神奈川県水産技術センター メルマガ460

掲載日:2014年11月21日

神奈川県水産技術センターメールマガジン  460号    2014年11月21日号

□□ 研究発表会を開催します □□
当センターが取り組む調査研究の一端をご紹介します。
日時 12月12日(金曜)13:30から17:00まで
場所 かながわ県民センター
詳しくはご案内をご覧ください  http://www.pref.kanagawa.jp/evt/p854320.html

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□ 研究員コラム

1 キハダ-その後 (企画資源部 清水 顕太郎)

2 ウドリを食う魚と? (栽培推進部 岡部 久)

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1 キハダ-その後 (企画資源部 清水 顕太郎)

 今年も昨年同様相模湾がアツかったですね。もちろん、今夏相模湾に来遊したキハダのことです。特に今年は新聞・テレビなどいろいろなメディアで取り上げられたことがアツさに拍車をかけたように思います。当センターにもピーク時には週数回の取材があり、部長やマグロ担当はその対応に追われていました。海況担当の私は・・・というと、取材時に今夏の相模湾の水温傾向について聞かれても良いように相模湾内の平年偏差などをまとめて取材対応に当たる職員に提供したりしてました。

 ちなみに、相模湾沿岸のいくつかの地点で計測されている水温(定地水温)からみた今夏(7-9月)の相模湾の水温は7月は平年並み、8月は平年よりやや低め-低め、9月は平年並みといったところでした。一方、今年も昨年同様かそれ以上のマグロフィーバーが展開されましたので、相模湾へのキハダの来遊と昨今何かと注目を集めている温暖化との関連はもしかしたら小さいのかもしれません。

 さて、昨年このメルマガでキハダのことを書きました(水産技術センターメルマガ VOL.428 2013-8-16発行)が、昨年は結局キハダを釣りに行くことはできませんでした。その鬱憤を晴らすべく、今年は夏休みなどを使い横須賀市の長井港から合計3回キハダを釣りに行ってきました。結果は・・・というと、かすりもしませんでした(涙)。一番チャンスがあったのが2回目の釣行でしたが、そのときも私の投げたルアーをキハダが追いかけてきたのが1回見えただけでした。しかも、そのときに同乗していた方が60kgを超えるキハダを釣り上げるという快挙を達成され、つくづく私の「運の無さ」や「腕の悪さ」を思い知ったのでありました。

 私もキハダの幼魚であるキメジでしたら何度も釣ったことはありますが、数kgの魚と60kgを超える魚とでは迫力が全然違い、全くの別物ですね。1時間半弱の格闘の末このキハダが海面に現れたときには乗船していた皆さんからどよめきがあがりましたし、船上に引き上げられた魚が甲板上でバタン・バタンと暴れるたびに船が震えましたから。

 何はともあれ、滅多にみられないであろう大物に感激する一方、そんな大物を目の前で釣り上げられてしまい私としても収まりがつかないので、『来年こそは!』と決意を新たにしているところではありますが、「運の無さ」が最初に来るようでは望み薄なのかもしれませんね・・・

水産技術センターメルマガ VOL.428 2013-8-16発行 

http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p711939.html

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2 ウドリを食う魚と? (栽培推進部 岡部 久)

 前回、ゴンズリを呑むウドリの話を書きましたところ、内水面試験場の戸井田さんから、「カワウもゴンズイを呑むよ。」と教えていただきました。ウミウやカワウにかかれば、毒魚ゴンズイもただの食料ということになります。

 さて、前回予告しましたように、ウドリもまた食われる側に回ることがあります。これも横須賀市博の元館長、林先生から聞いた話なのですが、ウドリがゴンズリを呑むことを教えてくれた漁師さんから、今度はウドリを呑む魚の話を聞かされたのだそうです。その漁師さんはヒラメ刺し網を本業とされ、夕刻の網揚げへの行き帰りに、中層に浮いている大きな魚を度々見たといいます。ずんぐりした体型と大きな口、それはアンコウ(キアンコウだったのかもしれません)でした。寒い時期になると、アンコウは深場から浅いところへ移動してきて、城ヶ島の裏手に仕掛けられる刺し網にもかかるようになります。漁師さんはホバリングするアンコウを銛で突いて見ると、それらのおなかの中には何も入っておらず、日中に岸よりの浅い海底に座っているアンコウを突くと、お腹が膨れており、その中身がウドリだったというのです。漁師さんいわく、夕方の中層にいるアンコウはウドリが潜ってくるのを狙っていて、海底で休んでいるやつはそれを食って腹がいっぱいなんだとか。この話を聞いた先生は、その漁師さんの観察眼の鋭さに驚いたそうです。しばらくたって、先生も実際に城ヶ島産のキアンコウの胃の中から、ウドリを発見しておられます。

 さらに、私自身もウドリが食われる話を漁師さんから聞いたことがありました。Kさんの家は、代々刺し網漁師。そのKさんが子供のころの話です。ある日の夕刻、台所からいい匂いがしてきました。夕飯はカレーライスです。一口、二口食べたKさんは、あることに気がつきました。「この肉硬くねえか?。」また、普通の鶏肉とは違う香りがしました。「ああ、それはウドリだよ。」とお母さん。そう、私が聞いたのは、ウドリが食われる話というより、食った話だったのです。餌を求めて海に潜るウドリは、時にヒラメやアンコウと同じ刺し網にかかってしまいます。これを食べて供養してあげようという考えがあったのだろうと推察しますが、その後Kさん宅では、この「ウドリカレー」が食卓に上がることはなかったと聞きます。

 生き物の世界は食う・食われるの関係でつながっています。前回から2回にわたり、城ヶ島の冬-春の風物詩「ウドリ」を巡る食物連鎖の一端をご紹介しましたが、そのつながりの頂点に立つのが人間です。何はともあれ、自然の恵みはありがたくいただくことにしましょう。

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