神奈川県水産技術センター メルマガ412

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.412 2013-1-4

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.412 2013-1-4
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□研究員コラム

○ あけましておめでとうございます (所長 米山 健)

○ 「よもやま話 15」      (栽培技術部 村上 哲士)

○ 魚食の危機的な状況を跳ね返す! (企画経営部 一色 竜也)

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○ あけましておめでとうございます (所長 米山 健)

 新年、あけましておめでとうございます。

 昨年は、引き続く東京湾の不漁に加え、相模湾のアジの激減などにより、本県漁業は厳しい状況となりました。一方、ブリ(ワラサも含む)が3万尾以上獲れたり、マグロが定置網で獲れたりという明るい話題もありました。是非、今年は、明るい話題に満ちた1年になればと願っています。

 さて、昨年の出来事で私の記憶に残るのは、水産庁の上田勝彦さんによる神奈川県漁業士会の研修でのお話でした。「子供のころ魚を食べないという習慣が、家庭での魚消費を減少させる。高級魚ほど価格が下がっている。活き締めは魚のうまさを保つ方法、活き締めにより漁家収入アップを。」 などが印象に残りました。残念ながら、私は、活き締めの魚と野締めの魚の食べ比べをしたことはありませんが、ある漁師さんの話によれば、「自分の家で食べる魚は、活き締めにして食べており、うまいことは知っている。」 とのことでした。

 現在、当センターでは、平塚市及び平塚市漁協と連携して、「須賀〆トト」 と名付けた活き締め魚を飲食店に販売する試みを支援しています。これは、人口や飲食店が多い首都圏に位置する本県ならではの利点があると思いますし、漁業も飲食業も共に栄え、また、魚を大量に獲らなくても一匹の価値をあげることにより漁家収入を確保できるという観点からも、是非、ほかの地域でも取り組んでみてはどうかと思っています。

 一方、海や川などの水辺環境の調査研究に目を移しますと、本所は東京湾、内水面試験場は相模川や酒匂川、相模湾試験場は県西部海域を中心に精力的に取り組んでいます。

 現在、今年度末の公表を目途に水産技術センター設立100年の記念資料をとりまとめておりますが、この作業により、これまで当センターが、海や川、漁業などについて様々な角度から調査研究を行ってきたことが改めて実感できました。自然を相手とする研究は、難しいことが多いのですが、過去の蓄積を参考にしながら、職員一同、一歩ずつ真理を解明し、漁業振興や水辺環境の保全に貢献したいと考えています。

 本年もどうぞよろしくお願いします。

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○ 「よもやま話 15」 (栽培技術部 村上 哲士)

 「新年明けましておめでとうございます」と書きつつ、これを書いている今はまだ12月ではありますが・・・。

 皆さまにとって昨年は良い年でありましたでしょうか?

 前回の記事で書いたように、私にとっては師匠が退職し、師匠がいなくなった途端にサザエが生産不調になると格好悪いですから、気合の入った年でもありました。

 一昨年に続きサザエの採卵には少々手間取らされ、なんと合計で12回!(ちなみに前年度は9回でした。)

 この先どうなることやらと胃が痛くなりましたが、メインの採卵が7月中に出来たのと、水温が高めに推移した関係で成長が良く、稚貝そのものは予定数量以上を確保出来、波板からの剥離後の生残も良好でホッとしているところです。

 配布まではまだまだ期間がありますので、気を抜かずに飼育していきたいところです。そんなこんなであたふたしているのに、新年度から新たにナマコの種苗生産技術開発を行う準備を進めています。

 サザエと両立できるのか担当自身も計りかねているところですが、まずはやってみないと分からないですし、久々に新しい種に取り組むのは不安や緊張もありますが、わくわくするものです。

 現在は、勉強と準備といったところですが、折に触れてナマコの状況もお知らせしていきたいと思っています。

 今年が皆さまにとって良い年となりますように、そしてサザエもナマコもちゃんと出来ますようにと祈る次第です。

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○ 魚食の危機的な状況を跳ね返す! (企画経営部 一色 竜也)

 水産技術センターでは、浜のリーダーとして県が認定する漁業士の研修会を、県漁業士会と共催で毎年1回開催しています。今年度のテーマは「水産物の高鮮度出荷技術について」と題し、水産庁の上田勝彦情報企画官に講演をいただきました。上田さんはテレビ番組への出演や、魚食復興集団「Re-Fish」の代表を務めるなど、魚食普及の取り組みを活発になさっています。特に漁業関係者にとって上田さんが紹介する魚の活けジメ法は、魚の鮮度保持や魚肉のうまみ成分の向上に飛躍的な効果があるとされ、本研修会でも漁業士の関心はそこに集中したようでした。しかし、私の関心はむしろ上田さんがその前段に話された日本人の魚食が危機的な状況にあるとの指摘の方でした。

 上田さんは言います。「日本人は今後も魚をさらに食べなくなる。それは子供たちが魚の味を知らないから、魚の味を知る機会が無くなってしまっているから」だと。「今の40歳代以上の世代は子供のころに魚を頻繁に食べてきた。この世代は魚の味を知っているので魚を食べる。しかし、もっぱら外食で魚を食べてしまう。魚を売りにした居酒屋が流行るのはそうしたニーズの表れである。しかし家族内で魚を食べない。その結果、子供たちは魚食の機会が得られず、魚の味が伝わらない。」のだと。つまり日本人の魚食にジェネレーションギャップが起きているとのことです。さらに上田さん曰く、「魚の味を知らなければ、魚をただ置いておくだけでは買ってくれる訳がない。魚を買ってもらうには、味はもちろん、料理法、魚の生態、漁獲から水揚に至る魚の情報を紹介する人間が必要である」と、さらに「もしお客に魚を買っていただけたなら、お客は魚に価値を見出してのではない。魚を紹介してくれた人にお金を出した」のだと。

 いくら高級魚でも、いくら高鮮度出荷に力を入れても、魚は人が人に売る体制がなければ、売れないとの話は、魚を獲るだけの生産者にとっては絶望的にも思えました。しかし、生産者が自分の水揚した魚を消費者に直接紹介して売れば、大きな可能性があるかもしれません。つまり直売という手です。これまでも県下各地で朝市が行われておりましたが、近年、常設の直売所や飲食事業を行う漁協もでてきました(取り組みの一例)。漁師は寡黙な方が多いため、営業向きとはお世辞にも言えませんが、魚や漁に関してはプロですし、その女将さんたちは亭主の獲ってきた魚の美味い食べ方を知り尽くした魚食のスペシャリストです。彼らや彼女らのコミュニケーション能力が最大限に引き出せれば、直売等は大いに盛り上がると思われます。ただし全ての水揚が直売で販売できる訳ではないので、今後も既存流通は必要不可欠です。そこで直売等では儲けながらも魚食普及と位置づけ、いずれ既存流通を通じた魚食のリピーターを増やすような明確な方向性が、直売や漁協飲食事業を成功に導いていくことと思われます。

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発行:神奈川県水産技術センター 企画経営部
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2312

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