神奈川県水産総合研究所 メルマガ024

掲載日:2014年1月18日

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.024 2003-12-19
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□□研究員コラム
・ヌタウナギのこと(資源環境部 清水 詢道)
・干潟の効用(海洋情報部 加藤 健太)
□神奈川県の漁協紹介
・第12回 みうら漁業協同組合
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●ヌタウナギのこと
 ヌタウナギという魚をご存知でしょうか。原始的な円口類という分類群に所
属し、形は一見ウナギやアナゴなどに似ています。

 筒漁業やかご漁業で混獲されることが多いのですが、体の表面から多量の粘
液を出し、漁具を汚したり、他の魚を窒息死させてしまう、どちらかというと
嫌われ者の魚です。食べてみると意外においしいのですが、食用にしているの
はごく一部の地域だけのようです。  

 韓国では、皮製品(eel skin)の材料として、大変珍重されています。釜山
を中心とするeel skin製造は一時は百億円規模の産業だったようですが、最近
は乱獲によって漁獲量が減少したため、日本からもヌタウナギを買おうという
動きがあるようです。

 ヌタウナギの産卵期は夏で、卵は風邪薬のカプセルに似ていて大型、1尾の
雌がもつ数は数十個、卵の数が少ないことが乱獲になった原因ではないかと考
えられています。

 現在は漁業の対象として考えられてはいませんが、もしかすると将来有望な
資源かもしれません。その時には、韓国の例を参考にして、資源管理に十分に
注意する必要があるでしょう。
                   (資源環境部 清水 詢道)
ヌタウナギとその卵


●干潟の効用
 干潟というと潮干狩りをイメージする方が多いと思います。東京湾の三番瀬
や諫早湾の干潟が有名です。なぜ最近干潟が大きなニュースとして取り上げら
れるようになったのでしょうか。それは人々の目が環境問題への向けられるよ
うになった風潮が大きいでしょう。

 では、なぜ干潟が環境問題に結びつくのでしょうか。生物多様性という言葉
が環境問題とともに使われるようになりましたが、この言葉の意味は読んで字
のごとく、多様な生物が生息場所に応じて相互の関係、つまりは生態系を形づ
くる世界のことです。

 そこに住む生物が多様なほど複雑な生態系を構築しています。その典型的な
例が干潟やサンゴ礁なのです。

 干潟には藻類、貝類、甲殻類など目に見えるものから、微小な細菌類まで非
常に多くの生物が生息しています。

 干潟には陸上からの栄養分が堆積し、また、遠浅であることと干満があるこ
とで光や酸素が供給されます。光合成を行うもの、堆積物を食べるもの、海水
中の懸濁物を濾過して食べるもの、それら生物をさらに食べるものなど食物連
鎖が形づくられています。

 これらの生物には海水や堆積物に含まれる有機物を分解するものもいます。
ある実験によると、平均的な親アサリ(サイズ27-28mm)1個は、1時間に1
リットルもの水を濾過しているそうです。

 生活・産業排水などとして東京湾に流れ込む炭素量が1日約300トンといわれ
ており、東京湾での現存量から推算すると、アサリは流入する炭素の約7%程
度を取り込み、その体内に固定しています。

 横浜市金沢区の海の公園人工干潟で行われた神奈川県の調査では、そこに住
むアサリによる濾過水量は1日あたり58-70トンでした。アサリ以外にもソト
オリガイ、イガイ、ヨコエビなど様々な底生生物がいるわけですから、トータ
ルの濾過作用はもっと大きいわけです。

 また、魚の稚仔魚の成育場所としての機能もあります。遠浅の干潟は稚魚に
とって、水を温め酸素とエサとなる底生動物(アミ、ゴカイなど)を供給し、
干潮時には海からの捕食者を遠ざけ外敵からの危険性を少なくします。筆者が
学生の頃、干潟の堆積物のサンプリングを行ったのですが、カレイの稚魚がた
くさん捕れ、驚いたことがあります。

 干潟はレジャーを楽しむためには比較的安全な場所です。潮干狩りやバード
ウォッチングなど気軽に楽しめますが、目に見えないものから見えるものまで
様々な生物が暮らしていること、それら生物が環境にも大きな影響を与えてい
ることを気に留めていただけたならと思います。

環境省の干潟に関するホームページ
http://www.higata-r.jp/
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■神奈川県の漁協紹介 第12回 みうら漁業協同組合
 三崎といえばマグロが思い浮かびますが、それは遠洋漁業の話です。

 では、三浦地区の沿岸漁業はどのような特色があるでしょうか。

 東京湾と相模湾という二つの湾に面したこの地区では、様々な種類の魚が水
揚げされています。松輪のサバ、三崎のキンメ、金田湾のイワシ…。これら様々
な漁業が行われている三浦地区の漁師達の多くは、みうら漁協に所属していま
す。

 組合員数約1200名。平成6年、9つの漁協が合併して誕生した県内最大の漁
協は、年間6000t以上の水揚げを誇り、漁業以外にも、信用事業はもちろん遊
漁船業、ダイビング、ヨット、海業事業にも広く携わっております。

 代表理事専務の河村隆さんと、職員の小川剛司さんにお話を伺いました。

「みうら漁協といっても各支所毎に様々な特徴があり、一言では説明できませ
ん。支所は独立採算に近い権限を持っており、得意な分野に力をいれています。

 松輪サバで有名な、松輪支所は間口港と江奈港の二つの港を持ち、一本釣り
や遊漁が得意な支所です。金田湾支所は定置網が主要な漁業です。

 通り矢支所は、サバのたもすくい漁業とキンメ等の底魚一本釣りが中心です。

 漁業以外では、宮川支所・通り矢支所におけるダイビングセンターや「みう
ら宮川フィッシャリーナ」が整備されている他、松輪支所には地魚を食べられ
る「エナヴィレッヂ」もあります。

 金田湾支所の海業センタ-では毎週日曜日に朝市も開催されています。この
ような様々な側面を持っているのがみうら漁協の魅力なのです。

 一方、漁船を建造する際の資金の貸し付け等、大きな資本を持つ組合ならで
はのフォローも可能です。

 とはいえ、漁協合併は大変苦労しました。合併の話が最初に出たのは、昭和
45年頃でしたが、ようやくここまでこぎ着けたというわけです。」

 三崎で水揚げされた魚は、「うらり」でも購入することができますし、通称
ログハウスと呼ばれる、三崎海業センタ-(運営:三浦海業公社)では漁協の
女性部による郷土料理も食べることができます。

 三浦は、まさに「海業(うみぎょう)」という言葉の発祥の地として、漁業
や町の活性化に大きく貢献しているといえるでしょう。

みうら漁業協同組合
http://www.jf-net.ne.jp/knmiuragyokyo/ 
(※各支所については改めてご紹介いたします。)
                 (取材 企画経営部 小川 砂郎)
みうら漁協の写真はこちら
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[最近のホームページ更新情報(12月17日-12月18日)]
漁況情報・浜の話題の12月18日号(No03-22)を掲載しました。
神奈川県近海海況予報(平成15年12月)を掲載しました。
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[編集後記]  ヌタウナギといえば、学生の時に実習で解剖したことを思い出しました。確
かに粘液がすごかった記憶があります。食べたことはありませんでしたが…

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