神奈川県水産技術センター メルマガ486

掲載日:2015年11月27日

神奈川県水産技術センターメールマガジン  486号    2015年11月27日号

□ 研究員コラム

1 人工リーフにて・・・3 (相模湾試験場 相澤康)

2 秋の潜水調査 (相模湾試験場 高村正造)

3 大切な存在 (相模湾試験場  西村竜雄)

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1 人工リーフにて・・・3 (相模湾試験場 相澤康)

 人工リーフとは、波の力を弱めて、砂浜海岸を守るためにコンクリートブロック等を設置する海底構築物です。砂地であった海底に、岩礁のような環境ができるため、様々な生物が生息するようになります。

 ご覧いただいているのはカサゴです。岩礁に棲む代表的なロックフィッシュ(直訳すると、岩の魚)で、煮付けや唐揚げにすると大変美味しい高級魚です。愛嬌のある表情ですが、この大きな口でカニ等の小さな生物をパクリと食べます。人工リーフに積み重ねたブロックの隙間は、カサゴや餌となる小さな生物のよい棲家となっているのでしょう。

 人工リーフは、海岸を守るために作った人工の構築物ですが、生物達はそれを上手に使って豊かな環境を形成しているのですね。

 写真1 人工リーフのカサゴ その1

 人工リーフのカサゴ その1

 写真2 人工リーフのカサゴ その2

 人工リーフのカサゴ その2

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2 秋の潜水調査 (相模湾試験場 高村正造)

 11月になりだいぶ肌寒い日も多くなってきました。今年の6月から小田原地区でのサザエ・アワビ調査の担当となり、つい先日もスクーバ潜水で磯根のアワビ・サザエの観察を行ってきました。夏場は水が濁っていることが多いのですが、この時期は水が澄んでいるので、潜水して水生生物を見つけ、観察するのに適しています。また、小田原地区では10月から11月の海水温はまだ20度以上あり、ウェットスーツで潜れるので自分の中では10月から11月の潜水は1年で1番快適に潜れる時期と思っています。12月、1月頃になると水温がかなり下がってきますのでドライスーツで潜ることになり、水中での動きやすさがウェットと比べると悪くなります。ただやはり水温が10度台になるとウェットスーツではしんどすぎるのでドライスーツに頼ることになります。これからの時期はますます寒くなるので潜水作業がちょっとしんどくはなりますが、いざ潜って海の中で色々な生き物を見ていると時間を忘れて観察してしまいます。

 写真1 潜水調査中の様子

 潜水調査中の様子

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3 大切な存在 (相模湾試験場  西村竜雄)

 私にはとても気になる大切な存在がいますが、口を利くことができません。

 ほぼ毎日一緒で、いい時も悪いときも一緒に過ごしてきました。

 顔を見られないと、とても寂しく、不安にもなります。

 その相手と言うのは「ほうじょう」と言う名前で、私が乗っている船です。

 船は車と違い、鍵を回すだけではエンジンは動きません。

 船底弁を開けた後、オイルや水量をチェックし、電源を入れて初めて鍵を回してエンジンが動きます。

 ※船底弁とは、海水でエンジンを冷却するために開くものです。

 しかしそれもまだ発電機の段階。発電した電気の周波数を安定させ、船内に100Vの電源を供給した後に、主機エンジンを起動させます。

 自分の大切なお子さんにランニングをさせる場合、いきなり全力疾走させることはしないと思いますが、船も同じです。暖機運転で十分身体を暖めてから航行します。

 船は子供を育てるのと同じように愛情を注がないと、すぐに病気にもなります。手間を惜しんで十分な整備をしないと、冷却水温度が上がり発熱したりします。

 痛い、暑いなど言葉を発しない分、必要な点検整備を手抜きすることなく継続しなければなりません。

 船体に傷が付けば、絆創膏を張るのと同様、樹脂を貼ったり塗装をしたりして必要な対策を講じていきます。

 もうこうなると、自分の船が可愛くて愛しくて仕方がありません。

 船が沈没する際に、あえて船と共に海底へ沈んで行った船員の気持ちは、私には良くわかります。それだけ船員にとって船とは大切な存在だと思っています。

 私は、「ほうじょう」の前に「江の島丸」に乗っていましたが、江の島丸も同様に大切な存在です。

 伊豆諸島の外洋で、冬場に時化ると、ゴーーという風の不気味な唸り声が聞こえます。そんな海況の中では、海と船の闘いでもあります。ダルマおこしのように何度も傾いては立ち直す。「お前も頑張ってるな、俺も頑張るぞ」と言う思いを何度も経験しました。

 「ほうじょう」「江の島丸」は、神奈川県の船であり、貴重な県有財産ですが、私にとっても貴重な存在なのです。

 漁業調査指導船「江の島丸」105トンと「ほうじょう」19トンの活動をご存知ですか?

 2隻の船はHP上で紹介されており、活動の一部をご覧頂けます。

 本県水産業の振興のために努力していますので、船舶や船員のことを少しでご理解頂けましたら幸いです。

 江の島丸HP(水産技術センター)

   http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f430687/p872241.html

 ほうじょうHP(相模湾試験場)

   http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f533624/

 写真1 画像奥が「江の島丸」手前が「ほうじょう」

 画像奥が「江の島丸」手前が「ほうじょう」

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