神奈川県水産総合研究所 メルマガ031

掲載日:2014年3月20日

神奈川県水総研メルマガ VOL.031 2004-02-13

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.031 2004-02-13
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□□研究員コラム
・マダイの標識(企画経営部 高間 浩)
・種苗生産を支える名脇役(3)(栽培技術部 山田 敦)
□神奈川県の漁協紹介
・第19回 諸磯漁業協同組合
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●マダイの標識
 昨年10月の話になりますが、小田原魚市場で標識のついた20歳のマダイ
を当研究所職員が発見しました。(水総研メルマガvol.025既報)

 標識はプラスチック製のアンカータグ(衣類などのタグを止めているものと
同じ)で、KN83、N2255という字が書き込まれていました。
 標識番号から、この魚は1983年に神奈川県水産試験場(水総研の前身)で種
苗生産され、中郡二宮町沖で放流されたものであることがわかりました。

 当時の放流担当者であった私にとってこのニュースは大変感慨深いものでし
た。
 この魚は、少しでも大きくした魚を放流しようとして、通常の放流時期であ
る8月から二宮地先の定置網に誂えた生簀で約4ヶ月間飼育し、84年1月に
放流した4千尾のなかの1尾でした。

 つまり、二宮町沖の地で比較的長く飼育されたものです。そのことが20年
後にも放流地点付近でとれた理由かどうかわかりませんが、他の放流魚とは少
し経歴の異なったものでした。

 当時の二宮定置網須藤漁労長、熱心な試験場の飼育担当者、夏場の小網代湾
(試験場の飼育生簀があった場所)での標識付け作業、寒風の中での二宮定置
網での標識付け作業、一片のプラスチックタグからいろいろな思い出が思い起
こされます。

 現在、マダイ放流事業ではこの標識は、脱落が多い、魚体に傷が付くなどの
理由から用いられなくなりましたが、当時は移動経路や放流効果の推定のため
に、多い年で10万尾、平均でも3万尾余りの魚に標識付けしたものです。
 水産総合研究所の仕事は、なかなか人の目に触れない地道なものが多いので
すが、こうした努力が少し報われるような出来事でした。
                   (企画経営部  高間 浩)
標識付け作業風景、タグ、タグガン、標識のついたマダイ
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583081.html
水総研メルマガvol.025(バックナンバー)
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583098.html

●種苗生産を支える名脇役(3)
 種苗生産施設の紹介を毎回行っていますが、第3回目として肺に当る空気供
給装置を紹介したいと思います。

 ブロアーポンプと呼ばれており、空気をポンプにより圧縮し水槽へ送る装置
の総称です。

 熱帯魚や金魚などの観賞魚でも使用することはあるかと思いますが、水槽内
に過度の飼育密度でなければ使用する必要がありません。なぜなら水面からの
酸素供給や水槽内の水草や植物プランクトンの光合成による酸素供給が水槽内
の生き物が必要とする溶存酸素量を賄っていれば良いわけです。

 当研究所では、できる限り効率的に種苗を作ることを目標に置いています。
例えばヒラメでは3,000尾/平方m以上(水槽底面積の密度)という自然界はもち
ろん鑑賞用で飼育している以上の高密度で飼育しています。

 ではもし停電などで、海水供給ポンプやブロアーポンプが停止したままでは
どうなるでしょうか。諸条件で異なりますがこの密度で放置しておくと一時間
で溶存酸素が極端に低下し、すべて死んでしまうことになりかねません。

 装置は、種苗生産施設内に配置され、24時間休むことなく生産施設の各所
へ空気を供給しています。ブロアーポンプは4台設置され、生産状況に対応し
て稼動台数を選択します。

 ポンプの形式は3葉式ツールブロアといい、植物のクローバーのようなロー
ターを二つ組み合わせ、空気の圧縮を行います。特徴は低騒音や低振動および
安定的に大量の空気を遠くへ効率的に送ることができます。動力はAC200V、
出力は3.7kw/台で、4台運転時の最高風量は毎分12立方mです。

 装置の管理担当者は毎日、定時(朝、夕2回)に巡回を行い、記録事項(稼
働台数、運転電流、吐出空気圧など)を記帳して、運転状況に異常がないかを
確認しています。

 メンテナンス(消耗部品の交換)や緊急時(停電時)における即座の対応の
ために保守点検も定期的に行っています。
 また、停電時は全ての機械が停止する中、唯一エンジン(非常用エンジン)
により稼動ができ、酸素を供給することができます。

                     (栽培技術部 山田 敦)
ブロアーポンプ
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583082.html
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■神奈川県の漁協紹介 第19回 諸磯漁業協同組合
 浜にはワカメを干す漁師の姿が見える。浜諸磯には定置網に使われる10隻
の船とアワビ、サザエを捕るための小型の漁船が並ぶ。一方、隣の油壺湾には
立ち並ぶヨットのマスト、それから少し大きめの漁船兼釣船。対照的だ。

 この静かな漁村ともいえる浜諸磯に、諸磯漁協の事務所はある。組合長さん
にお話を伺った。

「諸磯漁協の中心となる漁業種類は定置網。現在、37歳から60歳までの10人が
働いている。水揚げのための船は10隻。漁場は目の前。漁獲の対象は、イワシ、
あじ等が中心。その他時期によって、スズキ、メトイカ、ヤリイカ、サバ等が
水揚げされる。
 今の時期、夜明けが遅いので港を出るのは、朝6時前だが。夏はもっと早く
なる。

 カツオ釣り用の餌となるカタクチイワシは、木製のいけすを浮かせてそこに
入れておく。周年捕れるが、餌となるのは2月から9月ぐらいまで。九州の方
から100tクラスの船がカツオを狙って来る。登りカツオの時期に餌となるカ
タクチイワシが捕れていないとならない。

 昭和24年の漁協設立時には、すでに今の免許内容であるあじ・いわしを対
象とした定置網だった。その当時は17名前後が働いており全ての作業を人力
でまかなっていた。この船には地元の組合員が乗ることになるが、希望者が多
く抽選で乗る人を決めたぐらいだ。

 地先の漁業はアワビ、サザエ、磯魚、わかめ等磯根の資源が対象。刺し網、
ヒラメ網も行われている。
昭和20年頃は、初声と海外(かいと)から1隻ずつ、業者が「潜り」を行っ
ている船の横に、直接船をつけ買い取っていたそうだ。

 昭和40年頃になると、浜で取引が行われるようになった。現金払い、いわ
ゆる浜値での取引。その後は、現在は三浦の市場に水揚げするようになった。

 「うらり」の中に展示されている、地先で行う「まき網」の船は諸磯のもの。
私(組合長)はこの船に乗っていたことがある。といっても当時の乗組員の中
では一番若い方だった。

 当時は手こぎだった。「うらり」においてあるのは「三ちょうろ」と呼ばれ
る長さの櫂(かい)で、もっと長いものもある。材料は樫(かし)の木を使っ
ている。それぐらい堅くないともたない。しかし、いくら堅いといっても使っ
ているうちに波で削れていくのだ。

 この「まき網」では9月頃にはアジを、10月から12月になるとカマスを狙った。

 網をしまう時、水揚げする時等の作業は村全体を集合させるが、その合図は
ホラ貝を使っていた。半農半漁なので、合図があると畑から降りていって皆で
作業をすることとなる。」
                 (取材 企画経営部 小川 砂郎)
諸磯漁業協同組合の写真
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583083.html
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[最近のホームページ更新情報(2月9日)]
漁海況月報1月号(海況・三崎水揚)を掲載しました。
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[編集後記]
 2月6-7日に開催された、かながわ新鮮市にお越しくださいましてありが
とうございました。アンケ-トも無事終えることができました。このようなア
ンケ-トは、今後の県産品のPR方法や、イベント開催、施策等の方向付けに
非常に貴重な資料となります。結果については、メルマガやホームページ等で
もお知らせできるようにと考えております。
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