神奈川県水産技術センター メルマガ458

掲載日:2014年10月24日

 神奈川県水産技術センターメールマガジン  458号    2014年10月24日号

□ 研究員コラム

1 備品の管理は大変だ! (栽培推進部 杉浦 暁裕)

2 ハナオコゼ、なんちゅう食欲! (相模湾試験場 加藤 充宏)

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1 備品の管理は大変だ! (栽培推進部 杉浦 暁裕)

 近年は、不適正経理の問題等の影響で備品の管理の厳格さが増してきました。我が水産技術センター栽培推進部では、なんと約400もの備品を管理しています。

 小さいものでは携帯型GPSのように手のひらに乗るものから、大きなものでは船外機船、フォークリフト、一部屋ほどの大きさもある冷凍庫など色々です。

 私が栽培推進部長に異動した際に、前任者が几帳面な方だったので、しっかり備品が管理されていました。機器類等は地図上に位置が整理されており、図書についてはどの本棚の何段目のどこに置いてあるかまで、整理されていました。

 しかし、私にはリストにある備品が、現物はどれなのか分かりませんでした。これでは、いざというときに備品の管理ができないと思い、一念発起して部内の備品を一つ残らず自分の目で現物確認をして、写真を撮ることにしました。

 いざ始めたら、さあ、大変。調査機器類や動かせない備品は前任者が作成した地図と同じ位置に置いてあり、簡単に現物確認して写真を撮影しました。しかし、困ったのは水槽でした。魚貝類を飼育するFRP(強化プラスチック)水槽も備品なのです。長さ10メートルもあるような大きな水槽は移動できませんので、直ぐに現物確認できました。しかし、1-2メートル程度の小型の水槽は、使わない時期には倉庫に片付けたり、作業の工程により使用場所が移動します。だから見つかりません。その上、すべての備品には備品番号や名称等を記載した管理用シールが貼ってありますが、このシールは紙のため海水を使用する水槽では読み取れないことが多いです。そこで、水槽には別にマジックインキで備品番号を書いていますが、水槽のどこに書いてあるのか備品番号を探すのが一苦労です。

 電灯のない備品庫を覗いたところ、小型FRP水槽が所狭しと押し込められていました。懐中電灯片手に水槽の間に潜り込みますが体が入りませんし、水槽は動きません。埃だらけ蜘蛛の巣だらけになって、やっとのことで備品番号を探し出しました。写真を撮影しようとすると、手前の水槽の陰になって撮影できませんでした。

 また、図書の現物確認をした時のことです。2冊組の魚類図鑑が2組あるはずなのに、1組しか見つかりません。仕方がないので、所内すべてを探し回り、他部の人にまで聞いて回りましたが、分かりません。備品の図書が紛失ということで困りはててしまいました。諦めかけて、もう一度だけと思い、再度、その魚類図鑑をチェックしたところ、何のことはない2冊組の魚類図鑑が2組あるのではなく、2冊組の魚類図鑑の1冊づつが別々に備品登録されていたのでした。がっかりするやら、ほっとするやら。

 ドタバタしながら部内の備品はすべて現物確認し、ほとんどの写真を撮影し、所内で置き場所を変えていた備品は地図上の位置も修正しました。また、水槽の備品番号は、マジックインキで大きく目立つように書き直しました。

 きちんと管理するのは当然ですが、実はこんな苦労をしているのです。 

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2 ハナオコゼ、なんちゅう食欲!(相模湾試験場 加藤 充宏)

 残暑厳しい8月下旬のある日、平塚漁港を歩いていた私は、港の中に流れ藻が多く流れ着いていることに気がつきました。ご存知の方も多いでしょうが、流れ藻は色々な魚の住みかとなっています。さっそくタモ網で流れ藻をすくい、手で持って振るうと・・・15センチくらいの黄色っぽい物体がボテッと落ちてきました。数秒後にその正体を理解した私は、思わず声をあげてしまいました。「・・・ハナオコゼ!!」

 ハナオコゼと言ってもオコゼの仲間ではありません。カエルアンコウ科というアンコウの1グループに属しており、胸ビレと腹ビレをつかって移動する様子や大きな口などは、科名通りどこかカエルにも似た魚です(写真)。本種は流れ藻の中で一生を過ごすといわれており、体の迷彩模様やヒラヒラした皮弁は、流れ藻の中でカモフラージュの役割を果たしているようです。

 最初の1尾を捕まえてから数分後、今度は10センチほどの一回り小さなハナオコゼを捕まえました。なんの気なしに最初の個体と同じバケツに入れたところ、思ってもないことが起こりました。最初のデカいヤツが、小さいヤツに思いっきり噛み付いたのです!ハナオコゼの口は大きいとはいえ、自分より一回り小さな同種を飲み込めるほどではありません。それでもこのデカいヤツは、小さいヤツを咥えたまま離そうとしませんでした。私が2尾を離して別々のバケツに分けたあとも、デカいヤツは他の小さな魚を次々飲み込んでいました。自分が囚われの身であることに気がついてないのか・・・なんとも呆れた食欲です。

 さて、この2尾のハナオコゼは職場に持ち帰られ、展示用に飼育されることとなりました。残念ながら小さいヤツは1週間ほどで死んでしまったのですが、デカいヤツはその後も水槽内で元気にエサを食べ続けました。そんなある日、ハナオコゼにエサをあげようとした時のことです。剥きエビをピンセットでつまみ、ハナオコゼの前に差し出したところ「バクッ!!」 しかし剥きエビはヒラヒラと水槽の底・・・目の前にはピンセットに喰いついたハナオコゼの姿がありました。「おいおい間違えてるよ!」とあわてて手を引っ込めると、ハナオコゼもピンセットを咥えたまま水上に・・・これまたその貪欲さに呆れた出来事でした。

 思えばハナオコゼは、大海原を漂う流れ藻の中で、いつくるとも知れないエサをずっと待ち構えているわけです。そのため、なによりも食欲が優先する魚になったのではないでしょうか? この貪欲さ、我々人間も少しは見習うべき・・・か・・・?

ハナオコゼ。左側が頭です。

写真 ハナオコゼ。左側が頭です。

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