早熟カジメ(海藻)の育成に成功しました
~失われた海藻の森(藻場)を再生するための新技術~

掲載日:2021年10月21日
2021年10月21日
記者発表資料
(県政・横須賀市政記者クラブ、鎌倉市広報メディアセンター同時発表)

水産技術センターは、海藻が消失する現象である「磯焼け」の発生で失われた海藻の森(藻場)を再生するため、相模湾で重要な海藻である「カジメ」を増やす研究に取り組んでいます。今回、通常のカジメより早く成熟し次世代を残すことで藻場再生の効果が高いと期待される「早熟カジメ」の育成に成功しました。

1 背景

海藻の生い茂る「藻場」は生命のゆりかごとも呼ばれ、水産動物の生息場や二酸化炭素の吸収源として極めて重要です。しかし我が国の藻場は、魚類(アイゴなど)やウニの食害、海水温の上昇などが原因とされる「磯焼け」の発生で急激に減少しており、本県沿岸でも地域によっては藻場が消滅する危機的な状況となっています。「カジメ」は成長すると1mを超える大型の海藻ですが、成熟して次世代を残すまでに1年半かかるため、食害がはげしい海域では成熟前に食べられてしまいます。

2 研究の概要と成果

水産技術センターでは、平成27年度に相模湾で行った「磯焼け」実態調査の際に、わずか半年で成熟する「早熟カジメ」を発見しました。「早熟カジメ」は食害などにあう前に次世代を残すことが期待できるので、人工的に大量培養する技術の開発と、藻場を再生する研究に取り組みました。

令和元年度から相模湾各地の「早熟カジメ」を集め、その配偶体(種のようなもの)の培養を始めました。具体的には、配偶体に光や水温の変化などの刺激を与えて発芽させ育て、半年程度で成熟する「早熟カジメ」の生産に成功しました。

3 今後の取り組み

早熟カジメの種苗(苗のようなもの)を大量に生産するため、陸上施設で培養したのち、海で育成する技術の開発に取り組み、相模湾の藻場再生を目指します。

参考資料: 写真(PDF:362KB)

問合せ先

神奈川県水産技術センター

所長 利波 電話046-882-2311

栽培推進部長 一色 電話046-882-2314

Adobe Acrobat Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。