神奈川県水産総合研究所 メルマガ039

掲載日:2014年3月20日

神奈川県水総研メルマガ VOL.039 2004-04-09

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.039 2004-04-09
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□□研究員コラム
・どこどこいくの?(資源環境部 秋元 清治)
・トコロテンのもと(企画経営部 菊池 康司)
□神奈川県の漁協紹介
・第24回 城ヶ島漁業協同組合
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○どこどこいくの?
 「どこどこいくの?」と言えば喜納昌吉さんの名曲「花」の歌詞が思い出さ
れるが、魚の卵や仔魚も産卵後、海の表層を漂っているものが多く、どこに流
されていくかはまさしく潮流まかせと言うこととなる。

 現在、小田原市御幸が浜の人工リーフ周辺に出現する卵・仔魚を調べている
が、結果はやはりこの歌を地で行く結果となりそうである。

 リーフ周辺をプランクトンネットで曳網するとキュウセン、ササノハベラ、
ホンベラを始めとするベラ類、メゴチ、イネゴチ、シロギスなどの卵が多く採
集される。

 しかし、これらの卵は一つ一つがバラバラに浮遊する性質を持つ(分離浮遊
卵)ことから、海流によって沖合に流されてしまうようでこれらの仔魚はまっ
たく採れなかった。一方、これとまったく反対の結果となったものがあった。
 それはハゼ類やギンポ類の卵・仔魚である。これらの卵は海藻などに産み付
けられる(沈性粘着卵)ことから、卵は採集されないが、孵化後の仔魚はリー
フ周辺で採集されるのである。

 このように、魚の場合、卵や仔魚がどこまで運ばれるかはその浮遊特性によ
り大きく変わってしまうと考えられる。
 従来から海洋においては浮遊する卵や仔魚の分散は大きいと考えられてきた
が、近年の遺伝的研究においても広い海域で遺伝子の交流が行われていること
が多くの種で示されている。

 しかし、一方でこれと反対の意見を唱える学者もいる。彼らのある者は、海
流モデルを計算し、仔魚はそれほど遠くへは運ばれないことを指摘している。

 また、ある者は、仔魚は単に受動的ではなく、垂直移動によって沿岸域に留
まるシステムがあるのではないかとし、さらに、ある者は海流の渦巻きが卵・
仔魚を産卵場や近隣の生育場に留めると指摘している。

 いずれにしても卵・仔魚の分散範囲や魚類の移動範囲は資源管理を考える根
幹になるものである。
 現在、様々な魚種で卵・仔魚の分散に関する研究が進められており、その全
体像が明らかになる日も遠からず来るであろう。
                      (資源環境部 秋元 清治)
御幸が浜の人工リーフ周辺で採集した魚卵
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583058.html

●トコロテンのもと
 先日、身近で、トコロテンが食べたいという話になり、海藻の天草からトコ
ロテンを作ってみました。天然の天草は夏ごろ磯の周りに生えているのが見ら
れます。

 何かのものが食べたいなと思ったとき、できあがったものを買いに行くので
はなく、どんなものから、どうやってできているのかなどと考えるのも楽しい
かかなと思っているこのごろです。

 このトコロテンや寒天※は海藻から作られるものですが、あまり水産とか興
味のない人はそれが何からできているか知らないということが結構あるのでは
ないでしょうか。自身を振り返ってみても寒天の産地が長野と教わったとき、
それが海産物からできるものだなんて考えもしませんでしたから。

 ちなみにトコロテンの作り方は干した天草を両手に一杯(20gくらい)を
洗って1リットルの水に入れ沸騰したらスプーン一杯のお酢を足して、煮るこ
と1時間。だいたい水の量が三分の一になったらキッチンペーパーで濾して型
に入れ冷まして出来上がりです。

 ちなみに生の天草は紅い色をしています。とってきた天草を、真水で洗って
干すことを繰り返して干し天草にします。(赤かったものが白くなります。)

 自分たちの食べ物を、できあがったものや、インスタント的なものではなく、
自分の手で原料から料理してみるのも、それがどうやってできるか実感でき、
その味もまた味わい深いものです。

※寒天とは、トコロテンを繰り返し凍結・解凍することで、中に含む不純物を
溶けるときの水といっしょに外に溶かしだしたものです。長野県の冬の野外気
温は、トコロテン中の水分が凍る温度と溶ける温度を行ったり来たりするので、
寒天の産地となったわけです。

                        (栽培技術部 一色竜也)
洗って干したテングサ
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583059.html
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■神奈川県の漁協紹介 第24回 城ヶ島漁業協同組合
 その距離500m。城ヶ島漁協は水総研から一番近い漁協です。

 組合員数は準組合員あわせて約130名。刺し網、覗突(みづき)等の小型漁
船を利用する漁業が中心の漁協です。

 参事の平野一雄さん、根岸良次さんにお話を伺いました。
「三浦半島先端に位置する城ヶ島は、外洋に面していることもあり、様々な資
源に恵まれております。漁師が水揚げしたサザエやアワビ等は組合が直接買い
取りにより集荷しています。

 そうやって集荷された品物の8割近くは、組合横の直販所で販売されます。
地元の料理店やお寿司屋さん民宿等をはじめとし、中には横須賀や横浜方面か
らも買い付ける方が来られます。

 早朝と午後3時頃、船があがる時にあわせて1日2回、買い付けの方が集ま
ります。水揚げしたものを計量し、ただちに販売するので、まさに取れたての
ものが取引されます。

 主に水揚げされるものは、アワビ、イセエビ、サザエ、ナマコ、トコブシ、
タコをはじめとして、アオリイカ、メトイカ、ヤリイカ、魚ではヒラメやカワ
ハギなどが多く見られます。

 これらは、組合直営の直売センタ-がありますので、一般の方もご購入いた
だけます。人手の関係で、直売センタ-は平日閉まっていることがありますが、
横道を少し奥まで進んでいただければ、水槽に入っている活きのよい魚を買う
ことができます。ぜひ、ご遠慮なくお声をおかけください。

 また、城ヶ島は「天草(テングサ)」や「ひじき」でも有名です。特に天草
は質がよく、三浦半島の値段の基準にもなっています。時期になるとだいたい
30軒ぐらいが刈り取りを行います。

 以前は、取り手も多く、干すところが足りず道路まで使って干していたこと
もあります。これらテングサ等は、組合で集荷した後、横須賀、三浦、千葉な
どの業者がまとめて引き取ります。

 また、城ヶ島裏側の長津呂崎(ながとろざき)から、「あそび船」と呼ばれ
る島を遊覧する船に乗ることもできます。半周コースと1周コースがあります
が、これも漁師が副業でやっているものですので、いろいろなお話も聞けるか
もしれません。」
                   (取材 企画経営部 小川 砂郎)
城ヶ島漁業協同組合
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p583060.html
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[最近のホームページ更新情報(4月8日)]
ダウンロードコ-ナ-に神奈川県水産総合研究所研究報告第9号(pdf形式)を
掲載しました。
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[編集後記]
 上のホ-ムペ-ジ更新情報に書いてありますが、研究報告第9号が完成いた
しました。研究の成果をとりまとめ、毎年発行しているものです。
 論文形式なので、難しい内容もあると思いますが、どういう調査が行われて
いるのか、タイトルだけでも眺めてみてください。 
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発行:神奈川県水産総合研究所 企画経営部 担当 小川
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2311
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