冨二本工業所等不当労働行為救済申立事件の命令について

掲載日:2021年1月27日
2021年01月27日
記者発表資料

神奈川県労働委員会(会長 浜村彰)は、標記の事件について、本日、申立人の不当労働行為救済申立ての一部を救済する命令を交付しましたので、お知らせします。概要は次のとおりです。

1 当事者

申 立 人 神奈川シティユニオン(組合)

被申立人 有限会社冨二本工業所(冨二本工業所)

同 宮地エンジニアリング株式会社(宮地エンジニアリング)

2 事件の概要

本件は、組合が、冨二本工業所及び宮地エンジニアリングに対して、平成31年1月8日付けで組合員Aの労働問題に係る団体交渉を申し入れたところ、両社がこれに応じなかったことが、労働組合法(以下「労組法」という。)第7条第2号に該当する不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。

3 命令の概要

⑴ 主文

ア 冨二本工業所は、組合が平成31年1月8日付けで申し入れた団体交渉について誠実に応じなければならない。

イ 冨二本工業所は、本命令受領後、速やかに陳謝文を組合に交付しなければならない。

ウ その余の申立てを棄却する。

⑵ 本件の主な争点及び判断の要旨

(争点1)

組合の平成31年1月8日付け団体交渉申入れに対する冨二本工業所の対応が、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か。

(判断の要旨)

冨二本工業所は、組合からの団体交渉申入れを受けた認識はない旨主張するが、同申入れが組合に返送されたことが認められないこと等を踏まえると、要求内容が明記された組合の同申入れは冨二本工業所に到達したものといえ、組合からの同申入れに対して何ら連絡をしていない冨二本工業所の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たる。

(争点2)

宮地エンジニアリングは、組合員Aとの関係において、労組法第7条の「使用者」に当たるか否か。また、同社が労組法第7条の「使用者」に当たる場合、組合の平成31年1月8日付け団体交渉申入れに対する同社の対応が、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か。

(判断の要旨)

組合員Aは冨二本工業所と直接雇用関係にあり、冨二本工業所と宮地エンジニアリングは請負関係にあること、さらに宮地エンジニアリングが同社の工場内で作業している組合員Aに対して具体的な業務指示をしていた事実は何ら認められない。

したがって、宮地エンジニアリングは、組合員Aの基本的な労働条件等について、雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にあると認めることはできず、労組法第7条の使用者に当たるとはいえない。

(注記)不当労働行為

使用者は、労働組合法第7条により、次のような行為を禁止されている。

不利益取扱い(同条1号):組合員であることや労働組合の正当な行為をしたことを理由に、労働者に対して解雇などの不利益な取扱いをすること。

団体交渉拒否(同条2号):正当な理由なく団体交渉を拒否したり、不誠実な団体交渉をしたりすること。

支配介入(同条3号):労働者による労働組合の結成やその運営を支配したり、これらに介入したりすること。

報復的不利益取扱い(同条4号):労働委員会に申立てなどをしたことを理由に、労働者に対して不利益な取扱いをすること。

 

 

問合せ先

神奈川県労働委員会事務局審査調整課

労働関係調整担当課長 菅居 電話 045-633-5445

審査調整グループ 北田 電話 045-633-5447