更新日:2020年3月26日

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地域医療構想調整部会 会議結果

県西地区保健医療福祉推進会議地域医療構想調整部会の会議結果です。

次の会議を下記のとおり開催した。

審議会等名称 県西地区保健医療福祉推進会議 地域医療構想調整部会
開催日時 平成27年8月7日(金曜日) 13時00分から14時30分
開催場所

小田原合同庁舎3EF会議室

出席者

(◎は部会長)

横田俊一郎 (小田原医師会会長)
飛彈康則 (足柄上医師会会長)
杉田輝地 (小田原医師会病院会代表)
玉井拙夫 (足柄上医師会理事)
武田道彦 (小田原歯科医師会会長)
楢山義彦 (足柄歯科医師会会長)
加藤孝 (小田原薬剤師会会長)
槇沢幸雄 (全国健康保険協会神奈川支部企画総務部長)
砂田好至子 (神奈川県看護協会小田原支部支部長)
猪口貞樹 (東海大学医学部付属病院病院長)
増沢成幸 (神奈川県医師会理事)
南康平 (神奈川県病院協会常任理事)
白須和裕 (小田原市立病院病院長)
山崎佐俊 (小田原市福祉健康部長)
前澤英治 (南足柄市福祉健康部長)
山口秀俊 (中井町健康課長)
橋本仁 (大井町子育て健康課長)
川本博孝 (松田町子育て健康課長)
杉本吉郎 (山北町保険健康課長)
田辺弘子 (開成町保健福祉部長)
内田恭司 (箱根町福祉部長)
細田政広 (真鶴町参事兼健康福祉課長)
長田勲 (湯河原町福祉部長)
長岡正 (小田原保健福祉事務所長)
海法澄子 (小田原保健福祉事務所足柄上センター所長)

下欄に掲載するもの 議事録
審議(会議)経過

1 開会

(事務局)

定刻になりましたので、ただ今から平成27年度県西地区保健医療福祉推進会議第1回地域医療構想調整部会を開催いたします。私は、小田原保健福祉事務所企画調整課長の奥山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、本日は1回目ということでございますので、小田原保健福祉事務所長の長岡からご挨拶させていただきたいと思います。

(長岡所長)

小田原保健福祉事務所長の長岡でございます。開催にあたりひとことご挨拶させていただきます。

本日はお忙しい中、またお暑い中、県西地区の地域医療構想調整部会にご出席いただきまして、本当にありがとうございます。本日をスタートとして、皆様方と一緒にこの地域医療について検討し、その構想を策定していくこととなりました。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、ご存知のように県西地区は、神奈川県内で高齢化の大変進んでいる地域であり、高齢化率でみますと2市8町すべてで県平均を上回っている状況でございます。特に下郡3町、山北町は既に30%を越えている状況でございます。こうした高齢化の進展やそれに伴う人口構成の変化が、疾病構造の変化をもたらし、ひいては医療のニーズにも現れてくると受け止めており、そのニーズを的確に捉え、どのような医療提供体制を整えていくのか、また、喫緊の事態でも効率的・効果的な医療提供体制を構築するためには何が必要なのか、この部会を通じて地域が一体となって考えてまいりたいと思っております。

さらに、平時は、超高齢社会への対応ということになりますので、医療のことだけではなく、介護のことも考えなければならず、今、各市町において真剣に取り組まれている地域包括ケアシステムの構築も見据えて検討するということになるかと思います。

地域の実情に見合った明確なビジョンをできるだけわかりやすく地域住民の方にお示しできるよう、きめ細かに協議を重ねてまいりたいと思います。皆様方の貴重なお時間を拝借することとなりますが、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

(事務局)

続きまして、県医療課の萩原副課長からご挨拶をお願いします。

(萩原副課長)

本日はお忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうございます。私、神奈川県庁医療課副課長の萩原と申します。どうぞよろしくお願いします。

本日は、地域医療構想調整部会の1回目の会合ということでございますので、若干経緯等を含めましてご説明させていただきますと、いわゆる団塊の世代といわれている世代が75歳を迎える2025年には、医療・介護を受ける方々の人口が非常に増え、現在の医療介護体制では立ち行かなくなってしまう「2025年問題」が指摘されております。人口構造の変化などに対応した医療提供体制の整備が喫緊の課題でございます。

昨年6月には医療介護総合確保推進法が成立し、各都道府県は構想区域ごとに2025年の医療需要の将来推計、目指すべき医療提供体制、それを実現するための施策などを定めた地域医療構想を策定して、医療の機能の分化と連携を進めていくことになりました。地域医療構想策定にあたりましては、ふさわしい医療体制などについて、各地域で十分議論したうえで、そこでの議論を踏まえまして、県全体といたしましても、県保健医療計画推進会議や県医療審議会などの場を通じまして、地域医療構想を来年半ば頃までに策定していきたいと考えております。

本日は1回目ですので、まずは、地域医療構想とはどのようなものなのかの説明や、2025年には医療需要がどのようになっているのかなどを説明させていただき、病床機能報告制度の報告内容の共有や、策定に係るスケジュールについて情報共有をしていきたいと考えております。地域医療構想策定まで長丁場となりますが、ご協力をお願いいたします。

(事務局)

それでは、議事に入ります前に、本日の委員の出欠につきましてご報告いたします。本来なら、委員皆様から自己紹介をお願いしたいところですが、時間の都合もございますので、恐縮ですが、私から、委員名簿の順に、皆様をご紹介させていただきます。横田小田原医師会会長でございます。飛彈足柄上医師会会長でございます。杉田小田原医師会病院会代表でございます。玉井足柄上医師会理事でございます。武田小田原歯科医師会会長でございます。楢山足柄歯科医師会会長でございます。加藤小田原薬剤師会会長でございます。槇沢全国健康保険協会神奈川支部企画総務部長でございます。篠原健康保険組合連合会神奈川連合会副会長様は本日欠席となっております。砂田神奈川県看護協会小田原支部支部長でござます。猪口東海大学医学部附属病院病院長でございます。増沢神奈川県医師会理事でございます。南神奈川県病院協会常任理事でございます。白須小田原市立病院病院長でございます。山崎小田原市福祉健康部長でございます。前澤南足柄市福祉健康部長でございます。山口中井町健康課長でございます。橋本大井町子育て健康課長でございます。川本松田町子育て健康課長でございます。杉本山北町保険健康課長でございます。田辺開成町保健福祉部長でございます。内田箱根町福祉部長でございます。細田真鶴町参事兼健康福祉課長でございます。長田湯河原町福祉部長でございます。長岡小田原保健福祉事務所長でございます。海法小田原保健福祉事務所足柄上センター所長でございます。委員の紹介は以上でございます。

次に、本日の会議の公開について確認をさせていただきます。当会議は、国の地域医療構想策定ガイドラインにおいて原則公開となっており、他の地域においても同様に公開となっております。そのため、傍聴要領を机の上に配布したとおり定めましたので、こうした形で傍聴を認めることとしてよろしいでしょうか。(了承)

ありがとうございます。本日は傍聴希望者がお見えになっているとのことですので、傍聴を認め、入室を許可することとしたいと思いますのでよろしくお願いします。

また、本日の会議結果につきましては、審議速報及び会議記録につきまして、発言者の氏名を記載した上で公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。(傍聴者入室)

2 部会長、副部会長の選出

(事務局)

続きまして、「部会長、副部会長の選出について」でございます。「県西地区保健医療福祉推進会議地域医療構想調整部会設置要領」第6条第2項の規定により、「部会長及び副部会長は、委員の互選により定める」こととされておりますので、まずどなたか御推薦いただければと存じますが、いかがでしょうか。

ご推薦がないようですので、当地区の保健医療福祉推進会議では、これまで小田原医師会会長様に会長を、足柄上医師会会長様に副会長をお願いしておりましたことから、地域医療構想調整部会においても同様に部会長は小田原医師会会長の横田委員、副部会長につきましては足柄上医師会会長の飛彈委員にお願いしたいと存じますが、委員の皆様いかがでしょうか。(異議なし)

ありがとうございます。ご異議なしということですので、それでは、横田委員に部会長を、飛彈委員に副部会長をお願いします。恐縮ですが部会長席、副部会長席にお移りください。それでは、ここからの進行につきましては、横田部会長にお願いいたします。

(横田部会長)

県西地区地域医療構想調整部会の部会長に指名されました小田原医師会会長の横田です。第1回ということで議事に入る前にひとことご挨拶させていただきます。

皆様方におかれましては、日頃から、地域の保健、医療、福祉の推進についてそれぞれのお立場で多大なご尽力をいただいておりますことを、この場をお借りし、深く感謝申し上げます。

先ほど説明がありましたように、地域医療構想という新しい課題について、地域医療や地域住民の健康保持にお力添えいただいている皆様にお集まりいただき、県西地区の地域医療構想を策定することとなりました。この構想は、団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて、この地域の目指すべき医療提供体制を具体的に考え描き、関係者で考えを共有するものでありますことから、部会での協議はたいへん重要な役割を担っていると考えます。

この地域の実情を的確に反映させ、県西地区の地域医療がよりよい方向に収斂していくよう、皆様方と知恵を出し合いながら構想策定に取り組んでいきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

3 議事

(横田部会長)

それでは、議事に入りたいと思います。「次第」に基づき、議事を進めさせていただきます。本日の議題「地域医療構想の策定について」以下(1)から(4)までをまとめて、事務局から説明をお願いします。

(事務局)

神奈川県医療課一柳と申します。議題1から4まで資料に基づき説明します。

資料1「地域医療構想策定ガイドラインの概要」をご覧ください。「地域医療構想の策定について」です。昨年6月に成立した「地域医療介護総合確保推進法」の中で医療関係についていろいろ制度改正がありました。そのうちの1つが平成26年度から開始されました「病床機能報告制度」です。医療機関が、その有する病床において自らが担っている医療機能の現状と今後の方向を選択し、病棟単位で報告する制度を設けました。これは、医療機関の自主的な取り組みを進めるもので、昨年10月に 第1回の報告がされたところです。次に「地域医療構想の策定」です。都道府県は、地域の医療需要の将来推計や報告された情報等を活用して、構想区域ごとの各医療機能の将来の必要量を含め、その地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を適切に推進するための地域医療構想を策定することになりました。国は、都道府県における地域医療構想策定のためのガイドラインを策定し、今年の3月に各都道府県に通知がされたところです。右下の枠囲いの「地域医療構想の内容」としまして、1.2025年の医療需要、患者さんの数とベッド数の必要量を、高度急性期、急性期、回復期、慢性期ごとに、県内の構想区域単位で推計する。2番目が、その目指すべき医療提供体制を実現するための施策ということで、例えば、医療機能の分化・連携を進めるための施設設備、医療従事者の確保・養成等 になっています。次のページが、「ガイドラインの内容」になります。「1 構想区域について」ですが、地域医療構想は都道府県が構想区域ごとに定めるとなっています。構想区域は原則、二次医療圏ごとになります。2番目の「構想区域ごとの医療需要の推計について」は後ほど詳しく説明するので、ここでは割愛します。3番目の「地域医療構想の策定プロセスについて」です。まず、地域医療構想は、都道府県の医療計画の一部、神奈川県でいいますと県の保健医療計画の一部となるので、それと同じ手順で定めることが必要ということで、例えば、医師会等の学識経験者の団体、都道府県医療審議会、市町村及び保険者協議会の意見を聴くこととなっています。それ以外に構想区域単位等で地域の医療関係者、保険者、市町村及び住民の意見を聴くことが必要となっています。次の3ページから4ページにかけて「3 地域医療構想の策定プロセス」が示されています。1から8の8段階になっています。まずは、(1)地域医療構想の策定を行う体制を整備する。次に地域医療構想の策定及び実現に必要なデータの収集・分析・共有を行い、構想区域を設定する。さらに構想区域ごとの医療需要、患者さんの数を推計、次のページ(5)医療需要に対する医療供給、医療提供体制の検討、(6)医療需要に対する医療供給を踏まえた必要病床数の推計、(7)構想区域について、人口規模や基幹病院までのアクセス等を踏まえて、構想区域の設定の妥当性について確認し、数字の記載はありませんが、推計した必要病床数と現在の病床機能報告制度による集計結果数の比較をして、区域ごとに課題を抽出分析します。最後に、平成37年、2025年のあるべき医療提供体制を実現するための施策を検討します。検討した結果を基に地域医療構想を策定していきます。「4『地域医療構想調整会議』の設置・運営について」です。ガイドラインでは、地域医療構想策定後に、まず、各医療機関は自らが行っている医療体制に基づき将来目指していく医療について検討を進める、都道府県は地域医療構想調整会議を設置し、関係者と連携を図りつつ、地域医療構想を達成するために必要な協議を行う、となっています。地域医療構想調整会議の「議事」ですが、1地域の病院・有床診療所が担うべき病床機能に関する協議、2 病床機能報告制度による情報等の共有、3 地域医療介護総合確保基金に係る都道府県計画に関する協議、4 その他、になっています。次のページ、地域医療構想調整会議の「検討イメージ」ですが、調整会議は構想策定後も毎年開催していきます。そこでの検討イメージは、(1)地域の医療提供体制の現状と将来目指すべき姿の認識共有、(2)地域医療構想を実現する上での課題の抽出、(3)具体的な病床の機能の分化及び連携のあり方について議論、(4)地域医療介護総合確保基金を活用した具体的な事業の議論といった形で、構想で示した将来の必要病床数にどれだけ近づいているか、近づいていなければどういったことが課題となっているのか、何をすべきなのかを毎年PDCAサイクルのような形で協議を進めていくことになります。

資料2をご覧ください。国の示したガイドラインとこれに対応した県の考え方を整理してあります。右側に県の考え方を示しています。「構想区域」ですが、一旦二次医療圏で設定しています。横浜、川崎も「地域の関係機関等の意見を踏まえて検討」となっていますが、こちらも今のところ二次医療圏ごととしています。策定の体制ですが、別紙1をご覧下さい。「地域医療構想の策定体制図」です。国が示した例ですが、都道府県医療審議会の下に、専門部会やワーキンググループを設置して検討、さらに圏域連携会議等の場を活用して医療関係者や市町村の意見を聴く、策定後は地域医療構想調整会議を設置して協議を続けていく、となっています。県の策定体制としては、県医療審議会は法定の審議会ですのでこれを活用していき、医療審議会の下に県保健医療計画推進会議という既存の会議があるので、県全体の会議ではこれを検討の場としていきます。さらに、今日お集まりいただいている会議ですが、地域別に会議を設置しまして、こちらを、ガイドライン上では地域医療構想調整会議となっているものを前倒しで設置をし、ここで構想の策定についてご議論いただき、さらに構想策定後には、その実現に向けた協議を行っていく場にしたいと考えています。別紙2は、地域医療構想調整会議の構成イメージです。県では委員の構成を大体こんな感じかなと想定しており、これに基づき本日、委員の皆様方にお集まりいただいています。1枚目に戻って、県の対応案です。下の4つの項目、地域医療の現状分析、2025年の医療需要の推計等、近隣自治体との調整は、ガイドラインに基づき今後実施していきます。地域医療構想の実現のための施策につきましては、この地域医療構想調整部会で議論しながら区域ごとに必要な施策を検討していきたいと考えています。患者・住民からの意見聴取については、県全体の保健医療計画推進会議に一般の県民の方に公募で入っていただいていますのと、パブコメを実施していく予定としています。

資料3-1をご覧下さい。昨年の10月に行いました病床機能報告の集計結果です。まず、1報告項目及び報告の状況です。(1)報告項目はアとイの2つに分かれており、ア  病床が担う医療機能を、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの機能の中から各医療機関が病棟単位で現状と6年後の方向、2025年の方向を選択しています。ちなみに2025年の方向は任意の報告項目となっています。イのその他の具体的な項目ですが、(ア)構造設備・人員配置等に関する項目、(イ)具体的な医療の内容に関する項目があります。(2)報告状況ですが、ア 構造設備・人員配置等に関する項目として、県全体では有床診療所を合わせまして94.23%の報告をいただいています。イ 具体的な医療の内容に関する項目では県全体で84.62%の報告をいただいています。2ページは報告状況を二次保健医療圏別に集計したものですのでご覧ください。9ページからが二次保健医療圏別の各医療機関がどの医療機能を選択したかを集計した表になっています。10ぺ-ジは同じ内容を棒グラフにして表したものです。16ページがそのうち病院の内訳、17ページが病院の内訳を表にしたもの、18ページは6年後に何を選択しているかということで、病院について、二次保健医療圏別に示したもの、19ページはその同じ内容を表であらわしたもの、20ページは、2025年の予定の医療機能別の病床数です。21ページは同じ内容を表で整理したもので、こちらまでが二次保健医療圏の表になりますが、28ページからは、県西圏域の、個別の医療機関ごとの報告状況です。28ページが、病院がそれぞれ機能ごとに何床ずつ報告しているかを整理している表で、次の29ページが有床診療所になっています。50ページが県西圏域の入院基本料・特定入院料別の医療機能別の病床数をクロス集計したもので、90ページから91ページが個別の医療機関ごと、さらに病棟ごとに、入院基本料等を何床届けているか、3つの主たる診療科に何を選択したかを一覧表にしたものです。地域でそれぞれ高度急性期何床、急性期何床とかだけでは、なかなか内訳がわかりづらいのではないかということで、個別の医療機関ごとに議論の参考にと思い示しています。なお、いただいた病床機能報告については、ホームページで公表することになっています。現在鋭意作成中でして8月中には掲載できるよう準備を進めています。

資料3-2です。県医療課としては病床機能報告制度の数値について若干課題があると認識しており、「現状と課題」としまして、病床機能報告制度の数値は、若干不確定な要素が多い。他の調査よりも総病床数が少ない、4機能区分の確たる基準がない中で皆さん報告しているため、必ずしも実態に即した数値ではないかもしれない。一方で、地域医療構想策定ガイドラインでは、地域の現状を示す数値として病床機能報告制度の数値を用いることとしており、県としても、4機能区分に係る数値はこれ以外には把握していないため、この数字を使わざるを得ない状況です。「対応」ですが、病床機能報告制度の個別の医療機関の報告内容を見ながら、地域ごとに実態を把握するため、まずは、各地域の第1回地域医療構想調整会議の中で、関係者と病床機能報告制度の報告内容を共有する。中身を見まして、必要があれば、現状の病床機能報告制度の数値などを見直すことも必要なのではないかと考えています。

資料4-1をご覧下さい。「将来の必要病床数の推計について」です。まず、基本的な考え方を皆さまと共有したいと思います。「1 推計に活用したデータ」ですが、国から都道府県に配布されております「必要病床数推計ツール」を使っています。このツールは2013年1年分のご覧のデータを用いて推計しています。搭載データの種別は1 NDBのレセプトデータ、慢性期、回復期リハビリテーション病棟入院料、2DPCデータ、3から5は、生活保護等の関係の患者数、6 分娩数、7 介護老人保健施設の施設サービス受給者数、8 労働災害入院患者数、9 自賠責保険入院患者数、さらに、人口は住民基本台帳年齢階級別人口を、将来推計人口については、国立社会保障・人口問題研究所の性・年齢階級別将来推計人口を用いています。病名の有無の欄に有り無しと記載がされていますが、病名ありのデータにつきましては疾患別のデータも推計に用いることができるようになっています。2ページです。「2 必要病床数の算出方法」です。こちらは平成25年度の入院受療率に将来年度の性年齢階級別人口を掛け合わせ、病床稼働率で除したもの。病床稼働率は全国一律で高度急性期0.75、急性期0.78、回復期0.9、慢性期0.92で計算しています。入院受療率の算出方法ですが、平成25年度現在の医療需要を同じく平成25年度の性年齢階級別人口で除したもので、構想区域ごとに算出しています。医療需要、患者さんの数の算出式ですが、さきほどご覧いただいた1から9のデータの総和を365で除しており、1日あたりの患者さんの数を計算しています。こうした計算式で算出を行っています。次の3ぺージは、その患者さんの総和をどう区分するかということですが、高度急性期、急性期、回復期の3区分につきましては、DPC等のデータによって患者さんの医療資源投入量をC1からC3の3つの基準で区分しており、患者さんの数を計算しています。医療投入量C1、3000点以上を高度急性期、C2、600点以上3000点未満を急性期、C3、175点以上600点未満を回復期、C3、175点未満を在宅医療等と線引きをしています。右下の枠囲いに記載してありますとおり、回復期リハビリテーション病棟に入院する患者さんについては、医療資源投入量の区分によらず回復期で算定、医療資源投入量が175点未満の医療を受ける入院患者さんであっても、リハビリテーション料を含んだ医療資源投入量が175点を超えている場合には、回復期で算定するとなっています。次ページ、「慢性期の医療需要」につきましては、若干異なる考え方が入ってきています。「ア 考え方」ですが、慢性期の医療需要については、現在の療養病床が主な慢性期機能を担っていますが、一般病床と違いまして医療行為を出来高換算することは困難であり、医療資源投入量による区分は行わない。さらに、慢性期機能の中には在宅医療等で対応可能な患者が一定数いるという前提に立ち、慢性期の入院受療率を縮小させる目標を設定し、目標に相当する患者数を慢性期の患者数として見込む。ということで、イの表をご覧いただくと、分子は入院患者数、分母が性・年齢階級別人口となっていますが、分子には療養病床の慢性期入院患者数に地域差解消にむけての補正率を掛けあわせることになっています。地域差解消に向けての補正率とは何かといいますと、次の5ページをご覧ください。ウの「慢性期病床の地域差の解消」というところで、療養病床の入院受療率に地域差があることを踏まえ、全国的にという話ですが、全国トップの高知県、全国最小の山形県では4倍以上の開きがあると言われています。この地域差を縮小するという観点から都道府県が二次医療圏ごとに、パターンAからパターンBまでの範囲内で入院受療率の目標を定めることとするとなっています。下の図をご覧いただきますと、パターンAが「全ての二次医療圏が全国最小レベルである山形県レベルまで入院受療率を低下する」、パターンBが「全国最大レベルの高知県の入院受療率を全国中央値レベルにまで低下させる割合を用いて二次医療圏毎に全国最小との差を等比的に低下する」、という目標を設定するというもので、都道府県ごとにこの間で目標を設定するとなっています。ちなみに神奈川県では一旦パターンBを選択させていただいています。神奈川県は現状でも、中央値をやや下回る入院受療率になっており、この表で言うとパターンBの表の「入院受療率」の字の「入」の字にかかっている矢印線ぐらいになるのではないかと思われます。次のページ、「在宅医療等の医療需要について」です。在宅医療等の言葉の定義ですが、「居宅、特別養護老人ホーム、老人保健施設等医療を受ける者が療養生活を営むことができる場所であり、現在の病院・診療所以外の場所における医療等を指す」となっており、特養も含まれています。「イ 算出方法」ですが、【現状】という帯グラフをごらん下さい。太枠で囲ってあります、1、2、3、4の合計が在宅医療の将来の医療需要になります。1 療養病床の入院患者数の中で「医療区分1の70%」が在宅に移行する、2 先ほど申し上げた地域差解消分、3 現時点で在宅医療を受けている患者数、4 一般病床でC3、175点未満の患者数を在宅医療に移行する、の1から4の患者数の合計を在宅の医療需要と推計しています。次のページをご覧ください。「6 必要病床数の算出にあたっての留意事項」です。推計値については、レセプトデータを用いている関係上、医療需要、患者さんの数とベッド数、いずれにしても、二次医療圏単位にあっては、10未満、市区町村にあっては100未満となる数字は非表示となっており、推計値にも含まれていません。次に、疾病別の病床数は、先ほどの1ページの、1NDBのレセプトデータ、2 DPCデータ、6 分娩数のみを用いているので、あくまで参考数値となっています。次に、必要病床数は、医療機関所在地ベースと患者住所地ベースの2種類の数字を推計して出しています。医療機関所在地ベースは、患者が受療した医療機関の所在地で患者数を推計したもの。すなわち、患者の流出入が現状のまま継続するものと仮定して推計したものです。患者住所地ベースというのは、患者の住所地で患者数を推計したもの。 つまり、患者さんの流出入を極力抑えて、患者さんの流出入がなく、入院が必要な患者は、すべて住所地の二次医療圏の医療機関の病床に入院するものと仮定して推計したものです。ガイドライン上は、高度急性期の病床を除き、できるだけ構想区域内で対応することが望ましいと考えられていることから、患者住所地ベースの必要病床数を基本に考えることとされていますが、矢印の先、必要病床数は、今後、医療機関所在地ベースと患者住所地ベースの必要病床数の間で、患者の流出入に関する都道府県間調整等を経て確定させます。例えば、東京都と神奈川県の間で、神奈川県の患者さんが1,000人東京都の医療機関を受けていると仮定しますと、そうした場合この1,000人を東京都の医療需要として見込むか、神奈川県の医療需要として見込むかを都道府県間で協議し、その数をどちらで見込むか決めます。同じことを構想区域間でも行います。今回推計した必要病床数は、あくまで推計ツールで単純に算出した値であり、正式な地域の必要病床数はそうした協議を経て決まりますので確定必要病床数というわけではありません。次のページ、「7」は、資料3-2で説明した内容ですので、説明は省略します。最後の9ページは国から都道府県に配布されています必要病床数推計ツールの条件抽出画面を示したもので、こうした中から条件を選択して将来の患者数、病床数を推計できるようになっており、参考までに載せてあります。

資料4-2、県西地域の2025年の必要病床数の推計です。まず現状の推計結果、左側、全体で3,272床で、機能区分別の内訳が、高度急性期13.4%、急性期42.2%、回復期2.7%、慢性期41.0%、未選択0.6%となっています。県全体で比較しますとやや慢性期が多い地域となっています。一方、右側が2025年の必要病床数の推計ですが、医療機関所在地ベースで2,792床と患者住所地ベースで2,918床となっており、それぞれの内訳が、医療機関所在地ベースで高度急性期12%、急性期32%、回復期31%、慢性期25%、患者住所地ベースで高度急性期10%、急性期27%、回復期28%、慢性期35%となっています。現状との比較で見ますと医療機関所在地ベースで480床の過剰、患者住所地ベースで353床の過剰となっています。数字で単純に比較するとこのような結果になります。次のページが県全体の状況でして、参考にご覧いただくとして、3ページ目が同じ内容を表で表したもので、1番右が2025年度の患者住所地における必要病床数の充足率を示したもので、「※4」にも書いてあるように、100%以下である場合には流出超過、100%以上である場合には流入超過を表します。

資料4-3「2025年の在宅医療等の推計」です。現行の在宅医療の患者さんの数、レセプトから出している数で現在4,251.5人の患者さんがいます。一方、将来の患者さんの数ですが、医療機関所在地ベースで6,689.2人、患者住所地ベースで5,541.2人、現行と比較しますと医療機関所在地ベースで2,437.7人の増、患者住所地ベースで1,289.7人の増、約1.5倍前後の増ということになります。次ページは県全体の状況を示したもので参考にご覧いただくとして、3ページ目の基礎資料は、数字を表であらわしたものです。パターンA、パターンBはそれぞれ慢性期病床を先ほど示した入院受療率の算定の際の地域差解消のための目標設定で計算しています。再掲は、在宅医療等には介護保険施設の患者さんも含めてありますが、その数を除いた訪問診療分のみを内数で示したものです。1番右側が住所地における充足率を示しており、充足率が100%以下である場合には流出超過、100%以上である場合には流入超過を表しています。

資料4-4と資料4-5についてです。議論の参考としていただくために将来の疾病別の必要病床数の推計を示しています。資料4-4が疾病別の、医療機能区分別の、将来の必要病床数の推計結果になります。がん、急性心筋梗塞、脳卒中、成人肺炎、大腿骨骨折について算出しています。急性心筋梗塞の0.0は全く需要がないというわけではなく、おそらく10未満の数字になってしまっているために、数字がマスキングされて出ていないものと思われます。資料4-5ですが、疾病別、医療機能別に患者さんの数を推計したもので、例えば、「がん、高度急性期」を見ますと、在住者医療需要は1日当たり57.1人、一方医療機関所在地ベースの医療需要が1日あたり44.7人で、流出者数1日あたり26.9人、流入者数1日あたり14.4人で流出入の差分がマイナス12.5人、12.5人がどこか他の構想区域に流出して医療を受けているということになります。その下に流出入先のトップ20を示していますが、こちらも10未満は0.0で表示されていますが、少なくともどこに流出あるいは流入したか相手先の二次医療圏はわかります。流出先では、湘南西部、駿東田方、熱海伊東、流入では湘南西部、熱海伊東、横浜北部の順になっていることがわかる資料になっています。

資料5をご覧下さい。「地域医療構想策定スケジュール」でございます。県では来年10月頃までに地域医療構想を策定したいと考えています。それまでの間に会議を6回程度開催させていただき、議論を重ねていきたいと考えています。おおまかに言いますと、今から12月ごろまでは、主に、推計結果の共有、都道府県間の流出入の調整、構想区域間の流出入の議論、構想区域の設定といったことについて議論をしていきたい。この議論を踏まえて事務局の方で、地域医療構想の骨子案を策定しまして、年明け1月ごろから9月ごろにかけて具体的な地域医療構想の中身について議論を重ねていき、骨子案、素案、案と進化をさせていきたい。そのつど、医療審議会や神奈川県議会などに報告をしていきながら議論を重ねていきたい、と考えています。

続きまして参考資料1です。あくまで現段階のイメージですが、地域医療構想の出来上がりのイメージを、これがないとなかなか議論ができないとのお声もいただいており作ってみました。大きく3つになるのではないかと考えており、1つ目が基本的な事項ということで、地域医療構想の趣旨、推計の考え方について記載、2は神奈川県の医療提供体制の現状と将来像(1)県内の病床4機能区分及び在宅医療の現状と2025年の必要病床数推計、(2)目指すべき医療提供体制の実現に向けた課題、(3)目指すべき医療提供体制の実現に向けた施策、を盛り込んでいきます。3番目の各構想区域における将来の医療提供体制に関する構想というのは、それぞれの地域ごとに同じように、ア 医療提供体制の現状と将来像、イ 目指すべき医療提供体制の実現に向けた課題、ウ 目指すべき医療提供体制の実現に向けた施策、といった構成になるのではないかと現段階ではイメージしています。

次に、参考資料2は、2025年の必要病床数の推計の二次医療圏別も含めた県全体の状況、参考資料3は、2025年の在宅医療等の患者数の推計の県全体の二次医療圏別の状況、参考資料4は、病床機能報告の集計結果の県全体の状況です。

今日はこれからご意見をいただくことになりますが、いきなり資料を見せられて意見は言えないというご意見も耳にいたします。もちろんお気づきの点はご発言いただきたいですが、あとは、こちらのデータをぜひ地域にお持ち帰りいただき、皆さんは所属している団体の代表としてお出になっていただいていると思いますので、中で会員の皆さんとぜひ情報を共有していただいて、意見交換をしていただきたいと思います。

県も数字を見た中で、正直言って確たる方針を持っているわけではありません。

そこは、みなさんのご意見をいただきながら、まとめあげていくことになると思っていますので、ぜひよろしくお願いします。

(横田部会長)

ご説明ありがとうございました。膨大な資料ですので、これを全て理解するというのは難しいかも知れませんが、今のご説明について、ご意見、ご質問があればいただきたいと思います。いかがでしょうか。

(飛彈副部会長)

患者さんの流出入に関する説明がありました。現在の医療体制、患者さんが望む医療は「フリーアクセス」が原則だと思いますが、国としては今後制限する方向なのでしょうか。高度急性期は除き、なるべく二次医療圏の枠内での完結が望ましいとなっているのですか。

(事務局)

制限するという考えがあるわけではないと思います。ただ国としてガイドラインを検討する中で「一定程度二次医療圏内で完結することが望ましい。」という考え方を示してはいます。では、神奈川県として、若しくは、県西地区二次医療圏としてどう考えるのかについては、まさにこれから意見を伺い決めていかなければならない課題であると考えています。

実際に、神奈川県のような、人口がわりと密集しており、交通機関も発達している地域で、フリーアクセスが前提の中、患者さんの流出入がないという議論が本当に現実的なのかというご意見は当然あろうかとは思います。

(玉井委員)

例えば、がんの患者さんなどが流出するのはある程度やむを得ないところではあるのかなと思います。しかし、急性心筋梗塞や脳卒中などの救急については時間を争うことから、本当にやむを得ない場合を除いて流出すべきではないと思います。その辺の考え方は推計の中にどういう風に反映されているのでしょうか。特に、県西地域は面積が広いですし、救急についてのこうした議論は、この中では加味されていないと理解してよいですか。

(事務局)

推計の中では、機械的に医療機関所在地ベース、患者住所地ベースの2種類を示して、この間でどちらを目指すべきかということを、まずは都道府県間で調整をするという組み立てになっています。高度急性期を除いて、心筋梗塞、骨折、肺炎などはなるべく圏域内で完結するのが望ましいというのが国のガイドラインの考え方になっています。

(玉井委員)

昨年の診療報酬改定で地域包括ケア病棟に移行するというような動きもある中で、地域包括ケア病棟の扱いはこの区分の中では回復期の中に含まれると解釈してよいですか。

(事務局)

実は、そこが、はっきりしていません。国のほうでも議論していると承知していますが、回復期の定義の中で、1つはいわゆる回復期リハビリテーション、もう1つは急性期を脱したあとの在宅に帰るまでの一時的なクッション的な機能が示されています。地域包括ケア病棟の定義、目指すところもそれと共通する部分があるのではないかと見ています。ただ、国は、地域包括ケア病棟イコール回復期とは明言していません。

(玉井委員)

一番問題になるのは、「急性期」という言葉です。在宅に戻った人が具合が悪くなってまた入院するというときに、その部分を地域包括ケア病棟が担っているはずだが、そのあたりがあいまいのようですが。

(事務局)

ご指摘のとおりそのあたりが今あいまいで、今後の診療報酬改定であったり、国でも見直しの議論がはじまっている病床機能報告であったり、そういった中で精査されていくものと考えています。

(南委員)

地域医療構想策定タイムスケジュールによると、来年の10月までに策定することになっています。日程的にタイトであり、十分議論が尽くせるのか疑問です。地域で特性があり、二次医療圏の中でもかなり違いが出て地域差があります。県西で言えば箱根、小田原、上郡でそれぞれ異なりますので、議論を十分尽くすべきだと考えます。日程的にかなり厳しい。来年10月は絶対にはずせないということですか。

2番目に地域包括ケアシステムへの取組みという大きな流れがあります。在宅へ返すという流れがある中で、地域のクリニック、診療所の先生方は大変な思いをされている。その中で病院としてどのように関連していくかとなると、中核となる医療機関は「急性期」だと思います。間質性肺炎が急性期で、誤嚥性肺炎が急性期でないなどと分けることはできないと思いますし、お年寄りが自宅で食事をたびたび誤嚥するようになって呼吸困難になってしまった、なんとか生かして欲しい、そういう時の対応はやはり「急性期」病院です。そうなると急性期は増えるという考え方もあるかと思うのですが、こうしたことが将来予想に入っていないと思います。

また、大都会の高齢者を地方に移住させるといったような乱暴な話も出ています。例えば横浜に対してこの地域は病棟が余っているのでこちらへということもあるかもしれない。いずれにしてもこの厚生労働省の考え方だけでよいのかどうか、この地域のことをどう考えていくか、こうした議論をするには時間が短いと思います。

(事務局)

十分に議論しなければならないという思いは県も同じです。厚生労働省では、平成28年度の半ばまでに策定することが望ましいと示しており、義務付けはしていません。義務付けとしては次の医療計画の改定(平成30年)までにはと医療法に定められています。医療課としては来年10月までには策定していきたいと考えています。参考までに他県の策定スケジュールを見ますと、半数の都道府県が27年度中に策定、残りの半数が未定ないしは28年にはいってからとなっています。本県のスケジュールは決して早いほうではないとは考えています。

地域包括ケアシステムとの関係とか、人口の今後の移動の問題。人口推計については、国立社会保障・人口問題研究所で出した数字なので一定の変動要素を見込んだ数字になっていると認識しています。見落としている要素があるかもしれませんが、ある一定の考え方に基づいて、一旦推計値をどこかに置かないと議論のスタートラインに立てないので、そのためにお示しした数値ととらえていただけたらと考えています。その数値を見ながら今後地域でどのような医療体制が必要か、それを目指すために何が必要か、これから議論が必要だと考えています。

(杉田委員)

昨年10月に各病院がいろいろな資料(病床機能報告)を出しました。いつどのような形で反映されていくのかと思っていましたが、今日初めてその結果を見ました。これから地域の病院の先生がたを含めていろいろ検討してほしいという要望ですが、あまりに不確定要素が多いと思います。まず1点は、医療機関所在地ベースなのか患者住所地ベースなのかが不確定です。本当はどちらをめざしているのか、両者を出してその間の検討をするとのことですが、これで相当内容に違いが出ると思います。

2つ目は県内すべての地域において回復期が絶対的に足りないということに関して、今の現状に照らし合わせて回復期と慢性期のイメージがはっきりしていない、回復期とは具体的にどういうイメージかはっきりしていないというのが病院側の見解です。不確定要素はいくつかありますが、大きくいってこの2つです。そうした中でこれをどういうふうに皆に説明していくか、内容分析がない中で責任を持って伝えられる、理解してもらえるか自信がない状況です。そういう意味でも南先生がおっしゃるとおり、今からつめていくにはもう少し消化していく時間をいただきたいと思います。

(事務局)

タイムスケジュールに関するご意見の回答は同じになってしまうかと思います。数字があいまいな中で説明するのは難しいというご意見は確かにそのとおりですが、ひとついえることは、流出入の考え方があいまいな中で議論ができないということに関しては第2回、第3回で案を作成しお示しいたしますのでそこでご意見をいただく予定にしています。

(横田部会長)

回復期と慢性期の違いといいますか、4つの医療機能は、誰が見ても「この病院の機能はどれ」とわかるほど、きれいに分かれているものなのですか。

(事務局)

4機能の定義は国が行っているもので、診療報酬ともリンクさせてはいません。このあたりもあいまいさの原因のひとつだと思います。定義されているものを見ながら、与えられている条件の範囲内で地域で議論していくしかないのかなというふうに思います。

なお、病床機能報告は今後も毎年行われます。今年の10月にも報告のご案内がいくかと思いますが、国ではこの報告の精緻化に向けて検討会を立ち上げて検討しているところですので、その結果で前進するとよいと思っています。

また病床機能報告は、地域医療構想ができあがった後も続いていきます。データも進化していきますので、これと将来の推計値との差を毎年見比べていくというような活用のされ方をします。

(横田部会長)

10月の再度の報告のときに、もう少し基準を共有できると正確なものになるということですね。

(事務局)

可能でしたら、今年の報告をもとに構想の骨子案、素案等を作成し、皆様にご議論いただく際には、現状のデータが更新できている状態でできれば、という希望的観測を持っています。

(南委員)

4区分についてですが各病院いろいろ議論して報告しています。それに対して国はいろいろなデータを駆使してこの地域は急性期がこのくらい、回復期がこのくらいと出したのだと思います。しかし、それぞれの病院が報告したものと異なる構想ができ、それに従いなさいとなると何のために報告したのか。強制しないとはいうものの、「この地域に急性期はこんなになくてよい」と言われるのは釈然としないものがあります。今までは保険点数で誘導してきたわけですが、この場合はうまくいかないとなれば、それぞれの病院が経営方針を立てて運営を立て直すので、(構想との違いを個別の病院に言われるのであれば)釈然としないです。

また、この地域の特徴として規模が比較的小さい病院が多いということがあり、それぞれお互いに協力して地域医療を支えています。地域包括ケアシステムが地域に根付いていくとすれば、それはクリニックの先生と協力して在宅をしっかり支える病院にならなければならないということであり、絶対に急性期ははずしてはいけないと思います。在宅から急病で収容するケースがたくさんありますので、地域包括ケアシステムの担い手となる、また開業医の先生方と連携するには「急性期」、24時間いつ何時でも収容できる病院が必要です、これを踏まえて地域で話し合いができればと考えます。

(杉田委員)

資料4-2によると、県西地域の回復期病棟は、現状は89床、2025年には769床あるいは898床が必要、県全体では現状4,427床、2025年2万床以上必要という推計値が出ています。各医療機関がこれを真剣に考えなさいという示唆だと思っていますが、それならば「回復期」というのは、書いてありますような「リハビリテーションを集中的に提供する」という「回復期リハビリテーション機能」の届出の基準、これだけ増える必要があるというのに、この回復期のイメージ(基準)がちょっと医療機関とかけ離れ過ぎているということを先ほど申し上げました。この10月に新たに報告する時までに、回復期の基準を明確にしていただけるのか、その点も重要だと考えています。この数字だけみると、この構想は現状を知らないで策定したというのが皆の印象だと思います。

(事務局)

現状で回復期を選択している医療機関と急性期を選択している医療機関、同じく2025年をイメージしてそれぞれ選択している医療機関には若干ギャップがあると思っています。それが先ほど病床機能報告が必ずしも現状を正確に表しているものではないと申し上げたことにつながります。今、国が行っている検討が、10月の報告に向けてこのあたりをもう少しきちっとして医療機関にもお知らせすると承知しているところです。

(杉田委員)

そういう情報を早くいただければ内部でもいろいろ議論できる。現状ではなかなか理解が出来ない。できるだけ早い情報提供をぜひお願いします。

(白須委員)

回復期の考え方についてですが、去年の10月に病床機能報告を提出した時には、4機能区分がはっきりしない中で、それぞれの医療機関の考えで自己申告をしたと思います。小田原市立病院でも病棟ごとに報告しましたが、病棟内ですべて同じというわけではない。例えば50人病棟で、急性期は30人、20人は回復期として、回復期の人がいても病棟としては「急性期50人」で報告します。20人は隠れてしまう。実際には回復期が隠れています。実態としては、もう少し「回復期」はあるのだと思います。その辺も基準がはっきり出てくれば昨年とは違う報告になる可能性は十分にある。「回復期」とはどういうものか。600点で分けるというと、例えば入院費を除いたものが600点未満だと、自分では「急性期」と思っても「回復期」になるということですか。

(事務局)

回復期の将来推計は医療資源投入量で600点未満175点以上で切っています。プラス回復期リハビリテーションの患者さん。しかしながら600点未満だからといって必ず「回復期」で出さなければならないかというと国はそうではないとは言っています。あくまでも推計を出す際に「回復期」の患者さんをイメージするためであり、実際の患者さんをその枠におさめなければならないということではないと言っています。基準があいまいで医療機関が悩まれるというようなことがないよう、今回国で(精緻化に向けて)検討している状況です。

(横田部会長)

ありがとうございました。それではそろそろ時間も近づいて来ましたのでよろしいでしょうか、他に質問はありますか。

事務局からは何かありますか。

(事務局)

長時間にわたりありがとうございます。本日の協議を踏まえ、振り返り、事務局としては、地域医療構想策定に向けては医療機関、特に病院の方々のご理解、共通認識が重要だと受け止めました。本日お集まりでない病院も含めて、少し丁寧な説明ができるように努力をしていきたいと思います。

(横田部会長)

そうした病院の方々に集まっていただく会議のようなものは事務局で設定してくださるということですか。

(杉田委員)

何か進展したこととかがあれば私の方に言っていただいて、そういうことがあれば皆に集まってもらうということを考えたいと思います。

(事務局)

ありがとうございます。また、ご相談させていただきながら進めていきたいと思います。

(横田部会長)

それでは本日予定しておりました議事は全て終了いたしましたので、進行を事務局にお返しします。

4 閉会

(事務局)

横田部会長、ありがとうございました。

委員の皆様におかれましても、ご協議、ご意見ありがとうございました。この会議は今後も引続き開催するということで、次回の会議は9月終わりころを予定しております。具体的になりましたら改めてご連絡させていただきますが、どうぞよろしくお願いします。本日はどうも有難うございました。

(以上)

会議資料

資料1 地域医療構想策定ガイドラインの概要 [PDFファイル/48KB]

資料2 地域医療構想策定に係る県の対応(案) [PDFファイル/13KB]

別紙1 地域医療構想の策定体制[PDFファイル/10KB]

別紙2 地域医療構想調整会議 構成イメージ[PDFファイル/4KB]

資料3-1 平成26年度病床機能報告 集計結果(県西) [PDFファイル/236KB]

資料3-2 病床機能報告制度の数値について[PDFファイル/5KB]

資料4-1 地域医療構想策定に係る必要病床数の推計について[PDFファイル/531KB]

資料4-2 必要病床数の推計(県西)[PDFファイル/19KB]

資料4-2 別紙 必要病床数(県西) [PDFファイル/7KB]

資料4-3 在宅医療等の患者数の推計(県西)[PDFファイル/40KB]

資料4-3 別紙 在宅医療等の患者数(県西) [PDFファイル/6KB]

資料4-4 疾患別必要病床数(県西)[PDFファイル/36KB]

資料4-5 疾患別流出入(県西)[PDFファイル/83KB]

資料5 地域医療構想策定スケジュール[PDFファイル/30KB]

参考資料1 神奈川県地域医療構想(完成イメージ)[PDFファイル/10KB]

参考資料2 必要病床数の推計(県全体)[PDFファイル/17KB]

参考資料3 在宅医療等の患者数の推計(県全体)[PDFファイル/10KB]

参考資料4 平成26年度病床機能報告 集計結果(県全体)[PDFファイル/985KB]

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