神奈川県水産技術センター メルマガ428

掲載日:2014年1月15日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.428 2013-8-16

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.428 2013-8-16
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□研究員コラム

〇 キハダ (企画資源部 清水 顕太郎)

〇 大王様の思ひ出 (相模湾試験場 加藤 充宏)

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〇 キハダ (企画資源部 清水 顕太郎)
 今年も相模湾がアツいですね。もちろん気温もそうなんですが、今回の話題は相模湾に来遊している数十kgのマグロのことです。今年もシーズン早々に100kgを超えるクロマグロ(いわゆる本マグロですね)が遊魚船で釣れたようです。これは、ラジオでも放送されたようですので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。そのほかにも60kgを超えるキハダ(よく「キハダマグロ」というのを聞きますが、標準和名は「キハダ」で「マグロ」なしです)が釣れたりしているようですし、ここ何年かで一番魚が多く、また、群れの状態も良いようで今年も相模湾は激アツです。
 この大型マグロが相模湾に来遊し始めたのが2008年頃のことのようです。それまでもマグロ類の回遊はありましたが、そのほとんどがせいぜい4から5kg程度のもので、大きくても10kg程でした。もちろん、最近来遊している30kgとか50kgといった大型の・・・といってもクロマグロは300kgを超えるものもいますので、まだまだ小物の部類ですが、それでも相模湾では十分大物です・・・ものの来遊もなくはなかったのですがまれなことでした。なぜ、この数十kgクラスの大型マグロが突然相模湾に来遊するようになったのかはよくわかりません。水温の影響なのか、餌を追いかけてのことなのか、はたまたほかに原因があるのか興味があるところですが、漁業の主対象となっていないため調査されていないのが実情です。
 さて、私はこの大型マグロが釣り上げたくて、そして当然食べてみたくて何回か乗り合いの遊漁船で釣りに出たことがあるのですが、いまだ釣り上げることはできていません。このマグロ釣りは船中1匹釣れれば上出来なので無理もないのですが、今年は先に書いたような状況なので釣りあげるチャンスなのにも関わらず、なにやら忙しくってまだ釣りに出られてもいません。今までで私にとって最大のチャンスが巡ってきたのは一昨年のことで、そのときは私の両隣で釣っていた方にキハダが同時に掛かり・・・なぜ、私の針に来なかった?!という悔しさは今でも残っています!(涙)・・・お二人とも見事30kgを超えるキハダを釣り上げました。ちなみに、マグロ釣りで同時に2匹以上の魚が掛かった場合、その2匹(以上)は同じ方向に逃げることが多く、そのため、釣糸が絡むことが格段に多くなり、釣り上げることが大変難しくなる・・・と船頭さんがおっしゃっていましたが、そのときはお二人の腕のよさも幸いし、2匹とも無事釣り上げることができました。
 帰港後、そのお二人は船頭さんにその魚を裁いてもらい、袖擦りあうも何とやらで、私を含む同乗していた人達(つまり釣れなかった人達(涙!!))に分けて下さいました。釣れなかった悔しさ(さらに涙!!)と、それでも念願のキハダを食べられるうれしさとを感じつつ帰宅後、刺身にして食べたのですが、本マグロやメバチとはまた違う味わいの脂が、それこそ1回切りつけると脂で包丁の切れが鈍るほどのっていて、大変おいしいお刺身でした。通常キハダはもっと南の海域でまき網などで漁獲されるのですが、そのような魚には脂が少なく缶詰で油漬けなどにされます。もしかしたら、この脂ののりも相模湾の恩恵なのかなぁなどと思います。
 何はともあれ、状況が良いうちに時間を作って釣りに行きたいものです。大物を釣り上げるのももちろんですが、あのウマさは忘れられません!
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〇 大王様の思ひ出 (相模湾試験場 加藤 充宏)
 本メルマガ読者の皆さんなら、NHKで放映されたダイオウイカの水中映像をご覧になられた方が多いのではないでしょうか? 深海探査艇のライトを受け輝く巨体、怪しい目付き・・・世界中の人たちが初めて見た水中の「大王様」は、神々しくもありましたね。
 ところで私は、あの映像を見ているうち、過去に何度か「大王様」に出会ったことを思い出しました・・・
【思ひ出その1】1997年5月、当時イカ資源担当だった私は、調査船に乗り小笠原海域でソデイカ(近年スーパーで「べにいか」等の名前で出回っています)の漁場調査を行っていました。大きなイカ針を付けた延縄で操業するも、目当てのソデイカはなかなか揚がらず、かかってくるのはアカイカばかり・・・ そんなとき、一本の針になにやら白いロープみたいなものが引っかかってきました。「ん? これイカの餌取り足(=触腕)じゃん!」 途中でちぎれていたにも関わらず、その長さは1m以上、直径は5センチ程もある大きな触腕でした。帰港後、東京水産大学(現・東京海洋大学)の先生に見ていただき、ダイオウイカの触腕であることがわかったのですが、実は持ち帰る前に、船上でちょっとだけ味見してみたのです。齧ったとたん口の中に広がる、苦いような、しょっぱいような味・・・深海性のイカには、浮力を稼ぐために筋肉中にアンモニアイオンが含まれている種類が知られていますが、どうやら「大王様」もその仲間のようです。「大王様」が我々の食料になることは、今後もあまりなさそうです。
(参考:「平成9年度業務概要」平成10年7月、神奈川県水産総合研究所)
【思ひ出その2】1999年10月、横須賀方面の市場調査から帰ってきた職員が、やや興奮気味に「三笠公園でダイオウイカらしいイカが捕まった」と話しかけてきました。ご存知のとおりダイオウイカは深海性であり、水深50メートルほどしかない東京湾にまさか・・・ さらに話を聞くと、三笠公園を歩いていた地元の方が、岸壁近くを泳いでいたそのイカを捕まえたとの事。採集された方も、さぞかしビックリされたことと思います。死後、我々の職場に持ち込まれたそのイカは、外套長(胴体の長さ)47センチ、脚先(触腕以外)まで入れた全長が1.2メートルもある個体で、これまた東京水産大学の先生によりダイオウイカと同定されました。日本近海のダイオウイカは外套長2メートル程になるそうなので、この個体はまだまだ子供・・・「大王様」というよりは「王子様」・・・? イマイチしっくりこない例えですが、秋の東京湾に迷い込んだ思わぬ珍客でした。
(参考:「水総研情報2000.Vol.1」平成12年3月、神奈川県水産総合研究所)
 ・・・今後の私の人生で、再び「大王様」に逢うことはあるのでしょうか? いつかは水中を悠然と泳ぐ「大王様」の雄姿を見てみたいものです。

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