神奈川県水産総合研究所 メルマガ013

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水総研メルマガ VOL.013 2003-10-3

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.013 2003-10-3
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研究員コラム
 ・相模湾のマアナゴ調査(資源環境部 清水詢道)
 ・三崎瀬戸の魚たち(海洋情報部 加藤健太)

神奈川県の漁協紹介
 ・第2回 横須賀市東部漁業協同組合
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●相模湾のマアナゴ調査

 当所では、東京湾のマアナゴ資源についての調査を10年ほど続けていますが、
相模湾のマアナゴについてはまったく手をつけてきませんでした。昨年、小田
原沖でアンコウの調査を行った時に、東京湾ではめったにお目にかかれない大
きさのマアナゴが採集され、漁業の対象として期待できそうだし、アナゴ研究
者としての興味もわき、是非調査してみたい、と思いました。

 さいわい調査船の日程も確保でき、今年の9月16-17日にかご網50個を使って
小田原沖水深250m線で調査したところ、全長37cmから98cm(平均65cm)のマア
ナゴ31尾を採集することができました。東京湾ではあなご筒漁業が盛んなので、
こんな大きさまでは生き残ることが難しいのでしょうが、相模湾では筒漁業が
少ないこともあってここまで成長できるのではないか、と考えています。

 これから、できればもっと浅い海域でも調査を行って、相模湾のマアナゴ資
源の姿をとらえていければ、利用の方向もわかってくるでしょう。マアナゴの
他には、ヌタウナギ約400尾、ドンコ(エゾイソアイナメ)同じく約400尾、全
長132cmのダイナンアナゴなどが採集されました。

 ちなみに、試食した人の感想は、「東京湾のマアナゴの方が柔らかくて脂が
のっているようだ」ということでした。

                      (資源環境部 清水 詢道)

巨大!ダイナンアナゴの写真はこちら


●三崎瀬戸の魚たち

 水総研では、ヒラメ、サザエ、トコブシなどを種苗生産するため、城ヶ島と
対岸に三崎の町を隔てる三崎瀬戸から海水を汲み上げています。汲み上げた海
水は、大きなゴミを取り除くため、鉄製の柵で6区画に区切られた遊水池と呼
ばれるコンクリート槽にいったん集められます。

 遊水池を毎日観察していますと、様々な魚が海水と一緒に入ってきているこ
とがわかります。思いつくままに羅列しますと、カワハギ、キタマクラ、ネン
ブツダイ、メバル、ササノハベラ、キュウセン、ウミタナゴなどなど。これら
は付近の磯でよく見かける魚たちです。
 他にも、サヨリ、ウツボ、イサキ、ドチザメ、ミノカサゴ、ウミヘビなど、
一見なぜこんなところにいるのだろうかと思われるような魚が導水管を通って
入ってきます。

 岸壁を観察すると、クロダイ、メジナ、ヘダイ、マダコなど。夏にはカンパ
チ、カマス、死滅回遊魚(※)であるソラスズメ、チョウチョウウオ、ハタタ
テダイが、冬にはスズキ、ウルメイワシ、アオリイカ、イセエビなども見られ
ます。

 三崎瀬戸は、たくさんの船が航行し、コンクリート護岸も多いのであまり魚
がいないように思われるかもしれませんが、黒潮系の水が流れ込んだり、相模
湾と東京湾の両方から暖かい水と冷たい水が出入りし、様々な魚が見られると
ころです。潜水調査を行った研究員がオニカマス(約1m)に遭遇したなんてこ
ともあります。岸壁から見えない海の中には、我々の印象と違う世界があるの
です。

※死滅回遊魚・・・南方で孵化した後、黒潮に乗って本州沿岸に流れ着いた魚。
多くは冬の低水温に耐え切れず、南に回帰できないまま、その生命を終える。

                      (海洋情報部 加藤健太)

三崎瀬戸様子はライブカメラで見ることができます。
http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/Live/suicam.asp

■神奈川県の漁協紹介 第2回 横須賀市東部漁業協同組合

 横須賀市内には横須賀市東部漁協、横須賀市大楠漁協そして長井町漁協とい
う3つの漁業協同組合があります。そのうち東京湾側に位置するのは、今回ご
紹介いたします横須賀市東部漁協(三浦 榮組合長)です。

 横須賀市東部漁協は、横須賀、走水大津、鴨居、浦賀久比里、久里浜、北下
浦の6つの支所を持ち、300数十名の組合員からなるとても大きな漁協です。

 組合本部は横須賀市平成町にあり、あのhideミュージアムも近くにあります。

 この横須賀市東部漁協では、支所毎に漁業種類にも特徴があり異なりますが、
主に小型底びき網、刺し網、まき網、定置網、たこつぼ、そしてワカメ・コン
ブの養殖が行われています。

 農林統計(平成13年度)によると、年間で約1930tの水揚げがあり、県民一
人あたり水産物消費量から計算すると約28,000人分/年にあたります。

 参事の田中さんから最近の漁協の取り組みについてお話を伺いました。

「近年は限られた資源を大切にしなければならないということから、漁業者も
捕るだけではなく、つくり育てる漁業に取り組んでいます。水産総合研究所や
(財)栽培漁業協会がマダイやヒラメ等の放流を行っておりますが、組合も独
自の事業として様々な魚種の放流を実施しています。

 漁港内に魚を飼育する施設を整備し、組合の若手の後継者グル-プが中心と
なって、ヒラメやカサゴ、マコガレイ、ホシガレイ等を中間育成することで、
サイズを大きくしてから放流しています。また、同じ種類の魚種を3-5年程
度繰り返し放流することで、効果を高めるように工夫しています。このように
自らが中間育成することで資源保護に対する意識も向上してきているようです。」

参考:平成14年の放流実績
 カサゴ:21,000尾(うち組合での中間育成3,000尾)
 ヒラメ:29,500尾(うち組合での中間育成22,000尾)
 ホシガレイ:800尾(うち組合での中間育成800尾)
 ガザミ:750,000尾
 マダイ:120,000尾
 アワビ:600個

                  (取材 企画経営部 小川砂郎)

横須賀市東部漁協と中間育成施設の写真はこちら

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[イベントのお知らせ]
「かながわ おさかな週間」が行われます。
開催日 10月17日(金曜)-10月19日(日曜) 10時-16時 
場所 三浦市三崎5-3-1「うらり(三崎フィッシャリーナ・ウォーフ)」
TEL:046(881)6721
http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/event/20031017/
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[最近のホームページ更新情報(9月30日-10月1日)]
漁海況月報8月号(定置水揚)及びPDFファイルを掲載しました。
さかなあれこれ「カツオ」を掲載しました。

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[編集後記]
ダイナンアナゴは本当に大きくて驚きます。私も試食してみましたが、その
時の様子は、10月末頃発行のメルマガでご紹介できると思います。
 次回の漁協紹介は「江の島片瀬漁協」を予定しております。
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発行:神奈川県水産総合研究所 企画経営部 担当 小川
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