神奈川県水産総合研究所 メルマガ006

掲載日:2014年1月18日

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.006 2003-8-15
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当研究所の研究員が、現場で体験したり考えたりしていること、また調査内容
についてのご紹介をいたします。

●岩礁域で稚仔魚を捕まえる難しさ
 小田原市の御幸が浜では、護岸および養浜を目的としてコンクリートブロッ
クなどの海中構造物が海岸線に沿って大規模に設置されています。これらの施
設は人工リーフ(リーフとは礁とか浅瀬という意味です)と呼ばれていますが、
本研究所ではこれら構造物およびそこに繁茂したカジメやアラメなどの海藻群
(ガラモ場)が魚貝類や環境に及ぼす影響について調査を行っています。

その一環としてリーフ周辺に分布する卵・稚仔をプランクトンネットによっ
て採集し、どのような魚がリーフ周辺で産卵し、生育しているかを調べていま
す。しかし、干潟のアマモ場は底が砂地なので曳き網で稚仔魚を採集すること
は容易なのですが、岩礁域のガラモ場の場合、底がでこぼこなので曳き網では
網が破れてしまいます。

このため、アマモ場における稚魚育成機能に関する研究は数多く行われてい
るのですが、ガラモ場に関する調査はほとんど行われていないのが現状です。

本調査では浮玉をネットにつけてリーフ上を曳網しながら卵稚仔を採集して
いますが、この方法ではリーフ周辺で浮遊している卵仔魚は採集できますが、
岩礁域に着底した稚魚は採集できない欠点があります(図参照)。稚魚の採集
のためには敷き網や籠を用いるなどさらに工夫をする必要がありそうです。

(資源環境部 秋元 清治)
曳網による卵稚仔の採取

●イカから出た白い糸
先日、イカの実験でスルメイカを切っていたところ、なにやら白い糸状のも
のが肉の中に!これは・・・と思い爪楊枝で引っ張り出すと、そこには、全長
2cmくらいの、かの有名なアニサキスの姿がありました(写真)。
今回の実験は、保存条件で味が変わるかという内容もあったので、わが研究
所の所長をはじめ職員のかなりの方が食味試験として、このスルメイカをすで
に食べていました・・・。

この寄生虫は、魚介類での寄生対象が幅広く、北日本の魚で比較的多く見ら
れます。関東のスルメイカは、北海道周辺でアニサキスに寄生したイカが、秋
から冬に関東近海にくるため秋から冬に寄生が多くなといわれています。ほ乳
類への寄生はイルカ・クジラがほとんどで、ヒトなどでは一時的に胃を刺して
も、長期間生き残ることはほとんどありません。

当研究所の職員でアニサキスに感染したことのある人を捜すと十年以上前に
一度だけという方がいました。そのときは胃の縮むような痛さが繰り返し来る
そうで、病院で治療してもらったそうです。そのときの教訓は"良く噛んで食
べること"だそうです。

職員は職業柄、皆、生魚を食べる機会が多いのですが、アニサキスが口に入っ
ても実際に寄生するのはほんの一部ではないかと思います。今回も所長以下病
院に運ばれた人はいませんでした。

さて、アニサキスへの対策は、目で見てわかるものは食べない。焼く(当然
刺身にはなりません)。凍結する(マイナス20℃以下、24時間)。そして、良
く噛んでたべることです。

                       (企画経営部 菊池 康司)
アニサキス(写真)

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[最近のホームページ更新情報(8月7-13日)]
さかなのあれこれ「カマス」
漁況情報・浜の話題No03-14(8月7日号)
赤潮の説明 「Heterosigma akashiwo(ヘテロシグマアカシオ)について」
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[編集後記]
 今回は寄生虫の話が紹介されました。正直気持ちが悪いという方もいらっしゃ
ると思いますが、魚介類が自然界で他の生物との関係の中で生きているという
ことを強く感じます。"天然のもの"だからこそということです。
 このような"天然のもの"を獲って、規格をそろえ食卓まで届けているのです
から、漁業の現場というのは大変なものです。
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