神奈川県水産技術センター メルマガ465

掲載日:2015年2月6日

神奈川県水産技術センターメールマガジン  465号    2015年2月6日号

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□ 研究員コラム

1 ヒラメの顔色 (栽培推進部 長谷川 理)

2 一粒8m?! (企画資源部 荻野 隆太)

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1 ヒラメの顔色 (栽培推進部 長谷川 理)

 当センターでは、放流用種苗の卵を産ませるためのヒラメの親魚を飼育しています。これら親ヒラメの体調を判断する指標として、人と同様に顔色がとても重要なチェックポイントのひとつです。読者の中には、ヒラメに顔色があるのかといぶかる方もいらっしゃるかと思います。ヒラメは有眼側の体色を、環境にあわせて、自らの体をカモフラージュすることは有名です。しかし、ここで言うところのヒラメの顔色とは、このことではありません。

 ヒラメは、一歳を過ぎたころから、目元から口先にかけての吻部が黒くなってきます(写真)。これまでの飼育経験ですが、この鼻先が黒くなっている時は、健康状態も良好で、ヒラメも落ち着ついています。その一方、病気にかかっているときや何かに驚いて忌避行動をとった時には、この鼻先の黒みが薄くなります。このようにヒラメのコンディションを把握する上で、ヒラメの鼻先の黒み(顔色?)は、大切な指標のひとつです。

 そのほか、日頃の観察を通じて、呼吸数が増加したり、鰭先が薄っすらと発赤症状を呈するなどの、通常とは微妙に違う状態を少しでも早く発見する事が、飼育しているヒラメを疾病から守るためには、欠かせません。このように、当センターでは親ヒラメを大切に飼育しています。

顔色が良好なヒラメ

写真 顔色が良好なヒラメ

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2 一粒8m?! (企画資源部 荻野 隆太)

 平成18年、2,006年以降、県下でも製品化が進んでいるアカモクですが、近年、「アカモクが減少してきた」という声が多く聞かれます。そこで、平成25年から、アカモク増養殖試験に取り組んでいます。

 最初に取り組んだのは、種まきによるアカモク増殖試験です。やり方は単純で、アカモクが生えてない海域に、受精したアカモクの成熟株を延縄方式で設置して種を撒き、翌年以降の繁殖を促すものです。平成25年3月に、腰越地先や、海と繋がった当センターの大池で実施したところ、翌年2月に種まき用のアカモクを設置した地点から、腰越地先では58株、大池では44株の繁殖が確認されました。この様に、比較的閉鎖的な海域で、アカモクの着底基質(岩等の硬い基質)があれば、種撒き用の母海藻の設置という簡易な手法により増殖できることがわかりました。

 次に、平成26年からは、アカモク養殖試験に取り組んでいます。

 アカモクの成熟期である3月17日にクレモナ糸やロープ類にアカモクの種を付けて育成し、10月21日から親縄という太い縄にアカモク種苗を挿し込み、当センターの大池で養殖しております。アカモクは順調に生長し、今年1月21日には、長い物は5m以上、最も長い物は8mにまで成長しました。1mmにも満たないアカモクの一粒の種が、10ヶ月足らずで8mに成長したのは一寸した驚きでした!

 名前すら知られず、「ナガモク」「邪魔モク」・・と、邪魔者扱いされていた平成17年までは、「憎まれっ子世にはばかる・・」ではありませんが、アカモクは海面一面を埋め尽くす勢いで繁殖していました。しかし、ブランド化等により人気者になった10年後の今では、人為的にアカモクを増養殖するようになりました。

 冬場の今の時期は、海に漁獲対象の魚が少ない漁閑期に当り、各浜の漁業者はワカメ養殖を営んでおります。各浜で、かつて邪魔者扱いされていたアカモクの養殖が始まる日も、遠くないでしょう。

 

アカモク増殖試験

写真1 受精したアカモク成熟株設置の様子(延縄にアカモクを挿して設置) 写真2 アカモク増殖試験により平成26年に当センター大池に繁殖したアカモク

写真1 受精したアカモク成熟株設置の様子(延縄にアカモクを挿して設置)

写真2 アカモク増殖試験により平成26年に当センター大池に繁殖したアカモク

アカモク養殖試験

写真3 アカモクの種子(幼胚)(100倍) 写真4 ロープ基質から発芽したアカモク(茶色部分)

写真3 アカモクの種子(幼胚)(100倍)   写真4 ロープ基質から発芽したアカモク(茶色部分)

写真5 養殖で親縄から伸びたアカモク 1mmに満たないアカモクの種が8mに?!

写真5 養殖で親縄から伸びたアカモク           写真6 1mmに満たないアカモクの種が8mに?!

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