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更新日:2023年12月4日

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神労委平成31年(不)第1号アウトソーシング等事件命令交付について

神奈川県労働委員会(会長 浜村彰)は、標記の事件について、申立人の不当労働行為救済申立ての一部を救済する命令を交付しました。

1 当事者

申立人 神奈川シティユニオン(組合)
被申立人 株式会社アウトソーシング(アウトソーシング) 
同 株式会社SUBARU(SUBARU)

2 事件の概要

本件は、組合が組合員Aの雇用問題等について、アウトソーシング及びSUBARUに団体交渉を申し入れたところ、両社がこれに応じなかったことが、労働組合法(以下「労組法」という。)第7条第2号に該当する不当労働行為であるとして、救済申立てのあった事件である。

3 命令の概要

(1) 主文

ア アウトソーシングは、組合が平成31年1月16日付けで申し入れた団体交渉に誠実に応じなければならない。
イ アウトソーシングは、本命令受領後、速やかに陳謝文を組合に手交しなければならない。
ウ その余の申立てを棄却する。

(2) 主な争点及び判断の要旨

(争点1)
組合が平成31年1月16日付けで送付した「組合加入通知書・要請書及び団体交渉要求書」に対するアウトソーシングの対応は、団体交渉拒否に当たるか。当たるとすれば、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か。

(判断の要旨)
アウトソーシングが回答書の送付以外に組合に対して何の働きかけもしていない以上、回答書の記載内容で判断するほかないため、アウトソーシングの対応は団体交渉拒否に当たる。
組合がアウトソーシングに要求した事項は、主として組合員Aの解雇の撤回及び早期の職場復帰で、これらの事項は義務的団体交渉事項に当たり、組合とアウトソーシングとの間で組合員Aの解雇を巡る事実関係に関し認識の相違があった以上、アウトソーシングは、団体交渉の場で認識の相違を解消するために相応の説明をすべきであった。
以上のことから、アウトソーシングの対応は正当な理由のない団体交渉拒否に当たる。

(争点2)
SUBARUは組合員Aとの関係で、労組法第7条の「使用者」に当たるか否か。

(判断の要旨)
組合員AとSUBARUとの間には直接の雇用契約はなく、採用にあたって特別な事情もなかった。SUBARUは、組合員Aの勤怠の改善を要求しているものの、解雇を指示していたとはいえず、アウトソーシングの人事に介入した事実もない。
以上のことから、SUBARUは、組合員Aの解雇の撤回及び早期の職場復帰という団体交渉事項との関係で、労組法第7条の「使用者」には当たらない。

(争点3)
SUBARUが組合員Aとの関係で、労組法第7条の「使用者」に当たる場合、組合が平成31年1月16日付けで送付した「組合加入通知書・要請書及び団体交渉要求書」に対するSUBARUの対応は、正当な理由のない団体交渉に当たるか否か。

(判断の要旨)
SUBARUは労組法第7条の「使用者」には当たらず、これを前提とした争点3については、判断するまでもなく組合の主張は認められない。

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