神奈川県水産総合研究所 メルマガ005

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水総研メルマガ VOL.005 2003-8-8

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.005 2003-8-8
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当研究所の研究員が、現場で体験したり考えたりしていること、また調査内容
についてのご紹介をいたします。

●今が旬の魚貝類
 8月に入り食欲が落ち、夏バテの症状が出る季節となりました。今回は夏が
旬の魚貝類とその特徴について紹介します。
 まずは、以前も紹介した「まあなご」です。夏に漁獲量が多く、冬場に回遊
してきた稚魚がちょうど食べ頃に成長します。うなぎほど脂肪が多くないため
食べやすく、ビタミンAを豊富に含むことから目の働きに効き、妊婦・授乳婦
さんが取ると良いとされています。

 次に県下の沿岸漁業で最も多く漁獲される「まあじ」です。味が良いからこ
の名前が付いたという説もあります。漁獲量が多いのは春先ですが脂が乗り美
味しいのは夏です。アミノ酸や中性脂肪低下と脳の働きを促進する脂質を多く
含み、味に癖がないため人気者です。

 まあじと同様に定置網でよくとられる「いさき」も旬を迎えます。時季によっ
ては小型魚がたくさん定置網に入るため「ごっそり」と呼ばれ、嫌われること
もあります。しかし夏には脂が乗り、「まだい」にも劣らない食感が味わえま
す。ビタミンDが多く骨や歯を丈夫にします。塩焼きや刺身が最高です。

 最後に貝類です。かきなど多くの貝は冬に旬を迎えますが、「あわび類」は
産卵期が他の貝と異なるため、夏に旬を迎えます。この時季はグリコーゲンが
増え甘みを引き出すアミノ酸と融合し絶妙の味となります。ちょっと高価です
が、夏野菜と一緒に冷水に散りばめた「水貝」という料理が絶品です。あわび
類だけでなく魚貝類はアミノ酸の一種であるタウリンを非常に多く含みます。
タウリンは肝臓の働きを活発化させ、筋肉のエネルギー源の浪費と疲労物質で
ある乳酸の蓄積を抑える働きがあります。夏バテには「魚貝類」が効きます。

 なお、魚の旬の詳細については当所ホームページのお魚カレンダーをご覧く
ださい。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f430693/p550040.html

                   (企画経営部 仲手川 恒)

●漁業ほど先進的な産業はない
 漁業について一般の方々が抱くイメージはどのようなものであろうか?朝の
テレビニュースの合間に放映される漁村や水揚場の風景等は、どこかホッとさ
せ、郷愁を感じさせるものが多く、いわゆる先進性とはかけ離れたものとの感
が強い。先進性というと、ハイテク・バイテク・IT産業といったもので、漁業
はその対極としてイメージされてと思われる。しかし、あえて"漁業ほど先進
的な産業はない"と私は言いたい。

 今日でこそ地球温暖化等の問題で地球環境を損なわず限りある資源を有効利
用し、持続的な経済活動を行うことが全ての産業に求められつつあるが、自然
と調和し資源の持続的利用を行うことについて漁業ではすでに認知済みなので
ある。漁業は基本的に取り巻く自然環境を変えずに、そこから産する水産資源
を利用することで成り立っている。自然環境の悪化や資源の使いすぎは漁業自
身の存続に関わってくるため、自然環境の保全や資源の持続的な利用というこ
とは、漁業にとって自明のことなのである。こうした意味で漁業は他産業に先
んじており先進的であると考える。

 ただ漁業においても全てうまくやってきた訳ではない。漁業の歴史は乱獲の
歴史であるとも言われ、資源を使いすぎ減船等でその都度縮小してきた経緯が
ある。乱獲は資源が生み出される以上に漁獲することから始まるが、乱獲に陥
ると漁獲量や漁獲物の質が悪化するため漁獲生産額が減少する。この減少を補
おうとさらに操業回数を増やしたり、漁具を改善したり、漁船を改良したりし
て漁獲を増やす努力が払われる。その結果として資源の状態がさらに悪化する。
このような過程がスパイラルに進んでいって、資源と漁業経営の状態を悪化さ
せていくのである。

 こうした経過はなにも漁業に限ったことではない。真に生み出される益以上
に投資を繰り返した行為は、90年代初頭に我々が経験したバブル経済も同様の
構図といえる。当時は、経済・経営のプロも含め国民全体が景気の上昇を信じ
て疑わなかったのだから、これを制御し管理する難しさは並大抵ではない。し
かし、こうした隘路から抜け出せなければ、持続的な経済活動など絵空事なの
である。

 漁業の歴史は乱獲の歴史などと過激なことを述べたが、これまで漁業が天然
資源を利用する形態のまま存続しえたことには、海産生物のもつ再生産力の強
さと自然と調和してきた先人たちの知恵があったからである。かなり昔から漁
業者たちは漁具や漁期、漁場等の制限等の資源管理を自発的に行っており、限
られた地先の中で水産資源を永続的に利用する努力を重ねてきた。様々な自然
環境・社会環境の変化の中で、生業として地域に根付いた経済活動を持続して
きたのである。おそらく、現代人が漁業の風景をみてホッするのは、この持続
性や永続性を感じさせる面にあるのではなかろうか。

                   (栽培技術部 一色 竜也)

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[最近のホームページ更新情報(8月4-6日)]
相模湾(江の島から大磯)で赤潮が発生
漁海況月報7月号(海況・三崎水揚)を掲載
漁海況月報6月号(定置水揚)及びPDFファイルを掲載

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[編集後記]
 前回の編集後記で紹介した「小田原みなとまつり」は、たくさんの人で賑わっ
ていました。当所の研究員が魚の販売の手伝いをしたようですが、鮮度がよく
値段が安くても実際に売るには一苦労だと言っていました。いい経験をしたよ
うです。

 みなとまつりの写真はこちら。
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