更新日:2020年10月8日

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決算審査等の結果・令和元年度分

令和元年度分の決算審査等の結果について

決算審査

一般会計・特別会計決算に対する意見

1 決算計数の正確性について(抄)

令和元年度の一般会計及び各特別会計の歳入歳出決算における歳入合計及び歳出合計は、審査した限りにおいて、いずれも正確なものと認められた。

一般会計及び各特別会計の歳入歳出決算書並びに関係書類の計数については、審査した限りにおいて、一部の事項を除き、正確なものと認められた。

昨年度に引き続き、予算の執行における科目誤りにより、歳入歳出決算書等の金額に上記のような誤りが認められたことは大変遺憾な事態であり、今後はこうしたことがないよう、実効性のある再発防止策を講じるとともに、関係所属において適正な経理処理を徹底することが必要である。

2 予算管理及び決算整理の的確性について

令和元年度の予算管理及び決算整理については、関係法令等に照らし、的確に行われたものと認められた。

3 決算の内容について(抄)

(1) 収入未済額の縮減について

令和元年度の一般会計及び特別会計の収入未済額の合計は226億4,322万余円で、前年度と比較すると13億2,853万余円増加(6.2%)している。

これは、令和2年度から流域下水道事業会計(事業会計)が公営企業会計へ移行することとなったため、事業会計の令和元年度に属する出納は、令和2年3月31日をもって閉鎖され、出納整理期間が存在しなかったことに伴い、事業会計に係る収入未済額が26億2,559万余円発生したことなどによるものであり、事業会計を除いて一般会計及び特別会計の収入未済額の合計をみると、令和元年度は200億1,763万余円で、前年度と比較すると12億9,705万余円減少(△6.1%)しており、10年連続で改善している。

そして、事業会計を除いて、令和元年度に10億円以上(徴収猶予額を除く。)の収入未済が発生している「節」(税にあっては「目」)は、一般会計歳入の個人県民税(「(項)県民税」「(目)個人」)、母子父子寡婦福祉資金会計歳入の「(節)母子父子寡婦福祉資金貸付金返納」及び県営住宅管理事業会計歳入の「(節)家賃収入」である。

これらについて、それぞれの収入未済額の状況をみると、個人県民税については83億634万余円(前年度比13.0%減)、母子父子寡婦福祉資金貸付金返納については12億1,599万余円(同0.1%減)、家賃収入については11億6,207万余円(同3.7%減)となっていて、いずれも前年度に比べて減少しているものの、依然として多額に上っていることから、引き続き収入未済額の縮減に向けて着実に取り組んでいく必要がある。

(2) 財産に関する調書の記載について

県は、神奈川県産科等医師修学資金貸付条例、神奈川県地域医療医師修学資金貸付条例等に基づき、産科等医師修学資金及び地域医療医師修学資金の貸付けを、それぞれ平成21年度及び平成22年度から行っている。

しかしながら、両資金の貸付けに係る事務を行っている健康医療局保健医療部医療課は、両資金に係る貸付金(修学資金貸付金)について、事業開始当初から債権として取り扱ってこなかった結果、神奈川県財務規則に基づく債権の管理等を行っていなかった。このため、長年にわたり、財産に関する調書において、修学資金貸付金に係る債権の記載がなされていなかった。

上記のように債権の管理等を行っていなかった事態については、令和2年財務監査(定期監査)の職員調査において指摘したものであり、これを受けて、知事から修学資金貸付金に係る債権を追加記載した財産に関する調書が再提出されたところである。そして、再提出された財産に関する調書では、修学資金貸付金に係る債権について、前年度末現在額を修正するため、当年度の決算年度中増減額において所要の調整が行われているが、従前、債権について同様な調整を行った際とは異なり、上記のような調整が行われたこと及びその調整の内容についての説明が記載されていないため、修学資金貸付金に係る債権の状況を明確に示すものとはなっていない。このようなことから、今回の修学資金貸付金に係る債権の追加記載に当たっては、財産に関する調書に必要な説明を記載するなど県民等に対する説明責任を適切に果たす必要があったと認められる。

したがって、前記のように長年にわたり修学資金貸付金に係る債権の記載がなされていなかった事態に鑑み、今後はこうしたことがないよう、関係局において債権の適正な管理を徹底する必要がある。また、財産に関する調書において、今回と同様な調整を行うこととなった場合には、事案の内容等に応じて財産に関する調書に必要な説明を記載するなど県民等に対する説明責任を適切に果たすことが重要である。

(3) 株式会社横浜インポートマート株式の売却について

県は、所有する株式会社横浜インポートマート株式について、既に立上げ期の支援という出資目的を果たしており、今後も同社の運営に関与し続ける意義はないことから、民間主体の経営への移行後も同社を安定的に運営できる事業者へ売却することとし、令和元年8月に、随意契約により1,059,786,000円で売却している。

そして、同社株式の売却に当たっては、随意契約により売却を予定している事業者のほかに、株式の売却を希望する事業者がいないかの確認を行うため、事前公募を行うこととし、事前公募したところ、応募者がいなかったため、当該事業者に売却することとしたものである。

しかしながら、上記の事前公募に当たっては、「平成31年4月1日現在、「大規模小売店舗立地法」に基づく届出上の「大規模小売店舗内の店舗面積の合計」が38,000平方メートル以上の大規模小売店舗を日本国内で複数所有し、運営している実績」を求めているが、株式売却の透明性、公正性等を確保する観点からは、同社を安定的に運営できる事業者として、このような実績を有する事業者だけではなくより幅広い事業者からの応募を可能とする要件設定を検討することが必要であったと認められる。

したがって、今後、県が所有する株式の売却に当たり、事前公募等を行う場合には、株式売却の透明性、公正性等を確保するため、売却の目的等を踏まえて、売却相手先に求める要件を適切に設定する必要がある。

4 財政状況について(抄)

本県の財政状況は、様々な財源対策を講じたにもかかわらず、なお財源不足を解消することができず、2年ぶりに減収補塡債を発行する状況となっており、実質的には当該年度中の県税収入等の歳入で歳出を賄いきれない綱渡りの財政運営となっている。

そして、今後も急速な高齢化などに伴う介護・医療・児童関係費の増加に加え、神奈川県水防災戦略に基づく対応や老朽化した公共施設の維持修繕コストなどにも多額の費用が確実に見込まれることなどから、本県財政は依然として厳しい状況が見込まれる。

一方、令和2年3月に策定した「中期財政見通し」によれば、一般会計では、令和6年度までの5年間で2,600億円の財源不足が見込まれており、財源対策の基本的方向として、既存施策・事業の徹底的な見直しや、公共施設の計画的な管理・利用を図ることなどが示されているが、新型コロナウイルス感染症の影響により経済の落ち込みが想定されることなどから、更なる財源不足の拡大が懸念される。

以上のような状況を踏まえ、今後の財政運営に当たっては、県有財産や資金の有効活用、国庫支出金の積極的な活用などにより歳入を確保するとともに、既存施策・事業の見直しによる歳出の抑制や民間資金・ノウハウの活用にこれまで以上に取り組んでいく必要がある。

そして、将来にわたり、本県財政を安定的に運営していくためには、国が適正に負担すべき地方交付税をはじめとする財源の確保に努めることはもとより、中長期的には、地方分権改革の理念に沿って、国から地方への権限移譲等を進め、国と地方の適正な役割分担に応じた地方税財源の充実強化を一層図ることが必要であることから、県は、これらの実現に向けて、引き続き、粘り強く国等に働きかけていくことが重要である。

(1) 県債発行の抑制

県債残高については、「中期財政見通し」において、「令和5年度までに県債全体の残高を2兆円台に減少」という県債管理目標に取り組んでいるとしている一方で、神奈川県水防災戦略の財源に県債を活用するなどの影響もあり、令和5年度の県債現在高は3兆円を上回る見込みであるとされている。このため、現状のままでは目標の達成は困難であると思料されるが、後年度の健全な財政基盤を構築し、将来にわたり必要な県民サービスを維持するためにも、引き続き目標の達成に向けての方策を検討しつつ、県債残高の減少に取り組んでいく必要がある。

地方交付税の代替措置とされている臨時財政対策債については、令和2年度地方財政対策において、新規の発行が令和4年度まで継続することが決定されているが、本来の姿である地方交付税に復元するよう引き続き強く働きかけていくことが重要である。

(2) 財政における地方公会計の活用

地方公会計に基づく平成30年度決算財務書類が、地方公会計の概要、財務書類の計数の説明等を記載した概要資料と合わせて、令和元年12月に公表された。

この地方公会計の導入により、従来の単式簿記による決算制度では見えにくかったコストが明らかになり、事業ごとのフルコストの財務情報を把握することができるようになった。

現状では、各所属において具体的な財務書類の活用例はないが、人口減少、少子高齢化が進展する中、限られた財源を効率的・効果的に使用するため、地方公会計における財務情報を適切に活用し、財政のマネジメント強化を図っていくことが重要であることから、総務省の動向や他の地方公共団体における取組事例などにも留意しつつ、その活用に向けて積極的に取り組む必要がある。

また、地方公会計に基づく財務書類については、県債残高の状況など県の債務の状況が表示されているが、この財務書類の公表に当たっては、県が進めている県債残高の減少に向けた取組についても県民に分かりやすく示し、説明責任の向上を図っていくことが重要である。

 公営企業会計決算に対する意見

1 決算計数の正確性及び決算表示の明瞭性について

令和元年度の水道事業ほか4事業の決算書及び決算諸表について、審査した限りにおいて、計数は正確なものであり、経営成績及び財政状態を明瞭に表示しているものと認められた。

2 企業経済性の発揮及び公共福祉の増進について(抄)

(1) 水道事業

平成31年3月に策定された「神奈川県営水道事業経営計画」(計画期間:2019年度から2023年度まで。以下「水道事業経営計画」という。)では、「災害等に強い水道づくり」を進めるため、これまでに引き続き水道施設の耐震化に計画的に取り組むとともに、近年、地震以外にも、台風や局地的な豪雨などの自然災害が多発している状況を踏まえ、新たに、寒川浄水場の浸水対策や揚水ポンプ所の停電対策等に取り組み、危機管理体制の充実を図ることとしている。

また、県においても、令和元年の台風第15号、第19号での被害等を踏まえ、水害への対応力強化を目的として、令和2年2月に「神奈川県水防災戦略」を策定しており、同戦略では、「寒川浄水場浸水対策事業」及び「水道施設停電対策事業」が「緊急に実施することで被害を最小化するハード対策」に位置付けられているところである。

一方、災害対応力を充実強化するためには、災害対策訓練などのソフト対策が重要となるが、これまでの災害対策訓練は大規模地震の発生を想定した訓練が中心となっており、台風や豪雨を想定した訓練については、平成30年度以降は、企業庁災害対策訓練の中で、毎年1回、寒川浄水場、谷ケ原浄水場等を対象として実施されているものの、各水道営業所では実施されていない。

したがって、水道事業経営計画等に基づき、水道施設の耐震化、寒川浄水場の浸水対策や揚水ポンプ所の停電対策等に着実に取り組んでいくとともに、災害対応力の充実強化のため、各水道営業所においても、台風や豪雨を想定した災害対策訓練を適時適切に実施していく必要がある。また、水道営業所や水道施設について、浸水想定区域内に所在するものが散見されることから、これらの施設についても、台風や豪雨を想定して必要な対策を講じていくことが重要である。

3 経営について(抄)

(1) 水道事業

 ア 経営状況

今後の経営環境は、水需要の減少に伴い、水道料金収入の減少傾向が続くと見込まれる中、大規模地震に備えて水道施設の耐震化等の災害対策を推進する必要があることや、高度経済成長期までに整備した施設の老朽化に伴い更新費用の増大が想定され、厳しい状況が続くと考えられる。こうしたことから、水道事業経営計画に基づき、情報通信(ICT)やAIなどの最新技術を積極的に導入することにより、業務の効率化を図りつつ、効率的な事業運営を行うことで経費削減に取り組むとともに、水の需要の減少に応じた施設のダウンサイジングや統廃合を行いながら、計画的に施設の更新を進め、適切な補修・維持管理や施設の長寿命化等、中長期的な視点に立った管理運営を通じ、更なる経営改善に努める必要がある。

イ 利用者サービスの提供

水道事業経営計画では、「お客様の信頼の向上」を図るため、積極的な情報発信と適時適切な情報提供を行うこととしており、令和元年度から、給水装置工事や不動産売買等で必要となる水道管路の情報を示した水道管路情報図をインターネットにより提供(以下このサービスを提供するシステムを「管路情報図閲覧システム」という。)したり、神奈川県企業庁LINE公式アカウントを開設して、友だち登録者に対して給水区域内の突発的な断水情報(以下「突発断水情報」という。)などの情報を提供したりしているところである。

管路情報図閲覧システムによる水道管路情報図の提供サービスは、平成31年4月22日から令和2年3月31日までの管路情報図閲覧システムへのアクセス件数は1万6,983件で、この間の水道営業所の窓口における水道管路情報図の請求件数が平成28年度から平成30年度までの3か年の平均と比べて10%程度減少していることなどからみて、窓口業務の軽減についても、一定の効果が発現していると考えられる。

一方、LINEによる情報発信について、情報の提供を受けることができる利用者の割合が低い水準にとどまっており、十分な効果の発現が期待できる状況とはなっていない。

したがって、LINEによる情報発信については、積極的に広報に努めるなどサービスの認知度向上を図り、友だち登録者数等を増加させるための取組を推進していく必要がある。また、県営水道への理解と信頼を得るためには、積極的な情報発信や適時適切な情報提供を行うことが重要であることから、引き続き、利用者のニーズを的確に把握した上で、適切な利用者サービスを提供するよう努める必要がある。

(2) 電気事業

水力発電においては、早戸川発電所を除き、平成21年度から令和5年度までの15年間、発電した電力の全てを東京電力株式会社に売電する内容の電力受給基本契約を平成21年1月に同社と締結(同社の分社化に伴い、平成28年4月から東京電力エナジーパートナー株式会社が契約を承継)し、当該基本契約に基づき、原則2年間の売電価格を定める電力受給契約を締結しているところである。

このような状況を踏まえ、今後も電力システム改革の動向を注視しつつ、将来にわたって安定的な経営が継続できるよう、発電所の特徴を生かした新たな売電方法を検討するなど、令和6年度以降の売電契約のあり方についての検討を着実に進めていく必要がある。

(3) 公営企業資金等運用事業(資金運用)

公営企業で既往に生じた余剰資金を運用する本事業は、金利の影響を大きく受けることから、今後も金融政策や金利動向を注視しつつ、利回りがより高く見込める金融商品の購入を検討するなど、適切かつ効率的な運用に一層留意する必要がある。

健全化判断比率等の審査

健全化判断比率審査

1 健全化判断比率の正確性について

 審査に付された健全化判断比率の算定の基礎となる事項を記載した書類は適正に作成されており、それに基づく健全化判断比率は正確なものと認められた。

 

2 健全化判断比率の動向について

 実質赤字比率と連結実質赤字比率は、実質収支額と連結実質収支額が黒字であることから前年度と同様に算定されない。

 実質公債費比率は、地方交付税措置されない県債の公債費が減少したこと等により、前年度に比べて0.2ポイント低下し、改善している。

 将来負担比率は、一般会計等地方債現在高が減少したこと等により、前年度に比べて5.7ポイント低下し、改善している。

資金不足比率審査

 審査に付された資金不足比率の算定の基礎となる事項を記載した書類は適正に作成されており、それに基づく資金不足比率は正確なものと認められた。

 いずれの会計も前年度と同様に資金不足が生じておらず、特に意見はない。


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