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更新日:2022年7月7日
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BCP作成のススメ
明日起きるかもしれない地震などの自然災害や事故などの緊急事態の発生は、中小企業の事業継続に重大な影響を与え、最悪の場合、廃業に追い込まれる可能性もあります。また、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、従業員の感染によって要員不足が生じ、業務が実施できなくなることも考えられます。
そこで、緊急事態発生後も一定以上の水準で重要な事業を継続するとともに、許容される時間内に復旧するため、緊急事態を想定し、事前に準備をしておくことが大切となります。このような考え方に基づき、あらかじめ事業の優先順位や代替策などを定め、準備をしておく計画がBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)です。
企業を万が一の事態から守るために、BCPの作成をぜひお勧めします!
1.BCPの必要性
2.防災対策とBCPの違い
3.BCP入門編
4.BCP応用編
5.支援策のご案内
6.参考資料
なぜ今、BCPを策定する必要があるのでしょうか
BCPを策定していれば、自然災害が発生しても、企業が重要業務(中核業務)を中断せずに、あるいは中断しても目標復旧時間内に重要業務を再開することで、顧客の他社流出やマーケットシェアの低下を防ぐことができます。
また、新型コロナウイルス感染症などの感染症が拡大した際は、従業員が欠勤を余儀なくされ、企業活動が停止することで、社会経済活動に重大な影響が及ぶことも懸念されます。そこで、従業員が長期間出勤できない事態も想定したBCPを策定し、事前に準備を進めておくことが大切です。
このほか、次のようなメリットがあります。
もちろん、事前に耐震補強等をすることにより人的被害も回避できます。
【内閣府防災担当 「事業継続ガイドライン(令和3年4月)」より】
「消防計画」等の防災対策とBCPはよく似ていますが、下記のとおり違いがあります。
|
防災 |
事業継続(BC) |
目的 |
身体の安全と財産を守ること | 左記に加え企業を存続させること |
考慮すべき事象 |
拠点がある地域で発生することが想定される災害 | 自社の事業中断の原因となり得るあらゆる発生事象(インシデント) |
単位・範囲 |
拠点単位 | 事業単位(拠点横断)からサプライチェーン全体(顧客や調達先等)まで |
主体 |
防災部門、総務部門、施設部門等、特定の防災関連部門 | 経営者を中心に、事業部門、調達・販売部門、サポート部門(経営計画、情報システム等)が横断的に取り組む |
重要視される事項 |
|
|
文書 |
消防計画書、防災マニュアル等 | 事業継続計画書(BCP) |
まず、BCPを策定する前に、自社が置かれている状況を確認することが重要です。災害や感染症対策の状況を下記のチェックリストで確認しましょう!
新型コロナウイルス感染症の流行時にも、事業をしっかりと継続していくための体制整備や業務計画の準備が必要です。そのためのチェックリスト(PDF版・エクセル版)を作りましたので、確認してみてください。
まずは簡易版BCPである「事業継続力強化計画」の策定をオススメします!
「チェックリストでチェックはしたけど、今までBCPを策定したことがなく、何から手を付けてよいか分からない…」という方には、まず、国の認定制度である「事業継続力強化計画」(簡易版BCP)の策定をおすすめします。
事業継続力強化計画とは、中小企業強靭化法(中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律)の施行により、令和元年7月から始まった制度で、中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が「事業継続力強化計画」として認定する制度です。国の認定を受けた中小企業は、税制措置や金融支援、補助金の加点などの支援策が受けられます。
申請様式が定まっており、必要最小限の内容が盛り込まれていることから、どの企業でも取り組みやすい、「入門版BCP」とも言えるものです。
詳細については中小企業庁のホームページをご覧ください。
計画名称 |
事業継続力強化計画 |
BCP(事業継続計画) |
根拠法 |
中小企業強靭化法(中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律 | なし |
計画の内容 |
防災・減災の事前対策に関する計画 | 予め緊急事態発生時に事業の継続や早期復旧の手順を決める計画 |
認定 |
有(経済産業大臣) | 無 |
メリット |
金融支援や補助金の加点など | 企業価値や企業体質の向上 |
準備でき次第公開します
県では、多忙な中小企業の経営者が、効率よくBCPを策定できるように、BCPの概要や事業継続計画書のひな形、記載例などを盛り込んだマニュアル「BCP作成のすすめ(かながわ版)」を作成し、普及をすすめています。
1.3つのレベルから最適なものを選択できます!
2.本文のボリュームを極力少なくしました!
3.手順にしたがって作業をしていくと、BCPができあがります!
4.帰宅困難者対策、停電対策など新たな課題に対応しています!
冊子本体にない情報のほか、作成に必要なテンプレートや参考情報を様式編や資料編として、掲載しています。必要に応じてダウンロードの上、ご利用ください。
冊子としても配布しているBCP作成のすすめ(かながわ版)の本文(PDFファイル)を一括してダウンロードできます。
PDFファイルからは、被害想定の検討に役立つ情報、事業継続計画に関わる融資制度、事業継続計画の作成に役立つ関連情報等の各種情報のウェブサイトに、ハイパーリンクで簡単にアクセスできます。
BCP作成のすすめ(かながわ版)【本編】[PDFファイル/2.98MB] |
事業継続計画書を作成するのに便利なテンプレートを掲載しています。BCP作成のすすめ(かながわ版)の本文とあわせてご利用ください。
様式〔Wordファイル〕 | 記入例〔PDFファイル〕 |
---|---|
Download1から18(様式)[Wordファイル/1.6MB] | Download1から18(記入例)[PDFファイル/638KB] |
BCPを策定するにあたり活用できる県の支援策をご案内します。
県ではBCP策定等に関する融資制度があります。詳しくは下記ホームページをご覧ください。
「BCPを作りたいけど、何から手を付けてよいのか分からない」、「なんだか作るの難しそう…」、「作りたいけど時間がない」という県内の中小企業を支援するため、県ではBCP作成等支援専門家派遣事業を実施しています。(BCPに精通する専門家が伺い、実情に応じた対策を一緒に考えます。費用は一切かかりません!)
詳細は下記ホームページをご覧ください。
神奈川県と損害保険ジャパン株式会社は、相互連携を通じて、県内中小企業のBCP策定を推進し、災害や感染症に強い企業づくりをすすめることを目的に、連携協定を締結しました。
この協定に基づき、セミナーを毎年開催しております。開催日時等が決まり次第、このページで案内しますので、ぜひご参加ください。
セミナー等の開催予定(令和4年2月25日現在)
開催の予定はありません。(令和3年度のセミナーは終了しました)
令和3年4月1日
(1)県内中小企業へのBCP及び事業継続力強化計画の普及啓発に関すること
(2)県及び損害保険ジャパン株式会社が行うBCPセミナー等への参画に関すること
(3)BCP及び事業継続力強化計画策定支援に関すること
(4)県内中小企業への事業継続に関する保険の普及啓発に関すること
(5)その他、県内産業の振興に関すること
損害保険ジャパン株式会社は、経営理念である「安心・安全・健康」に資する最高品質のサービスを提供することで、多様化するリスクに対応し、人々の幸せな人生を支えています。
県では、BCPの作成指導やアドバイスを行うのに必要な知識・ノウハウを有する専門家(BCP作成指導者)のリストを県内の中小企業支援機関(〔表1〕参照)に提供しています。お近くの中小企業支援機関にご相談の上、あなたの会社のBCP作成・実践のため、お役立てください。
〔表1〕
〔県内中小企業支援機関〕 | ||
対象 | 名称 | 連絡先 |
---|---|---|
県内の中小企業 | (公財)神奈川産業振興センター | 045-633-5201 |
神奈川県商工会連合会 | 045-633-5080 | |
(一社)神奈川県商工会議所連合会 | 045-671-7481 | |
県内各地域の中小企業 | 県内各地域の商工会・商工会議所 | |
県内の事業協同組合等 | 神奈川県中小企業団体中央会 | 045-633-5132 |
横浜市内の中小企業 | (公財)横浜企業経営支援財団 | 045-225-3733 |
川崎市内の中小企業 | (公財)川崎市産業振興財団 | 044-548-4155 |
相模原市内の中小企業 | (公財)相模原市産業振興財団 | 042-759-5600 |
藤沢市内の中小企業 | (公財)湘南産業振興財団 | 0466-21-3811 |
横須賀市内の中小企業 | (公財)横須賀市産業振興財団 | 046-828-16325 |
BCP策定にあたって参考となる資料や、これまで県で作成した資料を掲載・案内しています。
「令和元年台風第19号等を踏まえた水害・土砂災害からの避難のあり方について(報告)(令和2年3月 中央防災会議 防災対策実行会議 令和元年台風第19号等による災害からの避難に関するワーキンググループ))に基づき、災害時の従業員等の外出抑制策等が記載された企業の事業継続計画(BCP)の策定が進むよう改定されたものです。
中小企業庁では、ホームページ上で「中小企業BCP策定運用指針」を公開しており、このページでは、BCPを策定するためのツールが用意されているほか、現在の事業継続能力の診断(入門診断)、公的支援制度(災害発生前・災害発生後)や業種別の緊急時対応シナリオ例など参考になる情報が掲載されています。
このガイドラインでは、IT事故を想定したBCPの策定手順や検討項目等を解説しています。
平成24年度及び平成25年度に県は中小企業にBCP専門家を派遣し、「BCP作成のすすめ(かながわ版)」をベースにBCP作成支援を行い、これらの企業のBCP作成事例を紹介した「BCP作成事例集」を作成しました。BCP作成の際の参考にご活用ください。
「BCP作成事例集」は下記リンクからPDFファイルをダウンロードできます。ファイルサイズが大きいため時間がかかる場合があります。
一括ファイルダウンロード
分割ファイルダウンロード
平成24年度版はファイルサイズが大きいため、分割ファイルもご利用ください。
【平成24年度】
各種支援策の紹介や、帰宅支援マップの作成例、大規模地震対策などの実施例(首都圏にあるBCPを作成している中小企業、大手企業に平成23年7月から10月にヒアリングした結果から、中小企業に参考になる事例を抽出)を掲載しています。
神奈川県内の中小企業に対し、事業継続計画(BCP)への取組み状況や計画策定に係る支援ニーズ、また、東日本大震災の影響やこれを受けた企業防災に関する今後の意向などを把握するための調査を行いました。
このページに関するお問い合わせ先
中小企業支援グループ
電話 045-210-5556
このページの所管所属は産業労働局 中小企業部中小企業支援課です。