神奈川県水産総合研究所 メルマガ027

掲載日:2014年3月20日

-- Fish-mag >゜)))< ------------------------
/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.027 2004-01-16
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
□□研究員コラム
・アワビの産卵状況調査(栽培技術部 滝口 直之)
・魚の王様をいかにして食らうか?(資源環境部 秋元 清治)
□神奈川県の漁協紹介
・第15回 横須賀市東部漁協久里浜支所
-----------------------------------------------------------------
●アワビの産卵状況調査
 アワビの産卵期は10月頃から1月頃までです。栽培技術部では現在アワビの
初期生態調査を行っている真っ最中です。今回は調査の様子を紹介したいと思
います。

 調査の方法は、アワビ稚貝の餌となる珪藻をあらかじめ繁茂させたプラスチ
ック板(コレクタ)を水深5mほどの海底に設置し、1週間後に新しいコレク
タに交換する作業を毎週繰り返しています。

 コレクタで採集されるアワビは着底後1週間以内のものですので、大きさは
0.3mmから0.5mmぐらいしかありませんから水中での目視観察は不可能です。そ
こで、付着力が弱いアワビ稚貝が流失しないように、水中でチャック付きポリ
袋に収容し研究所に持ち帰ります。

 実験室ではコレクタごとアルコールを入れた海水に漬けて麻酔をかけ、コレ
クタ上にある全てのものを回収し、顕微鏡を使って大量の砂粒にまぎれたアワ
ビを探し出します。

 今産卵期の稚貝の着底状況は、昨シーズンと比べて少ないようです。なぜ着
底量が少ないのか? 今のところその原因まではつきとめていません。同時に
行っている海洋観測のデータや親貝の生息密度、共同で同様の調査をしている
他県の調査結果などを踏まえ、アワビの自然界における産卵のメカニズムを明
らかにしていきたいと思います。

 なお、調査の背景や目的などについては、以前メールマガジンVol.003
 (http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583145.html)
で紹介させていただきましたのでそちらもご覧ください。

調査の様子や発見されたアワビ稚貝の写真はこちら
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p786121.html

※ひとりごと
 今から30数年も前のことですが、当時通っていた保育園の遠足で江ノ島水族
館を訪れたのが、私にとって初めての水族館でした。

 先生から「明日は、"かいじゅう動物園"に行きます。」といわれ非常に楽し
みにしていたのですが、当日"かいじゅう動物園"に行ってみると、どうも様子
が違う! "かいじゅう"とは怪獣ではなく海獣と書くことを知ったのはずいぶ
ん後のこと。

 そんな思い出のある江ノ島水族館が今年4月の新規オープンにそなえ1月12日
で閉館しました。新江ノ島水族館のオープンが今から楽しみです。

思い出の秘蔵写真はこちら
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p786126.html
                    (栽培技術部 滝口 直之)

●魚の王様をいかにして食らうか?
 魚の王様といってまず思い出すのはマダイであろう。古今東西、マダイは姿
の美しさ、味の良さから魚の王様の称号をほしいままにしてきた。しかし、本
当にマダイはKing of fishと言えるだろうか。評価の基準は様々あるが、こ
こでは単純に魚の価格から評価してみたい。

 そこで、マダイの産地価格について本県を代表する3漁港(三崎、松輪、長
井)の2002年の水揚げデータを用いて算出した。

 結果は、天然マダイは1kg当たり1,750円で、アマダイ3,673円、ヒラメ
2,681円、カサゴ1961円に次いで第4位となった。(しかし、天然のマダイの場
合、色、サイズによって取引価格は大きく異なり、1kgを越える美鯛となると
単価はトップクラスとなるが・・・。)

 魚の王様の議論はさておき、悔しいのはこれら沿岸の高級魚が我々の口にほ
とんど入らないことである。

 2000年のJAS法の改正により魚屋の店頭で売られる鮮魚には産地表示が義
務づけられているが、実際に魚屋の陳列ケースを眺めてみると意外なほど神奈
川産の魚が少ないことに気づく。

 漁業情報サービスセンターによれば平成14年の水産物の消費地価格(10大都
市)は1kgあたり796円で、産地価格163円の4.8倍となっている(全魚種含む)。

 これはイワシやサバなどの多獲性の魚を含めた値ではあるが、いずれにして
も産地価格で2000円以上するような高級魚は庶民にとってはとうてい高嶺
(高値?)の花ということであろう。
 しかし、我々にもチャンスが無い訳ではない。そう、自分で釣りあげればい
いのだ。マダイ釣りの遊漁では4-6月の産卵期になると1kgを越えるマダイ
が1日で4-5枚も上がることがある。こんな風に考えると趣味と実益を兼ねた
マダイ釣りの根強い人気が分かるような気がする。
                    (資源環境部 秋元 清治)
-----------------------------------------------------------------
■神奈川県の漁協紹介
第15回 横須賀市東部漁協久里浜支所

 久里浜といえば、何を思い浮かべるでしょうか。やはりペリー上陸の地でしょ
うか。
 この地は、東京湾南部水産振興事業団、マグロの倉庫、香川県漁連等水産に
関する施設も多いところです。

 金谷行きフェリーの発着所の隣、漁船がたくさん並んでいる港内に久里浜支
所があります。
 組合の関沢孝さんに話を伺いました。

「久里浜地区では、昭和42年の横須賀市東部漁協合併以前からたこつぼと延縄
(はえなわ)を中心とした漁業が行われていました。

 久里浜のタコは築地でも高く評価されています。住んでいる場所の潮流がよ
い、えさとなるカニがたくさんいるなどと言われており、タコにとってよい環
境なのでしょう。

 この支所では網屋丸(三富国夫さん)、吉五郎丸(山上晃さん)が、タコを
専門とした操業を行っており、出荷は、浦賀久比里支所と一緒に香川県漁連を
通じて行われます。

 このタコは、寿命が1年と短いため資源予測が難しく、年によって大きく増
えたり減ったりします。

 また、延縄によるアカムツもたくさん水揚げされます。この魚はご存じのと
おり白身で、煮物、刺身、焼きものとなんでもおいしいですが、特に煮物がお
勧めです。個人的には味をちょっと濃いめにする方が好みです。

 久里浜は釣船の歴史も古く、「ムツ六」が昭和20年代に、ムツの仕立て遊漁
を始めたのが最初のようです。

 この地区に来られるお客さんは、腕に自信のある方が多いようで、釣りメ
ニューも玄人向けです。船宿だけでなく、船頭さんにもこだわる人が多いよ
うです。最近の釣り物ではタチウオです。アジ、マダイにも人気があるよう
です。」

                 (取材 企画経営部 小川 砂郎)
横須賀市東部漁協久里浜支所の写真
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p786129.html
-----------------------------------------------------------------
[最近のホームページ更新情報(1月9日-1月14日)]
漁況予報「いわし」2004年 1-2 月号
漁海況月報12月号(海況・三崎水揚)
-----------------------------------------------------------------
[編集後記]
 新聞等の報道によりますと、今回ご紹介した久里浜港の港湾施設が、ちょう
ど昨日、15日から供用開始されたとのことです。
 物流の拠点となるということもありますが、水産関係の施設も整備されると
聞いておりますので、今後も注目されることが多くなると思います。 

-----------------------------------------------------------------

■水総研メールマガジン(毎週金曜日発行)
■配信の変更、解除は、こちらから↓
http://www.agri-kanagawa.jp/suisoken/mailmag/

発行:神奈川県水産総合研究所 企画経営部 担当 小川
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2311
ご意見・お問い合わせ:fish.415@pref.kanagawa.jp

-----------------------------------------------------------------

メルマガTOPへ

神奈川県

このページの所管所属は 水産技術センター です。