更新日:2023年10月31日

ここから本文です。

友好交流職員からの現地レポート

神奈川県の友好交流先である韓国・京畿道を身近に感じていただくため、平成23(2011)年度京畿道派遣中の職員(篠崎健一)から、京畿道の取組み、魅力的な観光情報等の現地レポートを順次紹介してまいります。

韓国の学校訪問 (2012年1月)

私が生活している韓国京畿道の水原は今、肌を刺すような寒さで昼間でも零下となります。
勤務する京畿道庁の近くには市場がありますが、そこに来ていた人たちも暖かそうな服を着て買い物をしていました。
一方で、多くの家がオンドル(温水床暖房)のため、室内はたいへん暖かくなっています。

市場

ところで、先日、京畿道内にある大学と高校を訪問し、神奈川県の紹介や京畿道との関係、日本と韓国の違いなどについて話をしてきました。
今回は、そのときの様子や私なりに感じたことをお伝えします。

まず、京畿道水原市にある「亜洲(アジュ)大学」を訪問しました。
亜洲大学国際学部の学生が自主的に組織した日本研究会(サークルのようなもの)主催の「第1回ジャパニーズ・デー」というイベントの中で、お話しさせていただきました。
当日は、国際学部長始め数人の先生や、韓国在住の日本人の方も参加されていました。
(左の写真は挨拶をしている国際学部長と、司会をした韓国人学生2人です。)

国際学部長と学生集合写真

イベント当日にも話しましたが、私が感じる日本と韓国の違いの一つに意思決定の早さがあります。
韓国では、日本以上に何事もスピードが要求されるように感じます。日ごろの会話の中でも、
「빨리빨리(パンリパンリ)(「早く 早く」の意味)」という言葉をよく耳にします。
また、「とりあえず試しにやってみて、ダメならやり直す」ということが多いと感じます。
良くいうと融通が利き、悪くいうと少しアバウトなのかもしれません。

韓国に比べ、日本はスピード感もそうですが、正確さや慎重さなどが、より重視されてきたと、私は感じています。
互いのこうした違いを認識し、長所を学びあうことが大切だと思います。

日本では今、韓国ドラマやK-POPなどの人気がありますが、韓国の青少年にも日本の文化に興味を持っている人が数多くいることがわかりました。
また、韓国は徴兵制のため、大学在学中に軍へ入隊することが多く、男子学生にとっての関心事の一つには兵役もあるようでした。

次に、仁川市の隣に位置する始興(シフン)市の「始興陵谷(シフンヌンゴク)高校」を訪問しました。
始興陵谷高校は、まだ3年目の新設校で、これから日本の高校との国際交流に力を入れて取り組んでいきたいと考えられているそうです。

講義の様子講義の様子

当日は、2年生の外国語課程の生徒に対し、日本の高校の部活動や、年末年始の過ごし方などについて話をしました。
韓国の高校にも部活動のようなものはありますが、数は少なく、多くの生徒は授業終了後も学校または塾に通い、夜遅くまで勉強しているそうです。

生徒からの質問も「日本の高校は何時まで授業があるのか。皆、塾に行っているのか。どのくらいの学生が大学に進学するのか。」など多くが勉強に関するものでしたが、「日本でも、いじめがあるのか。」という質問もあって、韓国でも「いじめ」が社会問題となっているようでした。

韓国では大学へ入るために、日本のセンター試験に似た「大学修学能力試験」を必ず受けなければなりません。
この試験は毎年11月に行われますが、その結果で、どの大学に入れるかが決まります。
ニュースで目にしましたが、試験日の朝は、受験会場の門の前で食事が用意されていたり、後輩や家族、塾の人たちが、大勢で応援したりと、お祭りのような騒ぎです。

韓国大学修学能力試験会場

また、試験当日は、渋滞を緩和させるためか会社などが1時間遅く就業したり、警察が遅刻しそうな受験生をバイクで送ることもあります。
さらに、試験会場近辺では、航空機の離発着が調整されたりもするそうです。
このようなことからも、韓国の受験戦争は日本以上に激しいことがわかりますが、少し気の毒な気もします。

今回、大学と高校を訪問し、韓国の学生と話す機会を得ることができましたが、日韓の青少年が様々な交流を通して、ともに学び、互いを知ることで、一層関係を強めてほしいと願うばかりです。

このページに関するお問い合わせ先

このページの所管所属は文化スポーツ観光局 国際課です。