神奈川県水産技術センター メルマガ429

掲載日:2014年1月15日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.429 2013-8-30

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.429 2013-8-30
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□研究員コラム

〇 「よもやま話 16」 (栽培推進部 村上 哲士)

〇 マガキの種苗試験 (企画資源部 石井 洋)

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〇 「よもやま話 16」 (栽培推進部 村上 哲士)
 早いもので今年も七ヶ月が過ぎ、残すところ五ヶ月となりました。
 暑さが続きますが、元気にお過ごしでしょうか?
 前回の記事で書いたように、今年度からナマコの種苗生産技術開発も行うこととなり、神奈川辺りでは5-6月が産卵期(この点はこれから調べていかないといけない重要な部分)ですが、今回は5・6月で6回採卵を行い、そのうちの採卵2回分が約2週間の浮遊幼生飼育を経て、現在は波板に付着して飼育して状態にあります。
 ナマコもサザエなどと同じで浮遊期を経てから物に付着して生活するようになります。ただし、浮遊期間が2週間程度と長く、浮遊期間中は常に一定の濃度で餌となる浮遊珪藻という植物プランクトンを与えなければならないのが異なる点です。
 また、サイズが小さい(卵で150μm、幼生は250から最大で900から1,000μm)ので、飼育水槽からサンプルをピペットで採取する際など苦労しました(それでなくとも老眼で困っているのに・・・)。今はサザエを採卵していますが、大きさも卵で200μmほどと大きく、色もナマコが透明に近いのと比べて緑色なので楽なこと良く見えます。
 現在、ナマコは波板上で付着珪藻やらその他の付着性の藻類を食べながら成長しており、1-3cmほどになっています。数の方は残念ながら大量にとはいかず百単位のようです。
 サザエの方は現時点で採卵9回を終え、まだまだ不安なので、あともう1-2回は採卵を行いたいと思っています。
 これを書いている今は、正に酷暑というに相応しい状態です。
 皆様も健康に留意されてお過ごしください。
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〇 マガキの種苗試験 (企画資源部 石井 洋)
 マガキ養殖と言えば、すぐに広島県や宮城県の産地が浮かぶと思います。マガキ生産量は、広島県、宮城県と岡山県で全国の8割以上、特に広島県では全国の約6割を占めています(平成22年)。神奈川県でも比べようもないくらい小規模ですが、カキの養殖が行われています。できばえを食そうと、漁協の直販所で購入してその場で焼いて食べました。ぷりっとした身が殻の中で香ばしくきつね色に焼けたところをほおばり、あっという間に殻の山ができてしまいました。産地ならではの味わいでした。
 ところが平成23年3月11日に発生した、東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波により、宮城県の種ガキ生産地が被害を受けてしまい、養殖が困難となってしまいました。
 そこで、東京内湾にはカキ磯になるほどマガキが生息していますので、自前で種苗が生産できれば、他地区の種ガキの入手が困難となっても、養殖を続けることができます。早速、種苗生産県のマニュアルを入手し宮城県東松島市の篤漁業者に相談して、採苗器を横須賀市内の漁港に吊す試験に取り組みました。
 マニュアルを参考に、広島県でのマガキの産卵期は7から9月と言われていますので、7月からマガキ浮遊幼生をプランクトンネットで採捕し観察を続け、着底する時期を見計らって、採苗器を投入しました。採苗器は、ホタテガイの貝殻に穴を開けて針金を通して重ねて吊す、いたって簡単なものです。
 採苗器を吊してから、約3週間後の画像です(写真1)。その後10日遅らせて吊した採苗器にはマガキが余り付いていませんでした(写真2)。どうやら、吊した時に付着期幼生が少なかったようです。
 結果として、ホタテガイの殻の上面が茶色にぬるぬるした付着物で覆われてマガキは裏面にしか付きませんでした。種ガキとして購入するホタテガイの殻には写真3のように両面にたくさんのマガキが付いており、フジツボなどの付着も見られません。それに比べ全く及びませんが、横須賀市内の漁港でも採苗できることはわかりました。
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