神奈川県水産総合研究所 メルマガ036

掲載日:2014年3月20日

神奈川県水総研メルマガ VOL.036 2004-03-19

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.036 2004-03-19
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□□研究員コラム
・熨斗(のし)って何だ?(栽培技術部 滝口直之)
・船の速さ(企画経営部 樋田史郎)
□神奈川県の漁協紹介
・第22回 横浜市漁業協同組合柴支所
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●熨斗(のし)って何だ?
 卒業、入学、就職の季節となり、新たな生活に希望を胸を膨らませている方
も多いかと思います。おめでたい席では古くから「なまぐさもの」といって魚
介類がご馳走として出されてきました。
 おめでたい魚といえばマダイですが、アワビもまた、おめでたい魚介類の象
徴といえます。

 アワビの食べ方としては、刺身、煮貝、ステーキ、貝殻焼き(地獄焼き)な
どが思い浮かびますが、実はアワビの料理法はもっと沢山あります。
 現代日本料理方総覧には、魚介類の色々な調理法が記されていますが、その
中で、アワビの調理法は151種類、ハマグリ61種類、カキ53種類、アカガイ48
種類と、貝類ではアワビの調理法が圧倒的に多いことがわかります。古くから
アワビがおめでたい席に出され、様々な調理法が生み出されてきたことがうか
がえます。

 さて、お祝いのための贈答品の印に使う「のし」や「のし袋」がありますが、
現在では単にひらがなの続け字で「のし」と書いてあったり、色紙を折ったも
のが付いています。

 元来は、アワビの肉を薄く長く剥ぎ、乾燥して伸ばした「熨斗(のし)アワ
ビ」が用いられていたのですが、現在では形式化されて本物のアワビの熨斗
(のし)を使うことはないようです。これも、アワビがおめでたい魚介類であ
る証拠だと思います。

 また、熨斗(のし)アワビをデザインしたものは、大漁旗や仕出し弁当のフ
タにも見つけることができます。
                   (栽培技術部 滝口 直之)

「のし」や熨斗(のし)アワビの画像はこちらから
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583066.html

●船の速さ
 船好きによる船の話題をつづります。今回は「船の速さ(その1)」です。

 当所の漁業指導船「江の島丸」は、もともと伊豆諸島のサバ漁業(ちょうど
今ごろが盛んな時期です)を対象とした資源調査を主に行なっていました。し
かし、2001年から相模湾・相模灘、東京湾を毎月巡る海洋観測(毎月延べ5日間
の航海)も受け持つことになりました。

 伊豆諸島での漁獲調査は、昼近くに餌・氷等を積み込んで、夕方に伊豆諸島
の漁場に到着し、夜間に操業して夜明け前に切上げ、午前中に帰ってくるスケ
ジュールでした。

 これは遅い船でも実施可能な調査なので、江の島丸は10ノット足らずの速さ
しか出せない設計となっています(速いにこしたことはないですが)。

 一方、海洋観測は、計画した観測点をできるだけ短時間に周りたいのですが、
江の島丸の速さでは、どうしても5日間かかってしまいます。それだけ期間を
要すると、時化(しけ)などで航海が延期されると、月の計画が月末まで完了
しない場合が多くなってしまいます。

 さらに大変なのは、東京湾の調査です。東京湾の航路は12ノットの速度制限
がありますが、江の島丸が一杯に走っても巨大な貨物船に追い立てられること
になります。

 まるで、大型貨物が地響きを立てて通過する幹線道路をスクーターで走り回
るような感じで、安全航海の全責任を負う船長は大変です。

 そこで、必要な調査・観測をテキパキこなせるような船を代りに新しく作る
計画を進めています。

 最初の計画では、神奈川県近海のどの海域でも機敏に走り回るだけの船速を
考えていましたが、船速に必要な馬力(=エンジンの大きさ、燃料消費)は船速の
2乗から3乗に比例するため県の財政状況が許さず、東京湾の貨物船の流れに何と
かぎりぎり乗れる程度の船速になりそうです。

 ところで、上に断りもなく書いていましたが、船の速さの単位は「ノット」
です。1ノットは1浬/時です。1浬は1.852kmです。

 メートルの単位が国際標準ですが、この浬はノーチカルマイルとも言い、地
球上では合理的な単位です。というのは、大海原は何も目標が無く、昔は天体
の位置を目印に自分の場所を把握していました。今でも、天体(人工衛星です
が)の助けを借りて自分の位置を把握します。

 これらで算出される位置は「日本橋からの距離」等ではなく、地球を等分し
た緯度・経度です。緯度・経度の「度」の1/60は1分です。そして、緯度の1分
の距離が1浬と定められています。

 10ノットの船が、緯度にして1度の距離を走るのに要する時間は、1度→60分
→60浬、60浬÷10ノット(浬/h)=6時間です。
 三崎から三宅島は、緯度がほぼ1度くらいなので、江の島丸は6時間強かかり
ます。

 さて、江の島丸はこのように10ノット足らず(自転車の速さ)で遅い船ですが、
逆に、速い船とはどれくらいの速さを皆様は想像されますか。実は、江の島丸
と同様のタイプの漁業調査船では、14ノット出ればかなり速い船なのです。

 時速にすると、25km/hです。原付の制限が30km/hですが、それよりも遅いの
です。中には、三重県の調査船「あさま」の様に飛びぬけて速い特殊な例があ
りますが、それでも22ノット、40km/h程度で、自動車の速さと比べるとやはり
遅いと言えましょう。
 このことについては、趣味的にはおもしろい話しがあるのですが、またいず
れの機会に書きたいと思います。
                       (企画経営部 樋田史郎)
江の島丸
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583067.html
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■神奈川県の漁協紹介 第22回 横浜市漁協柴支所
 “蒼穹の下 魚鱗耀きし地”。横浜八景島近く、柴漁港碑前という交差点の
横に大きな石碑があり、この文字が刻まれています。

 昭和45年に柴の地先の埋め立てが行われ、柴漁業協同組合が一度解散したこ
とを記念して建てられた碑です。東京湾の漁業の歴史は漁場の埋め立てといつ
も直面してきました。
 共同漁業権はなくなりましたが、その後、昭和56年に本牧、柴、金沢と合併
して横浜市漁業協同組合になったことは、前号でもご紹介いたしました。

 柴といえば、小型底曳き網によるシャコが水揚げの中心です。
 「小柴のシャコ」ブランドとして市場でも高く評価され、築地でのシャコ取
扱量の約4-5割のシェアをこの柴のシャコが占めています。高級寿司店や料
亭等にも出荷されることが多いようです。

 横浜市漁業協同組合柴支所の草柳裕さんにお話を伺いました。
「東京湾のシャコを漁業者が自家加工して出荷しているのは、現在柴だけです。
54ヶ統の小型底びき船が稼働しており、水揚げされたシャコは釜ゆでされ、殻
をむかれてきれいにパッキングされたあと、漁協で一括集荷して市場に出荷し
ております。

 近年、組合全体の水揚げ金額に占めるシャコの割合が高まっているため、資
源管理に取り組みながら操業を行っております。例えば「2操1休(にそういっ
きゅう)」という取り決めもそのうちの一つです。これは、2日出漁したら1
日休漁するというもので、資源管理だけでなく取りすぎによる単価の暴落を避
ける効果もあります。

 この2操1休は昭和53年から行われていますが、当時は、第二次オイルショ
ックによる燃料不足回避という面もありました。

 その他、出荷サイズに満たない小型のシャコだけが逃げるように網目を工夫
した漁具を全船で採用する等、日々工夫を重ねています。

 シャコのおいしい食べ方としては、ゆでたてをわさび醤油か、殻付きのまま
長ネギと一緒にみそ汁というのが好みですが、これは取れたての生きているも
のしか調理できないので一般の方が口にするのは難しいかもしれません。

 漁業者の加工した「むきしゃこ」は、日曜祭日に開催される直売所で入手す
ることができます。ただし、毎回あるとは限りませんので、お問い合わせいた
だいた方が確実です。」

横浜市漁業協同組合柴支所 電話045-701-8182
直売時間:日曜・祭日14:30-17:00
                      (取材 企画経営部 小川 砂郎)

横浜市漁業協同組合柴支所の写真
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583068.html
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[最近のホームページ更新情報(3月12日)]
漁況予報「いわし」2004年3-4 月号
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[編集後記]
 お知らせです。小田原漁港では毎週土曜日に朝市が開催されておりますが、
その場をお借りしまして3月27日(土曜)にアジの試食調査を実施する予定です。
朝市に来られる方ぜひご協力をお願いいたします。
 朝市の様子は、No26でご紹介いたしました。そちらもご参照ください。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583069.html
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発行:神奈川県水産総合研究所 企画経営部 担当 小川
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2311
ご意見・お問い合わせ:fish.415@pref.kanagawa.jp

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