神奈川県水産総合研究所 メルマガ002

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水総研メルマガ VOL.002 2003-7-18

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.002 2003-7-18
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当研究所の研究員が、現場で体験したり考えたりしていること、また調査内容
についてのご紹介をいたします。

●相模湾のマグロ
 マグロは、遠い外国の海だけでなく、日本近海でも獲られます。有名なもの
としては青森県大間のマグロがありますが、相模湾でもマグロは獲れます。定
置網に1.5Mを越えるクロマグロが入ることもありますが、それは年に数回。多
く獲れるのは「メジ」と呼ばれるクロマグロの幼魚です。

 クロマグロは台湾近海で産卵し、ふ化後黒潮に乗って日本近海まで来遊しま
す。相模湾で獲れるのは主に40から60cmのメジで、それは生まれて半年から2
年ほどの魚です。メジは、岸寄りに移動するため、定置網にも入りますが、大
部分はカタクチイワシを餌にする一本釣りと疑似餌を船で曳いて釣る曳縄によっ
て漁獲されます。漁期は8月から12月までです。

 一本釣りは港のイケスに蓄養しているカタクチイワシを船に積み、双眼鏡を
たよりにナブラやトリ山(※)を探しつつ、漁を行います。大きな魚群に当た
れば、1日で1トン以上獲れる日もありますが、探索だけで終わる日もあります。
ナブラが立たず、魚群が沈み気味になる10月頃から曳縄漁が始まります。船か
ら長い竿を5本くらい延ばし釣り糸の先に疑似餌を付け、引っ張ります。疑似
餌にアクションをつけるため、潜行板やバクダン・飛行機と呼ばれる道具を仕
掛けの中間につけます。こちらも群に当たれば次から次へと仕掛けをあげるた
びに魚が揚がってきます。

 50cmの魚であれば7-8人前の刺身となります。小さいとはいえクロマグロ。
他のマグロにはない美味しさがあります。


※大型魚に追われた小型魚の群を「ナブラ」といいます。ナブラが立つと海面
の色が変わったり波立ったりします。また、ナブラの小魚を食べるため、海鳥
が空から攻撃している様子を「トリ山」といいます。トリ山の下には小魚を狙
う大型魚がいます。
                        (海洋情報部 加藤健太)

●今が旬!東京湾のマアナゴ

 東京湾のマアナゴは、梅雨時の今、ふっくらと身が厚く、ほどよく脂がのっ
て、寿司、てんぷら、丼もの、お吸い物など、どう料理して食べてもおいしい
時期です。東京湾には他にクロアナゴ、ゴテンアナゴなどもいますが、味はな
んといってもマアナゴが一番です。

 マアナゴは、どこで、いつ産卵するのかよくわかっていません。産卵場から、
葉形仔魚という独特の形をした仔魚が黒潮によって輸送され、3月から4月にか
けて東京湾にたどりつく、と考えられています。東京湾にたどりついた時の大
きさは約12cm、産卵されてから平均して130日ほどたっています。葉形仔魚が
何を餌にしているかは、長い間謎でしたが、九州大学の望岡さんたちの努力で、
他のプランクトンの糞粒とか、尾虫類というプランクトンが脱ぎ捨てたゼラチ
ン状の殻が主なものだということがわかりました。

 東京湾には尾虫類が多く、豊富な餌があるため、東京湾にはいった葉形仔魚
は栄養を蓄積して変態を開始し、アナゴの形になります。変態が終わると、大きさは
約7cm、葉形仔魚の時よりも体は小さくなります。変態後のマアナゴの成長は早く、
9月には約20cm、12月には約30cmになります。マアナゴは、エビ類、カニ類などの
甲殻類からハゼ類、コチ類などの魚類まで、なんでも活発に食べますが、これらの
餌になる生物が東京湾には豊富にいることが、マアナゴの早い成長を支えていると
考えられます。そして、葉形仔魚として東京湾にやってきた次の年の4月には約
36cm、梅雨時には約40cm、一番おいしい、といわれる大きさになります。

 東京湾では、マアナゴは「あなご筒」という漁業によって漁獲されています。
大事なマアナゴ資源をいつまでも利用していくために、「あなご筒」漁業を営
んでいる漁業者の人たちは、東京都、千葉県の人たちと協力して小さいマアナ
ゴは漁獲しないようにして、資源管理に熱心に取り組んでいます。
                      (資源環境部 清水 詢道) 

アナゴ葉形仔魚およびあなご筒の写真はこちら


●[イベント]夏休みこどもワクワク・海・体験のお知らせ
申し込みの締切は8月8日(金曜)ですが、まだまだ余裕がありますので、多数お
誘いあわせの上申し込みください。
http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/event/20030827/guide/

(1)8/27,28は「かながわ海と生物の教室」を行います。磯採集を行い、採集物
を分類することで海の豊かさや神秘さを実感していただくものです。夏休み後
半のお忙しい時期となりますが、大潮(潮の満ち干きが大きい日)に実施する
ことで、多種の生物を採集することが可能となります。昨年は80種以上の生物
が採集されました。

(2)8/29に実施する「親子お魚料理教室」は、地元の定置網等で当日の朝に水
揚げされる新鮮な魚を材料に、干物作りを行います。
参加費用として1人あたり500円頂きますが、お昼ご飯として刺身定食を用意し、
お土産には作った干物をたくさん持ち帰っていただきます。昨年の素材はマア
ジ、ホンガマス、イシモチ、カイワリでした。

※両日共に、所内見学や調査船「江の島丸(99トン)」の船内見学を予定して
おります。

昨年の様子はこちら
http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/event/20020820/report/
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[最近のホームページ更新情報(7月10日)]
東京湾溶存酸素情報2003年9号

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[編集後記]
8月に行われるイベントは、毎年参加された方からご好評をいただいております。
料理教室では、料理が苦手な方やお子様にも丁寧に指導をいたします。また、
対象は小中学生が中心ですが、高校生や就学前のお子様でも参加できます。
ぜひ、お問い合わせてみてください。
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