神奈川県水産総合研究所 メルマガ017

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水総研メルマガ VOL.017 2003-10-31

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.017 2003-10-31
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□□研究員コラム
・巨大あなごを食べてみました。(企画経営部 菊池 康司)
・死魚は語る(栽培技術部 長谷川 理)
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●巨大あなごを食べてみました。
 当研究所の調査では、目的以外にいろんな魚が獲れてきます。それは、キン
メダイの調査にムツやメダイが取れるように、ごく一般にお店に並んでいる魚
の場合もありますが、最近のマアナゴ調査で、全長1.3mもあるダイナンアナ
ゴが獲れるなど、普通お店では見かけない魚の場合もあります。

 お店で見かけない理由は、めったに取れない珍しい魚である場合と、何らか
の理由で食べない場合があります。

 せっかく獲れるのに食べない魚というのはどういうものでしょうか?たとえ
ば、アブラソコムツやバラムツという魚を食べると、そのパラフィン物質によ
り、たいていの人はおなかをこわしてしまいます。これでは商品として売るわ
けにはいきません。

 今回のダイナンアナゴは特におなかを壊すわけでもありません。しかし、お
いしくないので売れない、という理由で獲れても捨てられてしまうことが多い
ようです。

 ここ十数年来、水産関係では資源管理ということが盛んに言われています。
しかし、一方では、おいしくないとの理由で、捨てられてしまう魚がいるのも
事実です。基本的には獲ったものはすべて利用する。これも水産資源には大切
なことだと思います。

 そこで、ダイナンアナゴを、刺身、から揚げ、煮付けにして食べてみました。
その味は、口に入れたとき、少なくとも私は、意外なほどおいしいと感じまし
た。しかし、よく噛むとというか噛み締めると、なんとなくギシギシした食感
で味が台無しです。

 口に入れてから飲み込むまでを味とすると、やっぱりおいしいとは言えませ
ん。こういうものをおいしく食べられるようにする研究も、今後ますます重要
なものとなっていきます。

巨大アナゴ料理と試食の様子はこちらから


●死魚は語る
 2年前のある日、ヒラメの飼育池において注水が止まり、酸欠による大量斃
死事故が発生しました。この事故が発生した池では、親の由来が異なる2系統
のヒラメを混合飼育していました。

 慌てて問題箇所を復旧して注水を再開しましたが、時すでに遅く、鰓蓋を開
いて斃死している個体が池の底に多数散見されました。

 死亡した個体を取り除いていたときに思いがけないことに気付きました。そ
れは、斃死したほとんどの個体は、片方の系統に由来していたのです。

 魚の酸素要求量は、魚種毎に異なっていることは一般的に広く知られていま
す。例えば、コイや金魚などの仲間は水中の溶存酸素が極めて少ない環境下で
も成育していくことができますが、海水魚(特にブリやタイなど動きの活発な
種類)は酸素要求量が多く、少しでも水中の溶存酸素量が減少すれば酸欠によ
り摂餌量が減少したり、時には斃死に至る場合もあります。

 しかし、この事故から同じ種であっても遺伝的由来が異なれば、酸素欠乏に
対する生物特性に違いがあるという貴重な知見が得られました。一般的にヒラ
メの生産は陸上で行われることが多く、ポンプで揚水した海水を飼育池に注水
しており、停電等における酸欠事故の危険性が常に伴っています。

 仮に、今回の事故に気付くのが1時間遅れていれば、2系統ともに死亡して
いたことが予想され、系統間による酸欠耐性の差異を確認することは出来なかっ
たでしょう。まさに「災い転じて福となる」と言えるのではないでしょうか。

 犠牲になった魚の命を無駄にしないためにも、この酸欠に対する耐性形質に
ついて遺伝的な側面から詳細に調査して、酸欠耐性魚の開発に取り組んでいく
ことを計画しています。

ヒラメ飼育施設の写真はこちらから
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■神奈川県の漁協紹介
申し訳ありません。今回はお休みです。
次回は、葉山町漁協の予定です。
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[最近のホームページ更新情報(10月23-28日)]
漁海況月報9月号(定置水揚)及びPDFファイルを掲載しました。
漁況情報・浜の話題の10月23日号(No03-18)を掲載しました。
さかなのあれこれ 「クロシビカマス」と「イシダイ」の図表を掲載しました。
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[編集後記]
 メルマガ013号でご紹介した、巨大アナゴの試食について掲載いたしました。
刺身でも食べましたが、とにかく脂がきつく、いつまでも口に残る感じでした。
しかし、東京湾では最近釣りの対象にもなっているようですし(クロアナゴと
呼ばれている種。同じ種類かどうか不明です)、上手な調理方法が確立すれば、
有効利用できるのではないでしょうか。1匹釣れば何人分になるか…。
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