神奈川県水産総合研究所 メルマガ038

掲載日:2014年3月20日

神奈川県水総研メルマガ VOL.038 2004-04-02

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.038 2004-04-02
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□□研究員コラム
・江の島丸サバ調査の一日(後編)(資源環境部 岡部 久)
・ヒラメはえなわに技を見た(栽培技術部 一色竜也)
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○江の島丸サバ調査の一日(後編)
前編のあらすじ

 3月某日、三崎を出港した我らが江の島丸は、「時化男(しけおとこ)」の乗
船にもかかわらず凪(なぎ)の中を順調に航行。夕刻、目的のヒョウタン瀬で操
業を開始するのであった・・・。

18:00以降
 最初の操業は群れ薄く、タモ網を入れるに至らず(注1)。東北東方向へ
2.5ノットの強流。流されては戻すの繰り返し、サバのサンプルはごくわずか。
カモメがなにやら追っかけて騒いでいる。この間もいい凪。乗組員曰く「凪な
らスカタン(注2)」。

20:00ごろ
 何回目かの流しのとき、カモメが数羽頭上で騒ぐ。水しぶきとともに「ボト
ッ」。大きなサンマが降ってきた。カモメが追っていたのはサンマ。1羽が捕
るとそれを横取りしようと空中戦を展開。もみ合いのうちに獲物を船に落とし
たのであった。

22:00ごろ
 夜食はトン汁。これも喉を通る。乗組員曰く「雨が降るんじゃねーか?」。
その後、利島向け。

0:00ごろ
 利島到着。本当に雨。北側の防波堤のある方の際(きわ)を流す。強い反応が
あり灯火とコマセにゴマサバが浮上するも、食いが悪く苦戦。それでもハネ釣
り(注1)、タモ網でゴマサバ小、ピン(注3)約300kgの漁獲。わずかに平
(ひら)サバ(注4)小混じり。船上で体長測定。

3:00ごろ
「やめんべよ」と船長。今日は珍しく最後まで凪。乗組員曰く「やっぱり凪な
ら獲れてもピン」。こんな日もあります。その後三崎向け。

7:00ごろ
 三崎入港。水揚げ。「ちっとこまけーな」と仲買のおじさん。一部サンプル
は研究所へ運び、体長、体重、成熟の度合いなどを計測する。今日も一日お疲
れ様でした。

注1:浮上したサバの活性が高まると、頭をそろえてコマセに突っ込んでくる。
そこへタモ網を入れて掬い取る。ハネ釣りはタモの前段に魚の活性と大きさを
確かめるために行う疑似餌を使った釣り。タモが普及する前は主流だった漁法。

注2:スカタンとはぜんぜん取れないという意味。私が乗ると「時化かスカタ
ン」といわれています。

注3:ピンは鮮魚として扱われないような大きさのこと。重さでは300g以下。
小さいという意味。

注4:マサバのことを漁業者は平(ひら)サバ、ゴマサバを丸サバといいます。
                        (資源環境部 岡部 久)
マサバとゴマサバ
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583062.html

●ヒラメはえなわに技を見た
 ヒラメのサンプルを得るために2月中下旬にかけて三浦半島西岸海域で「ヒ
ラメはえなわ調査」を行いました。

「はえなわ」とは、幹縄という1本の長い縄に釣針の付いた枝縄を多数等間隔
に付けた漁具です。
本県のヒラメ漁業の主力は刺網漁業ですが、沿岸にいる小型のヒラメの分布を
調査するには「はえなわ」は有力な手段といえます。

 朝、5時佐島漁協を出港。2月中旬のこの時間はまだ満天の星空です。沖に
出ると、どこから空でどこから海か分からないほど真っ暗です。この日は波も
穏やかで漁船のエンジン音だけが静かに響き、遠くに岸の明かりがぽつりぽつ
りと見えとっても幻想的な雰囲気です。途中、漁港内の生け簀に寄って餌とな
るカタクチイワシを船の活魚槽に活け込みます(写真1)。ヒラメの餌は活き
ていないと効果的ではないのです。

 漁場に着くと船頭が「はえなわ」を仕掛けるため、同乗の弟さんが舵をとり
ます。船が進む速度に従って、どんどん釣針に餌をつけ仕掛けて行かなくては
なりません。これぞ兄弟船、絶妙な呼吸で「はえなわ」が仕掛けられていきま
す(写真2)。

「はえなわ」はある長さずつ複数の笊(ざる)に納められています。まるで
「ざるそば」のようですね(写真3)。

 笊の廻りに釣針が掛けられており、この釣針を1本ずつ外しながらカタクチ
イワシを活きたままかけていきます(写真4)。

 2月の夜明け前、もっとも寒い時間です。塗れた手にしびれるような寒さを
堪えながら、全部で300本以上ある釣針を仕掛ける作業が1時間半程続きます。

 「はえなわ」を入れ終わったころ夜が明けてきました(写真5)。今度は入
れ始めた場所に戻りあげていきます。選手交代、今度は船頭が舵とり、弟さん
が「はえなわ」を引き上げます。でもかかってくるのはウミヘビやエイ、サメ
ばかり(写真6)。ひらめはいずこ・・・・。

 この日はヒラメが4尾獲れました(写真7)。潮が悪く、なかなか渋かった
ようです。

 このような卓越熟練した技を持ってしても、魚を獲ると言うことは大変なこ
となのですね。我々は漁師の皆さんに感謝しなければなりませんね。
(昔は食べ物を粗末にすると、お百姓さんや漁師さんに申し訳ないって、よく
親にしかられたものです。日本人はこの伝統を守らなきゃいけませんよ!!)

 本調査は横須賀市大楠漁協の三次郎丸さんにご協力いただきました。
                        (栽培技術部 一色竜也)
はえなわ操業の様子
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583063.html
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[最近のホームページ更新情報(3月26日-4月1日)]
県水産職員著作物の紹介
ダウンロードコ-ナ-に水総研情報2004vol1(pdf形式180kb)を掲載しました。
漁海況月報2月号(定置水揚げ)及びPDFファイルを掲載しました。
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[編集後記]
 新年度になりました。大きな異動もなく、メルマガの担当者も変わりません
ので、引き続きよろしくお願いします。
 先日の小田原朝市におけるマアジ試食にご協力いただいた方々ありがとうご
ざいました。とりまとめについては、後日改めてご報告いたします。
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