神奈川県水産総合研究所 メルマガ022

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水総研メルマガ VOL.022 2003-12-5

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.022 2003-12-5
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□□研究員コラム
・絶滅危惧種の淡水魚・ギバチ・内水面試験場の生態試験池で繁殖
(内水面試験場 勝呂尚之)
・定置網漁業で大切なこと(相模湾試験場 石戸谷博範)
□神奈川県の漁協紹介
・第10回 岩漁業協同組合
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●絶滅危惧種の淡水魚・ギバチ・内水面試験場の生態試験池で繁殖
 内水面試験場では、タナゴ類・ホトケドジョウ・メダカ等、絶滅に瀕した淡
水魚の保護に取り組んでいます。

 ナマズの仲間の「ギバチ」についても、種苗生産の研究や生息地の復元試験
を行ってきました。今回、試験場内の人工河川「生態試験池」で復元試験を行
い、ギバチの繁殖が確認されました。

 ギバチは、河川中流や支流域にごく普通に生息していましたが、水質汚濁や
河川改修等により激減しました。

 現在の県内での生息地は僅か2ヶ所です。試験場では、本種の種苗生産の研
究に取り組み、1999年に初めて水槽内の産卵に成功し、たくさんの稚魚を得る
ことができました。

 これで、神奈川産のギバチの飼育下での保護については、見通しがつきまし
たが、絶滅危惧種を保護する最終目標は、自然の生息地を保全・復元すること
です。

 生態試験池は、河川伏流水を導入した約400平方mの人工河川です。この人工
河川に2000年8月に、試験場で種苗生産したギバチ稚魚50尾(平均体長6.9cm)
を放流しました。

 ギバチが繁殖しやすいように、十数カ所にブロックを設置し、自然状態の
ままで、経過を見守りました。

 今年、夏には夜間に水草の間に見え隠れする稚魚を発見、10月に採集調査を
行ったところ、7尾の親魚(平均体長15.6cm)と31尾の繁殖稚魚(平均体長
4.6cm )が確認されました。

 試験場には見学者コースが設置されており、平日の9時から午後4時まで見
学できます。生態試験池も見学者コースにあり、大型の覗き窓から水中も観察
できます。

 ギバチは夜行性ですから、昼間は寝ているので、発見は難しいかも知れませ
んが、運がよければギバチの赤ちゃんが見れるかも。

                  (内水面試験場 勝呂尚之)
ギバチと生態試験池の写真はこちら


●定置網漁業で大切なこと 
 定置網は四六時中海中にある。波も立つ、潮もいく、風も吹く、台風が来る、
急潮も来る、気にしなければならないことは、次から次へと山の様に迫ってく
る。

 大船頭、漁労長、漁場長、組合長、社長、定置担当理事は、いろんなことに、
気を配る。骨を折る。先を読む。この苦労を乗り越える。仕事に追われるので
はなく、仕事を追い越す。

 それをやらなければ、魚が入らない。水揚げが挙がらないと従業員に良い給
料が払えない。人が減る。新しい資材が買えない。網が疲労してくる…網が流
れる…。

 大切なことの第一は、地味なことだが、常に漁具全体のことに気を配ること。

 例えば、錨や土俵は安定しているか、綱は緩んでいないか、綱に擦れ、破損
はないか、浮子は割れて含水していないか、浮子下の仕込みは疲労していない
か、台浮子の紫外線曝露は遮断しているか、台浮子下のタマコは擦れていない
か、側張のワイヤーは被覆が剥がれていないか、

 コッキリはへたっていないか、垣網・運動場は海底に余裕をもって着底して
いるか、鉛網は海底に半分着底しているか、差込は2号前と重なっていないか、
登網は崖になっていないか、

 わらじ脱ぎは重なっていないか、3枚口は正常展開しているか、アゴ下・ヒ
ジには魚群が泳ぐ余裕があるか、箱網は十分に容積を保っているか、浮子方は
水面上にあるか、

金庫網への廊下網はねじれていないか、各網の連結ハケエはゆるみ・穴はない
か、漁具全体が付着物で汚れていないか、漁具が沈んでいないか、耐用年数に
よる各部の交換時期は迫っていないか…。

 それが、巨大な構造物を海中に長期間敷設して魚群の入網を待つ、この漁業
の宿命と使命だから。

                     (相模湾試験場 石戸谷博範)
相模湾試験場のホームページ
http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/sagami/menu/menu.asp
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■神奈川県の漁協紹介 第10回 岩漁業協同組合
 真鶴駅から約1kmにある、小さな入り江の岩海水浴場。目の前には真鶴道
路の岩大橋が見えます。入り江の右側、水色のちょっとレトロな雰囲気の漂う
建物が岩漁業協同組合です。

 組合長の青木勝海さんにお話を伺いました。

「昔から定置網漁業を中心とした漁業が営まれてきました。時代を遡ると、昭
和の時代、特に20年代後半から30年代にかけてはブリが大量に捕れていました。
 当時は定置網に従事する漁師も200名を数えました。1日での最高漁獲は、
一網に6万本のブリが入った記録が残っています。

 現在は定置網に従事する漁師は12名。アジ、イサキなどを中心とした水揚げ
で、今年はサバがたくさん入りました。

 普段は直接小田原港に水揚げしますが、量が少ないときは岩で水揚げして、
小田原まで陸送します。導入したばかりの殺菌冷却海水装置の海水とたっぷり
の氷で鮮度を十分保つよう努力をしています。」

 また、他の漁協と異なる特徴的な事例として、10年程前から始めた組合直営
の「岩ダイビングセンター」があります。

 組合の理事で、このセンターの責任者をしている山本真人さん(山真丸)に
もお話を伺うことができました。

「他の組合では、ダイビングの専門業者と共同経営の形が多いですが、岩では
ダイビング事業は漁協の直営です。

 組合内での調整もとりやすく、漁業者とのトラブルがありません。
 例えば、潜る時間と刺し網(エビ網)をかける時間等きちんと操業実態にあ
わせた調整が行われています。

 地理的にも恵まれており、ダイビングスポットは船でわずかに2-3分の距
離です。

 ボートでのスポットは、「ばけ根」「ロックトライアングル」「お花畑」と
呼ばれる中上級者向け、初級者向けとしては、ビーチエントリーのスポットも
あります。夏にはナイトダイビングも可能です。
 年間2500から3000人の利用者が訪れます。」

 岩漁協はその他にも、若手グループによるヒオウギガイの養殖や、ボート保
管の事業等、様々な取り組みによる経営の安定化に取り組んでいます。
                   (取材 企画経営部 小川 砂郎)

岩漁協の写真はこちら
岩ダイビングセンター
http://www.iwadive.com/
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[最近のホームページ更新情報(11月28日-12月2日)]
漁況情報・浜の話題の12月2日号(No03-21)を掲載しました。
漁海況月報10月号(定置水揚)及びPDFファイルを掲載しました。
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[編集後記] 
 第20号でお知らせしたとおり、今回は内水面試験場と相模湾試験場の研究員
にも原稿を書いてもらいました。定置網については、耳慣れない用語がたくさ
ん登場しました。私も正直なところよくわかりませんが、多くの部位からなる
ため、全体を把握するのは大変だ、ということはわかりました。
 漁協紹介は10回目までたどり着きました。支所も含めればまだご紹介しなけ
ればならないところはたくさんあります。また、漁協毎にいろいろな特色があ
りますので、これからも期待していてください。がんばって取材します。
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