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更新日:2023年10月31日

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友好交流職員 成 辰九(ソン ジング)さんによるレポート「横須賀三浦地域と県西地域での研修」

友好交流先である韓国・京畿道から本県に派遣中の友好交流職員が、生活する中で感じたことや研修内容等について、レポートしてまいります。

まるた市場で

去る1,2月にも、神奈川県高齢社会課、地域福祉課、公文書館などの様々な部門で県の政策を研修し、京畿道の関連政策を紹介するなど、意見交換をしました。特に今回は、横須賀三浦地域県政総合センター、県西地域県政総合センターなどの長距離出張もたくさんあって、普段行ったことのなかった様々な地域を見ることができる機会となりました。今回は、各センターで研修しながら感じた点を中心に話したいと思います。

 横須賀三浦地域県政総合センター

横須賀三浦センターでは、城ヶ島、三崎の市場、農産物直売所など多くの現場を見る機会があり、農産物直販所の場合、思ったよりも活性化され、多くの市民が利用している姿を見ることができました。特に、県内の代表的な観光地である箱根、鎌倉に続き、城ヶ島を観光地として活性化するため、県内在住の外国人を対象に、新たな旅のプログラムを企画するなど、多くの努力を傾けていました。城ヶ島は、初めて行ってみた地域でしたが、風景がとても美しく、私が現場を訪問した時、1月のかなり寒い天気にもかかわらず、学生の団体旅行客など、多くの観光客がいて、日本人に非常に人気がある観光地であるようでした。ちなみに、個人的な意見ですが、城ヶ島が、外国人に、より人気のある観光地になるためには、外国人観光客が主に公共交通を利用するという点を勘案して、アクセスの利便性が必要だと思われます。また、積極的な広報も必要です。県ホームページによる広報も必要ですが、外国旅行の際に、旅行の場所を選択するときには、一般的に旅行会社のホームページや、ブログを多く利用する点を勘案して、城ヶ島の魅力、地域のおいしい食べ物などを紹介するブログ運営および県内の旅行会社と提携して団体旅行客を呼び込むことができる積極的な広報政策があれば、より観光地として活性化されるのではないかと思います。

 県西地域県政総合センター

農水路を利用する発電機

センター内の複数の部門で研修を受けましたが、森林、農政などの業務は、京畿道でも経験した業務ではないので、よくわからない分野でした。しかし、森林部の林道開設、治山事業の現場と農政部の農道、農水路の整備の現場を見ながら説明を聞いて、少しですが、関連業務について理解することができるきっかけになりました。また、安全防災課の仕事である幼児誘拐防止教室を地域の保育園で実施しましたが、子供の目の高さに合わせて、県の職員が直接着ぐるみをかぶって演劇をして子供たちの参加を誘導する姿は、かなり印象が深かったです。災害防止の訓練にも参加しましたが、災害発生時に使用する物品が倉庫に分かりやすく整理されていて、訓練参加者が男女の別なく、チェーンソー、発電機などの使い方を身につけることができるように直接体験し、訓練する姿も印象に深く残っています。


箱根町の治山事業現場で

両センターで研修しながら、最も多く聞いた質問が 「外国人の立場から見ると、ここの観光の活性化のために必要な部分は何だと思いますか?」という質問でした。この質問への個人的な意見を申し上げますと、城ヶ島の場合、先に申し上げたように、交通の便や広報など多少足りない部分を政策的に補充すれば良いと思われます。しかし、箱根の場合、今現在もよく知られている有名な観光地であり、交通の便、宿泊施設、グルメなど様々な部分にあっても、あまり不足な部分はないようです。それにもかかわらず、外国人観光客が減っている状況であれば、箱根を主に利用する外国人の国籍がどこなのか調べる必要があるようです。もし韓国人や、中国人の割合が高く、最近減少しているのであれば、原因は、第一に数年前の東日本の原子力発電所事故に伴う日本産食品への懸念、第二に、最近悪化した韓日、日中関係にあると思われます。しかし、二つの問題はすべて、地方自治体レベルの問題ではないと考えられます。まず、食べ物に対する懸念を解消するためには、食べ物の安全性を担保することができるテストの結果などを政府が積極的に広報を行う必要があり、国際関係においては、歴史、領土問題など様々な絡まった糸を解くためには、韓日、日中それぞれの国との間の政治的な努力が必要と思われます。

どうぞ相互理解の幅を広げ、両国間の観光も活性化され、より多くの政治、経済、文化の交流ができることを願っています。

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