神奈川県水産技術センター メルマガ440

掲載日:2014年2月14日

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  440号  2014年2月14日号
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□研究員コラム

〇 ブヨブヨな生き物?(相模湾試験場 中川 研)

〇 肌で感じた景気回復!? 金田湾朝市にて (企画資源部 木下 淳司)

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〇 ブヨブヨな生き物?(相模湾試験場 中川 研)

 研修のため横浜へ出た帰りのことです。携帯電話に着信のお知らせが入っていました。確認すると日頃お世話になっている漁業者からの電話でした。
 急いで電話をかけ直すと、「今朝、刺網にブヨブヨした変な生き物がたくさん獲れた。春先にポツポツと獲れることがあるが、この時期に大量にかかるのは初めてだ。しかも、船が傾いでしまうほどの量で、網から外すのも一苦労し、1日かかってしまった。何の生き物か知りたい。」とのこと。
 私は、その話を聞いて、軟体動物かナマコのような棘皮動物、または、何かの卵塊を想像し、実物を見ないとわからないので、また獲れたら連絡してほしい旨をお願いし、電話を切りました。
翌日の朝、携帯電話が鳴りました。昨日の漁業者からです。急いで電話をとると、「昨日と同じ奴が、また獲れたから見に来い。」とのこと。試験場に行くと、先輩の研究員も漁協から「珍しい生き物が獲れたので、現場へ向かってほしい」という呼び出しがあったようでした。
 漁船が横付けされている岸壁へ向かうと、電話をかけた漁業者と奥様、そして、手伝いをされている方が、網から何やら取り外す作業をしています。
 近づいて確認するまでもなく、正体がわかりました。シャチブリという深海魚です。
 ただ、このシャチブリと昨日の電話で聞いた生き物が、この場に及んでも私の頭の中で一致せず、「その生き物は、何処ですか?」と思わず訊ねてしまいました。
シャチブリは、深海に生息する魚で、浅瀬へ上がってきた個体が、定置網や刺網で稀に獲れる程度。私も何年も市場へ通っていますが、見たのは、2、3回程度で、しかも1尾しか獲れていません。
そのシャチブリが、目の前に山のように積み上がっている光景は、信じがたい光景です。しかも、大きなものは1m近い個体もいます。
 私も網から取り外すお手伝いをしました。体表はヌルヌルしており、掴むと全身がゼラチン質かのようにブヨブヨしており、顔も奇妙で、魚とは思えない顔をしています。
取り外し終えたところで、数尾を検体として譲っていただき、試験場で種名を同定することとしました。しかし、同定は難しく、標準和名のシャチブリと思われるものの、断定できないこともあり、県立生命の星・地球博物館の魚類専門の学芸員の方に標本を渡し、同定をお願いしています。
また、大量に獲れた現象を話すと、過去に伊豆半島の富戸沖、水深10m程度の浅瀬で、シャチブリの仲間のタナベシャチブリが大量に出現したことがあり、1ヶ月半に渡り、その場所で確認されたことがあるそうですが、全国的にも珍しい現象のようです。
 さて、私にはもう一つ残された仕事がありました。…それは、このシャチブリを食べてみることです。獲れた当日は、忙しく、下処理ができず、冷蔵庫へ保管して、翌日調理を試みるつもりでした。
 しかし、翌日、冷蔵庫から取り出したシャチブリは、非常に臭いがきつく、そのまま調理するのは勇気が必要で、気弱な私は、「そうだ、干物にしてしまおう!」と考え、干物にすることにしました。
 ブヨブヨした身は、水分が多く、完成するまでに数日が必要でした。
「おいしかったか?」って?…まだ、冷凍庫に眠っています。

写真はこちら

http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p749853.html

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〇 肌で感じた景気回復!? 金田湾朝市にて (企画資源部 木下 淳司)

 松の内をはるかに過ぎて、日差しの強さに少しだけ春を感じるこの頃ですが、ここで唐突に時間を昨年末へ戻します。少々お付き合い下さいませ。

 昨年の12月29日と30日の早朝、三浦市の金田漁港にて、金田湾朝市歳末大売出しが開催されました。普及指導員の私は29日に参加しました。金田湾朝市は県内でも歴史が古く、もともとお客さんが多いのですが、特に歳末大売出しはお正月の魚を買い求める大勢の人で賑わいます。

 午前4時30分に自宅を出て車で朝市会場の金田漁港へ向かいました。会場からまだ10km近く手前で、早朝にしては車が多いことに気付きました。この人たちも朝市に向かっている!?と直感しました。三浦海岸の駅を過ぎ、残りあと3km程になった頃には、さらに長くなった車列が朝市へ向かっていました。

 金田漁港に着くと、まだ開市前だというのに、会場の金田海業センターとその周辺は来客でごった返していました。歳末大売り出しが始まると、地魚が飛ぶように売れていきます。ものすごい熱気です。カメラを構えた私は、人の波に押し流されながらシャッターを切りました。今朝は、ぶり、スズキ、ヒラメ、タチウオ、たこ等々がずらりと並び、新わかめ、マナマコ、サザエも豊富です。漁業者手作りの干物もイボダイやいわし、地元では“ぎら”と呼ぶヒイラギなどが揃いおいしそうです。お正月には欠かせない生鮮野菜や遠洋マグロの出店も大賑わい。結局開市から30分後には品物の多くが売り切れてしまいました。それでもまだ新しいお客さんが来て「もうないの!?」と驚き、がっかりしていました。

 その頃には出店した漁業者もやっと一息つけたようなので、声をかけてみました。新ワカメを販売した方の一人は興奮した声で「100kg以上切ってきた(ワカメ養殖場から水揚げした)のに10分で売り切れちゃったよ!」。何人もの漁業者にお話を聞きましたが、予想を上回る賑わいに「もっと品物を用意しておけばよかった」「ここ何年かで最高の人出だった」とか「景気が回復してきたのかな」との声が聞かれました。私は朝市の大勢のお客さんと出店者の活気を肌で感じて、不景気で沈みがちだった世の中の雰囲気も平成26年から変わるんじゃないか、単なる願望と言えばそれまでですが、そんな気持ちになりました。平成25年は景気回復の話題が多かったものの、庶民の懐はなかなか暖かくならないと言われました。けれど気持ちだけは先に明るく、そして前向きになったことが、歳末大売出しの繁盛に現れたのでしょうか。平成26年は本格的な景気の回復と、水産物の内需拡大を期待したいですね。

写真はこちら

http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p749864.html

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発行:神奈川県水産技術センター 企画資源部
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2312

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