神奈川県水産総合研究所 メルマガ025

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水総研メルマガ VOL.025 2003-12-26

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.025 2003-12-26
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□□研究員コラム
・20歳を迎えた放流マダイ(栽培技術部 一色 竜也)
・漁海況予報、スーパーコンピュータに勝つ?(企画経営部 樋田史郎)
□神奈川県の漁協紹介
・第13回 横須賀市東部漁業協同組合浦賀久比里支所
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●20歳を迎えた放流マダイ
 この10月27日、小田原市場の市場調査中に今年20歳になるマダイが見つかっ
た。大きさは体長66.3cm、体重5.5kgと20歳魚の割には小振りである。20歳と
明確にわかったのは、魚体に標識タグが打ち込まれていたからである。

 一見すると、標識魚とは気がつかなかった。その背中に傷があり、そこを探
ると標識タグがでてきた(図1)。

 それには個体を識別する番号「KN83 N2255」が書かれていた。過去の報告
書を調べてみると、昭和58年当時に神奈川県水産試験場が種苗生産を行い、
(財)相模湾振興事業団が体長12cm程度まで育て、翌年1月に二宮沖で放流
した稚魚4000尾の内の1尾であった。なお、余談ではあるが、「KN83」とは神
奈川1983年を表している。

 大磯町漁協の漁師が瀬の海漁場でこの魚をタイの一本釣り漁法で釣った。瀬
の海漁場は放流場所のすぐ沖合にあたる(図2)。

 この漁場は相模湾でも主要な好漁場であり、遊漁、漁業とも毎度のように攻
めているポイントである。もし、20年間この場所で過ごしていたとすれば、大
変のすれっからしな奴である。
 釣った漁師に20歳魚だと知らせたところ、大変驚いておられた。

 神奈川県下の海には、毎年100万尾のマダイ稚魚が放流されている。稚魚の
大量放流は昭和53年に当時の県水産試験場が始め、その後(財)神奈川県栽培
漁業協会に引き継がれ現在に至っている。

 現在、神奈川県下では年間漁業と遊魚で凡そ100トンの捕獲量があると推定
されているが、このうち放流魚は3-4割を占めている。

 また、遊漁は漁業よりマダイを捕獲しており、その釣獲量は全体の6-7割
に及ぶ(図3)。すなわち、神奈川県のマダイ資源は稚魚放流によって支えら
れており、漁業者のみならず遊漁者もその恩恵に浴しているのである。

 産まれてからしばらくは人間から餌を貰って育てられた放流魚が、自然界に
放流されて、周囲の環境に慣れ、様々な誘惑(漁獲や釣り)に絡めとられずに、
天然魚でも高齢の部類に入るまで生き残っていたのは驚きに値する。
 この20数年に及ぶ栽培漁業の歴史が、今のマダイの資源水準維持に貢献して
いると考えられる。
                   (栽培技術部 一色 竜也)
マダイについていた標識の写真他


●漁海況予報、スーパーコンピュータに勝つ?
 予報と言えば、普通は「天気予報」が真っ先に思い浮かびます。天気予報の
的中率はどうでしょうか。現在ではかなりの的中率かと思いますが、皆さんは
どうお感じでしょうか。

 天気予報は自動観測網により膨大なデータを収集してスーパーコンピュータ
で予測をしています。一方、我々の扱っている漁海況予報は、まず観測網が気
象の世界とは比べ物にならないくらい寂しいものがあります。
 それは、海の上、さらには海の中は、陸上と比べて観測が大変だからです。
そして、海の観測データはスーパーコンピュータで計算するほど集められてい
ないわけです。

 かなり当る天気予報も半年先の長期予報になると結構外れます。水産の分野
では、国と都県の水産研究機関が知恵をしぼり、長期予報を出しています。

 この長期予報は、黒潮の変動の予測が大きな関心事になっています。それは、
黒潮沿岸の海は、黒潮の変化のしかたしだいで大きく変化するからです。予測
の第一歩は、実際に海がどのように変化してきたか経過を把握しなければ話し
になりません。

 経過は、各都県が調査船で毎月海の中を観測して、半年間どのように黒潮が
動いてきたかを把握します。このような観測で得られたデータは、気象の観測
網と比べると寂しいものがありますが、とても貴重です。

 予測は、半年の経過と似た例が過去にあるか、北緯20°付近の南の海の流れ
の変化と類似があるようだ、等、人間的な議論を経て予測します。

 その結果は、例えば「神奈川県近海海況予報」のようになります。去年の予
測は、海洋科学技術センターの世界一のスーパーコンピューターが計算した予
測よりも現実に近い予測を出していました。さて、今度の予測はどうなるでしょ
うか。
                        (企画経営部 樋田史郎)
神奈川県近海海況予報
http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/gyokaikyo/KinkaiKaikyoYoho/
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■神奈川県の漁協紹介
第13回 横須賀市東部漁業協同組合浦賀久比里(うらがくびり)支所

 京急久里浜駅より徒歩5分。平作川にかかる夫婦橋は神奈川の橋100選にも
なっており、橋の下に大きな釣り船がひしめき合っているのをご覧になったこ
とがある方も多いでしょう。この橋のたもとに浦賀久比里支所があります。

 佐藤潤一主任にお話を伺いました。
「浦賀久比里支所は、久比里と、浦賀港の2つの地区からなります。
ここで盛んな漁業は、たこつぼ、刺し網、わかめ養殖です。たこつぼを専門的
に操業している方は8経営体おります。

 タコは活きた状態で、久里浜支所と共に久里浜にある香川県漁連に出荷して
います。また、水揚げ後すぐゆであげ冷凍したものを、通販でも販売しており
ます。

 刺し網を中心に操業されているのは5経営体ほどあります。ヒラメ、イセエ
ビ等を対象としており、横須賀市場等に出荷しております。

 最後に、わかめ養殖です。わかめ養殖を行っている方は20経営体前後ありま
す。生わかめと干しわかめの両方を用意して、どちらも通販を行っております。
季節ものなので、1月-3月初旬までという限られた期間しか扱っていません
が、とても好評です。

 また、年開けには、地元郵便局等でわかめの無料配布及び試食会を行う予定
です。ぜひ、一度ご賞味いただければと思います。」

 この支所では自ら販路拡大のための取り組みを積極的に行っており、取材の
最中にも、郵便局の方ががゆうパックについて打ち合わせに来られたりしてい
ました。

 また、さらにより多くの方に利用いただけるよう、支所のホームページも立
ち上げ、インタ-ネット通販にも取り組み始めたところです。

 ※わかめ無料配布及び試食の日程は、下記の予定です。
 久里浜郵便局1月19日(月曜)、2月9日(月曜)の2回
 大船郵便局1月26日(月曜)
 鎌倉郵便局2月2日(月曜)
 田浦郵便局2月16日(月曜)

詳細については、支所にお問い合わせください。
横須賀市東部漁業協同組合 浦賀久比里支所
電話 046-841-0225
浦賀久比里支所のホームページ
http://www.yokosuka-tobu-uk.com
                 (取材 企画経営部 小川 砂郎)
浦賀久比里支所の写真
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[最近のホームページ更新情報(12月22日)]
漁海況月報11月号(定置水揚)及びPDFファイルを掲載しました。
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[編集後記] 
 いつもお読みいただきまして、ありがとうございます。今年は皆様にとって
どのような年だったでしょうか。さて、この号が年内最後の号となります。新
年は1月9日から再開いたします。
 水産総合研究所の業務は年内は12月26日(金曜)まで。新年は1月5日(月曜)
からとなります。この間メールのお問い合わせへのご回答等滞ることもありますが、
ご容赦ください。よろしくお願いします。
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発行:神奈川県水産総合研究所 企画経営部 担当 小川
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2311
ご意見・お問い合わせ:fish.415@pref.kanagawa.jp

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