神奈川県水産技術センター メルマガ446

掲載日:2014年5月9日

 神奈川県水産技術センターメールマガジン  446号    2014年5月9日号

□ 研究員コラム

1 県下7市場における放流魚の調査 (栽培推進部 櫻井 繁)

2 日本だけではなかった!サバ缶について (企画資源部 山本 貴一)

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1 県下7市場における放流魚の調査 (栽培推進部 櫻井 繁)

  当センターでは、人工的に生産した種苗を神奈川県の海面に放流している魚種(マダイ・ヒラメ・トラフグ)の放流効果を調べるため、職員が県下7市場(小田原・佐島・長井・三崎・間口・新安浦・柴漁港)を月2回程度調査し、天然魚・放流魚の判別の調査をしています。

 その判別方法の一つに、魚の鼻孔(鼻の穴)を見て区別する方法があります。マダイやトラフグの天然魚は鼻孔が左右に2つづつありますが(写真1・2)、人工的に生産した魚は鼻孔が1つに繋がっている(写真3・4)ことで見分けがつきます。ヒラメについては鼻孔ではなく、裏側の体色異常(黒いシミ)で判別しています。天然魚には体色異常はありませんが(写真5)、放流魚は黒いシミが出るため(写真6)、それらで判別しています。市場の調査では、これら天然魚及び放流魚の判別の他に、魚の全長や体重も測定しています。

 この判別をすることで、漁獲された魚に対する放流魚の割合(混入率)が判り、さらに全長・体重のデータから年齢を割り出して、放流した種苗の回収率を計算することができます。この混入率や回収率から、放流効果が有るかを検討し、効果が低い場合には、放流種苗の大きさや放流時期、場所などの放流方法を改善しています。

 市場における調査は、手間と時間がかかりますが、人工種苗の放流効果を上げるため、地道に調査を続けていかなければいけないと考えています。

マダイ天然魚 トラフグ天然魚

マダイ放流魚 トラフグ放流魚

ヒラメ天然魚 ヒラメ放流魚

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2 日本だけではなかった!サバ缶について (企画資源部 山本 貴一)

 美味しくて長期保存が出来て、最近はダイエットにも効果的との情報もあって、サバの缶詰は根強い人気があります。日本人にとって身近なサバ缶は、実は日本だけのものではなく、世界各地で食べられているようです。

 インドネシア、スリランカ、タイ、台湾、マレーシア、ミャンマーのような沿岸国だけでなく、海に接していないウズベキスタンでも、サバ缶が売られているのを見かけたことがあります。また、西アフリカのガーナやナイジェリアでは、日本のメーカーが製造した「GEISHA(ゲイシャ)」というブランドのサバ缶が人気で、現地では魚の缶詰のことを「GEISHA」と呼ぶそうです。

 このように、世界各地で愛されているサバ缶ですが、これらのサバ缶は、日本のサバ缶とは異なる点がいくつかあります。最も大きな違いは、日本のサバ缶のように味付けが水煮(塩味)や味噌煮ではなく、トマトソース煮が主流ということです。上記に挙げた国々のうち、全ての国でトマトソース煮のサバ缶が販売されていました。トマトソース煮以外では、タイで香辛料の効いた辛い味付けのもの(写真1)と、ウズベキスタンでオイル漬けが販売されていました(写真2)。肝心の味のほうはどうかというと、タイの香辛料の効いたものと、ウズベキスタンのオイル漬けのものは美味しかったのですが、主流であるトマトソース煮の方は、パサパサした食感や薄い味付けのものが多かったです。また、缶の形も日本のサバ缶とは異なる場合があります。台湾のサバ缶は日本のサバ缶とほとんど同じ形(写真3)でしたが、東南アジアで売られているサバ缶は、日本の缶コーヒーとほぼ同じ大きさと形をしているものが主流です。また、ウズベキスタンで販売されていたオイル漬けのサバ缶は、ヨーロッパ製のオイルサーディンと同じように、平たい四角形をした缶でした。

 各国で売られているサバ缶の外観は、それぞれの国の言葉やイラストが描かれており、見ていて面白いのですが、中でも私が興味を持ったのは、サバのイラストが描かれているにもかかわらず、缶には「SARDINES(イワシ)」と表記されているミャンマー産の缶詰(写真4)でした。缶の中身がイラストのとおり「サバ」なのか、表記のとおり「イワシ」なのかは、まだ缶を開けていないので分かりません・・・

 これらのサバ缶の原料は、日本の近海で獲れたサバが使われていることもあるそうです。主に巻き網で漁獲される小型のサバは、冷凍したのち輸出され、これらを原料にして、サバ缶が作られることもあるようなのです。外国で購入して日本へ持ち帰ってきたサバ缶の中身のサバは、元を辿れば日本の近海で獲れたサバかも知れない、というのはなかなか感慨深いものです。でも、サバ資源の有効利用を考えるなら、より大きくなってから漁獲し、付加価値の高いものを生産するほうが得策なのではないか、とも考えてしまいます。

写真1 香辛料の効いた味付けのタイのサバ缶 写真2 ウズベキスタンのオイル漬けサバ缶(ラトビア産と思われます)

写真1 香辛料の効いた味付けのタイのサバ缶

写真2 ウズベキスタンのオイル漬けサバ缶(ラトビア産と思われます)

写真3 台湾で購入したサバ缶 写真4 イラストはサバ、表記はイワシ(SARDINES)というミャンマー産の謎の缶詰(サイズは日本の缶コーヒーと同じです)

写真3 台湾で購入したサバ缶

写真4 イラストはサバ、表記はイワシ(SARDINES)というミャンマー産の謎の缶詰(サイズは日本の缶コーヒーと同じです)

 

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