神奈川県水産技術センター メルマガ484

掲載日:2015年10月30日

神奈川県水産技術センターメールマガジン  484号    2015年10月30日号

□ 漁業就業マッチング会のお知らせ

 漁師になりたいけどツテがない、どうしたらよいかわからないという方、漁業に縁のない方が漁師になるには、まずは漁師(漁協や漁業会社等を含む)に雇ってもらうことが一つの方法です。

 漁業就業マッチング会は、漁業への就業希望者が、求人を希望している神奈川県内の漁協・漁業会社・個人漁業者等と、就業について直接相談できる場です。漁業への就業をお考えの方はぜひ御参加ください。

○日時 平成27年11月21日(土曜日) 14:00から16:00

○場所 波止場会館 5階 多目的ホール  〒231-0002 横浜市中区海岸通1-1

 みなとみらい線「日本大通り」駅2番出口から徒歩5分

 JR・市営地下鉄「関内」駅から徒歩15分

 会場へのアクセスについて詳細は、波止場会館HPをご覧ください。

 波止場会館HP(http://www.hatoba.jp/access.html

 ※公共交通機関でお越しください。

○対象者 神奈川県内で漁業に就業したい方

○内容 漁業就業希望者を求めている神奈川県内の漁協・漁業会社・漁業者が出展します。御来場いただきましたら、興味のある漁業者等のブースを訪問いただき、就業について直接御相談ください。

○持ち物 特に必要ありませんが、漁業者に強くアピールしたい方は履歴書などお持ちいただくことは自由です。

○参加費 無料

○参加団体(漁業者側)について 県内の漁協、漁業会社、漁業者を予定しています。参加団体については準備でき次第、本ホームページにてお知らせします。

○申込みについて 申込みフォーム、又は電話によりお申し込みください。

 ・申込みフォームURL(https://cgi.pref.kanagawa.jp/ques/questionnaire.php?openid=2000001515&check

 ・お電話の場合は 神奈川県環境農政局水・緑部水産課 水産企画グループ  

 電話 045-210-4542 (受付時間は土・日・祝を除く8:30から17:15まで)

 事前申込期限:平成27年11月19日(木)

 当日受付も可能ですが、資料準備の都合上、できる限り事前申込みをお願いします。なお、来場者多数の場合は事前申込みの方優先で相談に応じます。

 漁業就業マッチング会のお知らせホームページのURL(http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f532921/p964822.html

□ 研究員コラム

1 アユの人工産卵場造成 (内水面試験場 勝呂尚之)

2 台湾のマグロ加工品 (企画資源部 臼井一茂)

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1 アユの人工産卵場造成 (内水面試験場 勝呂尚之)

 秋になると、相模川の中下流にある瀬に、産卵のためたくさんの親アユが集まります。「落ちアユ」と呼ばれ、体色は黒味がかったサビた色に変わっています(写真1)。アユは集団で産卵し、卵は石に付着したり(写真2)、砂利の間に入ったりします。そして、10日ほどでふ化しますが、ふ化した赤ちゃんは糸くずのように小さく、川の流れに乗って海へと下ります。厳しい冬は、温暖な海で過ごし、春になると元気よく川を遡上します。

 相模川では、アユは最も人気の魚ですから、漁業関係者はアユを増やすために、魚の放流やカワウからの防除対策など、様々な取り組みを行っています。その中でも、最近、注目を集めている手法が、アユの産卵場の造成です。新たな産卵場を造成したり、既存の産卵場を改善したりして、アユの産卵量やふ化する赤ちゃんの数を増やすことができます。今年も10月の禁漁直後に、相模川の漁業関係者が集まり、厚木市の地先で重機を使った本格的な人工産卵場の造成を行いました。アユの産卵場は、水深や流速、底質などが重要なポイントですが、特に底質が大切です。固い状態ではダメで、ザクザクした感じの河床にする必要があります。ブルドーザーで堆積した泥を除去しながら、固まった河床を柔らかくし、アユが好む河床の状態にします(写真3)。仕上げは漁協の役員さんが、鋤簾(じょれん)を使ってならしました。また、バックホウを使用して、親魚の休息場も造成しました。

 内水面試験場では良い産卵場ができるように、造成の際、立ち会って助言を行い、造成後は産卵場の環境を調査しています。人工産卵場からたくさんの赤ちゃんアユが生まれて海へと下り、来春にはアユが大きな群れとなって川に帰ってくる・・・そんなシーンを想像すると、今から春の到来が待ち遠しくなります。

 写真1 産卵場に集まった「落ちアユ」、体色がさびています

 産卵場に集まった「落ちアユ」、体色がさびています

 写真2 砂利に付着したアユの卵・発生が進み、眼ができています(発眼卵)

 砂利に付着したアユの卵・発生が進み、眼ができています(発眼卵) 

 写真3 ブルドーザーで河床を柔らかくし、産卵場の環境を改善します

 ブルドーザーで河床を柔らかくし、産卵場の環境を改善します

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2 台湾のマグロ加工品 (企画資源部 臼井一茂)

 台湾では春にクロマグロが最盛期となることから、南部の高雄から更に南に行った東港漁港に行ってみました。観光市場を過ぎて漁船が横付けしているオープンの競り場を見てみると、10から20kgほどのキハダと2から3m程のスマートなマカジキやバショウカジキ、フウライカジキなどが並んでいました。市場の職員が重さを測ったり、エラや内臓を取り出してカラーテープでマーキングしたり、忙しくしていました。しかし、6月の終わり頃であったため、期待していた大きなクロマグロやクロカジキは並んでなく、漁も少なくなっていたのかなと思いました。

 当日は朝から快晴で、海よりも青い空から、殺人的な紫外線を燦々と降り注ぐ太陽に照らされ、気温も湿度も想像以上でぐったりしていたところ、スクーターがリヤカーを引いて市場の奥に何かでかいモノを運んでいました。

 特に期待せず、次に来るスクーターを見てみると、おしりにリヤカーの引き手を挟んで、真っ黒な丸みを帯びたとにかく太い何かを運んでいます。スクーターの行く手には、人混みがあり何度も止まっては少し進むといった具合なので、そばに寄ってみてみたら、それはそれはデカいクロマグロだったのです。

 市場の奥には、人だかりで何があるのか遠くからは見えなかったのですが、そこはとにかくデカいクロマグロが鎮座していました。コンクリートの上に置かれると、係のおばさまたちが何人も集まり、秤に乗せるためひっぱったり、測定後はお腹に氷を入れて冷やしたりと、とにかく良く働き回っていました。クロマグロは、300kg以上だと爆竹と花輪が送られており、船主さんや船頭さんと思われる方が、くわえたばこでにやりと黒い歯をみせてほくそ笑んでました。大きいモノでは350kg近くあり、私もお上りさんのように大きなマグロの横で記念撮影までしてしまいました。まるで、自分が買ったかのように!!

 さて、こちらでもマグロは高価で、お刺身でよく食べられています。また、心臓や胃袋、卵なども茹でて歯ごたえを楽しむつまみや総菜にしていました。市場内の店では、軒先に吊してありましたからね。八角などの漢方の香りがする真っ黒系の汁で煮た料理もありました。自分はお気に入りの醤油と日本酒を持っていき、台湾ビールのコップで乾杯してデカいクロマグロのお刺身を頂きましたが、切りたてというか熟成が足りないというか、まだ硬直中のゴリゴリとした歯ごたえで、旨味が出てきていませんでしたが、気分的には大満足でした。

 さて、台湾ではマグロの加工品はどんなのがあるかと、スーパーや魚市場、街角の小さな市民の台所的な市場などを見て回りましたが、残念ながら見つかりません。そこで、場所を変えて台湾の北部、台北で探してみました。すると、松山空港近くの大きな市場街にあるきれいなフードコートの冷凍庫で発見しました。それは、自分の親指程の太さのソーセージで、「黒鮪魚香腸」と記載されてました。原材料を見てみると漢字で黒鮪となっており、やっとゲットできました。本当は、日本語で「マグロちょうづめ」との記載があって、直ぐに分かったんですけどね。

 そうそう、ソーセージとは豚肉をミンチにし、塩と香辛料で味付けして粘りをだし、羊や豚などの腸に詰めて、煮たりくん製にしたものです。日本では太さで呼び方が違い、20mm未満をウィンナーソーセージ、20から36mm未満をフランクフルトソーセージ 、36mm以上をボロニアソーセージとしています。ちなみに、ウィンナーとはオーストリアの都市ウィーンを差し、「ウィーン風」のソーセージ。フランクフルトはドイツの都市、ボロニアはイタリアの都市(ボローニャ)の名称ですよ!!

 さて元の話に戻りますが、日本では魚のソーセージというと、練り物であり肉汁が飛び出すような、旨味を液体で感じられる、粗挽きソーセージみたいなものは見掛けません。当所のある三崎でも、メカジキで作ったウインナーがあったとのことですが、現在は作られていません。

 今回見つけた黒鮪の腸詰めを解凍してみると、生で透けて見える感じは、鮮赤色と白色の小片、ピンクの練った魚肉が混ざっているようです。ただ、台湾の腸詰めは漢方の香りに甘い味付けなので、少し警戒してフライパンで弱火でじっくりと焼き上げてみました。するとどうでしょう、じっくり焼き上げられてとても美味しそうであり、かじりつくと肉汁がドバッと、そして魚肉の繊維感であるパサパサ感は全くなく、臭みもないうえにショウガや漢方の香りもほとんどなく、あっさりとしてマグロの味わいと、豚の背脂の味わいが口一杯に広がっていき、そそくさと消えていきました。実にトレビアン、すばらしい仕事です。こんな製品を作りたいですねー。

 写真1 黒鮪魚香腸(マグロちょうづめ)その1

 黒鮪魚香腸(マグロちょうづめ)その1 

 写真2 黒鮪魚香腸(マグロちょうづめ)その2

 黒鮪魚香腸(マグロちょうづめ)その2

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