神奈川県における中和抗体療法の取組み

掲載日:2021年9月24日

1 中和抗体療法とは

  • 中和抗体薬(注1)にはウイルスが人の細胞に侵入するのを防ぐ働きがあり、発症から時間の経っていない軽症例に対し、ウイルス量の減少や重症化を抑制する効果が見られた
  • 供給量に限りがあるため、厚生労働省が買い上げ、対象患者が発生した医療機関の依頼に基づき無償譲渡を行っている

(注1)薬品名:カシリビマブおよびイムデビマブ 販売名:ロナプリーブ(日本では2021年7月19日に特例承認)

2 中和抗体薬治療に関する注意点

  • 本薬を通じた治療では、発症から7日以内の軽症から中等症、特に肺炎を起こしていない初期の患者にのみ効果を有するため、新型コロナウイルス感染症患者の方全員が対象とはなりません

厚生労働省の通知に基づいて対象となる方の条件を定めておりますので、中和抗体薬の治療について各医療機関へ個別に問い合わせることはご遠慮ください

  • 本薬による治療により、アナフィラキシーを含む重大な副作用が発生することがあります。

インフュージョンリアクション

ロナプリーブを含むモノクローナル抗体製剤と呼ばれる薬を点滴したときにおこることがある体の反応で、過敏症やアレルギーのような症状が現れます。

  • 発熱
  • 胸痛
  • じんま疹
  • 悪寒
  • 胸の不快感
  • 全身のかゆみ
  • 吐き気
  • 力が入らない
  • 筋痛
  • 不整脈
  • 頭痛
  • のどの痛み

重篤な過敏症

薬に対してからだの免疫機能が過剰に反応することで、全身に起こる急性アレルギー反応がまれに現れることがあります。

  • 全身のかゆみ
  • 吐き気・嘔吐
  • 顔面蒼白
  • じんま疹
  • 息苦しい
  • 手足が冷たくなる
  • 皮膚の赤み
  • 冷汗が出る

など

  • ふらつき
  • めまい
  • また、下記の方は特に注意が必要とされています。下記のほかにも子どもや高齢者への投与にあたっては注意が必要とされています。
  1. 過去に注射剤などで重篤なアレルギー症状で重篤なアレルギー症状を起こしたことのある方
  2. 妊婦または妊娠している可能性のある方
  3. 授乳中の方

3 中和抗体療法を行う病床の県の考え方について

  • 中和抗体薬の投与は、注意すべき重い副作用があることから、対象者の方の安全な環境を確保するため医療機関で行うことを基本としています。
  • 現在、入院病床のひっ迫により入院調整が困難なため、酸素投与が必要な患者が自宅療養の継続を余儀なくされている危機的な状況です。
  • 1人でも多くの入院治療ができるよう、中等症以上の病床確保を最優先で進めています。
  • したがって、中和抗体療法は現時点でコロナ対応を行っていない病床での対応をお願いしております。
  • これまで、がん疾患のコロナ患者のみを受け入れてきたがん治療専門医療機関においても、治療薬の経験を活かしコロナ対応のシフトを求めていく必要があります。

上記の考え方を踏まえ、まず県立がんセンターを中和抗体療法拠点病院に指定し、本取組みを進めてまいります。

今後、順次対応可能な病床を確保するよう努めてまいります。

4 中和抗体薬の神奈川モデル

中和抗体薬の神奈川モデル

  • 神奈川県中和抗体療法チーム(以下「中和抗体チーム」)が、入院の前日までに、患者データの中から中和抗体療法の治療対象者(下記中和抗体療法対象者の基準参照)を抽出します。中和抗体チームは、抽出された対象者に対し中和抗体療法の治療希望を確認します。
  • 対象者の中和抗体療法の治療希望があった場合は、神奈川県搬送調整班と連携し搬送調整を行ったのち、患者に搬送先や搬送時間、入院日時を伝達します。また、同時に中和抗体療法拠点病院にも患者情報を伝達します。
  • 中和抗体療法拠点病院では、中和抗体チームからの情報を受け、患者を受け入れて、中和抗体療法を実施します。その後経過観察のため、一泊二日の入院を行います。
  • 患者の居場所を把握するため、投与患者の入院・退院時の情報を県と中和抗体療法拠点病院で共有します。

 5 中和抗体療法対象者の基準

次の条件を満たす陽性者を県が抽出し、入院優先度判断スコアやワクチン接種歴を踏まえて順番に治療の案内を行います。治療の同意が取れた方を対象に、中和抗体療法を実施します。

なお、次の条件は、厚生労働省通知(令和3年7月20日)に基づいて定めています。

基本条件(次のいずれも満たす)
  • 発症4日以内
  • SpO2正常(96以上)

+

部分条件(次のいずれかを満たす)
  • 50歳以上
  • 重症化リスク因子(注2)あり

(注2)重症化リスク因子となる下記基礎疾患の一覧

基礎疾患
  • 透析
  • 糖尿病
  • 慢性呼吸器疾患(気管支喘息含む)
  • 現在治療が必要な重度の心血管疾患(症状や心不全伴う冠動脈疾患、心筋症など)
  • 高度慢性腎臓病(GFRが30未満が目安)
  • 肥満(≧BMI30)
  • 治療中の悪性腫瘍(手術、抗がん剤など治療期間を終えたものを除く)
  • 免疫低下状態(ステロイド等の免疫抑制剤使用、臓器移植後、血液・骨髄移植、HIV、原発性免疫不全等)
  • 肝硬変
  • 妊娠後期

なお、上記の条件を満たす方は、2021年8月26日に療養を開始した2,368人の中で56人(全体の2.3%)でした。

本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa