神奈川県水産技術センター メルマガ443

掲載日:2014年3月28日

 神奈川県水産技術センターメールマガジン  443号    2014年3月28日号

□ 研究員コラム

1 小学生の頃の海釣りの思い出 (栽培推進部 杉浦 暁裕)

2 熱帯のハゼを東京湾のアマモ場で発見 (栽培推進部 工藤 孝浩)

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1 小学生の頃の海釣りの思い出 (栽培推進部 杉浦 暁裕)

 このメルマガをご覧になっている方々の中に、海釣りが好きな方が多いことと思います。私も小学生の頃には、よく海釣りをしていました。しかし、神奈川県の水産職に就職して、行政経験が長かったため、仕事で遊漁と漁業のトラブル調整、釣人や遊漁船業者に指導や違反の是正などを行なってきたため、仕事から離れて釣りをしようという気分に、ならなくなってしまいました。しかし、今日は、小学生の頃の海釣りの思い出をお話しします。

 私は、横浜市内で生まれて、育ちました。父は、海釣りが好きで仕事が終わった後の夕方や休日に横浜市内や横須賀市内の岸壁でよく釣りをしていました。その父が休日に釣りに行く際に、時々、小学生の私を一緒に連れて行ってくれました。

 当時、昭和40年代前半ですが、現在のような立派な釣り道具はありませんでした。釣竿は安い木製の繋ぎ竿、それに安いプラスチック製の太鼓リールを付けていました。スピニング・リールなど買ってもらえなかった時代です。釣り針を遠投しようとしても不可能なため、いつも浮き釣りをしていました。また、餌のゴカイは、父の手作りの木製の箱に入れていました。この道具で、主にアイナメやメバル、カサゴを釣りました。

 父は、板の上に30cmほどの竹を挿し、その先に釣り糸をつけて置き竿にして、ヒラメを狙っていました。この竹の先端に鈴が付いていてヒラメが喰うと鈴が鳴る仕組みになっていました。この置き竿で年に1、2回ですが、ウナギも釣れました。

 釣り人は、皆、そうすると思いますが、父は釣った魚を自分で捌いて、夕飯のオカズにしました。ウナギも頭を釘で打ちつけて、自分で捌いていました。子供心にウナギを捌けるのは、すごいなと思っていましたが、私も見様見真似でウナギも捌けるようになりました。

 今は、海の近くに住んでいますが、家に帰ると仕事から離れたいので、テレビの釣り番組も見ません。釣り竿は2本、持っていますが、物置で眠っています。退職して仕事から離れた頃に、釣りを再開することになるのでしょうか・・・

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2 熱帯のハゼを東京湾のアマモ場で発見 (栽培推進部 工藤 孝浩)

 県が本格的にアマモ場の再生事業に取り組んで早10年となる平成25年度も、終わりに近づきました。今年度も県内のアマモ場では色々な出来事がありましたが、トップニュースを挙げるとすれば、横浜市の野島海岸に再生されたアマモ場におけるウミショウブハゼPleurosicya bilobataの発見でしょう。

 本種は、インド洋から西太平洋熱帯域のアマモ場に分布し、アマモ類の葉にくっついて生活する全長3cmほどの小型のハゼです。ともに葉上に暮らす小動物を餌とし、葉に卵を産みつけるなどアマモ類に深く依存している「アマモの申し子」です。魚類の中で、本種ほどアマモ類との繋がりが深い魚はいません。その名は、本種がよく見られる熱帯性のアマモの1種である「ウミショウブ」という植物からつけられました。

 最新の魚類図鑑による国内の分布は、「沖縄島、瀬底島、石垣島、西表島」とされていますが、実は2010年に南伊豆のアマモ場で採集されており、その標本は県立生命の星・地球博物館に保管されています。今回の発見は、東京湾初記録であるばかりでなく北限記録をも更新するもので、学術的に重要なその標本は同館へ寄贈したいと考えています。

 今回の発見からは、二つの事実が浮かび上がってきます。

 まず、南方の魚が北へと分布を拡大している事です。遊泳力が弱く卵も分散させないハゼが、沖縄島以南から一気に東京湾に現れたとは思えません。おそらく、より近くに安定した生息地があるものと予測されます。

 もう一つは、再生されたアマモ場で、偶然やって来た流れ者が暮らしていた事です。特に本種はアマモ場がなければ生きられない魚であり、何らかの理由で東京湾に来たとしても、アマモ場がなければ死んでしまったでしょう。この特殊な魚が見つかった事で、再生されたアマモ場にあらゆる生物を育む機能が備わったと評価されます。

 今回の発見は、当センターと海の環境保全に取り組む「海をつくる会」とが共同で実施している生物調査によってもたらされました。毎月海に入って網をひいてくださる「海をつくる会」の皆様に感謝を申し上げます。

 

ウミショウブハゼ 

写真1 ウミショウブハゼ 2013年11月16日横浜市野島海岸アマモ場で採集(全長22mm 雄)

 

「海をつくる会」とともに行っている再生アマモ場の生物採集調査 「海をつくる会」とともに行っている再生アマモ場の生物採集調査

写真2、3 「海をつくる会」とともに行っている再生アマモ場の生物採集調査

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