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更新日:2021年8月11日
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新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、患者の搬送調整は確実に困難になっています。搬送調整に携わる専門家に聞きました。
(2021年7月30日取材)
神奈川県で、新型コロナウイルスの感染が急拡大しています。7月28日には、初めて1000人を超え、29日には1164人、30日には1418人、31日には1580人と感染が止まりません。
「神奈川では、まだ、重症病床は半分もうまってないし、大丈夫だろう」
本当に大丈夫なのか? 自宅や宿泊療養施設で具合が悪くなった場合、入院へとつなぐ、搬送調整の仕事に携わっている専門家に聞きました。
話を聞いたのは、県庁の新型コロナウイルス感染症神奈川県対策本部 搬送調整班の中森知毅さん、横浜労災病院 救急救命センター 救急災害医療部長を務める医師です。
「昨日の搬送調整ですが、宿泊療養所にすぐ入れず入所待機となる人の数はさらに増加、県庁本部医師への療養相談、病院等への搬送依頼はいずれも過去最高の件数を記録しました。また、横浜市や川崎市で入院調整が困難になってきました。県内では、中等症の搬送で約2時間、消防の救急車が路上でスタック(立ち往生)する事例も発生しています。」
入院できない状況が生じ始めているのは、どうしてなのか。中森医師は、次のように続けます。
「外出する方が増え、怪我などがふえています。また連日猛暑が続くために、熱中症や脱水症になっている高齢者もでています。さらに、3歳以下の子どもで発熱やせきなどかぜに似た症状が出るRSウイルス感染症が急増していることも、救急外来のひっ迫に影響しています。」
さらに、最近の感染者数の急増に対し、危機感があると言います。
「これまで、中等症のコロナ患者の平均入院期間は、約12日と報告されています。つまり、入院患者が発生するとそこから約12日間は、確実にベッドが埋まるわけです。この急増をなんとしても止めないと、医療現場が耐えられない、この危機的な状況を皆さんに知ってほしい。一人ひとりがあと少しだけ、人流をつくらないよう我慢して、医療現場に力を貸してほしい。」
夏季は熱中症、脳卒中、スポーツ外傷などによる救急搬送が多い季節です。
このまま人流が減らず、新型コロナの感染拡大が続くと、けがや病気などのときに救急車が駆け付けられなくなる可能性があります。
総務省消防庁の発表では、県内3政令市の各消防局での救急搬送困難事案は、次のとおりとなっています。
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