神奈川県水産総合研究所 メルマガ010

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水総研メルマガ VOL.010 2003-9-12

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.010 2003-9-12
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当研究所の研究員が、現場で体験したり考えたりしていること、また調査内容
についてのご紹介をいたします。

●種苗生産を支える名脇役(1)

 種苗生産を行うにあたり、活躍するのは我々担当職員だけではありません。

 生物を大量に生産(飼育)するには、職員の知識や経験、体力だけでは役不
足です。

 皆さんもご存知のとおり、現在、様々な産業において各種先端機器が導入さ
れ、生産性の発展と安定に最大限の貢献をしています。
 当研究所の種苗生産施設も同様で、海産生物の飼育を目的とした設備、機械
が存在しています。又、施設の特性に見合うように、それぞれ工夫と改良を加
えております。

今回は、種苗生産施設の要である海水供給設備の取水ポンプについて紹介しま
す。

 設備は、当研究所の最も海側にある専用の建物に配置され、24時間休むこ
となく生産施設の各所へ海水を供給しています。取水ポンプは4台並列にされ、
生産状況による海水消費量に対応して自動的に稼動台数を選択します。

 ポンプの形式は片吸い込み渦巻き型で、特徴は高揚程(高いところに水を揚
げる)能力に強く、結果的に海水を遠くへ効率的に送ることができ、動力はA
C200V、出力は18.5kw/台で、4台運転時の最高取水能力は毎分1
2トンが可能です。これは1日で17,000トンという膨大な量を供給でき
ます。

 標準仕様とくらべて特徴的な改良点は、海水を使用することから防錆力(サ
ビにくい)の強化しました。さらに、本体外蓋、および内部ライニングにエポ
キシ系の塗料を施し、主要部品のほとんどにステンレス材を採用した特注仕様
です。

 設備の管理担当者は毎日、定時(朝、夕2回)に巡回を行い、記録事項(稼
働台数、運転電流、海水吐出圧など)を記帳して、運転状況に異常がないかを
確認しています。又、定期的なメンテナンス(消耗部品の交換)や、取水配管
内部の付着生物(ムラサキイガイ、アカフジツボ)の増殖による取水能力の低
下を防ぐために、配管経路の分解清掃を1-2回/年程度実施しています。

 このように、日頃から保守管理に気を配ることで海水の安定的な供給が確保
されることにより、飼育担当としては心置きなく種苗の生産業務に従事するこ
とができますので、各種機器をこの上ない重要なパートナーと考えています。

                      (栽培技術部 山田 敦)

取水ポンプの写真はこちら

●愛嬌顔の優雅な魚「アカアマダイ」
 相模の海には1300種余りの沢山な魚介類が生息し、これら海の恵みによっ
て多彩な漁業が営まれているとともに、多くの人たちが四季を通じて遊漁を楽
しまれています。

 丸くて大きな目とおでこが際だった愛嬌顔のアカアマダイは、鮮やかな紅色
の衣装を身に纏った優雅な魚であり、分類学的にはスズキ目アマダイ科に属し、
仲間には本種を含めてシロアマダイ、キアマダイなど5種類が知られており、
本州中部以南から南シナ海の水深30-150mの砂泥域に巣穴を掘って生活
しています。

 本県でもアカアマダイは、久里浜沖から城ヶ島沖にかけての東京湾口部、三
浦半島西岸から真鶴沖にかけての相模湾に広く生息し、延縄や刺網などの漁法
により年間12-13トンが漁獲されているほか、遊漁でも釣り方が簡単であ
るため冬期のメインターゲットとして人気が高く、大勢の釣り人が寒さにもめ
げず各地の遊漁船やマイボートで出船しており、相当な量が釣られているよう
です。

 アマダイは、水分が多く身が柔らかいため一塩して調理すると美味しくなる
そうで、シロアマダイの食味が最上とされていますが、古くからの名産品とし
て名高い「若狭ぐじ」や「興津鯛」は、アカアマダイの開きを一夜干ししたも
ので淡泊で上品な味わいがあり、このほかに酒蒸しや椀物、昆布締めの刺身な
ども絶品です。

 しかし、もともと高級魚であったアカアマダイは、皆さんの食卓に上る機会
は稀でしたでしょうが、近年の全国的な漁獲量の減少傾向により益々もって高
嶺の花的な食材となってしまいました。

 このため、最近になってこの資源を少しでも増やそうと(社)日本栽培漁業
協会や京都府、長崎県などで作り育てる「栽培漁業」の取り組みが始まりまし
たので、安定した生産と放流の技術が開発されれば、いつの日にか相模の海に
もアカアマダイの稚魚が放流されるようになるかもしれません。

                        (栽培技術部 沼田)

アカアマダイの写真はこちら

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[最近のホームページ更新情報(9月1-9日)]

漁況予報「いわし」2003年9-10月号
ヤコウチュウによる赤潮が広範囲で発生
城ケ島沖浮魚礁ブイの現在位置を世界測地系(WGS84)に改めました。
夏休みこどもワクワク・海・体験 イベント報告を掲載しました。
漁海況月報7月号(定置水揚)及びPDFファイルを掲載しました。

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[編集後記]
 9月6-7日に東京水産大学で開催された公開講座「釣りの科学 -釣りの未
来を考える」に参加してきました。釣りの歴史、文化、制度、現場、資源問題
等について大学の先生だけでなく、作家の方や養魚場関係者、釣り船の船頭さ
ん等様々な立場の方から、大変興味のあるお話をきけました。
 当県でも、遊漁に関する検討会を行っているところですが、外部の方の話を
もっと聞かないといけないと改めて実感しました。

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