神奈川県水産総合研究所 メルマガ049

掲載日:2014年3月19日

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/KN/ 神奈川県水産総合研究所メールマガジン  VOL.049 2004-06-25
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□□研究員コラム
・アマモの水槽(栽培技術部 工藤 孝浩)
・小田原朝市でのマアジ試食(企画経営部 小川 砂郎)
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○アマモの水槽
 日当たりがよいマダイ大池の横に、白いFRP水槽が並んでいます。
これらはアマモの生産施設で、中でも長さ5m、幅と深さ1mの大きな水槽は、
アマモの種子を生産するためのものです。

 これだけの規模でアマモ専用水槽を揃えたのは、全国でも当所だけかも知れ
ません(写真1)。

 6月18日現在の大水槽の様子です(写真2)。

 実をつけた大量のアマモの花枝(穂)がゆらめき、よく見ると、手前の方が
茶色っぽく沈み気味です。

 実は、手前は5月22日に、奥は6月5日に、それぞれ横須賀市走水の天然ア
マモ場で採取されたものなのです。

 採った時は鮮やかな黄緑色だった花枝は、茎や葉に貯めた養分を未熟な種子
に渡しながら徐々に枯れて沈んでゆきます。

 種子はこの水槽の中で約2ヶ月かけて熟した後、取り上げられるのです。

 種子生産のコツは、この「徐々に」枯らせてゆくプロセスにあります。これ
を急激に進めると、種子までが腐って全てが終わってしまいます。

 水槽の大きさに見合ったアマモの収容量、海水の交換率、エアレーションに
よる水の循環、試行錯誤の末に得られたこれらの組み合わせにより、今のとこ
ろ生産は順調です。

 2基の大水槽には10万本を超える花枝が収容されており、8月には20万粒の
種子の収穫が期待されます。

 アマモ場再生の第一歩は、まず地元産の種子の確保からです。

 これがなければどんなにお金がある役所や企業が出てきても、アマモ場を造
る事はできません。
 遺伝子汚染を防ぐため、よそから種子を買ってくる事は許されないからです。

 その一方で、種子は誰でも生産できるものではないのも事実です。

 今後東京湾では、アマモ場再生の動きが活発化するでしょう。しかし、今の
ところ当所以外に大量の県内産種子を生産できる所は見あたりません。

 今は自前の研究のためだけに種子を生産していますが、将来は地元でアマモ
場を再生しようとする様々な機関へ身元確かな種子を提供する「種子バンク」
の役割も担いたいと考えています。

 最後に、5月22日の小学生も参加したアマモの花枝採りの様子と、花枝の研
究所への搬入の様子もご覧下さい(写真3,4)。
                    (栽培技術部 工藤孝浩)
アマモ水槽とアマモ花枝採り
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p785234.html

○小田原朝市でのマアジ試食
  小田原市漁協では、毎日水揚げされる魚介類の鮮度保持のため、殺菌冷却海
水装置の導入を行っております。

 定置網をしめる前に、船にたっぷりと殺菌冷却海水と氷を積んでいきます。
単なる水氷よりも冷やす力が強く、水揚げされた魚は魚槽(ぎょそう)に移さ
れた後急速に冷やされ、いわゆる「即殺」される状態になるのです。

 即殺されることで、死後硬直を遅らせ、高い鮮度を保ったまま、水揚げする
ことが可能となったわけです。

 さて、この殺菌冷却海水処理による魚の評価はどうなのでしょうか。

 小田原市の魚に指定されているマアジについて、朝市に集まった
方を対象に試食をしていただくこととしました。

 「A:殺菌冷却海水処理」と「B:従来の水氷処理」の2種類のマアジを用
意し、素性を隠したままお皿に並べます。

 まず見た目で判断してもらった後、試食していただき、新鮮と感じたか、食
感はどうか、等の項目について、評価をしてもらいました。

 実は、3月に第1回目の調査を行ったのですが、このときは、水揚げからあ
まり時間が経っていなかったこともあり、鮮度がよすぎてあまり差がでません
でした(鮮度を表すK値がA、Bともに2-6でした。鮮度がよい方が少ない
数値となります。刺身で食べられるK値は通常20前後以下と言われています。)。

 第2回目の調査を先週の土曜日(6月19日)に実施し、約50名の方に評価し
ていただいたところ、殺菌冷却海水処理のマアジの方が「おいしいと思った」、
「新鮮と感じた」、「食感がよかった」等の項目での評価が高く、総合評価に
おいても、水氷処理より殺菌冷却海水処理の方を高く評価する方が半数を超え、
品質が向上していることが伺われました。
 さて、朝市ではともかく普段水揚げされた魚は、消費者の方に直接販売され
るわけではなく、市場に水揚げされた後、仲買人さんがセリを行って値段を付
けていくわけです。

 仲買人さんへの品質アピールのため、小田原市漁協では、水揚げした魚が入っ
ている箱の中に、「神奈川県 大漁丸 米神定置 滅菌冷却海水使用」等と書
いた札を入れ、区別できるようにしています。

                     (企画経営部 小川 砂郎)

小田原市場のセリの様子と朝市(動画もあります)
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f450011/p785245.html
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[編集後記]
 漁協紹介をしばらくお休みして、次号から3回程度(財)神奈川県栽培漁業
協会についてご紹介の記事を書こうと思っています。マダイ稚魚の動画等も
あわせてご紹介できればと思っています。お楽しみに。

(財)神奈川県栽培漁業協会
http://www.kanagawa-sfa.or.jp/
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発行:神奈川県水産総合研究所 企画経営部 担当 小川
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2311
ご意見・お問い合わせ:fish.415@pref.kanagawa.jp

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