更新日:2021年10月14日

ここから本文です。

決算審査等の結果・令和2年度分

令和2年度分の決算審査等の結果について

決算審査

一般会計・特別会計決算に対する意見

1 決算計数の正確性について(抄)

令和2年度の一般会計及び各特別会計の歳入歳出決算書並びに関係書類の計数は、審査した限りにおいて、一部の事項を除き、正確なものと認められた。

昨年度及び一昨年度に引き続き、予算の執行における科目誤りなどにより、歳入歳出決算書等の金額に誤りが認められたことは大変遺憾な事態であり、特に今回は、歳入合計、歳出合計等についても誤りが認められる結果となったことから、今後はこうしたことがないよう、より実効性のある再発防止策を講じるとともに、関係所属において適正な経理処理を一層徹底することが必要である。

2 予算管理及び決算整理の的確性について

令和2年度の予算管理及び決算整理については、関係法令等に照らし、的確に行われたものと認められた。

3 決算の内容について(抄)

(1) 収入未済額の縮減について

令和2年度の一般会計及び特別会計の収入未済額の合計は227億2,012万余円で、前年度と比較すると7,689万余円増加(0.3%)している。

また、令和2年度から公営企業会計に移行した流域下水道事業会計を除いて比較すると、収入未済額は27億248万余円増加(13.5%)している。

これは、新型コロナウイルス感染症の影響により、法人事業税に係る収入未済額が前年度と比較して35億8,842万余円増加(709.4%)し、40億9,427万余円となったことなどによるものであるが、この収入未済額のうち35億6,840万余円は徴収猶予となっている。

そして、令和2年度に10億円以上(徴収猶予額を除く。)の収入未済が発生している「節」(税にあっては「目」)は、一般会計歳入の個人県民税(「(項)県民税」「(目)個人」)、母子父子寡婦福祉資金会計歳入の「(節)母子父子寡婦福祉資金貸付金返納」及び県営住宅事業会計歳入の「(節)家賃収入」である。

これらについて、それぞれの収入未済額の状況をみると、個人県民税については77億7,046万余円(前年度比6.5%減)、母子父子寡婦福祉資金貸付金返納については11億8,739万余円(同2.4%減)、家賃収入については11億6,968万余円(同0.7%増)となっていて、いずれも前年度に比べて減少又は横ばいの状況とはなっているものの、依然として多額に上っていることから、引き続き収入未済額の縮減に向けて着実に取り組んでいく必要がある。

(2) 財産に関する調書の記載について

令和2年度の決算調書作成に当たり、介護福祉士等修学資金貸付金に係る債権について、平成28年度から令和元年度までの財産に関する調書において、「決算年度末現在額」等の金額に誤りがあったことが判明した。なお、これらの誤りは、平成28年度において、収入調定を行っていたのに債権額から控除していなかったものが4件、690,000円、平成29年度において、貸付金の返済免除を決定していたのに債権額から控除していなかったものが1件、310,000円それぞれあったことによるものである。

このため、令和2年度の財産に関する調書においては、「前年度末現在額」を修正するため、当年度の「決算年度中増減額」において所要の調整が行われているが、当該調書において、こうした調整が行われていることや、その調整内容についての説明は記載されていない。

しかしながら、上記の「前年度末現在額」を修正するための調整は、「決算年度中増減額」を1,000,000円減額するものとなっており、この額は、「決算年度中増減額」(△ 2,206,000円)の45.3%を占めるものとなっているなど、このままの記載では、介護福祉士等修学資金貸付金に係る債権の状況を明確に示すものとはなっていないと認められることから、財産に関する調書に必要な説明を記載するなどして、上記のような処理を行ったことに対する透明性を確保するとともに、県民等に対する説明責任を適切に果たす必要があったと認められる。

したがって、財産に関する調書において、今回と同様な調整を行うこととなった場合には、事案の内容等に応じて財産に関する調書に必要な説明を記載するなどして、その処理の透明性を確保するとともに、県民等に対する説明責任を適切に果たすことが重要である。また、前記のように4か年度にわたり、介護福祉士等修学資金貸付金に係る債権について、財産に関する調書の記載に誤りがあった事態に鑑み、今後はこうしたことがないよう、関係局において債権の適正な管理を徹底する必要がある。

4 財政状況について(抄)

本県の財政状況は、多額の財源不足に直面する中、施策・事業の見直しなど様々な財源対策を講じたにもかかわらず、なお財源不足を解消することができず、財政調整基金の取崩しを行ったり、前年に引き続き減収補塡債を発行したりするなど、実質的には当該年度中の県税収入等の歳入で歳出を賄いきれない綱渡りの財政運営となっている。

そして、急速な高齢化などに伴う介護・医療・児童関係費の増加に加え、神奈川県水防災戦略に基づく対応や教育施設の更新などにも多額の費用が確実に見込まれることなどから、本県財政は依然として厳しい状況にある。

一方、令和2年3月に策定した「中期財政見通し」によれば、一般会計では、令和6年度までの5年間で2,600億円の財源不足が見込まれており、財源対策の基本的方向として、既存施策・事業の徹底的な見直しや、公共施設の計画的な管理・利用を図ることなどが示されているが、頻発化・激甚化が懸念される自然災害への対応などにも追加の財政需要が生じる可能性があることに加え、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない状況にあることを踏まえると、更なる財源不足の拡大が懸念されるところである。

以上のような状況を踏まえ、今後の財政運営に当たっては、当面活用が見込まれない県有財産や資金の有効活用、国庫支出金の積極的な活用などにより歳入を確保するとともに、経済性、効率性、有効性等の観点からの既存施策・事業の抜本的な見直しによる歳出の抑制や民間資金・ノウハウの活用にこれまで以上に取り組んでいく必要がある。

そして、将来にわたり、本県財政を安定的に運営していくためには、地方交付税をはじめとする財源の確保に努めることはもとより、中長期的には、地方分権改革の理念に沿って、国から地方への権限移譲等を進め、国と地方の適正な役割分担に応じた地方税財源の充実強化を一層図ることが必要であることから、県は、これらの実現に向けて、引き続き、粘り強く国等に働きかけていくことが重要である。

(1) 県債発行の抑制

県債残高については、「中期財政見通し」において、「令和5年度までに県債全体の残高を2兆円台に減少」という県債管理目標に取り組んでいるが、神奈川県水防災戦略の財源に県債を活用するなどの影響もあり、令和5年度の県債現在高は3兆円を上回る見込みであるとされており、近年の県債発行額の状況等を踏まえると、目標の達成は極めて困難であると考えられる。このため、県債管理目標の見直しが必要となるが、新型コロナウイルス感染症が収束しておらず、今後の財政状況が見通せない現状では、目標設定の根拠となる「中期財政見通し」の推計を見直すことは困難であることから、今後の状況の推移を注視しつつ、できるだけ速やかに新たな県債管理目標を設定することが望まれる。そして、後年度の健全な財政基盤を構築し、将来にわたり必要な県民サービスを維持するためにも、新たな県債管理目標の達成に向けて、県債残高の減少に取り組んでいくことが重要である。

地方交付税の代替措置とされている臨時財政対策債については、令和2年度地方財政対策において、新規の発行が令和4年度まで継続することが決定されているが、本来の姿である地方交付税に復元するよう引き続き強く働きかけていくことが重要である。

(2) 財政における地方公会計の活用

地方公会計に基づく令和元年度決算財務書類が、地方公会計の概要、財務書類の計数の説明等を記載した概要資料と合わせて、令和2年12月に公表された。

この地方公会計の導入により、人件費を含めた事業コストや、資産や負債のストック情報、減価償却費、退職手当引当金繰入額など、従来の単式簿記による決算制度では見えにくかったコストが明らかになり、事業ごとのフルコストの財務情報を把握することができるようになった。

そして、地方公会計を活用するための取組として、令和2年度には、各所属における財務書類の積極的な分析・活用を支援するため、会計局会計課(以下「会計課」という。)において、財務書類の分析方法の紹介を行うとともに、会計課及び総務局財産経営部財産経営課(以下、これらを合わせて「主管課」という。)において、財務書類の活用に向けて、各所属に対する分析支援を行うこととしていたが、各所属において、具体的な財務書類の活用例はなく、主管課の分析支援を利用した実績もなかった。人口減少、少子高齢化が進展する中、限られた財源を効率的・効果的に使用するため、地方公会計における財務情報を適切に活用し、財政のマネジメント強化を図っていくことが重要であることから、主管課においては、総務省の動向や他の地方公共団体における取組事例などにも留意しつつ、具体的な目標を設定して、各所属に対して分析支援を活用するよう積極的に働きかけるなど、引き続き財務書類の積極的な分析・活用を支援するための取組を推進していくとともに、各所属においても、こうした支援を活用することなどにより、財務書類の活用に向けて積極的に取り組んでいく必要がある。

また、地方公会計に基づく財務書類については、県債残高の状況など県の債務の状況が表示されているが、この財務書類の公表に当たっては、県が進めている県債残高の減少に向けた取組についても県民に分かりやすく示し、説明責任の向上を図っていくことが重要である。

 公営企業会計決算に対する意見

1 決算計数の正確性及び決算表示の明瞭性について

令和2年度の水道事業ほか5事業の決算書及び決算諸表について、審査した限りにおいて、計数は正確なものであり、経営成績及び財政状態を明瞭に表示しているものと認められた。

2 企業経済性の発揮及び公共福祉の増進について(抄)

(1) 水道事業

平成31年3月に策定された「神奈川県営水道事業経営計画」では、これまでに引き続き水道施設の耐震化に計画的に取り組むとともに、新たに、寒川浄水場の浸水対策や揚水ポンプ所の停電対策等に取り組み、危機管理体制の充実を図ることとしている。

災害対応力を充実強化するためには、災害対策訓練などのソフト対策も重要となるが、各水道営業所では、台風や豪雨を想定した独自の訓練は実施されていない。

「神奈川県営水道事業経営計画」等に基づき、水道施設の耐震化、寒川浄水場の浸水対策や揚水ポンプ所の停電対策等に引き続き取り組んでいくとともに、各水道営業所においても、台風や豪雨を想定した独自の災害対策訓練を適時適切に実施していく必要がある。特に、浸水想定区域内に所在する水道営業所において、防潮シート等の整備等が行われていなかったり、浸水を想定した訓練が行われていなかったりしている事態が見受けられたことから、これらの水道営業所では、庁舎への浸水も想定して、ハード・ソフト両面から必要な対策を講じていくことが重要である。

(2) 電気事業

 相模貯水池については、上流から流入する土砂により貯水池内の堆砂が進行しているが、堆砂を放置すると貯水池内の河床高が上昇し、上流部で浸水災害を発生させるおそれがあることや、利用可能な水の量が減少することから、堆積した土砂を除去するしゅんせつなどの堆砂対策が必要となっている。

 しゅんせつにより発生する土砂について、これまで大量に利用してきた事業者に代わる新たな利用先を確保するなど安定的な利用先の確保を着実に進めていく必要がある。

(3) 公営企業資金等運用事業

 地域振興施設等整備事業(自主事業)として整備したプロミティふちのべビルについては、一般財団法人かながわ水・エネルギーサービスを運営主体とし、同法人に一括して貸付けを行っており、令和2年4月から同法人に対する貸付料を約7%増額している。

 しかしながら、依然として当初見込んでいた貸付料の水準とは相当な開きがあり、本事業における採算性は依然として厳しい状況にあることから、一層の経営改善に努める必要がある。

(4) 流域下水道事業

 ア 公営企業会計への移行

 神奈川県流域下水道事業は、これまで、「改定かながわ下水道21」と「神奈川県流域下水道中期ビジョン」により事業を進めてきたが、令和2年4月から地方公営企業法の規定の一部(財務規定等)を適用し、公営企業会計へ移行した。

 今後は、「神奈川県流域下水道事業経営ビジョン」に基づき、主要施策を着実に実施していくとともに、計画的かつ合理的な経営を行うことにより、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上に取り組んでいくことが重要である。

 イ 災害対策の推進

(ア)施設の耐震化

 県では、これまで流域下水道施設の耐震化を推進してきており、令和元年度末時点での耐震化率は約65%となっている。

 下水道は、他のライフラインのような代替手段がなく、使用を制限することが極めて困難な施設であることから、「神奈川県流域下水道事業経営ビジョン」に基づき、着実に施設の耐震化に取り組んでいく必要がある。

(イ)施設の耐水化

 「神奈川県流域下水道事業経営ビジョン」では、電源設備やポンプ設備等の耐水化や、雨天時浸入水対策の強化を図ることとしている。

 耐水化計画を速やかに策定するとともに、その内容に沿って下水道施設の耐水化を進めていくことが重要である。

3 経営について(抄)

(1) 水道事業

 ア 経営状況

今後の経営環境は、水需要の減少に伴い、水道料金収入の減少傾向が続くと見込まれる中、水道施設の耐震化等の災害対策を推進する必要があることや、施設の老朽化に伴い更新費用の増大が想定され、厳しい状況が続くと考えられる。

業務の効率化を図りつつ、効率的な事業運営を行うことで経費削減に取り組むとともに、5事業者が目指す最適な施設配置も念頭に置きつつ、水需要の減少に応じた施設のダウンサイジングや統廃合を行いながら、計画的に施設の更新を進め、適切な補修・維持管理や施設の長寿命化等、中長期的な視点に立った管理運営を通じ、更なる経営改善に努める必要がある。

イ 水道料金の一律10%減額

企業庁は、新型コロナウイルス感染症対策として、令和2年5月分から同年8月分までの4か月分の水道料金を一律10%減額しており、その影響額は約15億円(税抜き)であるとしている。

水道料金の一律減額を実施したことによる効果について、速やかに検証結果等を示すとともに、今後、水道料金収入の減少に直結する施策を実施する場合には、その効果の検証を適時適切に行うとともに、国庫支出金等による財源確保の可能性を積極的に検討することが重要である。

(2) 電気事業

水力発電においては、平成21年度から令和5年度までの15年間、発電した電力のほぼ全てを東京電力株式会社に売電する内容の電力受給基本契約を締結している。

今後も電力システム改革の動向を注視しつつ、将来にわたって安定的な経営が継続できるよう、令和2年度に実施した委託調査結果等を踏まえて、令和6年度以降の売電契約のあり方についての検討を着実に進めていく必要がある。

(3) 公営企業資金等運用事業

公営企業で既往に生じた余剰資金を運用する本事業は、金利の影響を大きく受けることから、今後も金融政策や金利動向を注視しつつ、適切かつ効率的な運用に一層留意する必要がある。

(4) 流域下水道事業

 ア 経営状況

 流域下水道事業は、施設の老朽化に伴う改築更新等により、事業費や業務量の増大が見込まれる中、人口減少等に伴う使用料収入等の減少や経験豊富な職員の退職等により、事業運営の厳しさが増すことが懸念されていることから、将来にわたり安定的に事業を継続していくため、こうした経営面の課題に着実に取り組んでいく必要がある。

 イ 包括的民間委託

 県は、平成26年度から、公益財団法人神奈川県下水道公社に運転管理業務を委託している扇町水再生センターについて、同公社が発注する業務に包括的民間委託を試行的に導入することとしたが、包括的民間委託では、第1期、第2期ともに当初目的としていた複数の業者からの技術提案が実現できず、また、第1期においては経費削減も達成できなかったことから、令和4年度からの次期の委託に当たっては、第2期包括的民間委託の検証結果等も踏まえ、競争性の確保等に留意しつつ適切な契約方式等を検討する必要がある。

健全化判断比率等の審査

健全化判断比率審査

1 健全化判断比率の正確性について

 審査に付された健全化判断比率の算定の基礎となる事項を記載した書類は、一部の事項を除き、適正に作成されており、それに基づく健全化判断比率は正確なものと認められた。

 

2 健全化判断比率の動向について

 実質赤字比率と連結実質赤字比率は、実質収支額と連結実質収支額が黒字であることから前年度と同様に算定されない。

 実質公債費比率は、地方交付税措置されない県債の公債費が減少したこと等により、前年度に比べて0.3ポイント低下し、改善している。

 将来負担比率は、地方交付税措置されない県債現在高が減少したこと等により、前年度に比べて9.8ポイント低下し、改善している。

資金不足比率審査

 審査に付された資金不足比率の算定の基礎となる事項を記載した書類は適正に作成されており、それに基づく資金不足比率は正確なものと認められた。

 いずれの会計も前年度と同様に資金不足が生じておらず、特に意見はない。


このページに関するお問い合わせ先

監査事務局  

監査事務局 へのお問い合わせフォーム

総務課企画調査グループ

電話:045-285-5078

このページの所管所属は監査事務局  です。