神奈川県水産技術センター メルマガ449

掲載日:2014年6月20日

 神奈川県水産技術センターメールマガジン  449号    2014年6月20日号

□ 研究員コラム

1 リフォームしようよ!ヒラメハウス? (栽培推進部 長谷川 理)

2 カタボシイワシ(その2) (企画資源部  舩木 修)

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1 リフォームしようよ!ヒラメハウス? (栽培推進部 長谷川 理)

 本センターでは、ヒラメの親魚飼育は、野天に設置した簡易なターポリン水槽(俗に言う子供のプールのようなもの)で飼育しています。この水槽は、使い勝手は良いのですが長年使用すると表面がゴワゴワになってきます。このゴワゴワがヒラメの裏側の白い無眼側と擦れるために、無眼側が赤く擦れているものが以前よりも多く見られます。(特に、産卵期の雌ヒラメは腹部が膨れるために、その傾向が著しく、以前にもこのメルマガで紹介したように床ずれのようになってしまいます。)

 一方、昨年もお話したように、近年は夏場の高水温など複数の環境要因が大きなダメージとなり、これからは、ヒラメ達にとって受難な季節の始まりです。また、これら古い水槽は、所々に穴も開き、水漏れも生じており、騙し騙し使っています。良い飼育環境で、越夏させたいのですが、水槽を新しいものに買い換えるための予算もありません。

 そこで、今年は、古くなった水槽の底面に、建物の床などで使用される、光沢のある塩化ビニール製のマットを張ってみました。住宅でも、古くなった家屋をリフォームしているお宅を見かけますが、これのヒラメ版ですね?

 これら対策で、夏場の斃死が軽減されるか判りませんが、現在のところ、昨年よりは裏側の赤みが無いようです。今後も注意深く観察していこうと思っています。

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2 カタボシイワシ(その2) (企画資源部  舩木 修)

  前回のメルマガ(no.433)で、最近カタボシイワシを見かけるようになったということを書きました。今回はその続きを書きたいと思います。

  昨年11月に、横須賀市佐島の定置網から測定用にカタクチイワシを購入したところ、その中に一見ヒラゴ(マイワシの幼魚)と思しき魚を8尾発見しました。体長は5-6cm程度で顔つきはマイワシに非常に似ていました。(写真1)一方で、通常マイワシの主産卵期は2-4月であり、11月といえば体長は10cm以上に成長しているのが自然です。イワシ担当でありながら、この8尾が本当にマイワシか自信が持てなくなってしまいました。

 そこで、思い切って魚類分類学に詳しい先輩研究員に相談し種の同定を試みました。その結果、なんとカタボシイワシに辿り着いたのです。カタボシイワシの特徴である 1)臀鰭最後の2軟条が伸長すること 2)腹鰭が9軟条であること(写真2)等を確認することができました。

カタボシイワシの幼魚

写真1 ヒラゴ(マイワシの幼魚)と思しき魚(後にカタボシイワシ幼魚と判明)

カタボシイワシの特徴である腹鰭が9軟条

写真2 カタボシイワシの特徴である腹鰭が9軟条

 ただ、ここで一つ疑問が。前回のメルマガでも書きましたとおりカタボシイワシは暖海性で、南日本や東南アジアを主生息域とする魚です。そんな魚の幼魚が相模湾まで来るものなのか。今回、耳石を取り出して誕生日を推測してみました。その結果、耳石上には90本程度の微細輪紋が計測されました。この輪紋1本1本が日々形成される、すなわち日周輪だと仮定すれば、大凡8月頃に生まれたものと推定されます。そうです! 前回のメルマガで書いたように、昨年8月に平塚の定置網で漁獲されたカタボシイワシは立派な成魚で産卵可能な魚達でした。ということはこの8尾は相模湾周辺で生まれた可能性もあるということです。勿論、今回の結果でそう決めつけるのは時期尚早だとは思いますが興味深いことですね。

 今年も5月から平塚の定置網にはカタボシイワシが入り始めています。もう相模湾では当たり前の魚なのかも知れません。引き続き動向を見守りたいと思います。

 追記 業務とは全く関係ないですが、サッカー好きな私にとってワールドカップは重要なイベントです。このメルマガが発行される日は日本がギリシャと戦っているはず!

Forza Giappone!

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