神奈川県水産技術センター メルマガ414

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.414 2013-2-1

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.414 2013-2-1
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□研究員コラム

○ 岩手県農林水産部水産振興課に派遣 (資源環境部 石井 洋)

○ 種苗生産のアユの系統について (内水面試験場 相川英明)

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○ 岩手県農林水産部水産振興課に派遣 (資源環境部 石井 洋)

 東北地方太平洋沖地震及び津波で未曾有の被害を受けた岩手県の水産業の復旧・復興事業に従事するため、水産振興課に派遣されました。水産振興課には、本県の他、北海道、秋田県、静岡県、福岡県から職員7名が派遣され総勢27名で、通常業務に加え震災復旧・復興事業を実施しています。

 岩手県の水産業・漁港被害は、5,650億円(うち、漁港関係4,528億円、水産施設等366億円、漁船338億円、漁具水産物等418億円)と農業被害(688億円)の8倍を超える甚大なものでした。水揚金額の約3割を占める定置漁業や、約3割を占めるワカメ・コンブ・ホタテ・カキ等の養殖業の漁具の多くが流失し、生産から流通・加工までの一連の施設も大半が損壊しました。

 現在、水産担当職員、市町村職員、漁業関係者及び関係企業等の粉骨砕身の働きにより、漁船は補助事業等により被災前の約6割まで復旧、定置網は7割以上が漁業再開、養殖施設は約5割まで復旧、共同利用施設は平成25年度目標の約4割まで復旧しています。平成24年の水揚量は、震災前の6割超まで回復してきています。

 出張で陸前高田市、大船渡市、釜石市、大槌町、宮古市を訪れました。陸前高田市や大槌町の市街地の他浦々の集落で津波が襲った地域は、倒壊した防波堤、被災した鉄筋コンクリートの大型建築物がポツポツと残っている他、がれきが処理され雑草が生えた平地となっていました。岩手県職員の方から、ここに住宅があったと聞かされ、初めて基礎を見つけ、周辺が住宅街だったと認識できました。一方、大船渡市や宮古市は、ところどころに空地が見られるものの、商店も営業しており県内でも復旧のスピードに大きな差が見られます。

 岩手県産水産物の出荷量も回復基調にありますが、来年度以降も日本国民の総力的な支援(被災県の産品の購入や職員等派遣など)を継続していかなくてはならないと強く感じました。

 (文中の被害状況データは、岩手県農林水産部調べ(平成24年10月末現在)、復旧状況データは、岩手県農林水産部調べ(平成24年12月末現在))

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○ 種苗生産のアユの系統について (内水面試験場 相川英明)

 神奈川県では県下の河川へ放流するためのアユを生産しています。この人工産アユは35世代(35年間)にわたり継続的に飼育したことにより、ストレスに負けない、病気にも強いなどの飼いやすい種苗になりました。一方で近年、人工産アユは、遊泳力が弱く、成熟が早いなど放流後のデメリットも指摘されるようになってきました。

 そこで、内水面試験場では飼育だけでなく、河川に放流された後に求められるアユの性質(野性味)を評価する(研究報告2008年)とともに、相模湾で採れた海産アユ由来の新規の系統をアユ種苗生産に導入することを検討してきました。

 その後の研究においても、野性味の指標となる「とびはね力」(写真)は、短期継代魚は長期継代魚に比べて優れていました。

 また、漁業者からも短期継代アユの生産を望む声が大きくなっています。

 そこで、22年度から短期継代アユの大量生産技術開発を行い、24年の春には9世代目のアユを放流することができました。そして、25年の春に河川放流を予定している種苗は系統の全面的な入れ替えを行い、長期継代の生産は終了し、10世代目のアユを主として生産しています。また、更に継代数の少ない2世代目アユの生産にも着手しており、県下の河川に天然アユと遜色のない野性味あふれる人工産アユを放流していきたいと考えています。

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