神奈川県水産技術センター メルマガ459

掲載日:2014年11月7日

神奈川県水産技術センターメールマガジン  459号    2014年11月7日号

□ 研究員コラム

1 森の香が海を渡る (相模湾試験場 石戸谷 博範)

2 「よもやま話 18」 (栽培推進部  村上 哲士)

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1 森の香が海を渡る (相模湾試験場 場長 石戸谷 博範)

 今から40年ほど前(昭和50年)の夏、私は乗船漁業実習で沖縄本島運天港から鹿児島県開門岳の麓の山川港に向かう練習船(写真1)の中にいました。折から太平洋岸を北東に進んだ台風を追う船路で、船首から大きな波が打ち込む激しい揺れの航海でした(写真2)。

 強風やスコールが止み、甲板に出た時、周囲に島影は無く、青い海のみが広がっていましたが、なぜか、森の香がするのでした。北東の風上方向には、屋久島・種子島があり、おそらくはその島々から風に運ばれた森の香が海を渡り甲板上に届いたものだと思いました。

 私は子供の頃より海の香が好きでしたが、人間はやはり陸の生き物で、陸上の木々の香に安堵するのだと再認識しました。そして、最近になって考えることは、人間でも森の香が感知できるのだから、大自然の生物たちは、天与の鋭いセンサーで、自分の好む・棲みやすい、餌の多くいる海の香などを繊細に感知しているのではないかということです。

 各地の山岳の地質、植生により育まれ、滲み出てきた岩清水が、渓流と成り、上流、中流、都市の中を流れて海に広がり沿岸域をつくる。また、森林が海に迫るところでは、植物が根を張り地表からの土砂流出を抑え、地に浸み込んだ水が地下水となり、海中に湧き出し、それらにより生物が活き活きと生活するなど、陸水は、水源から海までの遠近に係わりなく、流域や海に大きな恵みを与えていることと思います。

 海上を吹く風が運んだ「森の香」と同じように、流れる水が生み出す河川や海の環境保全と都市の生活が両立する生き方が、これから益々大切であると、大山、丹沢、箱根の山々、相模川、酒匂川等の流れを見ながら思うのです(写真3)。

写真1 東京水産大学練習船 青鷹丸(1975年夏 沖縄海洋博展示岸壁)

写真1 東京水産大学練習船 青鷹丸(1975年夏 沖縄海洋博展示岸壁)

写真2 船首より打ち込む波

写真2 船首より打ち込む波

写真3 小田原市酒匂川沖より望む富士山と箱根・丹沢の山並み

写真3 小田原市酒匂川沖より望む富士山と箱根・丹沢の山並み

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2 「よもやま話 18」 (栽培推進部  村上 哲士)

 秋冷の候、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。

 これを書いている今日は天気も良く、爽やかな秋の一日といった感じですが、今年は天候や気温がバタバタと変わり、変化に身体が追いつかない時もありました。年々堪えるようになってきたような・・・、これが年を取るということでしょうか。

 毎年、台風が接近したりする時は職場に泊まることがあるのですが、今年は幾つかが勢力を維持したまま接近・上陸しました。

 7月の8号はこちらへ来た時にはたいしたことはなく通過して行き、良かったです。泊まっていたのですが、夜中に風は少々強くなりましたが、その程度で終わりました。

 8月9月とこちらにやって来ることは無く、今年はラッキーかなと思っていたら何のことは無い、10月に続けていらっしゃいました。

 18号は10月5日の夜中過ぎから風が強くなり、海のうねりも強くなって飼育海水用のろ過機が詰り出しました。うねりはしばらく続き、ろ過機が正常に戻ったのは7日になってからでした。

 19号は10月13日に接近・通過し、夜中の3時少し前から風が強くなり、うねりが出始めて、しばらくしてろ過機が詰り出しました。この時は翌日の14日後半にはろ過器の状態が良くなってきたので助かりました。

 何故泊まるのか?ですが、海が荒れればろ過機が詰まるのは毎度の事で、海が荒れている間はじっと我慢です。

 一番の問題は停電です。ご他聞に漏れずうちの機械は全部電動でして、電気が止まれば皆止まります。開設当初(平成元年)は非常用発電設備が無く、停電すると飼育海水にエアを送るためのブロアポンプを始動するために、ブロアポンプに付属して設置されていたエンジンをかけたものです。昔の車のエンジンをかけるみたいにハンドルを取り付けて回すのですが、停電で暗い中、懐中電灯の明かりをたよりにかけるのは大変でした。海水を汲み上げるポンプは停止していますので、電気が復帰するまではエアだけがたよりです。このエンジンに付属している燃料タンクが小さくて1時間も持たないので、燃料を頻繁に入れなければならず手間でした。今は非常用発電機が付いた(平成16年)ので、ブロアポンプは停電と同時に起動してくれます。この現在の非常用発電機にも燃料は入れないといけませんが、2時間は持つので助かります。

 飼育海水用のポンプは非常用発電機から電気を供給できませんので、停電が復帰したら人が始動させないといけません。その間は、被害など出ませんようにと祈りながら見回りなどしています。海の側には近寄りません。波が岸壁を乗り越えてきますので、さらわれたりしたら大変です。

 私が城ヶ島勤務になったのは平成元年で、その頃は台風が来たり、強い風が吹いたりした場合に頻繁に停電がありましたが、最近はほとんど無くなりました。有難いことです。それでも万が一に備えて、危なそうな時には泊まります。飼育している魚介類に何事も無ければ良しです。

 ただ、最近は泊まり明けの勤務はきつくなってきました、最初に戻りますが、年を取ったかなと・・・。

 あと不思議に思うのは、何故かしら台風は週末や真夜中に来ることが多いのです。今年はもう終わりとして欲しいです。

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