神奈川県水産総合研究所 メルマガ003

掲載日:2014年1月18日

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.003 2003-7-25
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当研究所の研究員が、現場で体験したり考えたりしていること、また調査内容
についてのご紹介をいたします。

●アワビの初期生態調査を始めました
 アワビの資源量は全国的に低い水準にあります。神奈川県の場合、主要漁場
で水揚げされるアワビの9割程度が人工種苗から育ったもので、天然に生まれ
たアワビはわずかといった状態です。どうして天然アワビ資源が増えないのか、
その原因については様々な説がありますが特定されていません。そもそも産卵
が行われていないのでは?産卵は行われているが大きくなる前に死滅している
のでは?親となるアワビの数が産卵に必要な量として不足しているのでは?こ
れらの疑問に対し一つ一つ検証していく必要があります。

 ところが、暖流域に生息するアワビ類には、クロアワビ、マダカアワビ、メ
ガイアワビ、トコブシ、フクトコブシと種類が多く、大きさが0.3mm程度の初
期稚貝では種を外観で判別するのは困難で、これまでアワビの初期生態を調査
する上で大きな壁となっていました。最近、DNA解析によってアワビの種判別
技術が確立されようとしています。そこで、水産総合研究所では、中央水産研
究所、千葉県、東京都、三重県及び和歌山県と共同でアワビの初期生態調査を
開始しました。

 先日、札幌市内にある北大植物園を訪れました。そこには内村鑑三氏(生物
学者よりも無教会主義のキリスト教徒として著名)が書いた「鮑魚蕃息上試験
始末書」とエゾアワビの標本が保管されています。始末書(報告書)は、わず
か4ヶ月という短期間の調査にもかかわらず多くの知見を残し、その内容は現
在でも通用するものです。またアワビ資源の保護(小型貝の採捕禁止、禁漁期
の設定、禁漁区の設定など)に現在でもいかされています。氏が札幌県にこの
報告書を提出したのは明治16年です。「100年以上たってまだ分からないこと
だらけとは嘆かわしい!」と氏の声が聞こえてきそうです。
                       (栽培技術部 滝口直之)

内村鑑三氏による「鮑魚蕃息上試験始末書」の内容はこちら

●ホームページの海況コンテンツの舞台裏
 いつもホームページ(とくに海況コンテンツ)をご覧くださりありがとうござ
います。今回は、タイトルのとおり舞台裏をご紹介します。

【全部手作り】海況図、リアルタイムデータ、人工衛星画像、長期予報等のコ
ンテンツはいずれも担当者の手作りによるものです。人工衛星画像は、所内の
受信処理システムで自動生成されますが、それをどのように取り扱ってホーム
ページで公開するかといった設計は自前です。海況図にいたっては、もとの海
況図自体が手描きです。海況図は定地や船の観測データに基づいて紙に描いて
いますが、そのデータが足りない部分は、人間の判断で最近の傾向を踏まえな
がら「現況を予測」します。この作業がコンピュータではできないからです。

【通信速度の悩み】手作りホームページについては、こちらで頑張れば頑張る
だけいいものがつくれますが、通信速度はそうもいきません。当所のホームペー
ジは、民間プロバイダに任せずに平塚にある神奈川県農業総合研究所内の農林
水産情報センターのサーバーで公開しています。皆様により快適にご利用いた
だくために、農林水産情報センターからインターネットへの接続は、ブロード
バンド化されましたが、それでも大学や国の機関のような高速通信はできませ
ん。通信速度が遅いと特に人工衛星画像が困ります。時々うまく表示できずに
ご迷惑をお掛けしていますが、ほとんどの原因が通信帯域の不足と考えられま
す。
 その舞台裏はもっと大変で、水総研から農総研へのデータの転送は、64K
のISDN回線しか使えません。この回線で衛星から受信して自動生成される画像
を全て送ると、職員が仕事でメールを扱ったりインターネットで情報を検索し
たりする余地がなくなってしまいます。そのため、担当者はいろいろ工夫をし
て、皆様にはご不便かもしれませんが、1週間分だけ表示する方法を設計し、
何とか運用にこぎつけることができました。
                     (企画経営部 樋田史郎)
                    海況調査の研究と情報システム担当


●[イベント]夏休みこどもワクワク・海・体験のお知らせ
申し込みの締切は8月8日(金曜)ですが、まだ余裕がありますので、多数お
誘いあわせの上申し込みください。
http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/event/20030827/guide/

昨年の様子はこちら
http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/event/20020820/report/
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[最近のホームページ更新情報(7月22-24日)]
平成14年度業務概要(pdf形式)をダウンロードいただけます。
東京湾溶存酸素情報2003年7号
漁況情報・浜の話題No03-13(7月23日号)
神奈川県近海海況予報(平成15年7月)

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[編集後記]
 第1-2号は内容がちょっと硬かったかな?と思っておりましたが、今回は
舞台裏の話を書いていただけました。メールマガジンではなるべく報告書等に
はなりにくいエピソードを中心にご紹介できればと思っています。 
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発行:神奈川県水産総合研究所 企画経営部
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2311
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