公表した研究成果は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づく体外診断用医薬品等の承認を現時点では得ておりません。あくまでも行政検査として使用できる段階のものとなりますので、同法に抵触するような取扱や広報は避ける必要があることから、その点につきましてご配慮のほど、よろしくお願いします。

問合せ先

政策局ヘルスケア・ニューフロンティア推進本部室

国際戦略担当部長 大木
電話 045-210-3290

健康医療局保健医療部

医療課長 足立原
電話 045-210-4860